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  1. 22件ヒットしました

  2. 「もう別れる。絶対別れる」

    今までに何百回、何千回と同じことを言った彼女。

    昨夜遅くまで泣いていたのか、酷くむくんだ腫れぼったい目をしていた。

    約束を守らないから。
    浮気したから。
    嘘をつくから。

    沢山の証拠と、沢山の理由で彼女は僕と別れたいと言う。

    「へぇ、そう」

    興味がなさそうに僕が頷くと、切り出してきたのは彼女のくせにこの世の終わりみたいな顔で僕を見つめる。

    彼女の世界なんて、たかがこの街程度の狭いものなのに。そんなものと比べられても僕はまだ満足できない。

    もっと、もっと、僕だけを見て。
    僕を君の一番にして。

    「ねぇ、」

    僕は君が好きだよ

    そう言って僕が手を伸ばすと、彼女は前言を撤回して僕を抱きしめ返さざるを得なくなる。

    「きらい。だいきらい」

    悔しそうな声と絶対に離さないときつく回された腕に愛を感じて。許された僕は、また君を傷付ける算段を考えてしまう。

    きゅん

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  3. 「みてこれ」

    前の席の彼は、男子にしては少し長い癖っ毛をかき分けて耳の後ろを見せた。

    「隣のクラスの吉池さん」

    だから何だ。ていうか、誰だそれ。

    私が無反応に傷痕を見つめていると、わざわざ振り返って、キスマークだよ、と教えてくれた。

    そんなの見れば分かる。

    「愛されてるでしょ」

    どうせ髪で隠れるからこんなところに付けても意味ないのに。

    「あっそ」

    私の反応は彼の望むそれとは少し違ったらしく、つまらなそうに前を向いてしまった。

    「間宮」

    私もつくづく面倒な男を好きになったと思う。
    何度呼んでもへそを曲げて振り向かない男の襟首を掴んで、顔を無理やりノートから上げさせた。

    驚く声なんて無視だ。

    がぶり、襟と髪の間。

    絶対に隠れない首の横に赤黒い歯型を一つ。

    「は???痛いんだけど」
    「愛だよ」
    「……本気で痛い」
    「ふん」

    嫉妬してないなんて誰が言った。

    きゅん

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  4. 「お待たせ……」

    委員会終わりまで待つと言った若葉を先に帰らせなかったのは嬉しかったから。

    家がいくら近くても、部活とクラスが違えば生活サイクルが合わなくなり、顔を合わせる時間が前に比べてぐっと減った。

    今日は若葉の休みと俺の休みが重なった珍しい日。

    「一緒に帰らない?」

    そう誘われたのが嬉しくて、委員会があった事を忘れて頷いてしまった。

    それを思い出したのが、約束の一時間前。

    慌てて先に帰って!とメールを送ったが、待つよ。と短いメールが直ぐに戻ってきた。

    委員会が終わると同時に教室を飛び出して来たのに、若葉は教室に居なかった。

    「愛想つかされた……」
    「誰が誰に?」
    「俺が若葉ちゃんに……あれ!!??」

    会話成立してたよね!?と振り返ればニコニコ笑顔の幼馴染が。

    「愛想つかさないよ、私は光が大好きなんだから」

    男前な彼女にときめいたのは仕方のない話だと思う。

    きゅん

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  5. 静が指さした先を見つめると、ついこの間告白してきた先輩がいた。

    「なっちはあの人と付き合うの?」
    「盗み見はよくないよ」

    幼馴染を睨むと、驚いたことに彼も私と同じ顔をしていた。

    「なんで?どこがいいの?俺のが格好いいよ?」
    「……まぁ、そうね」
    「俺で良くない?」

    静は居場所を取られるのが怖いのだ。そんな理由で幼馴染という鎖で私を縛り付ける。

    「彼女いるじゃん」
    「でもなっちの方が大事だもん」
    「じゃ、私に彼氏いても良くない?」
    「それはムカつくから嫌だ」
    「何なのあんた………」

