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  2. 「奈々絵ー!!」

    彼女の声がして、俺は後ろに振り向いた。


    「はいこれ!HappyValentine!!」


    ラッピング袋を片手に持っていた彼女は、それを俺に手渡すと、嬉しそうに口元を綻ばせた。



    それが俺からすれば、どうせ受け取ったところで、食べたら病気が悪化するだけの毒だとも知らずに。

    二年前に俺は余命宣告され、食事も満足にできない体になってしまった。


    「……ありがとう」

    俺は困ったように笑って、何も知らない彼女の頭を撫でた。


    俺はその日、チョコレートを無理矢理胃に流し込んだ。


    君の想いに答えるために。


    「……っ、甘いな」



    もうずっと塩分のある食べ物なんて美味しいと思ってこなかったのに、それはものすごく甘かった。


    「……っ、大好きだ」


    後一年もしないうちに訪れる君との別れが惜しくて、俺はそう泣きながら呟いた。


    「愛してたよ、本当に」

    きゅん

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  3. 「恵美、Trick or Treat」

    病院の前で、あたしは後ろから奈々絵に抱きしめられた。


    「え、何?どうしたの?」


    「最近恵美不足だから、やってみた。お菓子くれても、問答無用でイタズラな」


    そう言って、奈々絵は楽しそうに微笑んだ。


    「え、ちょっと、奈々……」



    「恵美、好きだよ、俺は何があっても、一生あんたを愛してる」




    耳元で、奈々絵はそう優しく囁いてきた。


    とっても恥ずかしくて、あたしの頬は真っ赤に染まった。



    ツンデレな奈々絵の時々見せる甘さに、私は今日もドキドキです。

    きゅん

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  4. 「……なぁ恵美、こっち向けよ」



    「嫌!!」


    涙に濡れた顔を見られたくなくて、あたしは奈々絵から目を逸らした。



    「……黙ってて、ごめん」




    あたしは、奈々絵の命がもう何年もないことを、ついさっき知ってしまった。



    「……そんなのいいよ。
    あたしは、ただ……っ!?」



    “君とずっと一緒にいられないのが悲しいんだ’と、そう伝えようとしたら、キスが降ってきた。



    「……俺、何があっても恵美が好きだから。





    ……いいんだよ。お前が笑ってれば、俺はなんでもいい。お前が笑っててくれれば、俺、あと何日でも生きていける気がするんだ。お前がいるだけで、俺は嫌いなこともしようと思えて、病気と戦う気になれるから。……だからお前は、何があっても笑ってて?」



    あたしの頭を撫でて、君は困ったように笑った。

    「…うん」


    そんなの頷くしかないじゃん、馬鹿。大好きだよ…。

    きゅん

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  5. 「……なぁ恵美、もっとこっち来て」


    冬期講習が終わると、奈々絵はあたしを人気の無い教室に招き入れた。

    「なになに、どうしたの?」



    「……なんか、今日は甘えたい気分」



    頬を擦り寄せて、奈々絵はあたしの胸に顔を押し付けてきた。


    「俺、素直になんないのもうやめた。


    どうせ俺に時間なんて残されてないから、それならせめて……この生命をお前に費やしたい」




    奈々絵……
    余命が1年もない君を、あたしは愛してしまった。





    「……だからなんでもやる!!




