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  1. 9件ヒットしました

  2. いつもはクールで無口な彼。

    そんな彼に私は抱きつきながら涙を流し、愛を告げる。


    「あなたがいい。あなただから好きになった。こんなにも傍にいたい思える人はあなただけだよ」


    全身が脈打つように熱かった。


    「……全部、わかった。わかったからもう苦しまなくていい。泣かなくていい。たくさん傷ついてきたお前も、今泣いているお前も、笑顔で生きてくお前も、全部お前だ。お前として生きてくれればいい」


    その言葉に私は声をあげて泣いた。

    彼を好きでいることに不安を抱いていた。

    それらもひっくるめて全部、私として受け入れた彼への想いはますます強まった。

    お互いがお互いの存在を必要としたからこの気持ちが生まれた。


    「好きっ……! 大好きなの!」



    そっと彼の手が私の頬に触れる。

    まるで粉雪が降るかのように彼と私の唇は優しく重なった。

    クールな彼の優しい愛の示し方であった。

    きゅん

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  3. 「逃げるな! ふざけるな!」


    私の足はおぼつかない様子で、何度もよろけながら走っていく。

    それはもう走っているというものではなく、膝をがくがくと震わせ、何度も階段に手をつきながら前に進んでいくものだった。

    当然、すぐに追いつかれてしまい、私の腕を掴み、勢いよく抱きしめてくる。

    二人して屋上の地面に倒れこむ。

    先輩は私を下に押し倒すと、力ずくで抑え込み、くちづける。

    無理やり口を開かせ、舌を絡め取り、犯してゆく。

    唇が離れたとき、彼は熱を持った瞳で私を見下ろしていた。


    「逃がさねーよ。お前は誰にも渡さねー」

    「先、輩……」

    「お前は黙って俺に愛されていればいい。他の男は見なくていい」


    熱い。

    あまりの激情に私は胸が苦しくなって、泣きそうになる。

    先輩の愛は重たいほどにいとおしかった。

    私も彼を独占したい。

    そう思い、私は先輩にまたキスをするのであった。

    きゅん

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  4. ラピスラズリのネックレスをプレゼントした。


    「ありがとう、嬉しい」


    そう言って嬉しそうにネックレスを見つめる彼女が顔をあげて、照れくさそうに自分に笑いかけた。

    俺は手で顔をくしゃりと覆い隠した後、そっと優しい手つきで彼女の首にネックレスを着け、ラピスラズリの輝きに目を細めた。

    ラピスラズリの輝きは深いどこまでも続く海のようなものだった。


    「ねぇ。……キス、したい」


    とろんとした目をしてこう誘われると、断らない男はいないだろう。


    「……お前から言ったんだからな」

    「えっ……ん……」


    優しく重なった唇は甘かった。

    ただ重ねているだけだというのに、心は満たされていった。

    彼女は知らない。この宝石が持つ意味を。

    自分だけが知っていればいい。


    『永遠の誓い』


    だから彼女を永遠に最愛の人であると縛り付ける。

    それが俺の独占欲の証であった。

    きゅん

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  5. いつかこの子が現実に気がついたとき、酷く後悔をし、怯えるだろう。

    こんなにもこの子を抱きしめてめちゃくちゃにキスをして、肌に触れて繋がりたいと思う欲望まみれの男の手によって汚されることが許されるはずがない。

    生徒と教師。

    言葉にして伝えることのできない愛をこの子は受け止めきれないだろう。

    それでも、ほかの男の目に触れることなく、自分だけがたった一人の男だと認識して欲しい。


    こんなに黒くて粘り気のある感情を抱いているのに、無垢なこの子は露知らず泣きながら愛を呟く。

    この子の期待通りの清らかな男でいることは……できない。

    衝動と欲望のどちらかがいつかこの子を壊す。


    めちゃくちゃに抱いて愛し尽くしたいからこそ、壊れることのないよう自分から引き離さなくてはならない。

    なのに、俺はこの子を手放せない。

    逃れられない独占欲が自分を支配していた。

    きゅん

    8

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  6. 私はいつも一人で花壇の前で花の手入れをしている。

    誰にも私の姿は目に映らない。その方が気が楽だった
    はずなのに寂しくもあり、私の瞳からは大粒の涙が零れていた。

    「おい」

    顔を上げると学年一の人気者である男子が近づいてきた。焦った私はその場に尻もちをつき、後ずさっていく。

    「あの、なんの用で」

    「ただ花が綺麗だと思ってただけだ。あんたが手入れしてたんだな」

    「私は花が好きで……。学校で誰かが花を見て幸せになってくれたらなって」

    彼は私の隣にしゃがみこむと、私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。
    それに赤面した私は両手で顔を隠す。
    だがその手は彼によって剥がされ、近くまで顔が寄せられていた。