    本当に、心底イラつくのに、当たり前のように言われた彼女よりも大事という言葉にあっさりと惑わされた。

    こんなクズより絶対にいい人なんて沢山いるに決まってる。それなのに、どうして私はこいつを諦められないんだろう。

    「なっちは俺が好きでしょ?」

    そう言って笑う静を泣きたいような気持ちで見つめた。

    きゅん

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  6. 「ねぇ、先生は彼女いる?」
    「いないよ~」

    実習生の先生は初日から何度もこの質問に答えているらしく苦笑いを浮かべている。

    「でもさ、先生ってモテるでしょ?かっこいいし」
    「まぁな」
    「うわ、否定しないんだね」
    「俺くらいイケメンだといいんだよ」

    きっとこの返しも何度もしているんだろうなぁ。
    テンプレートで固められた言葉には真意が見えない。

    「片思いで困ったことないでしょ、センセ?」
     
    ちょうど振られたばっかの私は心がささくれているのだ。八つ当たりくらいさせてほしい。

    「いやいや、もう何年も片思いだよ」
    「へぇ、以外。何で?」
    「…大切だからかなぁ」
    「ふーん?大人って面倒だね、好きだよって言えばいいのに。大切なら」
    「中学生が生意気、大人には色々あんの!」

    くしゃりと笑った先生に小さな声でありがとうとお礼を言われたのは気のせいだっただろうか。

    きゅん

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  7. 「黙ってないでなんか言って下さいよ」

    突然屋上に来て、堺は姫をたった今辞めた。と叫んだ先生は貝のように押し黙っている。

    「…本当は退屈だったんじゃないの?姫なんて」
    「え?」
    「化学室から屋上がよく見えるから」

    担任でも専任でもない先生の名前は知らない。
    ただ、私の気がついてほしいことに一番に気がついてくれた。

    「…正直仲間とかよくわかんないす」

    ポロっと本音をもらすとその言葉はじんわりと心に染み込んだ。
    そっか、私楽しくなかったのか。

    「暇なら俺と付き合えばいいのに…雑用係欲しかったんだよね」
    「…付き合うってそういう!!?」

    一瞬だけ変な期待した自分がバカみたい。だけど、一番欲しい言葉もくれた。

    「な、どうせ暇なら俺のところ来いよ、つまらないなんて思わせない自信はあるけど」

    にっこり笑っている先生に見初められた時点で私の負けは確定していた。

    きゅん

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  8. クリスマス、恋人たちの聖夜?キリスト様の誕生日の間違い。
    ホワイトクリスマスなんて雪が降って寒いただの夜だ。

    嫉妬なんかしていない、約束をすっぽかされたって平気。
    女の子からの呼び出し?勝手に行けば?

    「ばーか…」


    「誰がだよ」

    憎らしい声が私を抱きしめた。

    「凛ちゃん…」
    「なんで先帰るの?」

    咎めるような、からかうような軽やかな声で耳にささやく。

    「嫉妬した?」
    「しない」

    彼は即答した私をさらに力強くぎゅうと抱きすくめる。

    「可愛いくないやつ」
    「知ってる」
    「ばか」

    「いたっ…」

    耳に噛みついて笑う彼の息遣いが鼓膜をふるわせて、心臓がきゅうと甘く痛む。

    「お前がほしいって言ったら?」
    「安あがりだね」

    くるりと振り返って冷たい唇に唇を押し付け、凛ちゃんを挑戦的に見つめた。

    「誘ってる?」
    「さあね?」

    ーー余裕のあるふりはもう無理、心臓がもたない…

    きゅん

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  9. 【明日って遅くなるなら送ろうか?】

    なんの脈絡もなくポップアップで表示されたメールは用件だけの簡素なもの。


    明日は小学校の同窓会兼忘年会。私は学校があるから少し遅れる予定でいた。

    メールをくれたのはバイト先が偶然同じの増田くん。


    【ありがと、天使。】


    気心のしれた彼に私も短い文を送る。


    【知ってる】


    「ふはっ、何それ…ふふ、優しいなぁ」

    緩む口元に手をやって明日の予定を組み直す。

    車にのせてもらうお礼しなきゃ、甘いものが苦手だから何をあげよう。


    彼の特別になんてなりたくない。

    そもそも、そんな気持ちは毛頭ない。


    大切な友達を失いたくないから。

    ここからは増田くん次第。


    私はずっと友達でいたいよ。


    君は?私のこと好き?

