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  1. 30件ヒットしました

  2. 彼女はソファーに座って、スマホをいじっていた。

    「…………」

    俺は黙って彼女の横に座りながら、彼女の意識を引き付けるスマホを奪う。


    「せんぱい…?」

    俺の突然の行動に戸惑ったような彼女の声。

    そんな彼女を気にも留めず、左手で彼女の後頭部を支える。

    「せんぱい…?」

    再度戸惑ったように俺に呼びかける彼女。

    その視線は俺の左手へと動く。


    そして、俺は奪ったスマホをポッケに突っ込み、
    そのまま右手で彼女の左手首を掴む。


    「///////ど、どーしちゃったんですか!?」

    彼女の顔が一気にボッと赤くなる。

    俺は何も言わず、そっと彼女の唇を奪った。


    彼女は、いきなりのキスに驚き顔。
    そのあとに耳を赤くしてすぐに俯いてしまった。


    そんな可愛い彼女に 俺が2度目のキスをしたのは言うまでもない。


    社会人彼氏×大学生彼女の
    キスの日の少し甘めのお話です。

    きゅん

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  3. 「俺と付き合ってください」

    そう言われて、大好きな星野くんと付き合い出したのが2ヶ月前。
    けど、わたしたちの距離は変わりなくて…

    「星野くん…わたしのこと、本当に好き…?」

    外で部活に励む星野くんに目をやりながら、不安が零れ落ちた。


    **

    「天野~」

    部活を終えて、迎えに教室の扉を開けると、天野が机に突っ伏して寝ていた。

    「天野~?」

    返答がなく、心地よさそうに寝息だけが聞こえる。

    …寝てんのか?

    キョロキョロと辺りを見渡してみても俺と天野だけ。

    ……


    「…めい。好きだよ」

    ぽそっと呟いてみても、起きる気配がない。

    ……

    「…おーい。起きないとキスしちゃうぞー…なんて…」

    「起きてたら、してくれないの?」

    「おまっ!起きて…!///」

    「わたし、星野くんが好きだよ…!」

    ────!!

    めいの瞳に真っ赤な顔の俺が映って、初キスまで残り数秒──

    きゅん

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  4. 生徒会長は、クズだ。

    だって…

    「僕の好きなタイプ?
    ぜ~ったい、顔が可愛い女の子!」

    ね?
    これを平気で言っちゃうんだから、やばい。

    「副会長の、陸奥さんとか可愛くないですか?」

    「陸奥?ぜんっぜんタイプじゃない!」

    …らしい。ぶん殴ってやりたい。

    「わたしも生徒会長みたいなクズタイプではありません」

    けど、本当は知ってる。
    生徒会長は、女の子のタイプは最低だけど、
    優しくて、周りをちゃんと見ていて、誰に対しても分け隔てなく接しているって。

    そんな生徒会長がわたしは──


    「陸奥?」

    「…何ですか?」

    「何難しい顔してるの?
    ブサイクな顔がもっとブサイクになるよ?」

    「……」

    ────好きじゃありません!!


    「なぁんて。陸奥は可愛くて、頑張り屋さんだよね?」

    お疲れ様って、
    ポンっとわたしの頭を撫でる。

    …ほんと、こういうところ狡いと思うのです…

    きゅん

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  5. 「それ、誰にあげるんですか?」

    たまたま目に付いた高級チョコの紙袋。

    「誰だと思う?」

    普通は彼女だと思うけど。
    長田さんに彼女はいたっけ?

    まぁ、別に、
    「誰でもいいですけど」

    わたしには、関係ないし。

    今日も何だかんだ残業で。
    世間は、ホワイトデーだけど、
    わたしには、3月14日というただの平日。


    「少しは気にしろよ…」

    ポソリと横で呟くのが聞こえた。

    「何か言いました?」

    パソコンの画面から長田さんに目線を移す。
    その瞬間。

    「これ、お前のために買ったやつだから」

    そう言いながら、差し出されたのは先程の紙袋。

    「え?こんな高価なもの頂いちゃっていいんですか?…さすが、先輩。お金持ちですね」

    マジマジと手渡された菓子袋を見つめる。

    「ばか。…本命だっつの」


    そう言う長田さんの顔は真っ赤で。


    「え」


    不憫先輩男子×鈍感後輩女子の、恋の始まり…?

