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  1. 19件ヒットしました

  2. お昼休み、私は教室を飛び出した。
    …二つお弁当を抱えて。

    待ち合わせは屋上。ドアの前で私の足がふいに勢いを失った。
    隙間から見える君と、取り囲む女子。

    約束しなきゃ会えないし、見かけることも殆どできない。その分不安はたくさんある。
    仕方のないことだって…そう思うのに。

    目が合って、破顔した彼が駆け寄ってくる。
    「先輩!早くお昼食べよう」
    手を引かれて屋上に出て

    「彼女と昼だから…邪魔しないでくれる?」
    少し違う声音の彼に、彼女たちが走り去った。

    隣に座る彼が受け取った包みを広げて、「ハンバーグ入ってる!」と嬉しそうにはしゃぐ。
    ーー心が、すっと晴れた気がした。

    「優吾くん」
    「なに?」
    「…好きだよ。」

    「…っな、」
    狼狽えた顔も、赤くなる照れた顔も。私だけに見せてほしいなんて言えないけど。

    「俺も、好きだよ。」

    その言葉を聞けるのは私だけだって。
    自惚れても、いいかな?

    きゅん

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  3. …本当、子供な自分が嫌になる。
    聞いてないなんて言い訳。先に聞いてたって、きっと私は…ー


    「なんか…機嫌悪い?」
    「…べつに。」

    本当は…
    おかえりって出迎えて、今日の演技も良かったよ!って。お疲れ様!って。
    癒してあげられる、そんな存在になりたいのに。

    聞こえた小さな溜息と、
    「俺、もう寝るな?」
    …なんて、演技じゃない彼の"セリフ"は、私の台本にはない。
    ーー全然、違うじゃん。私。

    「…キス」
    「ん?」
    絞り出した小さな声を拾って振り向いた彼に。

    「キス、あるって聞いてない」
    「…ぶはっ」

    …ぶは?聞き間違いかな?
    訝しげに上げた視線の先で震える彼と、次の瞬間彼のシャツの匂い。

    「…ほんっと、可愛いやつ。」

    そっと触れた唇の向こうで、彼は
    「上書き。俺がしたいから、もっとしてい?」

    …私よりずっと、オトナだ。

    きゅん

    3

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  4. 《ごめん、先帰る》
    短いメールに、俺はいつもの道を走り出した。


    「見つけた…っ」
    「…海斗」
    咄嗟に解こうとする彼女の手を握り直すと、溢れたその涙がぽろり、ぽろりとこぼれ落ちる。

    「…こっち」
    手を引いて近くの公園のベンチに彼女を促すと、その隣に自分も腰を下ろした。
    「俺、何かした?」
    「ーー…もん」
    意外にも素直な彼女に安心して、小さな声にもう一度聞き返す。
    「ん?」

    「…私の方が、好きだもん」
    林檎みたいに染めた顔で、また雫をこぼして。
    少しだけ拗ねたように答えた彼女に、時が止まった気がした。

    「え、…は?」
    「校門で声、掛けられてた。」
    緩んだ口元を繋いでない手で隠す。…そういうことか。
    「…妬いた?」
    「ーっそ、」
    顔を上げた彼女に、そっとキスをする。
    …あぁ、本当敵わない。

    「俺の方が好きな自信、あるよ。」
    隣でその顔、この先もずっと独り占めしたいって思うくらいに。

    きゅん

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  5. 「おはよ」
    「…っお、「はよ〜、誠司!」
    声が遠くなるのを聞きながら、通り過ぎた背中に肩を落とす。


