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  1. 63件ヒットしました

  2. 「…あれ、麻奈香?」
    声がする方を振り向くと
    「やっぱり」
    そう言って、無邪気に笑った彼

    彼とは恋仲の関係…“だった”
    中学生の頃、二年間付き合ったが…どこか合わないと感じ、私から彼に別れを告げた

    高校三年生になった今
    こうして話せるようになったのは…ごく最近で。
    「なに、いま帰り?…送るよ」
    そう言って、私の手から鞄を取って私の前を歩いた

    「…なぁ、そういえばさ」
    「んー?」
    しばらく歩みを進めた後、歩きスマホをしていた私は半分話を聞いていなかった
    「…お前、綺麗になったよな」
    「んー…って……は?!」
    突然の言葉に声が裏返る
    「…いやさ、クラスのやつが話してて。久しぶりにお前の顔見たいなーって思ってたら…スゲー綺麗になってて」
    「そんな事…」
    顔をパタパタ仰ぐ私に向き直って頬に手を添える

    「本当、俺には勿体なかったな!」
    さみしそうに笑う彼が、何故か脳裏に焼き付いて離れなかった

    きゅん

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  3. 「あ、先輩だ」
    秋晴れの空が夕焼けに染まる放課後
    私は廊下で、窓の外を眺める先輩を見つけた
    「せーんぱいっ」
    「…っ、!?…あぁ、お前か」
    一瞬、輝いた笑顔は…ふっと、曇っていた
    「?…どうかしましたか?」
    「あ、いや…」
    どこか様子がおかしい
    「…今日は、彼女さんと一緒じゃ無いんですね」
    「…っ!」
    …あれ、もしかしてNGワードだった?
    「…昨日、別れたんだ」
    「…そ、そうだったんですか」
    うわ…やっちゃったよ…
    「…うちの弓道部、女子が多いじゃん?
    後輩指導とか理由つけて毎日毎日部活ばっかりで構ってくれないって…
    愛想、尽かされちゃった」
    哀しそうな笑顔で言う先輩
    「…何事にも一生懸命な先輩を、私ずっと見てきました」
    ずっと、憧れてたこの背中を…
    「きっと…もっといい女の子が居ます」
    こんな事が言いたいんじゃないのに…
    「わ、私は…!」
    「…ありがとう」
    そう言って、先輩は去って行った

    きゅん

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  4. 「ー 絢音じゃん」
    地元のバスの停留所でバスを待っていた私
    「瞬!」
    そこに、幼馴染みの瞬がやって来た
    「何、どっか行くの」
    「これからバイト〜」
    気だるそうに言う私の隣に、瞬は座る
    「…もう辞めれば」
    「そういう訳にもいかないって
    ただでさえ人いないのに」
    私が務めるバイト先はいわゆるブラック
    「…かわいそ」
    空はもうすぐ日が落ちる暗さ
    スッと立ち上がった瞬はどこかへ行ってしまった
    「…あと十分もある」
    田舎町のここはバスの本数も少なく、待ち時間がとても長い
    「…あっつ」
    八月の下旬
    まだまだ茹だるような暑さが身に染みる
    と、そこへ…
    「冷たっ!」
    首筋に、何か冷たいものが触れた
    「…やる」
    目の前に差し出されたのは瓶に入ったラムネ
    「売店のおばちゃんがくれた」
    …買ってきたんでしょ?
    しかし嬉しさが勝り、ポンと開ける
    「…頑張れよ」
    私の髪をくしゃくしゃにして、彼は家路へと歩いて行った

    きゅん

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  5. 「うっし、全員揃ったなー?」
    キャプテンの声が、体育館中に響く
    「夏休みだからって甘くねえ!
    しっかり基礎練積んで、俺たちを超えて見せろ!」
    キャプテンの声に、部員たちの熱が入る
    「あ、茅ヶ崎!これ片付けといて」
    「は、はい!」
    先輩マネージャーは体育館の隅に置いてある沢山のマットを指さす

    「これ、で、終わり…っと!」
    ようやく最後の一枚を片付け終え、その場に座り込む
    「疲れたぁ…」
    私の声と同時に倉庫のドアが開いた
    「…うわっ!」
    「きゃっ?!」
    丁度入ってきたキャプテンと鉢合わせになり、床に倒れた私にキャプテンが覆いかぶさった
    「…っ、!」
    キャプテンとの距離はわずか数センチ
    「わ、悪い!」
    「い、いえ…」
    咄嗟に離れる私とキャプテン
    「…お前が必死に片付けたり部員の世話してくれてるの、見てたんだ」