    きゅん

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  6. 17時。
    業務終了のチャイムが鳴る。

    まだまだ仕事は残ってるものの、腕を思いっきり伸ばして、伸びをする。

    そこに…
    「こら咲田。真面目に取り組め」

    なんて、意地悪に笑う春永さん。

    「今は、休憩中だからいいんですよ~」

    唇を尖らせると、

    「生意気な奴だな~」

    そう言いながら、頭の上に乗せられた冷たい物。

    「わわっ!」

    転がり落ちる寸前で両手で受け止める。

    ピンクのパッケージの可愛らしい飲み物。

    『いちごオレ』

    「それ、バレンタインのお返し。
    チョコ、さんきゅーな。」

    振り向きざまに笑う彼。

    「安すぎますよー!」

    なんて文句を垂れながら、ぎゅっと握りしめる。

    いつも残業の彼は、今日は定時上がり。

    そう…
    今から、春長さんは彼女に会いに行く。


    高級チョコの紙袋。
    いつもより整った髪型。
    嬉しそうな笑顔。

    あー…痛いなぁ…
    甘い甘い。いちごに心が痛くなった。

    きゅん

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  7. ねぇ、悠輔。

    わたし、わたしね…
    今年の雪がこんなにも冷たいなんて知らなかった…

    だって…
    だってね、雪が降る日は2人寄り添って、悠輔の温もりを感じてた。

    「好き」って言葉が暖かくて、
    悠輔の言葉が優しくて、
    雪が春の陽に溶けるように、わたしの心も解かしてくれた…
    こんなに貴方に恋することが、幸せだって知らなかった…

    それに、
    わたし、ずっと諦めてた。

    余命宣告されたあの日から、
    生きることを諦めてた。

    けど…悠輔とあの雪の日に出逢ってから、死ぬのが怖くなった…

    「悠輔」

    そう呼ぶわたしを優しい目をして、見つめてくれる貴方のそばにずっといたいって思うようになった…

    この左手の優しい温もりをずっと、
    これから先もずっと感じていたいって…

    だけど、だけどね…
    この想いは胸の奥にずっと閉まっておくから…

    「愛してるよ」

    今日だけ。
    今日だけわたしのこの独り言を許してね…

    きゅん

    1

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  8. さぁっと風が吹く屋上で、そっと目を閉じて、きみを思い出していた。

