ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「ねー?かんちゃん!かんちゃん!おっはよー!」
    「朝から煩いな、少し黙ってて」
    「むぅ…酷いなぁ…」
    かんちゃんは無口な幼馴染み。
    でも正義感が強くて、頼りがいがあって、何より格好いい。
    だから、モテるのは分かってるけど…。
    何時だってかんちゃんは私には冷たいんだ。
    それは…私がかんちゃんを好きだから。
    『お前のことはそういう目で見られない』
    勇気を出して告白した時、きっぱりと言われた一言に、傷付いて、ぼろぼろ涙を流してどうして?って聞いた私に対して、かんちゃんは言った。
    「お前の気持ちは長く一緒にい過ぎて、感覚が麻痺してるだけだろう」
    って。
    そう思っても好きな気持ちに歯止めはきかなくて…。
    今日も届かない想いを口にする。
    「かんちゃん!好きだよ!」
    どうせ届かないのなら、全てを灰にするまで燃やしてしまおう。
    このヒリヒリと灼ける熱い気持ちを、心に流れる涙と共に。

    きゅん

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  3. パタパタと走って逃げる。

    こんなの酷いよ。
    ずるいずるいずるい…。

    先輩は何時だって冷静で、でも軽い気持ちで私にちょっかいを掛けるから。

    ほんの少しだけ、期待してたのに。


    さっき見掛けてしまったワンシーン。


    同級生だろう女の人と、抱き合ってキスしている所。
    その彼女に掛ける笑みは私に掛ける何百倍も優しくて、涙があふれた。


    好きな気持ちはきっと伝わっていただろうに。


    ずるい。
    ずるい。
    ずるい。

    一つ上なだけなのに、大人と子供くらいの差がある私達。
    先輩は、この身勝手な感情を切り捨てることすらせずに、ただ甘受して、優しさだけを振り撒く。そんな先輩のことを好きな私が一番ずるいのは分かってるけど…。
    だって好き。
    どうしても好き。
    この気持ちはどこにも捨てられないの…。
    捨てられないんだよ…?

    先輩、どうか少しは分かって下さい。

    きゅん

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  4. 「先輩、好きっ」

    そう言い寄られ、抱きつかれているのは、私の大好きな緑川先輩。

    「そう?ありがとう」

    意味有り気な微笑みでその子の髪を撫でそうになっているのを、私は直視出来ずにその場を後にした。

    靴を履いてとぼとぼと歩く通学路。
    私は悔しいのと悲しいのとで、感情が爆発しそうになる。

    だって。

    「だってもう……」
    「紗英っ!」

    慌てて後を追ってきたのか、はぁっ!と洗呼吸を吐いて、先輩が私のことを抱き締める。

    「なんで泣いてんの?いつもなら流すところじゃん」

    先輩の顔に困惑の色。
    私はキッと睨みつける。

    「紗英?」

    先輩は相変わらず意味が分からないと言った顔。

    「もう…いい加減にして」
    「なに…?」
    「…先輩はとっくに私の物なんだから。私だけ見てて」

    そう言うと、先輩は満面の笑みでぎゅうっと私を抱き締めて、

    「それ、ずっと聞きたかった」

    と、キスをしてきた。

    きゅん

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  5. 「広大!お待たせ!」
    「遅ぇよ」
    「ごめんね?」

    幼馴染の菜々美は、天然ゆるキャラ。
    何をしでかすか予測不能。

    「ちっ」
    「広大、ごめんね?」
    「…別に怒ってねぇーよ」
    「でも…」
    「んなことより、早く帰るぞ」
    「うん!」

    ガキの頃から何かと一緒だったけど、同居してからというもの、帰宅も食事も…寝るのも一緒で…。
    ただ1つしてないことと言えば…。

    「ねぇ?今夜こそはしてくれるよね?」
    「ちっ…」
    「あ!約束したのにー!」

    こいつの頭にゃ、お花でも生えてんのかね?

