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  1. 12件ヒットしました

  2. 「見て見て、柊弥からバレンタインのお返し貰っちゃった!」
    「私も貰った! てか柊弥みんなにクッキーあげてるらしいよ」

    なんて、女子が楽しそうに話しているけど、私は内心複雑だった。
    だって確かに、朝からクラスの中心でモッテモテの彼、近藤 柊弥は、女子全員にバレンタインのお返しを配っていた。
    でもただ1人、私は、私だけは、何も貰っていないのだから。
    別に欲しいわけじゃないし、地味な私を忘れてしまうのも分かるけど。
    けどさすがに1人だけ忘れられてるとなると、ちょっと傷つくわけで……。
    と思っていると、机の中に何か綺麗にラッピングされた箱があるのに気付いた。
    「……?」
    開けてみると、キラキラの可愛い飴が敷き詰められている。
    「綺麗………」
    メッセージカードには「from syuuya」の文字。
    「忘れられてなかったんだ…」


    ホワイトデーのお返しの意味に気づくのは、もう少しあとのお話。

    きゅん

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  3. すっかり暗くなった帰り道をいつものように歩いていると、部活の後輩が追いかけてきた。
    「先輩!」
    「進藤くん。おつかれ」
    進藤くんは見た目はクールで近寄り難い感じだけど、1度心を許すと……なんというか、犬みたいによく懐いてくれる。
    綺麗に整った顔がにこにこしながら慕ってくれるのが嬉しくて、私もついつい甘やかしてしまうのだ。
    「一緒に帰りましょう」
    「いいけど…家こっちだっけ?」
    「本屋に寄るからいいんです」
    耳と尻尾が見えるんじゃないかってくらいの大型犬ぶりに、思わずくすりと笑いがこみあげる。
    私は頷いて、可愛い後輩くんとの帰り道を楽しんだのでした。


    〜その夜・進藤と友達の電話〜
    友達「で、わざわざ反対方向行って1時間かけて戻ってきたわけ?バカじゃん」
    進藤「うるさい。一緒にいたかったんだよ」
    友達「ゲロ甘かよ。普段はクールなくせして」

    きゅん

    8

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  4. ようやく部活が終わってみんなが帰り支度を始める頃、私は今日がハロウィンだと思い出し、近くにいた友達にチョコをあげた。
    「はい、あげる」
    それを始まりに、周りの人たちも集まってきた。
    「俺にもちょーだい!」
    「私も飴あげるー」
    「俺ももーらい」
    ひょい、っと取っていったのは、明るくてお調子者の先輩だった。
    「あ、先輩2個取ったでしょ! 人数分しかないからダメですよ!」
    「んー? いーのいーの。だってあいつ甘いもん嫌いだし」
    そう言って指さした先には、いつもクールで無表情な先輩。
    「あ、そうなんですか…」
    じゃあいっか、と思ったその時、その先輩と目が合った。
    「なに、僕の分ないの?」
    「え、あ、すいません…」
    「んだよ、お前チョコなんて食わねーじゃん」
    「今日は欲しかったんだけど…まいっか。くれないならイタズラしていい日だし…ね」
    ニヤッと笑った先輩に、不覚にもキュンとした。

    きゅん

    11

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  5. 「なんだよ、こんなとこにいたのか」
    屋上から校庭を見下ろしていると、呆れたような声がかけられた。
    「探したっつーの。早くいつものたまり場行くぞー」
    当然のように言う真也に、私は目を見れないまま口を開く。
    「……行かない」
    「…は?」
    「行きたくない」
    「まて、なんだよ急に」
    焦ったよう顔を覗き込んでくるけど、私は断固として目を合わせない。
    「真也たちといるのは楽しいけどさ…ズルいとか…抜けがけとか言われて……毎日噂話されて……ちょっともう……キツいかな……」
    できるだけ重く聞こえないように笑ったつもりだったけど、無理だったみたい。
    真也は形の良い眉をぐっとひそめると、私を急に抱き寄せた。
    「わっ!?」
    「……悪かった……気付けなくて。……けど、絶対守るから……噂話なんてすぐ俺が消してやっから……そばにいろよ」
    (びっくりしたびっくりした……嫌われたかと思った………)