    『お前が好きだ』

    頬を赤くした陽斗から告白された。
    ─ただ嬉しくて『わたしも、陽斗が好き』って涙声で答えた。

    わたしは、何もかも覚えている…


    きみの広い背中。


    わたしより、うんと高い背。


    わたしを見つめる瞳。
    熱を孕んだその瞳に何度も胸が高鳴った。


    「千尋」って、わたしを呼ぶ耳心地のいい声。


    「好きだよ」って、甘く囁くその唇。


    誰もいない屋上でそっと合わせた唇の甘い温度。


    何度、何度思い出しても、色褪せない記憶。


    見つめあって、名前を呼んで、笑って。
    ────隣にいた。


    「千尋、好きだよ」

    その響きが、耳に残って、全身にその甘美な声が巡る。


    昨日までのわたしと、今日のわたしは何も違わないのに。



    きみは──

    「────お前、だれ?」

    わたしに関する全ての記憶を手放した。

    きゅん

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  9. 【余命一年の夏】

    「海、きれーい!」

    太陽の光に反射して波が煌めくさまに目を輝かせる。


    「吉良!はやくー!」

    きゃー!とはしゃぎながらサンダルを脱ぎ捨てて、海にパシャパシャと入っていく。

    「冷たくて気持ちーよ!」

    手のひらから水滴を落としながら、両手で俺に手を振る。
    太陽がきみを照らして、笑顔が眩しくて、堪らなく綺麗だった。


    「今いくよ」


    神様。
    きみと生きていけるだけの、命をください。

    「ばーか。はしゃぎすぎだっつの」
    「だって、海って久々だったんだもん」

    他愛もない会話を続ける時間をください。

    「吉良、来年もまた来ようね」
    「…そうだな」

    きみの笑顔の奥の不安を取り除ける俺にならせてください。

    「きっと、治るから。
    だから、ずっと一緒にいてね」
    「…当たり前だ」

    どうか、この言葉が嘘になりませんように…

    「好きだ」

    この言葉を来年も言わせて…

    きゅん

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  10. 「なぁ」

    「お前のこと好きなんだけど」

    西陽に輝く明るい茶色。
    校則違反の制服の着こなし。

    そんな彼に一番と言っていいほど、似合わない図書室。

    そこで彼は、瓶底のようなメガネをかけた私に呟いた。


    「だから、俺と付き合え」


    「………は……?」


    彼の周りはキラキラした男の子や女の子ばかり。
    素行に問題があって、暴走族だなんて、噂もある彼。

    そんな彼が私を好きだなんて、なんの罰ゲームだというの…


    「あ、あの…」

    口を開きかけた私に、バン!と図書館に机を強く叩く音が響いた。


    「はい。それしか答えは受け付ける気ねぇから」

    いいなってギロりと私を睨む彼。

    「わかったら、一緒に帰るぞ」

    そう背を向けた彼の、ピアスの開いた耳が、、


    「──真っ赤…」


    「あ"?」


    強がる彼の語気とは裏腹に顔は真っ赤で。


    「ふふっ」


    西陽が私の頬を赤く照らしたのだった。

    きゅん

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  11. 「おい、美月…」

    ゆらりと私の目の前に現れたのは。

    「きょ、恭ちゃん…!」
    「昨日誰と、どこに行ったって…?」

    ひぃぃぃぃ!!
    顔のいい恭ちゃんの怒った顔は怖い…

    「どこでもいいっすよね?」

    そう言って私を恭ちゃんから守るように腕を引いてくれたのは、

    「隼太くん!」

    「美月と出かけたのは俺です」

    「…お前か。…二度と美月に近寄んじゃねぇ」

    恭ちゃんが隼太くんにドスの効いた声を発する。

    「ちょっ!恭ちゃん!!」

    「恭介さんには関係ないですよね?…ただの兄妹なんっすから」

    隼太くんは、隼太くんで、物凄い剣幕で恭ちゃんを睨みつけている。

    「は、隼太くん、言い過ぎだよ…!恭ちゃん、心配してくれてるんだよね?」

    昨日、いくら隼太くんが送ってくれたとはいえ、門限過ぎちゃったし…


    「…妹なんて、思ったことねーよ…」

    私は、恭ちゃんの呟きにも、気持ちにも気付かずにいた。

    きゅん

    4

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  12. 爽やか王子の湊太。
    クールな湊志。

    双子の彼らは、それはそれはイケメンで。私の幼なじみ。
    そんな2人と幼なじみな私は誰もが羨む立場にいるに違いない。
    ……違いない、けど…

    「花。そろそろ僕を選んでよ。僕のこと好きでしょ?」

    ニッコリと右側で手を壁につくそうくん。

    「好きなのは俺だろ?花」

    逃がさないとばかりに、左側で手を壁につくあっくん。

    「いや、あの…」

    しどろもどろに、彼らを押しのけようとするものの…

    「いい加減、僕を選ばないと怒るよ?ねぇ。早く僕が好きって言いなよ」

    そっと髪にキスをされ、

    「は?俺が好きって言えよ。ほら。
    今なら湊太に触れさせたこと許してやるから」

    真摯に見つめられ、

    「ほ、他の選択肢は…?」

    「「ない。僕/俺の一択だから」」

    流石は双子。声を揃えて圧をかけてくる。

    「……」

    平穏な日々を望む私にとっては、悩みの種でしかないのでした…

    きゅん

    6

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  13. 高校3年の後夜祭。

    3階の教室から、キャンプファイヤーを2人で眺めた。


    電気が消えた2人きりの教室で。
    外から見える火のほの暗い灯りの中、手を繋いだ。


    好きだとも、付き合ってほしいとも。
    どちらも言わずに、ただ。
    ただ、手を繋いだ。


    「あのさ、俺───」


    見上げたきみの瞳にわたしは確かに映っていて…



    「あぁ!お前こんなとこいたのかよ!!」


    突然開いたドアに驚いて、咄嗟に手を離した。

    一瞬、きみが寂しそうな顔をして…

    「あれ?花岡もいたの?
    ってか2人で何してたんだよ?」


    怪しいー!なんて、笑う男子が恥ずかしくて、

    「ぐ、偶然一緒だっただけ!」


    そう言って走り去ってしまった。


    きみがあの時、わたしに何を言おうとしてたのか。


    ───あの時、わたしが逃げずにいたら。


    「好きだ」
    って言ってくれてたのかもって。
    後悔しても遅いのに…

    きゅん

    10

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  14. 【春へ
    春といれて幸せだったよ
    今までありがとね
    萩原茉由】