    毎日愛してるって囁くし、キスだってしてやるよ。

    俺は今までもこれからも……あんたのものだから」




    君はそう言って、私の頬にキスを落とした。


    ねぇ奈々絵……たとえ約束された最期があるとしても、私は君といるなら何があっても幸せだと、胸張って言えるよ。

    きゅん

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  6. 「……恵美、待ってたよ」






    階段で君は、優しく微笑んだ。






    「あたしも、奈々絵に会いたかった」




    頬を赤らめ、嬉しそうにする奈々絵。




    あたしは、彼に後ろから抱きしめられた。


    「……なぁ恵美、お前が明日死ぬなら、俺の寿命は明日まででいい。



    俺の世界はお前が中心なんだ。お前が笑ってくれるなら、生きていようと思える。…


    …俺は、お前以外何もいらない。


    いいんだよ。

    お前さえいてくれれば、俺は明日も生きていけるんだ」




    神様がいるなら、彼との時間をどうか……引き離さないで下さい。





    「何があろうと、俺はお前が好きだ。






    たとえ明日死ぬことになっても、お前が隣にいてくれさえすれば、俺は心から幸せだと思えるよ」

    きゅん

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  7. 「……なぁ恵美、好きだよ」





    病院の別室で、奈々絵はあたしを後ろから抱きしめた。




    「奈々絵、こんなとこにいたら先生に見つかっちゃうよ」




    「……見つかんねぇよ。逃げるのは許さねぇ。これ副総長命令だから、よろしく」






    そう言って、奈々絵は後ろからあたしの首筋を舐める。




    「きゃあっ!」




    「いいなぁ、その声。




    ……もっと感じてくれよ、俺のお姫様。





    俺はあんたを、一生涯愛してる」







    あたしの頬は、リンゴみたいに赤く染まった。

    きゅん

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  8. 「俺はあんたらと仲良くする気なんかない」





    ミカ……。
    君はいつも冷たい。




    でも、あたしは知ってる。




    その瞳の中には寂しさが宿っていることを。



    だから、ミカのそばにいたいよ……。




    「ミカ、お家帰ろ?」




    「誰が帰るかよお前となんか」





    いつも、その言葉を聞くと泣きそうになる。



    「俺は帰るなら、邪魔者の岳斗がいないバかえでと二人きりのところがいい」






    一匹狼で孤立主義の君は、今日もそうやって不意に私を狂わす。

    きゅん

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  9. 奈々絵……。



    もうあの人は、この世にいない。



    会えないんだ……。



    「奈々絵……っ」



    彼が息を引き取った病院の屋上で一人、あたしは涙を流していた。


    ブワッ


    直後、突風が吹き荒れ、スカートがめくれそうになった。



    ポト。
    続けて、頭に1枚の紙飛行機が落ちてきた。



    「もう!なに?」


    怪訝な顔をして
    紙飛行機を開くと、それは婚姻届だった。


    婚姻届の1番上には、



    【See you again. I love you forever】



    と震えた字で書かれていた。



    そして、婿には赤羽奈々絵というあたしの愛した人の名前が。



    あたしは静かに涙した。




    ………ありがとう。

    きゅん

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  10. 「なぁ、何他の男に告られちゃってんの?」


    新学期の日、クラスメイトの男の子に告られた私に潤先輩はいってきた。




    後ろには屋上のフェンス、前にはフェンスに手を押し付けて不機嫌そうな顔をした潤先輩。この状況、結構まずいかも。




    「め、潤先輩こそ、女の先輩方と仲良くしてたじゃないですか」


    頬をふくらませた私の顔を、潤先輩は掴んだ。




    「いひゃい」




    「クク。バーカ、俺に指図なんて100年早いんだよ。安心しろよ?言われなくても俺はあんた一筋だから」



    「潤先輩は、ずるいです」


    そんなこと言われたら、嬉しくて恥ずかしくて何も言えなくなっちゃう。




    「……ずるい、ね」



    「そうですよ!……いっつも余裕そうで」



    「余裕なんてねぇよ。いつも可愛いお前を独占したくてしょうがねぇ。誰にも奪わせない、泣きわめいてもそばにいっから覚悟しとけよ?」

    きゅん

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  11. 「先輩、聞いてますか?」


    お昼休み、あたしと一緒にお弁当を食べる先輩はどこかいつも上の空で。


    「ああ」


    大方、あの人のことを考えてるんだ。





    「……潤先輩はズルいです。いつも、私だけ一緒にご飯食べられるのが嬉しくて楽しくて」





    そう独り言みたいに頬を膨らませて呟いてみても、先輩は答えてくれない。



    大好きなのに。



    「……さく、俺も楽しいから安心しろ?」


    そう言い、先輩はあたしの額にデコピンをした。



    「嘘です!!」


    知ってる、分かってるんですよ?


    今でも先輩はあの人が好きだってことくらい。伊達に後ろ姿見てきてないんです。




    それでも……。




    「好きなんです」




    「あぁ、俺もお前が他のやつに泣かされるのは勘弁して欲しいなぁ……」





    ねぇ先輩、それって、どういう意味ですか?

