ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 3件ヒットしました

  2. どおん、と大きな音とともに
    色鮮やかな花火が夜空に輝いた。
    うちの高校の後夜祭は、この花火で幕を閉じるのだ。
    屋上から下を見下ろすと、きゃーきゃーと騒ぐ大勢の生徒がいた。

    「近所から毎年苦情きてんのによく続けられるよな。」

    校庭で騒ぐ生徒とは真逆に
    私の横でスマホ片手にぼんやりと花火を眺める潮田先生。

    なんで私は、友達でも彼氏(いないけど)でもなく
    この毒舌養護教諭と花火を見なきゃいけないんだ。

    「なんで先生、こんなとこにいるんですか。」

    「そりゃこっちの台詞だ。生徒は屋上立ち入り禁止だろ。」

    こちらに目も向けず、吐き捨てるように言う。
    友達が好きな人を後夜祭に誘うと言うので、気を遣ってここへやってきたのだが
    こんなことなら友達のところにいれば良かったと後悔。

    「まぁ感謝しな。俺と花火見れたんだから。」

    軽口を叩く先生の横顔が、打ち上げられた花火の光で七色に光った。

    きゅん

    2

    三崎咲さんをフォロー

    通報する

  3. 「どんくさ。」



    火傷をした私の指を横目に、吐き捨てるように言うのは養護教諭の潮田先生。



    「怪我してる生徒によくそんなこと言えますね。」



    我ながら生意気な口を叩けば完全スルー。

    なんなんだ、この先生は。




    潮田先生は、その顔立ちのためにファンの生徒も多い。


    この前の体育祭でも
    応援席よりも救護席が盛り上がっていたくらいだ。



    けれど、私は苦手。

    この人のペースに乗せられるのが嫌。



    「女の子なんだから、指は特に大切にしな。」



    そう言って私の頭を軽くなでる。



    「結婚するとき困るよ?」



    作り物のような笑顔を私に向ける。

    こういうことをするから、女子生徒が群れるのだ。



    乗せられまいとその手首をつかむ。




    「セクハラで訴えますよ先生。」





    「安心しな。高校生なんてガキに興味はない。」








    ホントに、嫌な先生。

    きゅん

    1

    三崎咲さんをフォロー

    通報する

  4. 先輩は優しくない。







    「下手くそ。」







    私が一時間、集中して書いたデッサンを見てそう呟く。









    何か言い返してやろうと先輩のデッサンを覗こうとすれば






    邪魔、と言って追い返される。








    活動部員が先輩と私しかいないこの美術部の主導権は


    言うまでもなく先輩が握っているのだ。









    「もう下校時刻だ。さっさと片付けて鍵返してこい。」








    たまには先輩が返しに行ってくれてもいいのに。







    なんて口に出さず、はいはいと頷いて美術室の鍵を受け取る。









    「無駄話すんなよ。待ってるから。」






    教室を出たところで先輩が言う。








    「え?」








    「帰るでしょ。一緒に。」









    私の彼氏は優しくない。




    だけど、温かい人だ。

    きゅん

    2

    三崎咲さんをフォロー

    通報する

▲