    アイツは、手紙一枚置いて出て行った。

    俺たちは、彼氏彼女の関係ではない。俺(25)の元へ従姉妹(18)が上京に合わせて転がり込んできた。
    ただそれだけ。

    萩原茉由と書かれた文字の上、何度も書いては消されたような跡があった。

    光に透かしてみると
    ───【好きでした】


    ずっと言おうとしてた。
    だけど、それを口にしなかった。

    手紙を握りしめ、部屋を飛び出した。


    「茉由…!!」

    やっと見つけた小さな背中に声をかける。

    「春…?」

    涙で瞳が潤んでて。
    赤みがさした頬は、涙の跡ができていた。

    「好きでしたって、何だよ…!!
    なんで、過去形なんだよ…!!」

    走り疲れて、額に汗の玉ができて。
    なのに、緊張で指の先が冷たくて。


    「俺はずっと。ずっと、お前が好きだよ」

    やっと口にできた言葉に、またお前が泣き出した。

    きゅん

    22

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  15. 「お!髪切ったの?」

    直属の上司。南野想二は、パソコンに向かってデータを打ち込むわたしの髪を梳いた。

    「それ、セクハラですよ」

    一瞥するでもなく、手を止めるでもなく、無関心に一言。

    「ははっ!才崎は相変わらず厳しい!」

    なんて、笑いながら隣の自席に腰掛ける。

    データを打ち込むことに集中したいのに、隣からの視線が鬱陶しくて、ふぅと溜息を吐いて「なんですか?」と聞いた。

    「んー?」

    頬付をついて、

    「長いのもよかったけど、短いのも可愛いなって思ってさ」

    愉快そうに笑って、また髪に手を伸ばす。

    「思ってもないくせに」

    伸びてきた南野想二の腕を払う。
    瞬間、綺麗な目がわたしを見つめて

    「俺、嘘つかないから」

    意地悪そうに微笑んだ。

    南野さーん!そう呼ばれて、席を立った南野想二を、キッと睨みつける。

    「──ばか…」

    逸る鼓動も、熱い頬も全部全部。
    ぜんぶ、夏のせい。

    きゅん

    6

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  16. ど、どーしよう…

    ガヤガヤと新しい友達作りに騒がしい教室。ポツン、と窓際後ろの席にぼっちの私。

    誰かに話しかけなきゃ…
    そう思うのに…
    心臓がバクバクして、話しかけられない…声が出ない…

    じわりじわりと涙が浮かんでしまう。


    「おはよっ!」

    俯いた私に上から声がした。

    え?と、顔を上げた先───

    「俺、大崎 真琴!」

    爽やかな笑顔の大崎くんが視界に広がった。

    「か、神崎 彩音です…」

    「神崎さんね!」

    やはり、大崎くんは爽やかに笑って、私の前の席に腰掛けた。

    「今日からよろしくな!」

    友だちもいないし、緊張もするし、
    不安もいっぱいあるけど、
    大崎くんが笑いかけてくれるから。

    「よ、よろしくお願いします…!」


    新学期。
    まだまだ頑張ることだらけ。

    さぁ。息を吸い込んで、口を開けて、声を出せ。

    「あの!私と…と、友だちになってください…!」

    始まりの春。

    きゅん

    3

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  17. 「ちょっ…!待って…!!」

    手を引かれて街中をきみと走る。

    「…止まって…てば…!」

    今日は一人にしてよ…

    涙が走る風に乗って、流れていく。



    「…はぁ…間に合った…!」

    急にきみが立ち止まった。

    ────え?