    きゅん

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  12. 屋上で空を眺めていると、奈々絵に後ろから抱きしめられた。




    「なぁ、恵美。
    俺がどこに行っても、隣にいてくれるか」




    そういって君は
    とても寂しそうに笑った。




    「うん、いるよ。ずっとそばに」






    ――たとえ世界中の人に否定されても君のそばにいたいと、そう本気で思った。




    「俺は一生お前の隣にいることなんて出来ない。それどころか、俺は間違いなくお前より早く死ぬ。きっと、俺は恋なんてしたらいけないんだ。この病気に治療法なんてものはないんだから」




    君の言葉が右から左へ流れていく。





    この世に神様がいるなら、
    どうかあたしを君の代わりに……。






    「俺はお前が隣にいれば、それ以外はどうでもいい。いいんだよ、おまえが笑ってさえくれてれば。そうすれば、俺は明日も生きていける。好きだ、一生。――たとえこの命が尽きようとも」

    きゅん

    10

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  13. それは私と奈々だけの秘密の物語。



    「奈々ー、こんな夜中にどうしたの?」



    中学1年生の頃、夜中の10時過ぎ。学生寮に奈々が遊びに来た。




    「……眠れないんだけど」



    奈々は急いで校門に来たあたしを
    睨みつけて言う。






    「あーそっか、病院はもう消灯時間なんだっけ?」




    あたしは思い出したように
    いい、快活に笑った。




    「だったら悪ぃかよ。なぁ、恵美」


    奈々は校門に飛び乗って、
    私の腕を引っ張りその手にキスをした。


    「きゃっ!」



    「好きだから。黙って俺と付き合えよ」








    夜中に幽霊が出るって、よくある話。
    私の場合、その幽霊は未来の彼氏
    だったんです。

    きゅん

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  14. 「なぁ、純恋。
    きっと俺は、おまえを幸せにはできない」



    空我さんはそう言って、顔を伏せた。




    「いいですよ、空我さんと一緒なら」





    気がつくと、自分の唇が勝手にそんなことを口走っていた。



    あたしは、何を言っているんだろう。



    「そういうの、これから禁止な」



    空我さんは耳を赤くしたかと思うと、
    唐突にあたしを抱きしめた。





    「え、チョッ、空我さん?」






    「……、好きだよ純恋。
    おまえのその得意げな顔は、
    俺だけのもんだ」




    急な出来事に戸惑う私にそういう
    空我さんは、やっぱりずるい。





    「愛してるよ、純恋」

    きゅん

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  15. 「なぁ、楓ちゃん。好きやで?」



    そう言い、岳人は私の髪を撫でた。


    嬉しくて思わずニヤけてしまう。


    「ま、嘘なんやけど」


    しかし、
    次に岳人はありえないことを言った。

    「へ?」

    う、そ…?


    「今までの全部お遊びっていうたら、楓ちゃん信じるん?」

    岳人は笑っていた。

    「なん、で……」


    あの笑顔も、あの涙も、全部、嘘…?




    「ハハ、楓ちゃん騙されやすいわぁ~
    そんなんじゃ幸せになれへんよ?」




    酷い…


    それでも、あたしは…



    「幸せになれなくたって構わないわ。
    あなたと一緒なら」



    なんて、そんな言葉は、
    今更言っても遅いのかもしれない。



    好きだよ…

    きゅん

    9

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  16. 「なぁ、こっち向けよ」

    放課後、人気のない校舎裏で、
    あたしは俊平に壁ドンをされていた。

    「っ……」


    「キスしたんだろ?岳人と」

    俊平の吐息が耳元にかかって、
    ドキドキする。

    こいつ、
    なんでそんなことを知ってるのよ…



    「ふーん、否定しないんだな。
    そういうのムカつくんだよ」


    俊平があたしの腕をつかむ。

    「別に、あんたには関係ないで…!」


    リップ音が会話を止める。


    「甘いな、お前の唇って」



    そう言い、俊平は笑った。



    「は?」


    あたし、今、俊平にキスされた…?


    「楓はこれでも、
    俺には関係ないって言うつもりか?」

    そう言った俊平は、
    とてもニヤついていた。

    きゅん

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  17. 「なぁ、楓って、好きな人いんの?」


    放課後二人きりの教室の中で、俊平は突然、そんなことを言ってきた。


    「は、はぁ?いるわけないじゃん」



    いえるわけがないだろう、
    あんただなんて。



    「ふーん岳斗のこと、好きなんだな」


    俊平はあたしを見て、
    予想外のことを言う。



    「なんでそうなるのよ」



    「だって俺じゃないならお前が男子でよく話してるのって、岳斗ぐらいだろ?」




    図星だった。




    「でもま、お前が本当に岳斗を好きだったら、意地でも邪魔するけどな」



    俊平は笑って言う。




    「ん、なんで?」



    「お前が岳斗と幸せになるくらいなら、俺がお前を泣かせた方がマシなんだよ」




    小声で彼が言った強がりなその言葉は、あたしにはよく聞こえなかった。

    きゅん

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