    「ばかやろ。一緒に風呂なんか入れるわけねーだろ」

    そういうと、菜々美の顔がどんどん曇る。

    「広大、私の事が嫌いなんだ」
    「はぁ?んなわけねーだろ?」
    「だっていっつも一緒にお風呂入ってくれないんだもん」
    「わーったよ。その代わりどうなっても知らないかんな?」


    本気で今にも理性が切れそうだ…。

    きゅん

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  6. 「さ、まこちゃん…帰ろうか?」

    かたん、と生徒会室の席を立って手を差し伸べてくる。

    「ねぇ?さくちゃん、今日のご飯なぁに?」

    その手に自分の手を重ね合わせながら、笑ってみせるとまこちゃんはにっこり笑って…。

    「カレーだよ」と言った。

    「えぇー!一昨日もカレーだったよね?!」

    そうぷぅっと膨れてみせると、

    「じゃあまこちゃんが作ってくれるの?」と返された。

    「う……」

    料理の全く出来ない私は言葉が出ない。

    すると………。

    「別に、料理じゃなくてもいいんだよ?」

    と言われてきょとんとする。

    まこちゃんはそんな私を見て可笑しそうに笑ってから、耳元で…。

    「まこが食べたいって言ったら、怒る?」

    なんてとんでもないことを言ってきた。

    「いや、あの……」

    「いや?」

    「嫌…じゃないけど…」

    「じゃあ決まり。早く帰ろ?」

    私の幼馴染は今日も策士なのでした。

    きゅん

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  7. 「きんじょー…お願い」
    「んー…」
    「ねぇ?きんじょー?起きてよ」
    「眠い」

    折角昼休みに一緒にお弁当を食べようとして声を掛けたのに、この有様。
    私は堪忍袋の緒が切れて、席を立つ。

    「もうっ!知らないんだから!」

    だけど、私が席を立つ前に、彼は私の指に自分の指を絡ませる。

    「聖月、かわいい食べちゃいたい」

    「お願いだから学校で盛んないでよ」

    「学校以外ならいいの?」


    本当に話の通じない奴だなと思いつつも、
    私はドキドキするのを止められない。

    「ばか」

    「ほんと、かわいい。ごめんね、聖月」

    「へ?って…っ。ばか…」


    周りの世界なんか気にすることも出来ないくらい愛されて、私は今日もこの想いを彼に捧げて愛を乞う。

    明日も、この距離が縮んでくれますように、と願って。

    きゅん

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  8. 「たーかーや!」

    「あぁ?」

    「はい」

    帰ろうとしている貴也に、私は後ろから抱きつかんばかりに近寄って、思い切り両方の手のひらを差し出した。

    「…なんだよ?」

    「だーかーらー、はい!」

    今度はもっと近付いて。
    でも、貴也は眉をひそめて、私を見るだけ。

    「んもー!今日、な、ん、の、日?!」

    「だりぃ…」

    「なにそれ!」

    「なんだよ、うるせぇな。ピーピー言うな。俺は忙しいんだよ」

    「私より?!私より大事なの?それは?」

    「…まぁ、な」

    その曖昧な口ぶりにがっくりと肩を落とした…。

    「分かった…もういいよ。じゃあね!」

    そう言って行こうとすると、むんずと襟を掴まれる。

    「な、に?」

    「お前も来るんだよ」

    「は?」

    「お前がいねぇと決まんねぇだろーが」

    「え?」

    「お返し欲しくねぇの?」

    「欲しい!」

    「んじゃ行くぞ」

    ほんと、大好きなんですけども!

    きゅん

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  9. 久し振りにあった孝介先輩は、益々格好良くなっていた。

    「よ、久し振り。とはいえ卒業式ぶりだからそんな経ってないか」

    そう言って、笑い掛けてくれる先輩が、やっぱり凄く好き。だから、先輩が卒業する前にと、思い切ってチョコを渡したのに。

    「ん。さんきゅ」

    それだけ。たったそれだけで、済まされてしまった。私は先に先輩の手元に行ってしまったチョコに添えた「好きです」が口では言えずにただペコリと頭を下げて立ち去ったんだ。何気に苦いバレンタイン。だから、今日会うのが本当は怖かった。なのに、今先輩は私に向かって笑顔いっぱいで話し掛けて来る。あぁ…嫌だな。早くここから立ち去りたい。そう思って、ペコリと頭を下げて先輩の横を通り過ぎようとすると、その瞬間、先輩に「待って」と言われて風になびく髪をくしゃりと撫でられる。