    きゅん

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  6. 彼は私を好きじゃない。
    きっとそうだ。だってそうでもなければ、私をおいて他の子と歩いていくなんてこと、しないでしょ?
    教室の窓から、見たくない二つの後ろ姿を見つめて、ため息をつく。
    恋人なんて名前だけ。
    彼は私に笑いかけてくれたことも、名前を呼んでくれたことも、抱きしめてくれたことも、………見つめてくれることさえ、ない。
    いつも私が見つめるのは背中ばかりで、こんなのはもう嫌だと思うのに。
    こんなに好きでどうしようもない自分が、心底馬鹿だと思う。
    「だから、俺にしとけばいいのに」
    背後からかけられた声に、なんと答えればいいかわからない。次の瞬間、背中に感じた温もりも、耳元で笑う吐息も、彼がくれないものを全部、君はくれるけど。
    「……それでも『俺が』浮気相手なんだね」



    私にとってはあくまで「彼が」1番なの。
    「君は」浮気相手に過ぎないの。
    だけど貴方には、私を1番にして欲しいの。

    きゅん

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  7. 「ゆうまくん!」
    今日も私は大好きな優馬くんにアタックする。優馬くんは全然相手にしてくれないけど……。
    「今日は何読んでるの?」
    「……別に」
    チラリともこっちを見ずに答える優馬くんに、ちょっとだけ胸がチクリと痛む。振り向いてもらうのは難しくても、もう少し優しくしてくれたらな……なんて。
    「すごいね! 私本苦手だからこんなに厚いの読めないよ」
    「……そ」
    今度はついに、口を少し動かしただけ。
    うう………今日は帰ろう。
    「じゃ、じゃあ、また明日ね!ばいばい!」
    「は?」
    「え?」
    手を振って帰ろうとした私に、優馬くんは何故だかちょっと目を見開いてこっちを見てくる。
    「なんで帰んの」
    「え、………だって、邪魔でしょう?」
    優馬くんは思わずもごもごした私の腕を掴んで、無理やり、でも優しく、引き寄せるように引っ張った。
    「邪魔だと思ってたらそう言ってるから」


    ますます好きにさせないでよ……。

    きゅん

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  8. 姫を辞めた。正確には、辞めさせられた。総長が別の族の姫の口車に乗せられて、私を追い出したんだ。別にあいつのことが好きだったわけじゃないけど、胸は痛かった。何となく時間を潰していると、声がかけられた。
    「あれ、アンタアレだろ。飛龍の姫だろ」
    「………もう違うから。近寄らないで」
    面倒くさい。私を、私の過去を知っている人に、アレコレ言われたくない。もう忘れるんだ。私を信じなかった奴らのことを、思い出させないでほしい。
    「え、やめたの? ……ふーん」
    誰だかわからないけど、そいつはにやっと笑って私の腕を掴んだ。
    「なに!?」
    「良かった! 俺近々、飛龍に乗り込みに行こうと思ってたんだよね」
    「は?」
    「……一目惚れしたアンタを奪いに」
    目を丸くして惚けている私を、そいつは優しく抱きしめる。
    「馬鹿だね。こーんな可愛いの手放すなんて」
    ぎゅうっと力が込められた腕に、不覚にもキュンとした。

    きゅん

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  9. 「好きなんだ、付き合って」
    そう、先輩に言われたのは一か月前のこと。ずっとずっと片思いしていた先輩にそんなことを言われて嬉しくて舞い上がって、だから忘れていた。
    私は、先輩に「好き」って言ってない。
    先輩は優しくていつも穏やかに笑ってるけど、付き合ってるのに好きって言われてないなんて、不安かもしれない。
    「難しい顔して、どうしたの?」
    くすくすと、先輩が綺麗に笑って私の顔をのぞき込む。
    そんな仕草にすらドキドキして、まともに顔も見れない私が、好きなんて言えるんだろうか。
    「…っいえ、あの…」
    でも、言わなきゃ。
    「なんでもない……です」
    …………………言えない。
    こんなに勇気がいることだとは思わなかった。
    「……ほんとに? 好きな人が悩んでたら、力になってあげたいんだけどな」
    「わ、私の方が好きですよ!!!」
    「ぇ………」
    先輩の綺麗な顔が、じわじわと染まっていくのを、私は呆然と見ていた。

