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  2. 「うぅ、寒い!」

     __サッカー部のマネージャーをしている私は、部員の皆と共に、極寒のグラウンドにいた。

    「先輩、コート着ないんですか?」

     後輩の質問に、私はぶすっと答える。

    「馬鹿キャプテンに『ダルマみたい』って笑われたから、部室に置いてきた」

     馬鹿キャプテンというのは、私の幼馴染である大輔のことだ。

     後輩は笑うと、立ち去り際に上着を脱いで、私の肩にかけてくれた。

    「意地張るのはいいけど、風邪ひいたら大変ですよ」

    「わあ、ありがとう!」

     __駆けていく後輩の背中に礼を言った、その時。

    「馬鹿で悪かったな」

     突然現れた大輔が、私から後輩の上着をむしり取った。

    「あぁっ、ちょっと!」

     私が怒って声を上げると、顔面に上着が飛んできた。

    「お前はそれ着とけ。他の奴から上着借りるの禁止」 



     __不機嫌そうに言う大輔の頬は、少しだけ赤かった。

    きゅん

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  3. 「よし、終わり!」

     __放課後の校舎裏で、草むしり私は、手を払った。

    「悪いなー、手伝わせちゃって」

     同級生の男の子が謝るので、私は笑いながら首を振った。

    「宿題忘れただけで草むしりだなんて、先生ひどいね。ちょっと手伝っただけなんだから、気にしないで」

     __その時。

     突然、背後からむんずっと手を掴まれた。

    「……うぇっ?」

     ぐいっと強く手を引かれて、同級生が呆然とする中、私は校舎裏から無理やり引っ張り出された。

    「うわわ、えっ、先輩!?」

     手を掴んでいたのは、私の恋人である、和也先輩だった。

     先輩は私に背を向けたまま、手を強く握って、走り続ける。

    「……俺以外の奴と、二人っきりでいた罰。駅まで全力ダッシュするぞ」

     __どこか怒ったような声に、私は驚いた。

    「……まさか、やきもち焼いてるんですか?」

     その瞬間、先輩の耳は真っ赤に染まった。

    きゅん

    12

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  4. 「わあ、すごいですね先輩!」

     クリスマスツリーに駆け寄った私は、うっとりと言った。

    「転ばないように気を付けてね」

     少し遅れてついてくる先輩の優しい言葉に、私はむっとして怒鳴る。

    「子ども扱いしないで下さい!」

     でも先輩は、困った顔を浮かべて、

    「いやでも、大人扱いするには子供っぽすぎるよ」

     ……やっぱり私は、恋愛対象外なんだ。

     先輩の言葉を聞いて傷ついた私は、俯いて黙りこんだ。

     __どれくらい、沈黙が続いただろう。 

    「……綺麗だな」

     ぽつりと、先輩が呟いた。

    「……ツリーは綺麗ですよ、そりゃ」

     すねたように返事をすると、先輩は「ほら、そういうところだよ」と笑う。

    「その子供っぽさは、罪なレベルだよ。全く、こっちの身にもなってほしいね」

     ……意味が分からず顔を上げると、先輩は私の頬に優しく触れた。


    「俺、『ツリーが』なんて言ってないよ」

    きゅん

    26

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  5. __バスケ部のマネージャーをしている私が、壁にもたれてノートを見ていた時のこと。

     突然、耳元でドンと音がした。

     顔を上げると、この部のエースである幼馴染の顔がすぐそこに。

    「……何で急に?」

    「これすると、女子はキュンってなるって先輩から教わったから」

     そう答えるアキラの真面目すぎる表情に、私は呆れてため息をついた。

    「……ほぼ兄弟みたいな幼馴染に壁ドンされて、キュンとなんかする訳ないじゃん」

     すると、それを聞いたアキラは困り顔で、

    「なら、お前は……」

    「おーい、マネージャー! ちょっといいかー?」

     __タイミングよく先輩に呼ばれたので、私は「はーい、今行きます!」と返事をしながら、素早くアキラの腕の下から脱出し、駆けだした。



    「……ならお前は、どうやったら俺にキュンってなるんだよ……」



     __そんな呟きが聞こえたのは、きっと気のせいに違いない。

    きゅん

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  6. 「誕生日おめでとう!」

     __誕生日の朝、一番に祝福してくれたのは幼馴染の星輝だった。

    「はい、プレゼント」

     渡されたのは、星柄のシュシュ。

    「わあ、ありがと」

     笑顔で礼を言うと、急にこう言われた。

    「突然だけどお前、今まで俺が渡した誕プレが全部、星柄だったの知ってる?」

     私はきょとんとしてから、はっと思い出した。

    「そういえば、筆箱とかペンとか、全部星柄だったね。何で? 偶然?」

     星輝はニヤッと笑った。

    「俺の名前、漢字で何て書く?」

    「『星』が『輝』く、でしょ」

    「そう。だから『星』」

     星輝は照れ笑いしながら、ひそひそと小声で付け加えた。

    「……星は、俺の目印。誰が見ても『こいつは星輝のもの』って分かるようにしたかったから」

    「えっ……」

     私が赤くなって固まると、耳元で優しい囁きがした。

    「お前のこと、ずっと昔から好きだった」

    きゅん

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  7. 「……あぁ最低」

     __好きな幼馴染の告白現場を目撃してしまった不機嫌な私は、駅前にいた。

    「……何よ、私の気持ちに気付かない鈍感男のくせにモテちゃって」

     __すると、

    「おっ、可愛いコ発見!」

     突然、目の前に不良風の男二人組が現れた。

    「ねえ、俺らと遊びに行かない?」

     ……いわゆるナンパというやつだ。

     ますます不機嫌になった私は、ぷいと二人に背を向けた。

     しかし肩を掴まれ、動けなくなる。

    「ちょっと、無視はないでしょ」

     __その時。

    「おい、手ェ離せ」

     聞きなれた声がして、突然大きな人影が現れた。

    「うわっ!」

     二人組はそう叫んで、逃げて行った。

    「……鈍感なのはおあいこだろ」

     背の高い幼馴染は顔を赤くして、驚く私を抱きしめた。

    「俺の方こそ好きだったんだからな」


     盗み聞きとか、反則。

     私は、不機嫌なままの顔を赤く染めた。

    きゅん

    20

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  8. 「ごめん、好きな人がいるから付き合えない」

     __忘れ物を取りに来た私は、教室の前で固まった。

    「……そっか、分かった」

     女の子のうるんだ声の直後、がらっと扉が開いて、クラスで一番可愛い女の子が走り去っていった。

    「……立ち聞きは良くないぞ」

     そう言って教室から出て来たのは、やはり彼だった。

    「……また振ったんだ」

     私は静かに言った。

    「OKすればよかったのに」

     ___すると彼は、ぼそっと呟いた。

    「……本命の相手が聞いてるのに、かよ」

    「えっ?」

     私が聞き返すと、なぜかデコピンを食らった。

    「痛ッ! 何で!?」

    「何でもない、じゃあなっ!」

     彼はそう言って、教室を飛び出して行った。



    「……もう、教えてよ」

     私は額を押さえたままうずくまって、呟いた。

    「動揺を隠すのに必死で、よく聞こえなかったのよ……」


     ___あぁ、片思いは辛い。

    きゅん

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