    「…なぁ、この前の、返事…」
    「え…?」
    「好きだよ」

    今度は強く抱き締められた。

    きゅん

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  10. 贅沢な世界…。

    貴方がいて、この想いが生まれて、温もりを覚えて…。

    今私はとても幸せです。

    好きなままで長くいたい…。

    そんな願いが叶えられそうなほど、この世界は眩く。


    私は自分の未来を変えられるんじゃないかとさえ、思ってしまう。

    贅沢な世界…。

    貴方がいるから。
    貴方が傍にいるから。
    貴方が恋しいと思えるから。


    好きをどれほど伝えても伝え切れない。
    そんな私の凍った涙さえ、解いてくれる。

    あと、何回。

    そんなことを考えずに…貴方への愛を唱えたい。


    贅沢な世界…。


    もう、これ以上望む物は何も無いから。


    どうか、壊れないでいて。
    どうか、壊さないでいて。


    私は貴方を……愛しています。

    きゅん

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  11. 並んで微笑み合う瞬間。

    その時だけ、生きていてよかったと思える。

    いきなりの申出に付き合ってくれた貴方。

    これからもっと、好きになる。

    あなたの傍を離れたくなくなる。

    その前に…私から消えた方がいいのかな…。

    でもね?

    心が貴方を求めて止まないの。

    深々と積もる雪。

    雑踏さえも溶け合う、運命の日。 

    2人最後の約束を果たしたら……。

    きっと別々の道を歩んで行くのだろう。

    好きです。
    大好き。

    だから、失う事がとても怖い。

    貴方の笑顔をあと何回この瞳に焼き付けられるかな…。

    心の中で密かにする切ないカウントダウン。

    貴方の隣にいられるだけで幸せだと思っていたのに…本当はこんなにも欲張りな私…。

    それでも…。
    貴方を愛する気持ちに嘘はないから…。
    【その時】が来るまで…私にチャンスを与え続けて下さい。
    貴方を愛していいという、たった1つのチャンスを…。

    きゅん

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  12. 『じゃあ、またね』

    この一言をあと何回貴方へと伝えられるのか…。

    好きだよ。
    好きだよ。
    好きだよ。

    だから、ごめん。

    貴方の笑顔を、ちゃんと見られなくて俯く。
    もっとちゃんと傍にいたいのに。

    私は弱虫だから、怖くて『またね』が言えない。
    それが叶わないと…知っているから。

    ねぇ、この声が届きますか?
    貴方を好きな気持ちは、届けてもいいですか?

    きっと、貴女は笑ってくれる。
    両手を広げて、一緒にいようと言ってくれる。


    でも………。


    だめ、なんだ…。


    貴方には幸せになって欲しい。
    出逢ってからどんどん知った、貴方の優しさに触れながら、私は願う。

    私との時間以上に、幸せに。
    私がいなくなってからも貴方が心から笑えるように…。


    私じゃ叶えられない願いを、どうか…叶えて。

    きゅん

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  13. 2人、溶け合う雪の中で出逢ったのだから…いつか、あの…きらびやかな光のカーテンの下で、もう一度貴方にお願いをしたい…。
    煌めく世界の中、ただ2人だけの時間を下さいと。
    貴方を、想う心も。
    どんどん惹かれてゆく、この心も…。
    私にとってはかけがえない…奇跡。
    二人の間に見えない硝子の隔たりがあるとしても、壊したくない。
    どうしても貴方に恋をしていたい、切実な願い。
    残された時間はあまりにも少な過ぎて、涙が零れてしまいそうだけれど。
    それでも私は貴方の隣で、貴方の微笑みを見つめながら、笑っていたい。
    此処は、私にとって泣きたいくらい優しい小波を連れてくる、心地の良い場所。
    貴方が私を見て、私を必要としてくれるなら…。
    もうそれだけでいい。
    雪の降り頻る日貴方と出逢えた…それだけで、私は幸せ。でも、もし出来るのであれば…あの光のカーテンの下で貴方に恋をしていると伝えたい。どうか忘れないでいて…。

    きゅん

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  14. 委員会で遅くなった私を待っていてくれたのは、幼馴染の孝太。その顔は、ふんわりと微笑んでくれていて、ドキドキしてしまう。

    「なんでそんなに笑ってんの?」
    「んー?美紀が可愛いから?」
    「またー、そんな事ばっかり言っても飴くらいしか出ないよ?」
    「飴かぁ…んー…じゃあさ、コレちょうだい?」