    付き合って欲しいなんて言われるくらいならいっそ君に嫌われたいな。

    きゅん

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  10. 「あ、」

    亜湖、と呼びかけようとしてやめた。

    彼女は声は怒っているのに顔は笑っている。
    こらえきれない、と言うようなくすぐったそうな顔で笑っている。

    俺の隣ではあんなに華やいだ顔をしていない。

    本当に好きなやつといるほうがやはり可愛らしく見える。

    「あっ、青山さん!!!」


    俺に気がついた亜湖が手を振る。


    亜湖は笑顔が一番かわいいよ。

    なんて、本人には絶対に言わない。



    「あこちゃん可愛くなったね」


    そう言って俺を小突く彗月は何も知らない。
    俺達の関係を。



    「だな」   



    何も知らなくていいよ。
    いつか話すことになったら全部話すから。


    **

    本棚にいれてくださった方ありがとうございます!
    励みになります。

    きゅん

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  11. 「凛ちゃん起きて!体育祭遅刻するから!」
    「んぅ…」

    すやすや眠る幼馴染を起こすだけの簡単…じゃない作業。

    「んぅ…うるさい…はづきも寝る?」
    「寝ない…ってうわっ!?」

    ゆすってた手を掴まれて布団の中へ引きずり込まれ脚を絡められた。

    「ちょ、離して」
    うわ、寝てる…

    凛ちゃんは私を抱き締めたまま寝息をたてる。

    「…起きないとまずいって」

    もっと大きい声で言えばいいのに離して欲しくなくてつい声をひそめてしまう。

    「…はづき?なにしてんの」
    「こっちのセリフ!」

    ときめいてるなんて気が付かれませんように。

    「夜這い?」
    「今は朝!起きてよ!」
    「…朝のちゅーで起きてもいい」

    凛ちゃん何がなんでも起きないつもりだな。無理難題を押し付けてきた。

    「もう!」

    息のかかるほど近い距離だから唇なんてすぐそこ。

    ちゅ、とおでこに唇を落とすと彼は笑った。


    「おはよう」

    きゅん

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  12. 「優子、何拗ねてるの」
    「ん?拗ねてないよ?」

    にこっと、上目遣いで笑いかけると短い返事と共に視線がそらされた。

    嘘、拗ねてるの、嫉妬してるの。

    1年生の可愛いあの子とか、3年生の綺麗な先輩だったらよかったのにって。

    さっきもニコニコ優しくしちゃって、私にはいつも素っ気ないのに。

    「嘘つき」

    嘘じゃないよ、嘘だけど。
    曖昧に笑いかけると嫌そうな顔をされた。

    「その顔ほんと嫌い」

    唇を重ねる、というよりはぶつけるという表現がお似合いの痛々しいキスをされた。

    「…んっ、や、やだ…」
    「嘘つき」

    濡れたような瞳が細められて、嬉しそうに首筋に噛み付かれた。

    「ひゃっ…」
    「嘘つきにはお仕置き」

    痛くて涙が出そうなのに、とろけてしまいそうに愛おしい。

    「…俺のこと好きでしょ?」
    「…すき」
    「よく出来ました」

    連は満足そうに頷き、壊れ物を扱うように慎重に私にキスをした。

    きゅん

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  13. 「青山、また彼女できたんだって!?」
    「あ、そうらしいね」
    「あんた…好きなんじゃないの?」

    うーん…?と考えこむ彼女は、誰がどう見ても幼馴染の青山のことを特別に思っているように見える。

    「凛ちゃんは親友だよ?」
    「またそれ?いいかげんやめれば?」

    ホントむかつく、お互い好きあっているのに自分の気持ちから目を背け続けて、ベタベタとくっついて。

    「…俺にしとけば?」

    なんて、冗談でも取り合ってくれないんでしょ?
    一番不毛な恋してるのってどう考えても俺じゃん。

    「キヨくん!からかわないでよ!」
    「はいはい、じゃあね翠川」
    「もう、またね」

    …おい見えてるか?
    そんなおっかない顔して俺のこと睨む暇があったら翠川に好きだよって言ってこいよ。
    俺の側にいろよって。

    俺には一生言えない言葉なんだから、早くくっついちまえ。

    馬鹿野郎が。

    きゅん

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  14. 「哉汰!おっそい!」

    珍しく一緒に帰ろうって言うから朝から楽しみにしてたのに…また喧嘩か。

    「うるせー」
    「はぁ?幼馴染になんて口聞くのよ」

    それでも、約束を守ってくれて嬉しい…なんて贔屓しすぎかな?