    「…後で話したいことがある」
    そう言って、真っ赤になったキャプテンは倉庫を後にした

    きゅん

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  6. 「あちゃー…雨かぁ」
    せっかく部活がオフになって早々帰ろうとしたのに
    「生徒会室に海くん居たよ!それじゃ」
    親友の一椛は笑顔で帰ってしまった
    「…頼りたくないけど、仕方ないか」

    そうして私は幼馴染みの海がいる生徒会室に着き、窓の外から中を見渡す
    「…まだ会議中じゃん」
    諦めて元来た道を帰る私
    「…おい」
    ひっ!
    背後から、不機嫌そうな声がした
    「…なに、お前もう帰んの」
    「あー…うん。今日部活オフで」
    「…あっそ」
    …相変わらず無愛想なやつ
    「会議…頑張ってね」
    私はそそくさとその場を後にした

    「…嘘でしょ」
    数分後、雨はさらに激しさを増していた
    「まあ明日は休みだし、走ればなんとかー…」
    「ばかっ!」
    後ろから髪をくしゃくしゃにされる
    「風邪ひくだろーが!…ほら」
    そう言って傘に私を入れる
    「…帰んぞ」
    そっぽを向いていたのでその表情は見えなかったが…
    彼の耳が、少し赤みを帯びていた

    きゅん

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  7. 「最近、寂しい色ばっかだね」

    放課後の美術室でキャンパスへと筆を滑らせていた私は後ろから声を掛けられ振り向く

    「…そうかな」
    「何か、暗い」
    「…」
    「…まだ引きずってんの」
    「…うん」
    「…そっか」

    彼がいうのはつい先日
    大好きだったお婆ちゃんが天国へと旅立ってしまって…
    お婆ちゃんのいないお盆が、もうすぐ終わろうとしていた

    「…運命って、残酷だよな」

    彼女のパレットに目を落とすと、青や黒といった寒色系の色しか無かった

    「…っく…ひっく…」
    「…泣くなよ」

    楽しかった思い出を思いだし、しゃくり上げる私

    「…泣くなって」

    彼の声も、とても辛そうだった

    「…っ、……」

    なんて声をかけたらいいのか分からず、ギュッと彼女を抱きしめた

    「大丈夫。…俺がいる」

    そう言って、彼女の頭をぽんぽん

    「…落ち着いたら、一緒に帰ろう」

    いつもは強引な彼も…
    今日だけは、優しかった

    きゅん

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  8. 「やーっと終わったぁ…」
    雨だったその日、部活のミーティングが思ったより長引いたため帰る頃には外が大分暗くなっていた
    「あ、ごめん…教室に忘れ物してきちゃった!」
    ケータイを机の中に入れっぱなしだった…
    「もー、先行っとくね!」
    二人の部員が先に行き、忘れ物を取りに帰った私も慌てて二人を追いかける
    「…?」
    階段の踊り場に差し掛かった時、ふと誰かに見られている気がした
    「…っ、!」
    振り返ると、大きな鏡が一つ
    そして、その鏡には本来私が映るはずなのに…
    何故か、同世代ほどの男の子が立っていた
    「覚えてない、よな」
    彼は数年前、私を助けてくれた人だった
    数年前、交通事故にあいかけた私を庇って亡くなった彼は
    私の、当時のクラスメイトだった
    「…かっこ悪いけどさ、俺…ずっとお前が好きだったんだ」
    それが言えないまま、死んじまった
    「…っ、あの!」
    言いかけた私に笑顔を向け、彼は泡のように消えた

    きゅん

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  9. 私には、もう覚えていないけれど…十四年上の幼馴染みがいた

    「わぁ…綺麗…!」
    彼が教師として所属していた高校に入った私
    夕方の屋上から見える景色は格別だった
    「…もう、いないんだよね」
    私が小学校に入る前、彼は事故死した
    よく可愛がってもらったと母から何度も聞いて
    もっと仲良くなりたかったと、いつも思う
    「…暗くなるし、帰ろ」
    屋上のドアに手をかけた時、違和感を感じた
    「あれ、開かない」
    そして何故か、背後に誰かいるような気配を感じた
    「…久しぶり」
    低く透き通るその声に振り返ると
    見覚えのない、スーツを着た男が立っていた
    しかも姿は半透明
    「あなた…幽霊?」
    怪訝な顔をして問うと彼は笑う
    「幽霊っちゃ幽霊だな」
    無邪気な彼がどこか懐かしかった
    「…大きくなったな」
    私の傍へ来て頭を撫でる
    「心配でずっと見守ってたけど…
    もう、大丈夫みたいだな」
    「え…」
    風に乗って、彼は消えてしまった