    とんとん、と、孝太が私の口唇を指で撫でていく。

    「はぃ…?」
    「可愛い美紀の、可愛い口唇で、可愛いちゅーが欲しいなぁ?」
    「ば、ばかっ…」
    「だめ?…でも、可愛いし好きだからしちゃおっかな」

    というと、孝太は私との距離をきゅーっと詰めて、背を屈めてくる。
    近付く孝太の顔。そして吐息。

    「ん、ん…っ」
    「可愛いなぁ。このまま食べちゃいたい」
    「んーっ」
    「ね、そんな涙目で見られたら我慢出来なそうなんだけど。可愛過ぎる美紀が悪いんだからね?」
    「…ばか」

    今日はもう…お泊まり決定なんでしょうか?

    きゅん

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  15. 先輩は今日も格好いい。
    太陽に当たってキラキラしてる。
    そんな先輩が徐ろに私に話し掛ける。
    「ねぇ、こっち向いて?」
    「…や」
    「なんで?」
    恥ずかしいから、とは言えずに俯こうとすると、すりっと顔の輪郭を冷たい指で撫でられた。
    ぴくん、と反応すると先輩は嬉しそうにもう一度撫でていく。
    「も、せんぱ、い…ってば…」
    くすぐったくて、身をよじると今度は頭をよしよしと撫でる。
    あまりの恥ずかしさとくすぐったさで、涙目で先輩を見上げると、ふふっと微笑んで、
    「やっと、こっち見た。寂しいからちゃんと、見てて?俺のこと」
    ウィンクしながら耳元で囁かれてゾクゾクする。
    「〜っ!言われなくても…っ」
    「うん、うん…見てるよね。知ってる」
    「じゃあなんでそういうこと…!」
    「だって、そういう反応するキミが大好きだから」
    にっこりと微笑って手をきゅーっと握られ羽のようなキスをしたらもう、抵抗なんて出来ないよ。

    きゅん

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  16. 「かーなーこ」
    「んー?」
    【あの時】からくぼちゃんは、私を片時も離さない。
    私はそれが嬉しくて嬉しくて仕方がない。
    「こっち向いて?」
    「んもー…仕方ないなぁ」
    なんて言いながら、顔は緩みっ放し。
    ドキドキしてるくぼちゃんの胸に、私はぽふんと顔を埋めた。
    「かなこ、かわいー」
    「くぼちゃんは、かっこいー」
    端から見たら、馬鹿みたいなやり取りだけど…。
    今の私達には、これくらいが丁度いいんだ。
    失くした私とくぼちゃんの時間を取り戻せるのなら…二人の距離を縮められるのなら。
    「ねぇ?手、繋ごっか」
    「ん…」
    くぼちゃんの大きな手が、私の手を包む。
    「離れないでね?」
    「離さないでね?」
    二人で何度も確かめるように、言葉を交わしてキスをした。
    この吐息が触れるくらい近い距離を、これから失くさないように…。
    私は瞳を閉じて、くぼちゃんの手を握り返した。

    大好きだよ、くぼちゃん。
    離れないでね。

    きゅん

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  17. 今日は特別な日。今後の私の人生を決めるだろう、大切な日だ。あちこち巡って最後に大学の図書館に足を踏み入れた私は、本棚から見るからに難しそうな本を取り出している一人の男の人に視線が釘付けになった。『わぁっ…凄い綺麗…』それは、彼の指先への賛美だった。その視線に気付いたのかその男の人は此方にやって来る。
    「こんにちは」「あっあの、こんにちは!」「気に入った?」「え?」「ここの大学」眼鏡の向こうに柔らかな瞳が映る。クールそうに見えて優しい人、なのかな?「はい!とっても!」にっこり笑って答えるとくすり、と微笑まれる。「ここに来たら、楽しいよ?色んな奴いるし…色んな勉強出来るし…」そういうと…その人は私の瞳を至近距離で覗き込んで囁いた。「それに、俺みたいな優しい先輩も、ね」そして、ポンポンと頭を撫でられる。「だから、受験、頑張ってな」そういって満足そうに微笑むと「じゃ、待ってるから」と去って行った。

