ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 放課後、私はチョコを渡したくて校舎裏に来た。
    「孝可子ちゃん」
    名前を呼ばれて私が振り返ると同時にピンクハート柄の紙で包装されたチョコを奪われた。
    「光琉くん…」
    私からチョコを奪った彼は1年3組の重志光琉くん。
    「これってチョコ? 誰にあげるの?」
    「えっあっ……」
    「もしかしてその相手ここに呼んでる? 俺邪魔」
    「邪魔じゃないです!!!」
    「…そう?」
    「はい!!!
    それはチョコで、光琉くんにあげます!!!
    渡したので……帰ります」
    「俺も帰る」
    光琉くんは左手にチョコを持ち、右手で私の左手を掴む。
    「一緒に帰ろう。孝可子ちゃん」

    きゅん

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  3. 雪降る校門前。
    「空城先輩!」
    あっ……。
    先輩の元へ走って行った結果私は足を滑らせ
    「すみません……」
    勢いよく先輩の腕の中に突っ込んでしまった。
    このままで居たい気もするけど、人目もあるし、先輩も困る。
    「雪だらけだぞ」
    先輩が私の頭に積もっていた雪をはらいのける。
    「すみません……。
    空城先輩の手…冷たくなっちゃいましたね……」
    私のせいで…。
    「かぶってろ」
    先輩が私の着ていたダウンジャケットのフードをかぶせてくれた。
    「俺の手より自分の体を心配しろ」
    「空城先輩……」
    「寒いだろ。
    しばらくはこのままで居てやる」

    きゅん

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  4. 私が図書委員の仕事をしていると現れた。
    「白谷さん。
    お願いがあるんだけど」
    「何でしょうか?」
    大体想像はつきますが。
    「25日なんだけど、私の代わりに図書委員やってくれない? 大事な用があって」
    彼氏さんとデートですね。
    「分…」
    「悪いが白谷も大事な用があるから無理だな」
    同じ図書委員で本棚を整理していたはずの史生くんが答える。
    「どうして史生先輩が知ってるんですか?」
    「俺との大事な用だからだ」
    「えっ!! それって」
    「もう用が済んだなら帰れ。
    邪魔だ」
    「はい…」
    「待っ」
    「白谷。
    デートは終わってからでも出来る。
    優しくしなくて良い」
    優しくしてるわけじゃ…。
    「私は用事がないから」
    「用なら俺が入れただろ。引き受けるな」
    そうだね。
    「ありがとう」
    「どこに行きたい? 俺が連れて行ってやる」
    「25日の…事? 本当に私なんかと」
    「断るな。
    俺は白谷と一緒に過ごしたい」

    きゅん

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  5. 「お待たせ」
    靴を履くと、待っている響の隣に立つ私。
    「もみじ、キレイだね」
    私を見て言う響。
    「何よ今更。
    私はいつもキレイじゃない」
    私の名前はもみじ。
    「もみじ違うよ。
    僕が言ったのは“もみじ”だよ」
    「“もみじ”?」
    「うん。後ろ」
    後ろ?
    振り返るとキレイな紅葉(もみじ)たちが。
    紛らわしい…。
    「こ・う・よ・うって言えば良いでしょ!」
    「どっちでも良いじゃん」
    「良くな」
    「今日のもみじはキレイというより…」
    「何よ!」
    見つめないでよ!!
    「顔を真っ赤にしちゃって…。
    可愛いすぎるよ」

    きゅん

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  6. 「もうちょっと待ってくれない?」
    窓と彼氏である眞羽くんに挟まれている私。
    「無理。もう待てない。
    抱きしめさせて。亜樹佳ちゃん」
    甘えん坊の眞羽くん。
    「人に見られるし」
    側を通り過ぎて行く人達。
    「見られても良いじゃん」
    「私! 焼きそばの臭いするし」
    さっきまで屋台の焼きそばを作っていた私。
    「臭ってても良いじゃん」
    「片付け! 皆」
    「亜樹佳ちゃん。
    亜樹佳ちゃんは何も考えないで。
    おとなしく僕に抱きしめられて」

