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  1. 8件ヒットしました

  2. 「ほらよ」
    「今日もお茶汲みに精が出ますね」
    「まぁな。ご機嫌取りだ」
    「下心入りのお茶は結構ですし、しれっと隣に座らないでくだ……近いな!」
    「肩こりが酷いと見た。俺が優しく揉んでやろうか?」
    「その言い方なんかヤダ!」
    「喜ぶなって」

     ニィッと口を曲げるこの男、
     保健室の麗人こと生徒会顧問。
     てかタダのセクハラ保健医です。

    「やめてもらえます? 頭撫でながら段々顔近づけるの」
    「ハイハイ会長お口チャック」

     ちゅっ。

     私が固まったのをいいことに、
     2度、3度と落とされるキス。

    「疲れ取れたか?」
    「……急に優しい」
    「昔からだろ?」

     家庭教師として出会った彼は、
     私を大層気に入り、
     何故か進学先に赴任してきた。


    「好きだ」
    「うん」
    「俺はいつでも傍にいるぞ」
    「……うん」


     好きな人とのキスは、リラックス効果抜群。
     だから彼は、今日もキスハグ。

    きゅん

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  3. 「好きだ」
    「やだ……見つめないで」
    「……可愛いな」
    「鳥肌立ってんのこっちは!」

     レッツ逃走! のつもりが、ガシリと腕を掴まれまして。

    「俺の何がいけないんだ?」
    「イケてるところです。私イケ免疫不全症なので」
    「イケ……?」
    「イケメンに免疫がない難病です! てか、毎日毎日、登校時間に居合わせるのなんでです!?」
    「通学路知ってるから」
    「なんで知ってんの転校生!」
    「ひとめぼれしたんだ。子供の時に」
    「は?」
    「一緒に遊んだおまえが忘れられなくて、戻ってきた」

     ……何ですと。

    「でもおまえは覚えてなくて、ちょっとムッとしたから……」
    「んぅっ……!」
    「……っは、俺の免疫つけろ。コレ強制」

     奪われてしまった。
     ファーストキスが……深いほうで!

    「イケメン許すまじ!」
    「膨れたってかわいーだけだ」
    「なぁっ!」
    「よしもう1回」

     荒療治が、始まったようです。

    きゅん

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  4. 「うほっ! イイ眺め!」

     とか言いながら、イスにちょこんとしか座れてない。
     だって口先だけのビビリだから!

    「快適そうじゃないか」
    「ふぁっ!? お、お帰り会長!」
    「俺の席は、どんな気分?」
    「まっ、魔が差したんです!」
    「言い訳は結構」

     さすが容赦ねぇ!

    「寂しいなら、言えばいいのに」
    「……なんで後ろからハグするんです?」
    「俺の席だし」
    「私を蹴っ飛ばせばよかろう!?」
    「バカだな」

     つぅ……と、下唇をなぞる指。

    「キスでもしたほうが、よほど有意義だ」

     ……ワーオ、お仕事モードだ。
     スイッチは、私。

    「どーにでもなれ」
    「言ったな? すぐ終わらせる。いい子で待ってろよ?」

     ククッと、ノドの奥で笑う君は、
     タダの、駄々甘カレシでした。

    「キスじゃ終わらないかもな」
    「猛烈に帰りたい!」
    「逃さない……」
    「ひゃあ! 耳元でしゃべんな仕事しろぉ!」

    きゅん

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  5. 「好きです。先輩ください」
    「否」

     ドンッ!

    「落ちないなら、わからせる」
    「何様、だッ!」
    「ったぁ!」

     壁ドンすれば誰でも落ちると思うな、イケメン。

    「ひとめぼれとかあり得ない」

     たくさん練習して、やっと良い音色が奏でられるように、
     恋も、育むものでしょ?

    「ひとめぼれで悪いですか」

     膝蹴り食らったのに、凝りんな1年坊主。

    「好きになったんです、先輩のピアノ。だから先輩が好きなんです」
    「意味がわからん」
    「あんな綺麗な音が出せる人、ほかに知りません。……綺麗です、先輩」

     私の手を取って……指に、は、キス!?


    「今から、僕にひとめぼれしてもらいます」


     ~♪


     細い指が、モノクロ鍵盤を叩いたら、
     まさかのまさか。


    「……泣くほど、惚れました?」


     まぶたを閉じた、ひとめぼれ。
     こんな恋って、アリ?


