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  1. 8件ヒットしました

  2. 「仕事、終わった?」
    「え?か、会長!?」

    突然、会長が後ろから声を掛けてきた。
    私はびっくりして、思わずパイプ椅子をガタッと鳴らす。

    「ごめん…びっくり、させちゃった?」
    「い、いえ…全然……」

    会長と目が合う。綺麗な、深い深い瞳の奥に、冴えない私が映し出される。

    「大丈夫、です…」
    「ねぇ…これから、時間、ある?」

    会長は、私の顔を覗き込むようにして、聞いてくる。

    「あ、えと…今日は」
    「ごめん。ムリだった?」
    「い、いえっ!ただ…書類整理がもう少しだけ。」
    「なぁんだ。…じゃあ、もうちょっと待ってよ~」

    そう言って、会長は私の目の前に自分の椅子を持ってきて座る。
    私の視界は、書類の山から会長だけの世界に変わる。

    「ふふっ。それじゃあ仕事、終わんないよ?」

    会長の一言で、我に返る。
    また、冴えない私が映された。

    「その顔、すっごい好き。」
    「え?」


    「…大好き」

    きゅん

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  3. 「光!星、すっごい綺麗だね!!」

    今年の七夕、晴れて良かった…

    「ゆい。はしゃぎすぎて怪我とかしないでよ?」
    「あ!流れ星!!」

    …来年も、そのさきもずーっと、光とこうやって星が見れますように。

    「なに、お願いしたの?」
    「なんでもぉ?」

    …言えるわけないじゃん。

    「……来年も、そのさきもずーっと、ゆいとこうやって星が見れますように。」
    「え?」
    「あ…こ、声、出てた…?」

    うなずいた。恥ずかしくて、光から視線を反らした。

    「ああもう!!バレちゃったなら仕方ない!」

    目の前に、光の顔があった。

    「ゆい!ずっと、ずっと…好きだった。ゆいのことが、大好きだ!」

    二人きりの空に、光の声が響いた。
    ああ、七夕のお願いって、叶うんだ………

    「光。私も、好きだよ。」

    キラリ。光の目から流れ星。私の目からも、流れ星。

    きゅん

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  4. ひとのいない、静かな校舎裏。息すら聞こえる静寂の中で、私は彼と居た。家はお隣さんで同級生、おまけにクラスメイト歴も11年という、言わば腐れ縁。

    「み、美宇。これ。」

    そう言って彼はぶっきらぼうに投げた。キャッチして、改めて見るとプレゼント。いっつもバレンタインに渡すだけ渡して、お返しなんて今まで無かったのに…

    こんなことされたら私。


    嬉しくて、あなたに鎖をつけてあげちゃう。

    だから…だから。
    だから、お願い…優しくしないで。

    私から、逃げ、て…

    きゅん

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  5. 「先生…?」

    私は先生の言ったことが信じられない。

    「嘘じゃないよ。コンクール、賞とったんだよ。いま、連絡が入ったんだ。」
    先生は笑って…そして、

    私の頭に触れた。

    「先生ー?」
    突然、部室のドアが開いた。
    「次、どうしたら良いですかー?」
    部長が出てきた。
    「もうちょっと待ってろ。」

    先生の声は、もう何時もの冷静さを帯びていた。部長はすぐにドアを閉めた。


    「やっと消えたか…みさき、今日は一緒に帰ろう。」
    「会議は?みんなは?」
    「そーいうの、みさきに気にしてほしくない。みさきが気にするのは、帰り道での話題。」
    「わかった、さく。」

    さく、今日はどんな話が良い?

    そうだ、本当のさくにしかできない私の話をしよう。


    「さく。」
    「うん、わかった。」

    エスパーのあなたを、私は否定しない。

    きゅん

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  6. 先生が、父だった。クラスメイトが…友達が執事だった。衝撃だらけで、生活しているものの、たまに放心状態になってしまう。


    父は、私に行ってきますを言うと部屋を出た。

    私は祈った。世界がいきなり変わってしまった。先生だって、先生ではなくなってしまった。変わらないでいろとは言えない。でも少しだけでも良いから…少しくらい、変わらず側に居てほしい。

    「おぉい…そんな思い詰めんでも大丈夫やで。」
    気が付くと、田辺くんの姿があった。気付かないうちに下を向いていたらさしい。
    「ご飯出来たよ。いっぱい食べよな。」
    思い切り笑顔を見せる田辺くんに、私は出来る限りの笑顔でうなずいた。

    宣伝用です。よければ読んでみてください。
    「貴女へ」

    きゅん

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  7. 「あ…みずき、こんなところに居た。」
    そう言って向こう側から走ってくる私の幼馴染み。笑顔で、全速力。

    「みずき、焼きそばの匂い、する。」
    「それは…美味しそうだったからつい……」
    「それから、あいつの匂いもする。」
    え?
    「ね。覚えてる?中学校でも、みずきの隣は俺だったでしょ?」
    良太は、一歩近寄った。私はそれにつられて一歩あとずさった。
    「どうして避けるの?」
    次の瞬間、ドンって音が廊下に響いた。

    「みずき、この文化祭終わったら言おうって思ってたんだけど…」
    良太はさらに一歩近寄った。
    「みずき、俺のもの。あいつなんかの側に行かないで…ずっと一緒だったでしょ?御願い…独りにしないで……」
    私は初めて彼の涙を見た。

    きゅん

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  8. 写真は、己との戦い…だから、写真部活動中はあの方とあまり喋れない……というより、あの方は姿が消える。
    でも今日は見つけた。

    「ぶちょー!…っ」
    あの方…部長を見つけて、嬉しくなって……でも、彼の真剣な眼差しを見ると言葉を失った。
    私は知らないうちにシャッターを切っていた。
    「あれ?…美琴ちゃん?」
    「ぶ、部長っ!すみませんっ!!」
    「どうして謝るの?」
    今度は優しい眼差し…でも、私は邪魔を………
    …って部長!あ、頭!!手、が…!
    部長が私の頭に触れた…
    「僕がいつ、美琴ちゃんを邪魔だって思った?」
    え…?
    「美琴ちゃん、僕は邪魔な人間はすぐに排除するよ。…だから、この部活って部員が二人きりなんだよ。知ってた?」
    その、世界をゴミだという眼差しが、私は特別だと思わせる言葉が、不覚にも私の心を弾ませた。

    きゅん

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  9. 下の方…校庭の方からみんなの笑い声や、楽しそうに走る足音がする。
    「私、もうちょっと元気だったら…」
    この体がもっと動く体だったら…
    こんな体、大嫌い。
    「あんな風に走りたい?」
    「祐樹…」
    優しい声に頷いた。
    それに、走りまわれるくらい元気なら、きっと祐樹にも迷惑かけないのに…
    立ち上がって、柵に手を置いて下を見た。
    良いなぁ…
    私には、一生叶わない憧れ。校庭を思いっきり走るなんて…

    ふいに風が吹いた。
    バランスが崩れそうになった。…でも、祐樹が支えてくれた。ギュって、抱きしめてくれた。祐樹のあたたかい体温が伝わってくる…
    「危ないよ、柚鈴…」
    「祐樹…ありがと」
    「柚鈴、僕はずっとずっと、柚鈴の側にいるからね。…捨てちゃダメだよ。」
    こういうときだけ、自分の体は好き。

    私の体は祐樹がずっと側に居てくれる、魔法にかかった呪いの体。

    きゅん

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