    きゅん

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  10. 「じゃあ、またね!」
    その言葉を最期に、彼は亡くなった

    「…違和感、感じてたんだ」
    葬式が終わって、何となく教室に戻ってきた私
    誰もいないはずの教室に、人の気配を感じた
    「…居るんでしょ?そこに」
    私の声に答えるように、君は笑った
    「よく分かったね!…エスパー?」
    冗談交じりに眉を下げて笑う君
    だけど、君が死んだことは冗談なんかじゃない現実だった
    「…未練でもあるの」
    「…あるね」
    日が沈みかけた空は暗く、明かりのついていない教室は暗さを増した
    「…ついてこい、でしょ」
    「…ご名答」
    彼の言葉に、私は4階のこの教室の窓から身を乗り出して飛び降りた

    「…!」
    目が覚めた日、最初に視界に映ったのは白い天井だった

    「良かった…無事で…!」

    私は死んでいなかった

    そして

    私の代わりにあの時、偶然下に居合わせたという

    出来の悪い妹が私の下敷きになり、死んだという

    「…妹を選んだのね」

    きゅん

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  11. 〜♪

    屋上から、今日もまたあの音色が聞こえる
    心地よい、私の心を溶かすようなあの音色

    奏でるのはクールで有名な生田先輩
    軽音楽部のギターを担当しており、毎日放課後になると屋上でその音色を響かせる

    「…綺麗」

    夕暮れ時の空とマッチする彼の音色はどこか切なく、時々胸を締め付けられるようだった

    彼がひとり、屋上でギターを手に練習をしている時、決まって私は屋上一歩手前の階段に座ってそれを聞いていた

    「あれ、もうこんな時間…そろそろ帰らなくちゃ」

    鞄を手に取り、その場を後にしようとした私

    ギィ…と重たい屋上へのドアが開いたと思ったら生田先輩が

    「…毎日そこで聴いてたの、お前?」
    思いがけない出来事に戸惑うが素直に頷く
    「…上あがって聞けば」
    そう言うと、彼は自分が着ていたパーカーを私に投げて元の場所へと戻る

    彼の音色をいま目の前で聞いているのは私一人
    そう思うと特別感が嬉しかった

    きゅん

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  12. 「あ、瑠衣だ!おーい!」
    振り向くと、気になるあの人が

    「か、楓くん!おはよう!」
    思わず声が上擦り、照れくさくなる

    「瑠衣今日は遅番?
    僕これからなんだけどお腹空いて。
    今からご飯行かない?」

    連れてこられたのは、小さなカフェ

    「美味しい…!」
    「でしょ?僕、ここの大好きなんだ〜」

    えへへと無邪気に笑う彼は同僚の楓
    そして高校から一緒の千尋とその彼氏、英治

    四人はよく一緒にいるいわゆるいつメンだ

    楓と英治は院内でイケメンツートップとして有名なドクターでもある

    「英治と神崎(千尋)ちゃん、最近上手くやってる?
    僕仕事忙しくて全然会ってなくて」

    私もいつか、この人に…

    『思い出になんて、出来ないよ。』
    総PV数5000超!ありがとうございます。
    第2シーズンとして楓と瑠衣がメインの物語、
    『思い出になんて、負けないよ。』
    近々解禁します!
    良ければぜひ見ていって下さいね。

    きゅん

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  13. 「〜となるため、この公式は成り立ち…」
    カツカツとテンポよく黒板に数式が書き込まれる

    やばい、全然分かんない。
    誰かにこの問題聞きたいけど…
    前の席は必死でノートとってるし、
    後ろの席は寝てるし

    隣は…無口で有名な谷崎くん

    どうか、当たりませんように…!
    「それじゃあこの問題を…山口、解いてみろ!」

    嘘でしょ…
    「えっと…ええと……」

    焦れば焦るほど冷静さを失い、パニックになる私
    どうしよう、どうしよう…!