    きゅん

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  10. 「これやる」
    そう言って要が差し出してきたのは、ピンク色の綺麗にラッピングされた袋で。今日の日にちからしてそれが何なのか、分からないほど私は鈍感じゃない。
    「私あげてないじゃん」
    そう、今年のバレンタインは部活が忙しくて誰にもあげてない。もちろん、幼なじみのこいつにも。
    「…いいから」
    「そう? ありがと」
    受け取った袋はよく見れば薄く柄がついていたり、なかなかにお金がかかっていそうだ。
    「すごいね。こんなのみんなにあげてたらめっちゃお金かかりそう」
    「……みんなって誰だよ」
    何故かちょっと不満げな顔をする要に、キョトンとする。
    「え、家族とか、女友達…とか」
    言っていくうちにどんどん不機嫌になっていく要。
    「なに? なんでそんな顔…」
    「心配しなくても、お前の分しかねえから」


    ビックリするくらい真っ赤になった顔で、要はそう言った。

    きゅん

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  11. バレンタイン……。
    私は幼なじみの駿に渡そうと、ドキドキしながらチョコを作ってきた。
    ……でも、駿の下駄箱にも机にも、置き場がないくらいのチョコが積み上がっていた。きっと、私のチョコなんてあっても無くても同じだ。そう思うと悲しくて悔しくて、気付けば私は、渡さないまま玄関まで来てしまっていた。
    「おい」
    腕を掴まれて振り返ると、そこにいたのは駿だった。
    「お前からのチョコ貰ってねえんだけど」
    「……いらないでしょ。あんなに貰ってたんだから」
    「はあ!?」
    可愛くない言い方をする私に、駿は顔を歪めた。
    「っ私のチョコを、その他大勢と一緒になんかしないで!」
    「してねえよ!!」
    掴まれていた腕が引かれて、痛いくらいに抱きしめられる。
    まるで壊れ物でも扱うみたいに、丁寧に、でも力強く。


    「あんなの全部、友達に押し付けてきた。何個貰ったって嬉しくねえ。……お前の1個しかいらねえよ……」

    きゅん

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  12. 中学の頃から先輩が好きで、死ぬ気で勉強して同じ高校に入って、やっとの思いで告白した。…なのに。
    「喉乾いた。珈琲買ってきて」
    「それくらい自分で…」
    「なに? 俺のこと好きなんでしょ? あんたの気持ちってその程度だったの?」
    ……ムカつく。今や私はただのパシリ。断ればいつもこう言われる。でも私は、何年も想い続けてきたこの気持ちが否定されるのが怖くて、これ以上言い返すことは出来ないんだ。

    「買ってきましたよ」
    「随分遅かったね」
    「ええ……まあ」
    途中で呼び止められて告白されてました…なんて、言ったところでこの人は気にもしないんだろうな。と思っていると、先輩の顔が急に怖くなった。
    「告白…?」
    「え、口に出てました!?」
    私が慌てていると、先輩は不機嫌そうに顔を歪めてから、少し頬を染めて私を睨んだ。
    「…もうこき使うとかしないから」
    「え?」
    「だから…それ、断りなよ」

    きゅん

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  13. 私の彼氏の明石先輩は、いつも不器用で無愛想で、あんまり恋人らしいことはしてくれない。クリスマスの今日だって、イルミネーションを見たいって言った私に頷いて、ついてきてくれただけ。
    「わあっ…綺麗ですね」
    私の言葉にも、明石先輩は頷くだけ。でもちゃんと手は繋いでくれるし、歩幅だって合わせてくれて、気を使ってくれてるのが分かるから、私はこれで十分……。
    「……………静香」
    「はい? …って、え!? 」
    普通に返事をしてしまったけど、先輩が私の名前を呼んでくれるのなんて、初めてで。驚いている私の手は先輩の口元に寄せられて…………


    口付けられた。

    「せ、先輩……」
    「顔……あか」
    どことなく楽しそうな先輩。きっと私の顔は先輩の言う通り、真っ赤なんだろう。
    「メリークリスマス、静香。……こんな可愛い顔が見れるなら……恥ずかしがらないで、普段から静香の顔見とけば良かった」

    きゅん

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