    「綺麗で、かわいいです。先輩」

    きゅん

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  6. 「お姉ちゃーん!」
    「ヤバッ……おすわりっ! おすわりィッ!」
    「とうっ!」

     シュタッと踊り場に着地した犬が、弟のごとく駆け寄ってきた。

     違った。

     弟が、犬のごとく駆け寄ってきた。

    「一緒に帰ろっ♪」
    「じゃあ手を離すことから始めよう」
    「何故に!?」
    「手汗すごいんで」
    「俺気にしないよ!」
    「アンタの手汗だよ!」
    「うわぁ!」

     ハンカチでゴシゴシしてるそばから、
     今度はリンゴになった弟の、汗の香り。
     爽やかな、せっけんの芳香。

    「頼りないカレシでゴメンね、お姉ちゃん」

     弟で、カレシ。
     ややこしいけど、合法です。

    「冗談だって。……ハグして?」


     せっけんが、ふわりと香る。


    「……も~、煽んないでってば」


    「待て」をといた後は、お覚悟を。

     義理の弟っていうデカイ子犬が、狼になっちゃいますから。

    きゅん

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  7. 「キスさせろ」
    「ん、上から目線だからヤダ」

     ――ダァンッ!

    「……壁ドンする相手違わない?」
    「俺がそんなヘマすっか」
    「だってあたしたち――!」
    「もう黙れ」

     や、キスされ――!


    「……切れてる」


     恐る恐る、目を開く。

     唇に指をかけ、
     切なげに顔を歪める――兄。

    「治せっつったよな? やなことあると、噛むクセ」
    「何のこと?」
    「トボけんな」
    「……んぅっ!」

     噛み付くような始まり。
     それは、甘ったるい程トロけていって。

    「っ……連れ子だから、いいじゃん。俺が好きなヤツ、傷つけんなよ猫かぶり共……」

     ギュウッと包まれたあたしは、泣きそうになる。

    「あたしたち、悪いコトしてないよね……?」
    「当然」

     やっと弱味をさらけ出したあたしに、「彼」は笑ってくれた。

    「安心したら、ちょっと100回くらいキスさせろ」
    「分割で」
    「一括」
    「きゃー!」

    きゅん

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  8. 「難問ね……」
    「へー、先生にもわかんない問題とかあるんだ」
    「かれこれ数ヶ月も悩んでるの。やれば出来るのに、マジメに課題を提出しようとしないあんたの思考にね!」
    「だって楽しいんだもん」
    「先生をからかわないの! 特別課題出すよ!」
    「それでもいいけど」
    「……は?」
    「未解答問題の答え合わせ、してやるよ」

     グッとのぞき込まれる。
     のけ反った拍子に、手元の解説がクシャリと歪んだ。

    「誰もいないとこで、俺だけを見つめさせたい」
    「ちょっと!」
    「俺だけが、独占したい」
    「こらっ!」
    「早い話が」
    「……んっ!」

     ブレザーの袖を掴んだけど、引き離すどころか、力が入らなくて。

    「俺=先生が好き。簡単な問題だろ?」

     大きな手のひらが、火照った頬をスルリと撫でる。

    「そのドキドキは、真である。証明終わり」

     濡れた唇が、ニヤリと曲がり、
     再度距離を詰めるまでの時間は、何秒?

    きゅん

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  9. 「あたた! 痛いです先生!」
    「傷口押えた程度で、人間死にゃあしないわ」
    「ケガ人をバッサリ斬りますねぇ」
    「あなたの身体のことは、私のほうがよく知ってるもの」
    「……へぇ」
    「保健の先生ですからね」
    「……ふぅん」
    「強めに圧迫しておいたから、血もすぐに止まるわ。家庭科の途中なんでしょ? これなら教室に戻っても」
    「セ・ン・セイ?」
    「きゃっ!」


     グイッ!


     私が手当していた彼が、
     私を抱き上げて、
     今まで座っていたベッドに優しく下ろす。

    「まだ、痛いんです」

     白衣の裾を膝で踏まれて、逃げられない。

    「無理はやめてくださいね……俺までツラくなる」

     長い指先が、ガーゼ越しに隈をなぞる。

    「先生の身体のこと、よく知ってるのは俺ですから……手当のお礼だよ」

     まぶしい笑顔に、
     ふにっと唇にふれる指。

     ……これ以上の特効薬を、私は知らない。

    きゅん

    8

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