    きゅん

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  18. 「はる、お前さ、あいつのこと好きなわけ?」
    「は?なに?急に?」
    「…だから、さとるが好きなのかって聞いてんの」
    どんどんこっちに向かってくる幼馴染1あきら。
    「な、べつに…って、え?」
    「好きに決まってんじゃん。馬鹿だろお前、なぁ?はる?」
    「さとる?」
    後ろからぎゅっと抱き着いてくる幼馴染2、さとる。
    今日は何やら二人の間が変。…なんで?
    「っ!放せよ!」
    「うるせぇよ!」
    「ちょ!二人共!いい加減にしてってば」
    そんな二人の間に挟まれて気分が悪くなり、背の小さい私は必然的に彼らにもたれ掛かった。
    「おい、大丈夫か?!」
    「大丈夫、じゃない!なんで二人共仲良く出来ないの!」
    「出来ねぇな。お前がどっちか選ぶまで」
    そんなの決められる訳ないじゃない。二人共好きなんだから。
    「認めねーよ。好きって言えって」
    困ってドキドキが止まらなくなった。

    きゅん

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  19. 「ねぇねぇ、本気で好きだよ?」
    「はあー?俺のほうが好きだし」

    右と左に引っ張られて、身が裂けそう。

    「ね、ちょ、苦しい!」

    「ほら!いやがってんじゃん!放してよ」
    「お前が放せよ」

    ぐいぐいぐいー

    「ほんと、やめて…気持ち悪くなってきた…」

    「好きって言ってくれたら放す」
    「愛してるって言ってみ?」

    「はいはい、好きです、愛してるー…」

    「ほんと?」
    「まじか?」

    じっと見てくる4つの瞳。

    やー…そんなにイケメンに見つめられると照れるというか…。ドキドキが止まらなくなる。

    「……ほんとだよ?」

    半分はにかんでそう言うと、イケメン達の顔はキラキラに破顔した。

    それ、私だけにして下さい。
    …贅沢だけど、今だけはそんな環境で過ごしていたい。

    「好きだよ」
    「好きだぜ」

    その声に今は酔っていたいから。

    きゅん

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  20. 目の前で火花を散らしているこの人達を誰か消し去ってください…神様、仏様。

    「いいじゃんちょっとくらい貸してくれても」
    「あぁ?こいつは物じゃねぇんだよ、猿」
    「野蛮だなぁ…そんなんだからフラれるんだよ二人友共」
    「「なにぃ?!」」

    はい、こいつらはさっきから私を無視してぎゃーぴー騒いでますが、私の存在を通り越して私の事で喧嘩するのはいい加減止めて欲しい。

    「「「お前(君)はどうなんだよ!?」」」

    …皆、同じレベルなんですけど?

    冷めた視線を送ると途端にしゅんとする3人。

    …だから、3人同じレベルなんだって。

    それって、別に想いが迷惑とかの話じゃなくて。

    「好き、かもしれない」

    ボソリと呟いた言葉に3人3様のガッツポーズ。

    「やった!」
    「勝ったな」
    「当然だよね」

    「「「なにぃ?!」」」

    …ほんと、それがなければいいのにね。

    消えて下さい。とりあえず。

    きゅん

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  21. 陽菜さんは、今日も笑顔がキラキラしてる。
    「好きだよ、陽菜さん」
    「凪月のくせに生意気」
    そんな、和やかな雰囲気からいっぺん。
    「叶野さん、ちょっといいかな?」
    また陽菜さんは呼び出される。
    あぁ…たりぃ…。
    なんで、そんなにモテんの?
    つか、なんで俺がいんのに、そんな奴に告白されんの?
    やっぱ俺って彼氏じゃないの?
    そう思って、じーっと陽菜さんの後ろ姿を眺めてたら、陽菜さんは急にちらりと俺を見て、その声をかけてきた奴にこう言った。
    「あー…ごめん。今、『彼氏』といるから」
    「え…」
    「…違うの?」
    「…違わねぇし。この人俺んだから…」
    後ろからぎゅーっと抱き締めて、そいつに言うと陽菜さんはその俺の腕をぽんぽんと叩いて…。
    「なに…?」
    「すき」
    頬をぷにっとされて告白された。
    ね、それ…もっかい言って?
    甘えた俺は調子に乗るなと怒られた。
    でも、好きだって言われたい。
    もっかい言って?

    きゅん

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