    「カナちゃん、寝てないでしょ?」
    「その呼び方やめろって」
    「ほら、ごまかす」
    「…寝れないんだよ」

    族長はなにやら忙しいようだ。

    「…泊まりにくる?」
    「は?」
    「よく行き来してたじゃん」

    いい案だと思ったんだけどな、眉間のシワが深くなっちゃった。

    「お前さ、そうやって他の男も誘ってるの?」
    「何言ってるの?あんただけに決まってるでしょ」
    「…」

    おや?機嫌がすごく良くなったよ?

    「ユイ、ずっとそばにいて」

    子供の頃より、ずっと大きくて骨ばった手に指が絡め取られた。

    「好きだ」

    哉汰のクセに、そんなに優しく触れないで。
    幼馴染だからと、蓋をしていた思いが溢れる。

    きゅん

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  15. 「夢愛、俺達の姫になれよ」

    …だってさ、どうする?なんか断んのも面倒くさい。私はさ、昨日親が再婚するからって、新しい家族が増えるのよ、とか言われてて正直アンタの族の事なんてどうでもいい。

    「おい、聞いてるのか?」

    面倒だからよろしくって言っちゃおうかな。

    「うちの姫にちょっかいかけるのやめてくれる?」

    「は?」

    「ユア、早く帰ろうか」

    振り返るとにっこりと笑う義兄が。

    「雪一(ユキイチ)さん」

    「お兄ちゃんって呼んで欲しいって言っただろ」

    困った顔をする彼に騙されてはいけない、彼はこの辺りを仕切っている雪蓮華の長だ。

    「ユアは雪蓮華の姫だ」

    名前を聞いた途端顔色が変わった。そりゃそうか。

    「俺のだから、よろしく」

    あなたの物になったつもりはないです、と言いたいのに、ただ、家族だから庇っただけなのに。きゅんとする胸の痛みは兄へ向けていいものではなくて…

    きゅん

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  16. 「終わったぁ…」

    あたりを見回すと教室にはほぼ誰もいない。

    「終わった?帰ろ」
    「吉池!待っててくれたの?」

    もちろん、と彼女はニッコリ笑い俺の座っている隣に近づいてきた。

    「追試はどう?」

    コテン、と首をかしげる姿が嫌味なく似合っていて可愛さのあまり言葉に詰まり不審そうな顔をされてしまった。

    「大丈夫、吉池!褒めて!!」

    冗談みたいに上目使いで吉池を見つめると、ため息をついてわしゃわしゃと俺の頭を撫でだした。

    「わっ!え、ちょっと(笑)」
    「いい子いいこー(棒)」
    「棒読みかよ!」

    文句を言い返そうと視線を上げると楽しそうな吉池の笑顔。

    「ん?どうしたの?」
    「好きだよ」
    「…いや、ほんとにどうしたの?」

    照れて横を向いてしまった君の耳が真っ赤だったのは俺だけが知っていること。

    きゅん

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  17. 「今日はときめきホワイトデー!何があるのか…」
    「ご飯中に立たない、行儀悪い」
    「うっす…」

    今日は親が出掛けてしまい料理のできない私を心配して幸也が駆けつけてくれた。

    「ねぇ、プリンに醤油でウニってほんとかな?」
    「…俺の料理の何が不満だ?」
    「そうじゃなくて!ちょっと試したくなっただけ!」

    不機嫌そうな顔になった幸也に必死でなだめる。

    「…じゃあ試す?」
    「プリンないよ!!?」
    「そうじゃなくて」


    「ファーストキスはレモンの味かどうか」

    ガチャンと何かが倒れる音と共に一瞬唇があわさる。

    「…どう?レモン?」
    「カレーの味がします」
    「ふはっ、色気ないねー」
    「や、幼馴染とキスしても…」
    「まぁな」

    冷静に切り替えしても心臓はドクドクと脈打ち体中が甘い痛みを訴える。
    あれ?私どうしちゃったの?