    焦る私の机に、スッと一枚の紙が滑り込んできた

    …え、谷崎くん?もしかして…
    「えっと…√7、です」

    「正解だ!ここはテストに出るからよく抑えておくように」
    チャイムが鳴り、教室内は騒がしくなる

    「あの…谷崎くん」
    おずおずと彼に話しかける

    「さっきは、ありがとう」

    「…別に。たまたま視界に入っただけ」

    そっぽを向いた彼はこてん、とまた机に突っ伏した

    きゅん

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  14. 「…っ、もういい!」

    勢いよく教室のドアを開き、その場を走り去る

    「あれ、伊織?」
    前から歩いて来たその人は私の名前を呼んだ

    「…ふーん。そんな事があったの」
    クラスでのグループ学習でつまずき、喧嘩になってしまった私
    「私はグループ学習最優先に頑張ってたんです!
    なのにあの子達ってば、遊んでばっかりで…!」
    怒る伊織の横顔をみて、彼は優しく笑う
    「…伊織はさ、頑張り屋さんだよ。
    そこがいい所。
    だけど頑張りすぎるのは…良くないかな」
    そう言って先輩は私に炭酸の缶を柔らかく投げる
    「…どういう事ですか」
    「そのままの意味だよ
    …頑張りすぎると、伊織も苦しいでしょ?」
    自分も同じ缶ジュースを開け、一口飲む
    「もう少し、肩の力抜いたら?」
    私の頭をぽんぽんすると、彼はその場を去る

    「…?」

    頭の上には“頑張れ”の文字が書かれた飴玉が
    「…先輩……」
    不器用な先輩の、不器用な優しさだった

    きゅん

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  15. 「…っ、明菜先輩!」
    体育館の入口にいた小柄な男の子が私を呼んだ
    「誰?知り合い?」
    「全然知らない子。…ちょっと行ってくるね」
    首を傾げながら彼の元へ
    「えっと…私に何か用事?」
    男の子は顔を真っ赤にして叫んだ
    「俺を…先輩の彼氏にして下さい!!」
    彼のその言葉で騒がしかった体育館は静まりかえった
    「ちょ…明菜?!」
    「明菜先輩が告白されてるー!」
    部員達は口々に騒ぎ出す
    「…皆森!」
    女バスの私達とは反対のコートで練習をしていた男バスの黒瀬が近づいてくる
    「ごめん、皆森。こいつ俺の弟なんだ」
    「え、黒瀬の弟?!」
    よく見ると彼は中学生のようで学ランを着ていた
    「…兄ちゃん邪魔すんなよ」
    「してねーよ。皆森困ってんだろ」
    「こまっ…
    俺、先輩に一目惚れしたんです」
    先日、引っ越してきたばかりというこの子を見かけて送り届けた事を思い出す
    「俺、本気ですから。
    絶対に先輩を落として見せます」

    きゅん

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  16. ーガラッ、
    「…!お前、まだ残ってたのかよ」
    夕暮れ時の教室に入ってきたのは、あいつだった

    あいつの顔を見てはぁ、とため息をついてしまう私

    何だか今日は、一日中上手くいかなくて。
    朝から先生に怒られたり、大事な場面で噛んじゃったり
    おまけにみんな出来てた事を私一人だけ、出来なくて。
    悲しくて辛くて、誰もいない放課後の教室で一人、私は泣いていた

    ふと、私の涙に気づいたあいつが近づいてくる
    「…何で泣いてんの」
    「…あんたに関係ない」
    そう言ってさっさと教室を出ようとする

    ーーパシッッ!

    「ちょ…何するのよ」
    突然腕を掴まれた私は戸惑い、少し強く言ってしまう
    「…何で泣いてんのかって、聞いてるんだけど」
    「…あんたに関係ない」

    そう言うと、優しく私を抱きしめるあいつ
    「お前、頑張りすぎなんだよ。
    もう少し、肩の力抜いてみたら」
    くしゃっと私の髪を撫で、あいつは優しい笑顔を見せた

    きゅん

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  17. ーカランカラン…
    「いらっしゃいませ!」
    いつものように笑顔で迎えてくれる彼
    「今日も来てくれたの?ありがとう」
    すっかり常連客になった私はいつもの席へと案内される
    「今日はどうする?いつもの?」
    「はい。いつものでお願いします」
    「かしこまりました」
    優しく私に笑いかけると、先輩はキッチンの方へと向かった

    …憧れの先輩に近づきくて。
    先輩がバイトしてるのを見かけた数ヶ月前、毎日通おうって決めたっけ
    今じゃすっかり顔も覚えてもらえて幸せな私
    …いつか、告白したいな
    だけど、内気な私にそんな勇気があるはずもなく
    気づけば出会いから数ヶ月が経っていた

    ーカチャ、
    「…ごゆっくり」
    先輩が持ってきてくれたミルクティーはとてもいい香りがする
    「いただきます」
    そっとティーカップを持ち上げると、カップの下に一枚のメモがあった
    “毎日通う君の笑顔に惹かれました
    今度ゆっくり僕とお茶しませんか?”