    走ることに夢中で、周りなんて見てなかった。


    歓声と共にパッと大きなツリーが色とりどりに輝きだした。


    「……わぁ…」

    輝くツリーに息を呑む。

    「きれい…」

    ただキラキラ輝くそれに、見とれた。
    それをきみと共有したくて。

    「ね」

    振り返った先、きみは優しく微笑んでいた。

    それに少しドキッとする。

    「先輩は、そうやって笑ってる方がいいです」

    「………」

    きみの言葉にまた泣きそうになる。


    「大丈夫。先輩は俺が幸せにします」

    少し冷えた手のひらに頬が包み込まれる。

    「────先輩が好きです」

    見つめ合う先の瞳に、泣き笑うわたしが映った。

    きゅん

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  18. 「私がきみに恋する理由」

    その①

    「ばぁか。…冗談だよ」

    少し意地悪だけど、結局は冗談だって、微笑んでくれるところ。

    その②

    「…馬鹿だな、お前。
    …ほら、貸してみろよ」

    馬鹿だって溜息をつきながら言うくせに、いつでも私を心配してくれるところ。

    その③

    「お前は黙って俺に守られとけ」

    不器用に優しいところ。

    その④

    「お前はほんと、可愛いな」

    優しく頭を撫でてくれるところ。


    「…まだあんのかよ…?」

    「あるよ!」

    「はぁ…。もう伝わったから、やめろ…」

    その⑤

    「お前が好きだよ」

    私の想いを優しい声で。
    ぎゅっと逞しい腕で。
    ───受け止めてくれるところ。


    「お前を誰よりも大切にしたいと思ってるから」

    きゅっときみの私を抱きしめる力が強くなる。


    「──俺と付き合ってください」


    甘く掠れる声が耳に響いて、またきみに恋する理由が積もった──

    きゅん

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  19. 俺はお前を幸せにすることはできない。

    「私、圭人が好きなの…!」

    だから、顔を真っ赤にして、俺のことを好きだと言ってくれたお前を、
    一瞬でも俺の想いが叶ったことをずっと覚えていよう。

    俺は、笑ったお前も。
    懸命に努力するお前も。
    優しいお前も…

    …全部…

    ──大好きなんだ…
    「…俺はお前を好きじゃない」

    どうか憎んで…
    お前を突き放すことしができない俺を…
    嘘つきな俺を…
    弱い俺を…

    「そっか…なんか、ごめんね…、」

    バタバタとお前は駆け出した。

    ごめん。
    泣かせてごめん。
    突き放してごめん。
    傷つけてごめん。

    俺は、ただその後ろ姿を見送った。

    「…好きになって、ごめん…」

    どうかお前だけは幸せになって…

    俺の弱い、お前を幸せにしてやれない役ただずの心臓がドクンと跳ねて、目の前が眩む。

    「…お前の前からいなくって、ごめん…」

    ───俺は、ずっとお前が好きだ

    きゅん

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  20. 「真琴!お前の好きだっつってたバンドの新譜手に入れんたんだけど、聴く?」
    「聴くー!!」

    ほらよっとイヤフォンの右側を渡された。スポンと耳に嵌めると、バンドの曲が流れる。

    「これ素敵!」
    「だべ?お前、気に入ると思った!」

    俺もきこう!と左側のイヤフォンを付けた。

    バンドの新曲にドキドキ。
    同じイヤフォンで曲を聴くきみにドキドキ。

    「裕翔~、ノート昨日家に忘れてったでしょ」
    「おー、悪ぃ!」

    さっきまで隣にいたきみが、彼女のもとへと駆け出した。
    行かないで!言いたい言葉を飲み込んだ。

    あのね。
    きみへの伝えられない想いが募って、苦しくて。息もまともにできないの。想いがあふれて、わたしの心を占領するの。

    【聴いて。私の恋を】

    右耳から流れる歌がわたしの気持ちの全てだった。
    この歌に乗せて、きみに伝えられたらな。

    【想いを叫びたい。きみに伝えたい。今日もきみが好きだって】

    きゅん

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  21. 昔、体育館で夜遅くまで練習してた生徒がいたんだって。
    下校時間は夜の7時。
    今より1時間早かったみたい。

    で。その日もいつも通り練習してたらしいんだけど『下校時間になりました。残っている生徒は速やかに下校してください』って、突然放送がかかったらしいの。
    ふと、時計を見るとまだ6時半。
    聞いたことない放送。
    怖くなって、片付けようと振り返ると、そこは荒れ果てた校舎だったんだって。

    「その後どうなったんだよ」
    「…自分で確かめてみれば?」
    ──は?

    『下校時間になりました。残っている生徒は速やかに下校してください』

    ──は?まだ7時じゃん…
    つか、こんな放送聞いたことねぇよ…

    「真理?」

    振り返ると、そこは何十年も昔の教室だった。

    「ってゆー話があってねー!怖くない?」
    「はぁぁ?ちょっ!ビビらせんなよ!」


    『下校時間になりました。残っている生徒は速やかに下校してください』

    きゅん

    2

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