    「俺さ、花好きだよ。でも今、花より好きなもんが出来た」

    「え」


    自惚れてはいけない。
    だけど胸の高鳴りが私を支配する。

    ゆっくりと近づいてくる顔に、私は目を背けることが出来なかった。

    きゅん

    6

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  7. もし俺が普通に高校生をやっていれば、あいつとは出会わなかった。

    今まであいつは誰にも見てもらえず孤独の中で泣き叫んでいた。

    だからあの男の元に連れ去られたことが許せなくて、俺はまた荒れ狂う毎日が続いた。

    本当は傷つけたいわけじゃないのに止められない。
    この復讐の業火が俺を話してはくれなかった。

    今はどこにいるかもしれないあいつを想って俺は月上がりが滲む空を見上げた。


    『慎』


    あの少し強気な声で俺を呼ぶ声が聞こえた。

    振り返ってもそこには誰もいない。だが俺はその場から動けず、そのまま立ち尽くしていた。

    俺は手を伸ばし、その髪を撫で後ろから抱きしめる。


    『もうすぐ会えるから。だから待ってて』


    その言葉に後ろから抱きしめる力を強める。

    だがいつしか腕の中から彼女はいなくなっていた。

    いつか、会えると信じて、俺は消えた感触を胸にまた夜の街へと歩いていった。

    きゅん

    3

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  8. 「あんたなんて大嫌い」


    そう言ってあたしは彼を睨みつける。

    彼は何も動じた様子もなく、腕を組んで冷ややかにあたしを見下ろしていた。



    「それで?」

    「それでって……あんたのそういう余裕ぶっこいた態度が嫌いなのよ」


    流れるような黒髪も、黒曜石のような瞳も。

    彼を構成する全てがあまりにも美しすぎて嫌いだった。

    これ以上近づいてはならないと判断したあたしは彼に背を向け、離れようとする。

    すると後ろから手が伸びてきて、その腕の中に閉じ込められる。

    まるで獲物を捕らえるかのように、あたしの身体は彼の腕に囚われた。


    「ちょっと……離してよ」


    彼はあたしの耳元でそっと囁く。


    「ーーー」


    その言葉にあたしは疼くようなむずかゆさを感じた。

    溶け込んでいく。あたしの中に。

    嫌いなはずなのに。

    どうして胸が苦しくなるのか、この時のあたしはまだ知ることはなかった。

    きゅん

    2

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  9. 書斎の整理をしているときだった。

    外側からかけられた鍵が空く音が聞こえ、そちらに目を向けるとあの男が立っていた。


    「少しは進んだか」

    「……進んだ。にしても本多すぎるよ。ガリ勉なの?」



    そう言って少し不敵に笑ったあと、また本棚に向いてハタキで埃を落としていく。

    すると、いつの間にか近づいてきていた彼の手が、あたしの顔の横を通過し、本棚に手を当てた。

    あたしの後ろに彼が立っている。

    彼の呼吸音が耳元で聞こえてきた。

    彼は弄ぶかのように耳元であたしの名を呼んだ。

    甘い響きにあたしは身体を硬直させ、胸元で手を握りしめた。

    それに気を良くした彼はあたしの耳元で再び囁く。


    「俺から逃げられると思うな」


    きっとこの男から逃げることは出来ないのだろう。

    だから、あたしは気付かないふりをする。

    この心臓の音も、火照った身体にも。

    あたしは、囚われの身なのだから。

    きゅん

    10

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  10. ねぇ、知らないでしょう?

    私はずっと恋をすることに憧れていた。

    でもね、誰かを愛せるなんて思っていなかったの。

    こんな私でも誰かを愛せるってはじめて知ったんだよ。


    はじめて私は自分に素直になれたんだよ。

    はじめて声を出してみようって思えた。


    君のそばにいて、私は願ってしまった。

    ずっと君のとなりにいたい。

    君の夢を誰よりも近くで見ていたいと願ってしまったの。


    ねぇ、いつか私は君にとって雪のような思い出に変わってしまうのかな?

    君にはきっと夢を叶えた輝かしい未来が待っているんだろうね。

    そのとなりに、私はいない……。


    ねぇ、神様。

    奇跡なんて起こらないとはわかってる。

    でもね、私は願いたい。

    これからも君と、ずっと。

    これから君とずっと隣で笑ってられますようにって。


    ね? 知らないでしょう?

    だから君のそばにいるよ。これからもずっと……。

    きゅん

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