    「もう、いい加減自信持ちなよー!」
    今朝のことを報告すると、呆れた親友のデコピン。痛い…。

    彼は学校の有名人。頭が良くて、スポーツ万能、とても整った顔。実はそんな彼と幼馴染で、1ヶ月前付き合い始めたばかり。なんだけど…

    「あ、呼んでるよ!」

    「挨拶はしようって、約束しなかった?」

    目の前には不機嫌な彼。
    我儘を聞いてくれた彼が、その時交換で出した約束。…私が、自分に自信がないから。俯いた私を、彼の温もりが包む。

    「俺のこと好き?」
    「っうん、」
    「俺は、
    好きだから一緒にいたい。俺の彼女だって胸張って言いたい。それじゃ、ダメ?」

    嬉しくて、涙がこぼれる。想ってくれてるんだって、自信もっていいんだって。
    「ううんっ…私も、私も一緒だよ。」

    変わりたい。大好きな君のために。

    きゅん

    3

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  6. 決めたんだ。
    …今日、告白するって。

    「ど、どうしよう〜…」

    裏門の脇で、こっそりと深呼吸する。
    握りしめたスマホの、「頑張れ!」ってメッセージを思い出して自分を奮い立たせる。
    部活終わりの彼は、きっとここを通るから。

    約束なんてしてない。
    呼び出したりとか、そんなこともしてないし
    …話したことも、ない。

    でも、本当は
    話したい。話しかけてほしい。
    名前を呼びたい。呼んでほしい。
    友達になって、仲良くなって、あわよくば…ー

    …恋って、自己中だ。


    「あ、あっあのっ…!」


    ーーだからなんだ。
    私は今、絶対、彼に声をかけない方が後悔する。

    友達の段階を、飛ばしちゃっただけ。

    私は、彼が好きなんだ。

    きゅん

    7

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  7. 『放課後、屋上で。』
    ーーそんな、差出人不明のメモ。
    私は少し不安ながらも、誰が待っているのかわからない屋上の扉に手をかけた。

    …ガチャ
    扉を開けてすぐに見えた後ろ姿。
    「あ、あの…

    …って、祐誠?!」
    「……遅ぇ。」

    不機嫌な表情で振り返ったのは、私がよく知る幼なじみだった。
    「なんで?!」
    「…お前、呼び出されたんじゃねえのか?」
    「いや、まあ私はそうだけど、……へ?」
    「俺。呼び出したの。」

    「……え、えええ?!」
    その言葉を理解すると同時に、弧を描いて何かが飛んできた。
    手のひらの収まったそれは…チロルチョコ。

    「それ、やる。」

    歩き出したその背中に、あったかい気持ち。
    「…祐誠!私、好きな人がいるの!」
    「…あっそ。」
    「私の幼なじみなんだけど…不器用で、実は誰より優しくて、」

    そこで私は祐誠の腕の中にいた。見えたのは真っ赤な耳。
    ーーそしてすごく、可愛い人なんだ。

    きゅん

    8

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  8. 「ーー澤田先輩っ」
    その声に、踏み出した足を止めた。

    「…何。」
    聞こえたぶっきらぼうな応えに緊張する。…声をかけたのは私じゃないんだけど。

    「ずっと…好きだったんです。」
    「…あのさ、」
    「知ってます!いいんです…だからせめて、チョコだけでも受け取ってもらえませんか…?」
    その子の気持ちが痛いほどわかって、泣きそうになる。

    「ごめんだけど、受け取れない。」

    走り去る足音のあと、私の前の彼が呆れて笑った。
    「なんでお前が泣きそうな顔してんの。」
    「…だって、」
    「ーー受け取らねえよ。」

    彼の言葉と同時に、私の視界が真っ白なシャツで埋まった。
    「俺、お前のチョコが欲しいんだけど?」

    「それなんだけど…家に忘れてきちゃった。」

    「…そんなことだろうと思った。」
    ため息をついて、

    「帰り取りに行っていい?」
    そう呆れて笑う彼の隣は
    この先もずっと、私であれたらいいなって思うんだ。

    きゅん

    9

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  9. ーー大好きな兄に、好きな子ができた。

    「…兄(にい)、そのチョコどうしたの?」
    「ん、コレ?好きな子にあげるの。」

    兄はモテるから例年通り沢山貰ってて、その一部なんだろうなって思ってた。…ううん、思いたかったの。

    だって妹の私が兄を好きだなんて。
    この先も絶対、言えないから…

    「それって逆チョコ?恥ずかしかったり、しない?」
    好きな子にあげる、なんて言わないで。
    嘘だよばーか、って。いつもみたいに笑ってよ。

    「ははっ!恥ずかしいなんて今更だしな。
    その子、俺のカッコ悪いとこ…誰よりも知ってるから。」

    その瞬間、私の瞳から涙が零れた。…ごめんね、兄。
    「なぁ、聞いて?」
    「…ひっく、…っなに…?」

    「俺、その子が世界で一番大事。」
    「…うん」
    「その子になら逆チョコでも渡したい。」
    「…っうん」
    「受け取ってよ。」
    「…え?」