    きゅん

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  7. 私は陸上部のマネージャー。
    「足、大丈夫だよね?」
    「うん」
    学級リレーの前。
    私はアンカーを走る同じクラスの陸上部員瑞群くんに再度確認。
    「本気で走らなくて良いからね!」
    足の怪我が完治したばかりだし、大会も近いんだから。
    「本気で走らないと、1位になれないよ?」
    2組のアンカーを走る鈴下くんも陸上部で、瑞群くんとタイムもほぼ同じだ。
    だから瑞群くんの言う通り、本気で走らないと1位になれないだろう。
    「1位になりたいんじゃない?」
    「そりゃあクラスの皆は」
    「西央も1位になりたいんだね?」
    「私は」
    「俺は本気で走って、1位になれたら良いなって思ってる」
    「でも」
    瑞群くんが私に背を向ける。
    「ほら、いつもみたいに背中を押してくれよ。
    マネージャー!」

    きゅん

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  8. 「留愛先輩。花火大会、一緒に行きませんか?」
    登校中。後ろから現れた喜多が誘う。
    「断ります」
    「どうしてですか?」
    「人混みが嫌いだから」
    「迷子になるからですか?」
    「……何で…」
    何で知って…。
    「大丈夫です。
    留愛先輩は迷子になりません!!」
    私の右手を握った喜多の左手。
    「ずっとこうしてるので!
    一緒に僕と行きましょう? 留愛先輩!!」

    きゅん

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  9. 次の日の朝7時半。
    私はライオンに行き、素與さんからパンが入った茶色い紙袋を受け取った。
    「あの……」
    「はい!」
    「渡したい物が……あるんですけど……」
    私は持っていたカバンのポケットから手作りお守りを取る。
    「…どうぞ……」
    素與さんに差し出すと、手作りお守りを手に取り。
    「あんパンの形……。
    僕のために作ってくれたんですか?」
    「はい……。
    パン職人の夢を……応援したくて…」
    素與さんが私を抱きしめる。
    「ありがとうございます!!
    一生大事にします!!!」

    きゅん

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  10. トイレから出てくると、友達の敦司が待ち伏せしていた。
    「昨日の事だけど……」
    「昨日の事? 覚えてないんだけど」
    敦司の前を私は通り過ぎて行く。
    「……覚えてない?」
    私に追いつき、廊下を一緒に歩いて行く敦司。
    「そう言ってるでしょ」
    「……覚えてないんだな?」
    私はその場に立ち止まる。
    「だから!」
    「思い出させてやる」
    隣に居た敦司が私の前に来て、両手で私の顔をつかむと引き寄せて…。
    「キスはしてないでしょ!!!」
    キスする寸前で止めた敦司。
    「思い出したな……。
    今日の事も覚えてないって言ったら…今度は本当にするからな」

    きゅん

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  11. 「雨、止んだみたいだね!」
    傘をさしていた人々が次々とさしていた傘を閉じていく。
    「傘閉じないの?」
    私にも傘をさして歩いてくれている陸上部1年の葉沼。
    何故か傘を閉じようとしない。
    「葉沼?」
    「もう少しだけ……。
    もう少しだけ……先輩とこうして居たいです」

    きゅん

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  12. 学校の校門前に立っていた金髪男。
    「おい、お前!!
    これは何だ!!!」
    私に怒りをぶつけてくる金髪男は自分のおでこを指差す。
    …何って…。
    「絆創膏…」
    金髪男のおでこには絆創膏が貼ってある。
    「何で貼った……」
    …何でって……あなたがおでこから血を流してたからじゃん。
    「何でハート柄の絆創膏を貼ったんだよ!!
    仲間に笑われただろうが!!!」
    そんな事?
    「ハート柄の絆創膏しか持ってなかったんだからしょうがないでしょ?」
    貼ってあげたのに何なの!!!
    そもそも!!!
    「ケガしなければ良かったじゃん!!!
    総長のくせに!!!」
    弱くない!!!
    「はがせば良いじゃん!!!」
    嫌なんでしょ!!!
    私は絆創膏をはがそうと金髪男のおでこに向かって手を伸ばす。
    「はがせるかよ!!!
    お前が俺のために貼ってくれたのに!!!」

