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  2. 「片桐、補習のプリント全然進んでないじゃないか」
    「数学苦手なんですー」
    「苦手だから補習してるんだろう」
    「じゃあ先生、これ終わったら何かご褒美ください」
    「はぁ? なんで? ・・・・・・何が欲しいんだよ」
    「好きって言ってほしいんです! 嘘でもいいから!」
    「お前、それ本気で言ってんの?」
    「え?」
    「俺はそういうの、嘘では言わない主義なんだ。とにかく、会議があるからプリント終わらせておくんだぞ」
     そう言って先生はムスッとした顔で教室を出ていった。
                 *       *        *
    「片桐ー、プリント終わったか?」
     会議が終わって様子を見に来れば片桐は机に突っ伏していた。
     どうやらプリントを終わらせて力尽きて寝ているようだ。
     ふと、片桐の言っていたご褒美について思い出す。
     片桐の耳元で「好きとか恥ずかしくて言えるわけないだろバーカ」と俺は囁いた。

    きゅん

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  3. 「あ、先生、御機嫌よう~」
    「片桐、今どき御機嫌ようって、今度はウケ狙いか?」
    「違いますよー、たまには違う挨拶を考えてですね!」
     ふと俺は思った。今日は何かが違う。そのふざけた挨拶以外に・・・・・・そうだ、今日はいつもの好き好き攻撃が無い。
    「それでは先生また授業で」
    「おい、片桐・・・・・・、今日はどうしたんだ?」
     いつもと違うだけで調子が狂う。
    「へ? どうって普通ですよ?」
    「だから・・・・・・いつもみたいに好きって言ってこないのかよ」
     赤くなった顔を隠すように横を向いて言った。
    「そんなに毎日言ってないし、言いません!」
    「なんだよ・・・・・・つまんねぇの」
     俺はそうぽつりと呟いた。
     別に期待していた訳じゃない・・・・・・と思っていたのになぜだか心に穴を開けられた気分だ。
    「んーーーー、もうやっぱり先生好きです!」
    「あーーー、はいはい!」

    きゅん

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  4. 「せーんせ! 好きです! 差し入れです!」
     私は先生に手作り弁当を差し出した。
    「片桐! 本当に今日も来たのか! 弁当か、そう言えばお昼時だな」
     私の愛の告白はあっさりとスルーされた。でもめげない!
    「はい! 愛妻弁当です!」
    「妻じゃないだろうが」
    「まぁまぁそう言わずに召し上がってください」
    「はぁ、仕方がないな・・・・・・ん、意外と美味い!」
    「意外は余計ですよー」
    「将来いいお嫁さんになれそうだな」
     私は先生にそう言われて嬉しくなった。
    「本当ですか! では明日婚姻届を持ってきます!」
    「待て待て、誰が結婚すると言った!」
    「えー」
    「・・・・・・お前俺のどこが好きなの?」
     先生にそう聞かれ私は赤面した。
    「それは内緒・・・・・・です!」
    「・・・・・・何だよあれだけ好きって言っておいて、俺まで照れるじゃねぇか」
     先生が顔を赤くさせているのを見て私は可愛いと思った。

    きゅん

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  5. 「片桐、こんなところに呼び出して何の用だ?」
    「はい、告白と言えば校舎裏だと思いまして、ということで好きです! 付き合ってください!」
    「片桐、気持ちは嬉しい。お前は良い生徒だし、人気者だし」
    「じゃ、じゃあ付き合って・・・・・・」
    「だが断る!」
     俺は片桐の言葉を遮った。
    「な、何で!?」
    「何でって、俺は教師だからだ! 付き合えるわけなかろう!」
    「えー、先生思考が古いですよー、バレなきゃいいんです!」
     片桐はドヤ顔でそう言った。
    「言い訳がないだろう? 俺は生徒と付き合う気はない。分かったら早く帰りなさい」
    「むぅーー、先生のイケズ! 明日も告白に来てやるーー」
     片桐は口をぷぅっと膨らませて走っていった。
    「おい、明日は土曜日だろ・・・・・・まったく、何で俺なんかを」
     片桐は可愛い、もし自分が教師でなければ・・・・・・そんな考えが浮かんだが俺はすぐにそれを振り払った。

    きゅん

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