    「俺の、最初で最後の想い人になったんだからさ。」

    きゅん

    30

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  10. 2月14日バレンタインデー。
    ーー七年目の記念日。
    学生時代よく待ち合わせをした駅前で彼を待つのは…何年ぶりだろう。

    「ーっ悪い、遅れた。」
    『ううん、お仕事お疲れ様。』
    普段家で掛ける言葉もこの場所だと新鮮…だけど。

    どこ行こっか?なんて振り返った私は動かない彼に
    「…話があるんだけど」
    ーー真剣な彼の瞳に

    「俺、お前の彼氏、辞めたい。」
    さっきと違う動悸を覚えた。

    『な、に言って』
    「…そのまま『ーー嫌!!
    なんで…っ私はコウが好きだよ…?ーー私、帰る。』

    …無理、そんなの。踵を返した私に
    「待てって…聞け!!」
    初めて聞いた、怒鳴る声。
    「…俺の、嫁になってくれませんか。」
    初めて見た、真っ赤で真剣な表情。綺麗な指輪。

    『なりっ、…ます。』
    溢れる嬉し涙も、君の幸せそうな笑顔も全部ぜんぶ初めて…だから。

    「…ん、」そう指を絡めた君を
    これからもっと、隣で知っていきたい。

    きゅん

    5

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  11. 『今日、ユイに告白する!』
    ーーそう親友に宣言したのは…ほんの二十分程前で。

    「なんで一人で帰ってんだろ…」

    結局チョコすら渡せないまま帰路についてる始末。私ってば一体…
    …いや、ユイが悪い。

    ーー今から十分程前
    ユイがいる男子バスケ部。練習場所の体育館にやってきた私は…唖然。
    …ユイがモテるのは知ってたけど…
    『きゃー!!ユイくーん!!』
    入口を塞ぐ女子。私には難易度高いかなー…みたいな?

    「ーー怖気付いただけだよーだ」

    もう開き直ってやる。どうせ私はムリだもん。女として見られてるかも危ういし…
    溢れる涙に、もうこの気持ちをどうしたらいいのかわかんない。…ねぇ、ユイ。

    「好きなんだよ…私。」
    「…やっと聞けた。」

    私を包んだぬくもり。大好きな君の香り。泣くなよ、って君の声。
    「…ユイ汗くさい」「オイコラ

    …俺も好き。」

    チョコを食べる君の隣が、ずっと私でありますように。

    きゅん

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  12. 「…姉貴?何して
    『ハッピーバレンタインっ!広也!♬』

    …は?」
    一つ下の弟・広也は完全に怪しい者を見る目付きで姉の私を見ていた。

    『ちょ、何も怪しくないよ?!ただ優しい姉がきっとチョコを貰えなくて悲しんでる弟のために!骨を折った次第で…!』
    …なーんて嘘。
    知ってる、広也がモテることくらい。

    「…悪いかよ。じゃ、喜んで受け取るわ。さんきゅ姉貴。」
    ーーでもそうやって嘘をついて受け取ってくれる。
    そんな優しい広也のことを、いつからか…好きになってた。

    ダメだってわかってても。傍にいたいし、彼女なんて作ってほしくない。
    ーーでもそんなの姉として言える訳ない。

    好き。お願い、傍にいてよ…
    「俺だって好きだバカ。行かねぇよ、どこにも。」

    『…へ?』
    気付けば私は広也の腕の中にいた。
    駆け足の鼓動も、耳元をくすぐる互いの吐息も、全てがリンクしたその時。

    私たちの恋は始まりを告げた。

    きゅん

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  13. 「あっ、七瀬くん…」
    ポツリと呟いた彼の名前は、周りの音にかき消された。