    きゅん

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  18. ガラッと教室のドアが開き、大好きな人が現れる

    「あ、先生〜!」
    「ほらお前ら、席につけよ〜」

    女子生徒たちの嬉しそうな声が上がる中、ネクタイを緩めた白いワイシャツ姿の男性教師が入ってきた

    …一ノ瀬 晴先生。
    今年赴任してきたばかりで現代文を担当している
    大学を出たばかりの若くてルックスの良い彼は生徒の人気者で。

    私みたいな子が恋しているなんて、きっと知らないだろう

    「それじゃあ次…逢坂!読んでくれ」
    ぼーっとしていると名前を呼ばれ、焦って教科書に目を落とす
    「こーら。ちゃんと聞いておくんだぞ」
    周りからクスクスと笑い声が聞こえた後、罰として…と先生が言い放課後呼び出されてしまった

    先生から呼び出された先は図書室。

    「あ、あの…」
    「お、来たか」
    腰を上げて私に近づいた彼は私を優しく抱きしめた
    「…お前、いつも周りに仕事押し付けられてさ大変だったな
    俺で良かったら、力貸すから」

    きゅん

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  19. 「何それ美味そう。もーらいっ」
    ひょこっと出てきた彼は私の卵焼きをぱくり。
    「あ!私の卵焼きー!」
    「うわ、甘っ!」
    「待ちなさい英治!」

    「あーあ。まーたやってるよあの二人」
    「ほんと、仲良いよねぇ」

    「「良くない!!」」

    「…息ぴったり」
    「…マネすんなよ」
    「そっちこそー!」
    「まあまあ…」

    こんな風に、毎日のように喧嘩していた私と英治。
    中学を卒業してからはお互い別々の進路を歩み、その間、一切連絡を取ることは無かった

    ーそれなのに!

    まさかこんな場所で再会するなんて!
    相変わらず喧嘩ばかりな私、神崎千尋と一条英治。
    この二人が交わる時はいつ来るのか。
    それは少し先のお話。

    ついに本編upし始めました!
    投稿が度々遅くなることもありますが、ぜひ見て頂けたら幸いです。

    不器用で素直じゃない英治と、
    鈍感でその気持ちに気づいていない千尋。
    二人の物語は始まったばかり…

    きゅん

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  20. 「…ら!みらっ!」
    息を切らす男の子
    「…どうしたの」
    「一緒に帰らない?」
    屋上まで迎えに来たのはアイツだった
    「最近元気ないね?」
    「…別に。普通」
    私たちは恋人同士。
    なのにこんな状態なのは理由があった

    それは数日前。
    親友の花奈とアイツが話していた事
    「今週末、花奈の誕生日なんだ〜」
    「へー!じゃあ、3人でご飯でも行く?」
    「あーでも花奈今月金欠で…」
    「花奈ちゃん誕生日なんだろ?なら海空と二人分奢るよ」
    「え〜ほんとに?!やった〜!」

    あれ以来、何だか上手くいかなくて
    「…先帰る」
    帰ろうとした時、フェンスに追いやられる
    「何が気に入らないわけ?俺じゃあお前の悩みも相談出来ない?」
    珍しく怒っていた
    「…簡単に他の女の子に奢るとか、言ってほしくない」
    「!花奈ちゃんの事?
    お前の親友だから大事にしなきゃって思ってたんだ
    誤解させたなら悪かった」
    そう言って、強く抱きしめられた

    きゅん

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  21. 「あっ、宮内!」
    わたしを見つけ、笑顔で駆けてきたのはクラスメイトの橘
    「丁度探してたんだ〜会えてよかったよ」
    会えてよかったって…
    よくそんな恥ずかしいことが言えるんだわ
    と思いつつ、内心すごく喜んでしまうわたし
    「…それで?どうしたの」
    心の内を悟られないよう、冷たく切り返すわたし
    …なんて可愛くないの
    「あぁ!えっとな〜…はい!」
    橘の手には綺麗にラッピングされた箱が
    「えっと…」
    戸惑う私に橘は続ける
    「バレンタインのお礼!受け取ってくれるか?」
    「あ、ありがとう…」
    「あのガトーショコラ、すっげー美味かった!ありがとな!」

    「わぁ…綾乃、良かったね!」
    「う、うん」
    「中身何かなぁ?」
    包みを開けると、キャンディとチョコが。
    「おぉ〜!橘くんやるねぇ〜
    キャンディもチョコも、貴女が好き、って意味なんだよ〜」
    「す、好き…?」

    わたし、これからどんな顔して会えばいいの?!

    きゅん

    6

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