    きゅん

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  13. 放課後、私は図書館で本を探していた。
    「あった…」
    私は探していた物理の本を取ろうと本棚に手を伸ばす。
    ガタガタ…。
    揺れてる…地震だ!!
    私は両手を頭の上にのせ、その場に伏せる。
    ガタガタガタガタ………。
    止まった……。
    良かった…。
    「大丈夫か?」
    頭上から聞き覚えがある人の声…。
    「先生……」
    後ろを見ると、詰利先生の顔があった。
    「大丈夫そうだな」
    詰利先生は私を守るように覆い被さっていたのを止めると立ち上がり、私に右手を差し伸べる。
    「ほら、掴め」

    きゅん

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  14. 「大雅くん!!!」
    私は階段を下りていく大雅くんを大声で呼び止める。
    大雅くんは階段を下りるのを止め、振り返る。
    「お兄…キャプテンが3年C組に来て欲しいって!!!」
    「…分かった………」
    「…何?」
    私の顔すごい見てるけど。
    「口にケチャップついてる…」
    オムライスのケチャップだ。
    さっきまで食べてたから。
    「どこ?」
    私はケチャップがついたままでも気にしないが、教えてもらったのだ。
    ふかないと。
    「左……」
    「左?」
    私は口の右側を右手でぬぐう。
    「いや…俺から左じゃなくて…」
    「私から左か」
    私は口の左側を左手でぬぐう。
    「取れた?」
    「ついてる…」
    私は場所を少しずらしてぬぐう。
    「取れた?」
    「まだ…」
    「取ってくれない? …ごめん。嫌だよね」
    大雅くんは一気に階段を駆け上がり、私の目の前に。
    「嫌じゃない……」
    大雅くんの右手が私の口に触れて、なでる。
    「ずっと触れたかった」

    きゅん

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  15. 生徒会室の会議が終わり、生徒会室で生徒会長と書記の私、2人だけになった。
    「生野」
    「はい」
    私は書いていた手を止め、顔を上げ、生徒会長を見る。
    「選ばれなくて残念だったな…」
    今日の生徒会の会議で、新しい学校行事を何にするか決めたのだが、私が提案したイースターは選ばれなかったのだ。
    「俺も残念だったよ。
    やってみたかったからな!」
    「票を入れたの?」
    「入れた!
    面白そうなのになぁ……」
    そんなにやりたいなら…。
    「イースターやる?」
    「やる!!」
    「じゃあ…」
    まず副会長を誘って…。
    「楽しみだなぁ…。
    生野と2人だけのイースター!」

    きゅん

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  16. 「さようなら。多間先輩」
    私は校門前で文芸部2年の多間先輩に別れの挨拶をする。
    「白上!!!」
    「…はい」
    どうしたんですか?
    大きな声出して…。
    「これ……。
    バレンタインのお返し…」
    多間先輩が持っていた星柄の袋を私に差し出す。
    「ありがとうございます!!!」
    私はそれを喜んで受け取る。
    「ブックカバーだ…。
    使っていない事は知っているが…贈りたいと思って…」
    動物だ…。
    ブックカバーには沢山の動物が。
    …可愛い。
    「大事に使いますね!」
    「ああ……」
    「でも驚きました。
    貰えると思ってなかったので」
    さっき部室で他の男子部員達がクッキーを渡している時、多間先輩は黙々と本を読んでいたから。
    「白上にだけ渡したら…おかしい…だろ……」
    おかしくないですよ。
    多間先輩が私の事を好きって、部員全員知ってますから。
    「多間先輩って、可愛いですね!」
    「俺は可愛くないよ。
    白上は可愛いけど」