    目の前にいるお目当ての七瀬くんは、相変わらず沢山の女子がチョコを手に群がっている。
    …やっぱり、無理だよね。

    「せっかく、放課後まで粘ったのになぁ…。」

    私の好きな人。
    今日ずっとチョコを渡すタイミングを伺っていた七瀬くんは、イケメンで、優しくて、…言わずもがな、女子に人気で。

    それ以上は望まない。渡すだけでも、…って思ってたけど。やっぱり私には無理だったんだ。

    「…帰ろ。」
    そう思って、くるり。七瀬くんの方に背中を向けて、ーー

    「…っそのチョコ、誰にあげるの?」
    「えっ?」

    目の前には息切れした大好きな君ーー七瀬くん。
    「これは…七瀬くん、に…」
    呆然と呟くと「…よかった」って。

    「誰にあげんだろ、ってまじ焦った。」
    頬をほんのり染めた君は、

    「好きだよ。」

    そう言って微笑んで、私を抱きしめた。

    きゅん

    10

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  14. ーー誰か、可愛げを下さい。

    「…ち、チョコ!有り難く受け取ってよね!!」
    「……は?」

    今日こそは、告白するって決めてた。……目の前でたった今、面食らった表情の幼なじみに会うまでは。
    「…お前な。そんなんじゃいつまでたっても本命チョコは渡せねぇな。」

    そう言って、君は苦笑するけど。
    「……、だし…」
    「ん、何?」

    「…これ本命チョコ、だし…」

    涙で視界が滲む。…バカ。こんなならやり直した方がマシだよ…
    「…っなーんてね!じゃ、帰るっ」

    踵を返した瞬間、後ろからぬくもりに包まれた。大好きな君の香り。
    「…今の、マジ?」

    心無しか嬉しそうな声に、涙が溢れた。
    「…まじ」
    「本当に?」
    「…ほんとのほんと」
    肩を掴まれて勢いよく回れ右。そこにいた幼なじみの顔は、…真っ赤で。

    「…やっべ、予想以上の破壊力。」

    そう恥ずかしそうにはにかむ君に。
    私は今なら、好きって言える気がした。

    きゅん

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  15. ーーーガチャ

    「……先生?」

    今日、無理に取り付けた約束。先生が来てくれる確証なんてない。
    …けど。

    「…それで、話って?」

    いつもの笑顔でタバコをふかす。

    ーーー先生なら来てくれる。
    何故かそんな、根拠のない自信があった。

    「…わかってるクセに、意地悪な人。」

    そうでも言って、彼から顔を背けないと
    ……私の緩む頬が、バレてしまう。

    「ははっ、そうかもな。…俺の期待、外れ?」

    そう言った先生の顔は、いつも通り。相も変わらない爽やかな笑顔。
    ーー"本心"を、隠す笑顔。

    「…ご期待通りですよ。どうぞ。」

    先生に差し出した、包装された小さな箱。この箱に私が込めた想いなんて。
    ……私の願い、なんて。

    「…ありがとな。」

    貴方に、これっぽっちも受け取る気がなくても。

    頭に乗ったそのぬくもりを
    私はきっと、一生忘れない。

    きゅん

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  16. 「ーートリックオアトリート!」
    「……は?」

    目の前の彼女は、期待の眼差しを俺に向ける。今日ってハロウィンだっけか…。
    「…で、何?」

    「だーかーらっ!トリックオアトリート!だってば!!」

    ベッドに寝そべって顔だけベッド脇の俺に向けた彼女は、明らかにムッとした表情をする。
    ……ここ、俺の部屋。

    「…トリックオアトリート、だっけ?」

    その言葉を反芻して彼女に跨ると、彼女の顔はみるみるうちに真っ赤に染まる。
    …んな、可愛い顔してさ。

    真っ赤な彼女に、そっと優しい口づけを落とせば、強張った声で「…お、お菓子は…?」と返ってくる。
    …あーあ。俺、やべぇかも。

    「お前には、"イタズラ"で返してやるよ。」


    ーー無自覚、天然な小悪魔には。

    イタズラで返してやるくらいが丁度いい、…のかもしれない。

    きゅん

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  17. 今日は待ちに待った、一年にたった一度のハロウィン。
    ーーー君に、やっと会える。

