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  2. フェンスに指を絡ませ橙と藍が混ざる空を見つめていたら。

    「やっぱりここにいた。刹那は屋上好きだもんね」

    振り返れば、秋風に黒髪を靡かせながら奈緒がこっちに来る。昔より伸びたよな、髪。高2の今では腰のあたりまである綺麗なそれ。

    「先に帰れって言っただろ」

    「もう。好きな人と帰りたいって思っちゃダメですか」

    いじけた顔が可愛い。昔から真っ直ぐ好きっていう感情を向けてくれるのも嬉しい。
    けど両親から愛情を貰ってこなかった自分は、正しい愛し方が分からない。
    だから奈緒を好きでも手を伸ばさない方がいいんだろう。

    「あ、こんなとこにいたのかよ奈緒!一緒に帰ろうぜ」

    今度は明るい声で優が駆け寄ってくる。

    「じゃあな、奈緒。優に送ってもらえ」

    すれ違う瞬間、優と目が合う。お互いの感情を知っているからこその含みのある視線。
    言葉を飲み込み胸の奥で焼けつく感情を無視して、夕陽に背を向けた。

    きゅん

    13

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  3. 夕陽の橙と藍が空で綺麗に混ざる。フェンスに指を絡ませ遠くを見つめていたら。
    『やっぱりここにいいた』
    振り返れば、秋風に黒髪を靡かせながら奈緒がこっちに来た。
    『夏希って屋上好きだもんね』
    昔より伸びたよな、髪。高2の今では腰のあたりまである綺麗なそれ。
    『先に帰ってなって言っただろ』
    『もう。好きな人と帰りたいって思っちゃダメですか』
    いじけた顔が可愛い。昔から真っ直ぐ好きっていう感情を向けてくれるのも嬉しい。
    けど両親から愛情の類を貰ってこなかった自分は、正しい愛し方が分からない。だから例え奈緒を好きでも手を伸ばさない方がいいんだろう。
    『あ、こんなとこにいたのかよ奈緒!一緒に帰ろうぜ』
    明るい声で優が駆け寄ってくる。
    『じゃあな、奈緒。に送ってもらえ』
    ドアに向かう瞬間優と目が合う。お互いの感情を知っているからこその含みのある視線。
    胸の奥で焼けつく感情を無視して、夕陽に背を向けた。

    きゅん

    4

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  4. 「香里……かーおり、聞いてんの?」
    「っあ、ごめん」

    別の方に意識を向けてたこいつは、申し訳なさそうな顔をする。何を気にしてたのかなんてすぐに分かった。

    「また永瀬のこと見てただろ」
    「ち、がうよ。たまたまだって」

    嘘。クラスの奴に囲まれながら談笑している永瀬伊織に視線を滑らせる。
    高校入学当初から人気者でとにかく女子にモテる。そしてそんなやつが、香里の好きな男。
    ああ、妬ける。中学の頃、香里と出会って特別な存在になった。今でも想いは変わらない。でも君がいつだって目で追うのは、想いを寄せるのはあいつだ。

    「裕貴、話の続きは?今度はちゃんと聞くよ」

    この感情を伝えたら、今の関係は呆気なく崩れてしまう。香里の幸せを望むなら言うべきじゃないんだろうな。でも、もし君の声を、笑顔を独り占めできたら。なんて胸の奥に燻る熱を押し込んで。

    「今度はよそ見するなよ」

    いつも通り君の隣で笑った。

    きゅん

    9

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