    きゅん

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  18. 「谷地、忘れてない?」
    「え?何が?」
    「お返しするでしょ」

    あんなにもらったんだから、なんて葉宮がニヤニヤしながら笑う

    「しない、めんどくさい」
    「なんで!ひどいわ!」

    俺を見つめる可愛い本命から板チョコを渡された時の気持ちを考えてほしい
    …喜ぶべきか本気で悩んだぞ

    「ひどっ…ケホッ」
    「…風邪?」
    「かな?喉が痛い…のど飴ある?」
    「ない」
    「あー…他の人に貰うからいいよ」

    ガタンと席を立ちかける葉宮の腕を思わず掴む
    今日はもらって欲しくない

    「え?何?」
    「…ただの飴ならある」
    「意味ない」
    「いいから」
    「へんなやちーー」

    口に投げ入れられたは飴はどんどん溶けていく

    「美味しい」

    ヘラヘラしてる葉宮はホワイトデーに飴を渡される意味を知らないのだろう



    「早く気づけよ」

    きゅん

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  19. せんせー、せんせー、私は先生が大好きてす。
    授業がわかりやすいところや、補習に付き合ってくれるところが好きです。
    あと、顔も好きです。声も好きです。全部が好きです。
    なので、せんせーの幸せのために私は想いを壊します。
    この時間が終わったら好きじゃなくなります。
    …だから、今だけは好きでいさせてください。

    「井上先生結婚するってまじ!!?」

    「なんだよー、お前たちもう知ってるのか」

    「え、誰?誰と?」

    「あー、英語の小笠原先生」

    「俺達のマチちゃんがああああ」

    「ははっ、残念だったな」

    先生やめて、そんなに幸せそうに笑わないで。まだ好きなのに。

    「もう授業おわるぞ」

    「まだ聞けてない!」

    「また今度な」

    私が恋をやめるまで5.4.3.2.1


    終業を告げるチャイムと私の恋心を終わらせる合図が鳴った。

    きゅん

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  20. 薄暗い放課後、壁にもたれている薄汚れたものに声をかける。

    「…ご機嫌いかがですか?」
    「…最悪」

    ため息をつきながらポケットに入っている絆創膏をペタペタと貼っていく。

    「喧嘩よくないです」
    「ほっとけ…」

    先輩は抵抗せずじっと私の手つきを見ている。

    「…心配なんですよ」
    「ん?」

    いけない、思わず心の声が漏れた。そばにいられるだけで十分、多くは求めない。

    「何でもないです…」

    先輩、澄んだ瞳で見つめないで。伝えたい言葉が溢れそうになるから。

    「…何で俺に優しいの?」

    はっとして固まる。気持ちがばれた?

    「…俺、喧嘩それなりに強いよ。でも、てきとーに怪我してここにいれば君が来てくれるんだ」


    言いたいことわかる?と、私を抱き寄せる先輩の背に震える手をまわす。

    溶け落ちる夕日だけが私達を見つめていた。

    きゅん

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  21. 「わぁ、日村先生大量ですね!甘い匂いがします。」

    スンスンと匂いをかぐふりをしてにっこりと笑う有川先生。

    「義理ですよ、有川先生も渡されてましたね」
    「私のクラスは調理実習があったそうなのでついでにあげるーってくれました。」

    可愛くラッピングされた包を愛おしそうに撫でている。甘党の有川先生が楽しそうで何よりだ。

    「で、先生」
    「なんでしょうか?」


    「俺にチョコないんですか」


    え?と戸惑う有川先生にわざと悲しそうな顔をしてみる。

    「俺楽しみにしてたのに…」
    「あ、忘れてました…」

    困ったな、とつぶやく先生にこれは好都合だと思いたたみかける。

    「じゃあこれください」
    「どれですか?」


    「もちろん先生ですよ、ね?いいでしょう?」

    にこり、と笑いかければ真っ赤になってうつむいた。この人はなんて可愛いのだろう。

    きゅん

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