    「…っシュウ!!」
    「…久しぶり。」

    その胸に飛び込めば、優しく抱き締め返してくれる。そのぬくもりは変わらない、けど…
    少し、髪が伸びて。ちょっとだけ、温かい胸板も筋肉質な腕も、何か変わったような変わってないような…?
    …それはさすがに思い込みかな。

    でも、これは絶対。
    「…また、かっこよくなった」

    会えない間、やっぱり心配だなぁ…。
    女の人に言い寄られてないかな?男の人でも言い寄られておかしくないかも…。

    「…それはさすがにない。安心して。」
    「……へっ?」

    目の前の彼は優しい笑顔。心の声が漏れてたことに気付いて、口元を隠そうとする、…けど。
    「…あんまり可愛いこと、言わないで。」

    優しく重ねられた唇。私はきっと、何十年離れたって、…世界が違ったって。

    きっと…ーー"悪魔"な君に、虜なの。

    きゅん

    20

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  18. 『今、屋上出てこれない?』

    突然の、彼からのメール。つい先生にも腹痛で、、って嘘ついちゃった。

    「…優希くん?」
    屋上の扉を開けた先には、人の気配はないように感じる。まだ、来てないのかな…?

    「……せーんぱいっ!」
    「きゃっ?!」
    突然後ろからハグされて、びっくりして振り向くと私の、好きな人。……てゆうか、っ!!

    「ゆ、優希くんっ!近いってば…っ!!」
    なんでこんな可愛くない反応…こんなじゃ、好きになんてなってもらえるわけないのに…。

    「あはは!先輩の反応、かーわいっ!」
    彼の、可愛いのにカッコいい、明るい笑顔が眩しくて、、

    「……すき」

    暫し流れた沈黙。私、今…?!

    ーーードン
    気付けば、背中には壁。目の前の彼の頬が、少し桃色に染まっていて、、
    「…それ、反則。」

    重なった唇から、私の想いがどうか届きますように…

    きゅん

    17

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  19. 〜♬
    「…あれ、次お前かよ。」

    学園祭の後夜祭。
    フォークダンスで、音楽にのって順番で回ってきたのは幼なじみのヒロだった。

    「…なにその反応。大好きな幼なじみと踊れて嬉しいでしょー?」

    ふざけて笑うと、真顔で「そーだな。」と返された。
    …おい、さすがに泣く…

    「ほら、足進めろ。」

    いつの間にか私の手をとったヒロが
    意外とちゃんとエスコートしてくれて、、なんだか私がドキッとした。紳士か…。

    「「きゃー!!ヒロ先輩ーーー!!」」


    「…相変わらず、おモテになることで。」
    「お前よりはな。」
    「うるっさいな!あたしだってモテるんだからね!」
    「………は?」

    もうすぐでペアはチェンジ。一気に不機嫌になったヒロに一瞬怯む。けど、…

    「…お前は俺だけ見とけよ。」

    額に残るぬくもり。
    …ねぇ、私、期待してもいい…?

    きゅん

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  20. 「せ、先輩……?」

    放課後の教室。
    週番の仕事を終え、教室を出ようとした私の前で息を切らして立っていたのは
    ーーずっと大好きだった、先輩。

    「…お前に言いたいこと、あんだけど」
    「わ、私にはありません…っ」

    スクールバッグを持ち直して、先輩の横を通り過ぎ様に
    ーー忘れたくても忘れられない思い出が

    たくさん思い出されて、涙が滲みかけたその瞬間。

    「……行くな」

    …私を包んだのは
    背中から伝わる、懐かしい温もり。

    時が止まったような気さえして
    …この一瞬も、すごく長く感じるのはなぜなんだろう。

    「……私たち、終わったんじゃないんですか」
    「そう簡単に終われねえよ」
    「…浮気、してた」
    「あれは本当に誤解。あれ、いとこだから…」
    …いとこ?

    「な、なんでそれを早く…!」
    「…ごめん。」

    やっぱり、君しかいない。

    きゅん

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