ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 7件ヒットしました

  2. 「ねえ、そーくん。頼みごとがあるんだけど……」
    「なんだよ」
    「今日の夜学校の桜の木の下に来て欲しいの」

    もじもじしながら天音が答える。
    綜は昼休みにクラスの女子がしていた会話を思い出した。
    恋人と永遠に結ばれるジンクスとか本気で信じてるのか?

    「お前、桜の木の下って何が埋まってるとか聞いたことねえの?」
    「え?」

    天音の顔が青くなる。

    「死体だよ、しーたーい」

    今度は泣き出しそうになった。

    「やっぱりやめようかな……」
    「じゃあうち来いよ」
    「え?そーくんの家?」
    「今日誕生日だろ、お前の好きなチョコケーキ買ってるから」

    天音の顔がぱあっと明るくなる。

    綜は右手で天音の頭を撫でながら、左手をそっと背中に隠した。

    ケーキに加えてペアリングを用意していることはまだ秘密にしておこう。

    きゅん

    11

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  3. 真夜中、松井くんと手を繋いで歩く。
    さっきまさくんとお別れをしてきた。

    松井くんは何も言わずに後ろを歩いている。
    頭の中で、まさくんとの思い出がつぎつぎと蘇っては褪せていく。

    『好きだよ、椿』

    まさくんが付き合おうと言ってくれた日を思い出して、涙が出てきた。
    嘘つき……。
    わたしは涙が溢れないように上を向いた。
    すると空いっぱいに輝く星が見えて、わたしの中に光が灯る。

    『椿さん。僕の彼女になってよ』

    何で今まで気づかなかったんだろう。
    ずっとわたしを想い続けてくれた人がいたこと。

    (松井くん。ありがとう)

    心の中でそっと呟いた。
    今は涙を見られたくないから言えない。
    後で涙が引っ込んだらちゃんと伝えよう。

    きゅん

    6

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  4. 彼が無口で何をしても言っても反応が無くて困ると相談したら、提案されたのが「嫉妬させる」ことだった。

    作戦その1
    彼以外の人と遊びに行く。

    「ん?いいよ、行ってこいよ」

    深月くんは表情一つ変えず了解した。
    こんなあっさり言われると悲しい……

    作戦その2
    彼との会話の中で他の男のことばかり話す。

    「それでねー、大輝くんがね……」
    「うん、それで?」

    ダメージ0ですか……

    作戦3
    他の男にベタベタ

    「優香、もっとこっち来いよ」

    大輝くんにぐいっと肩を引き寄せられる。
    ちょっとこれはさすがに……

    「そのくらいにしとけよ」

    大輝くんの腕がするっと外れて、体が反対の方へ引っ張られる。
    深月くんがわたしを腕の中に閉じ込めた。

    「もう物分かりのいい男のフリはやめる」

    そう言うとわたしの髪をくしゃくしゃの撫でた。

    「深月くん!?」
    「俺ほんとは嫉妬深いの。もう離してやんない」

    きゅん

    57

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  5. 修くんの傷だらけの手に包帯を巻きながらわたしの手は震えていた。

    「詩織?」

    修くんの左手がわたしの頭を優しく撫でる。
    その直後ぽたぽたと修くんの右手にわたしの涙が落ちた。

    「修くんのばか……こんなに怪我して」
    「……ごめん」

    痛々しい傷口が事故の記憶を呼び覚ます。

    ーー真夜中病院に運び込まれる修くん。
    消えない手術中の文字。
    開かない集中治療室のドア。ーー


    修くんがわたしが抱きしめた。

    「人がどれだけ心配したと思ってるの」

    わたしは泣きながら修くんの胸を叩いた。
    修くんはもっとわたしを強く抱いて何度も背中を撫でた。

    「心配かけてごめん……」
    「大嫌い……」

    わたしは修くんを抱きしめ返してさらに大きな声で泣いた。

    きゅん

    6

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  6. 教室にラケットを忘れてきたことに気づいて急いで走って戻った。
    教室の前まで来て、中から聞こえてきた声に足をぴたりと止める。

    「高橋先輩……好きです」
    「実は俺もずっと気になってた」

    中にはわたしの憧れ続けてきた高橋先輩と、同じクラスの亜実ちゃんだった。
    うそ……

    高橋先輩の大きな手が亜実ちゃんのほおに触れ、たくましい腕が彼女を抱きしめるのを見た。
    先輩の顔が照れたように笑って愛おしそうに亜実ちゃんを見つめている。
    心臓がバクバク鳴って、足は地面に張り付いて動かせなくなってしまった。

    間も無く教室のドアが開かれて先輩が出てきた。

    「お?南。どうしてそんなとこでつったってんだ?」
    「ラケットを忘れて…」
    「そっか、相変わらずそそっかしいなお前は」

    そう言って先輩はわたしの頭を撫でてくれた。
    先輩は今日も優しくわたしに笑いかけてくれる。
    でもこの手もその心もわたしのじゃないの。

    きゅん

    1

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  7. 授業を受けながら窓際の席に座る君を見つめる。
    彼女は隣の席の男と小さな声で言葉を交わし、その会話に笑っていた。

    (何話してんだろ…すっげぇ気になる…)

    朝一番で彼女を迎えに行って一緒に登校しようとしたのに、途中で先に行ってしまった。

    (ねえ、さっきも言ったけど今日はバレンタインだよ?)

    心なしか頰を染めている君を半ば憎く半ば愛おしく思いながら、触れられない距離をもどかしく思う。
    いらいらが募っていく中、やっと待ちかねた授業終了のチャイムと同時に席から立ち上がった。

    「ちあき!」

    僕は彼女のもとへ急ぐ。もどかしい距離を埋めるために。

    きゅん

    4

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

  8. 急いで階段を駆け下りる。

    「あ!天音じゃんばいばーい!」
    「みかちゃん!また明日ねー!」

    友達に向かって元気に手を振り彼のいる階に向かう。

    三年生の廊下に来たところでそーくんの友だちの向井くんに会う。

    「お!天音ちゃん!
    今日もお迎え来たんか」
    「向井さん!そーくんまだ教室いる?」
    「いたと思うよ〜!」
    「ありがとうございます!」

    その直後、そーくんが教室から出てくるのが見えた。
    反対の階段の方へ歩いていく。

    「そーくん!」

    周りの上級生にはいつものことみたいに見られて手を振られる。
    わたしは頭をぺこぺこしながらそーくんを追いかける。

    「そーくん!!」

    やっと辿り着いて一気にその背中に飛び込む。

    「あっぶねーな。天音、後ろから抱きつくなって言ってるだろ」
    「ごめんなさい」
    「ったくしょうがねーな」

    そーくんはわたしを見下ろして頭を撫でてくれた。

    きゅん

    3

    鴉夜埜さんをフォロー

    通報する

▲