    きゅん

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  17. 「はい」
    「ありがとう!」
    毎年2月14日は幼なじみの留衛に渡す。
    「タオル……」
    誕生日プレゼント。
    「何?
    不満なわけ?」
    高校に入学してからバイトして、貯めたお金で買ったのに!!
    「タオルぼろぼろなくせに!!!」
    留衛はバスケ部で汗っかきだから、タオルでよく体をふいているのだが、そのタオルが見るからにぼろぼろなのだ。
    「確かにぼろぼろだけど……。
    チョコは?」
    私は4歳の時から去年まで毎年留衛にチョコをあげていた。
    「チョコって留衛、別に好きじゃないじゃん!」
    甘いものなんて普段全然食べないじゃん!!
    「初葉からもらうチョコは好きなんだよ!
    いつも側に居るくせに…分かんないのかよ……」

    きゅん

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  18. 弦くんに美味しいって言われたい。
    そのためには、弦くんのために弁当を作ればいい。
    でもどうして?
    どうして私は弦くんに美味しいって言われるために、弁当を作ろうと思うんだろう?
    もう環辺先輩の弁当を一人で作れて、弦くんに合格をもらったのに。
    弦くんが料理を作れず、料理同好会のメンバーに食べさせられないでいるって、分かってるのに私…。
    突然右腕を強く引っ張られる。
    弦くん……。
    眉間にシワ……怒ってる弦くん。
    「ボーッと歩くな!! 赤だぞ!!
    信号はちゃんと守れ!!!」

    きゅん

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  19. 「相変わらず本が好きだねぇ…」
    「津賀群…」
    図書室で一人黙々と本を読んでいた私の前に現れた津賀群。
    「本当に朝ドラは見てるんだな」
    彼は最近までやっていた朝ドラに出ている俳優さんだ。
    「どうしてここに…居るんですか?」
    売れている俳優さんですよね? 忙しいんじゃ…。
    「約束したからじゃん。
    夢が叶ったら…知夜に会いに行くって……」
    『俺、俳優になる!
    そしていつか朝ドラに出れたら…知夜に会いに行くよ』
    「翠くん……」
    私が小学生の時に近所でよく会っていて、突然居なくなった3歳年上の男の子。
    私の初恋の人……。
    「忘れて…なかったんだ……」
    「忘れるわけないだろ。
    知夜に会いたくて、俺頑張ったんだから……」

    きゅん

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  20. 「うーちゃん!!!
    んー……」
    「しません!」
    私は3年3組の教室に現れた口をつきだしている1年1組の芦模くんを拒否する。
    「俺が…風邪ひいてるから?」
    「そうです!」
    芦模くんは2日前から風邪をひいている。
    「あと…俺とキスするのが恥ずかしいから?」
    「…うるさい!」
    人がたくさん居るのに……キスなんて出来るわけないでしょ!!!
    「……何で笑ってるの?」
    芦模くんが私を見てにやにやしている。
    「恥ずかしがってるうーちゃんが可愛いなーって……。
    今……うーちゃんと本当にキスしたいな」

    きゅん

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  21. 私は彼氏の湖久を校舎裏に呼び出した。
    湖久にすごく怒っていたから。
    「どうして雀子に私と友達を止めるように言ったの?」
    「……」
    何も言わない湖久。
    「答えて!!」
    「阿莉が! 僕と居ないで…」
    「居るでしょ!! 学校の登下校も! 昼食時間も! 私が側に居るでしょ?」
    「彼女も一緒に居る!!
    僕は阿莉と二人で居たいのに…」
    「だからって…」
    友達を止めろなんて…。
    「阿莉は……僕が大事じゃないの?」
    「大事だよ! でも…雀子も大事なの…。
    それが分かってもらえないなら私達…」
    湖久にきつく抱きしめられる。
    「頼むから……。それ以上言わないでくれ……。
    阿莉が居なくなったら僕は…生きていけないよ……」

    きゅん

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