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  1. 18件ヒットしました

  2. 「……好きって……言って……」


    大輝は、私を強く抱きしめたまま、低く囁いた。


    「……好きだ」


    ギュンと絞られるような痛みと痺れが、身体中を駆け巡る。

    私に言わされている「好き」でも、嬉しくて身体が震えた。


    「……好きだ」


    大輝に心を揺さぶられて、思ってもいなかった言葉が、ポロリとこぼれおちた。



    「大輝……キス……して」


    大輝は、私の顎を掴んで、ゆっくり顔を傾ける。


    私、何言ってるの?

    キスなんて、言うつもりなかったのに、感情がコントロールできない。


    あ……。


    戸惑うように優しく触れた唇は、一瞬で離れていった。








    ーー短編「幼なじみを私の言いなりにするには」ーー

    きゅん

    14

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  3. 「んじゃ、アイちゃんは、今日から俺のものー!」

    んなっ、なんでー?

    勝った方の言うこと聞くと約束をして、いざ戦ったらめちゃくちゃ強い。

    私はお堅いクラス委員で、こいつみたいな校則違反丸だしのチャラい男子が大嫌い。

    将棋のルールも知らなかったくせに、ちょっと説明しただけで「いいよ」って軽く返事して……。

    なのに、将棋歴もうすぐ10年の私に勝つとか、ほんとなんなん?

    もしかしてこいつ……実はめちゃくちゃ頭がいいんじゃ……えっ?

    見上げると、すぐ目の前に顔!

    「じゃ、俺のだってみんなに分かるようにシルシつけるから」

    えっ?な?

    固まる私の肩を押さえて、おでこに、鼻に、顎から首へと唇が降りてくる。

    チャラ男は私の鎖骨の窪みに、赤いシルシをつけた。

    「俺の、アイちゃん」

    嫌いなのに!嫌いなのに!嫌いなのに…

    きゅん

    36

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  4. 「言えなかった」

    引っ越すなんて、聞いてない。

    「どこに……行っちゃうの?」

    「……飛行機で、24時間ぐらいかかるとこ」

    その答えは、あまりにも現実味がなくて、本当なのか、冗談なのか、わからない。

    「もしかして、私と別れたかった?」

    近くに引っ越すだけなのに、わざと会えないぐらい遠いところに行くと言って……。

    「なに言ってんだよ!」

    ソウタの手が、私の肩を強く掴んで壁に押し付けた。

    「お前のこと、こんなに好きなのに、別れるなんて考えたこともねーよ!」

    私の全部を絡め取っていくような激しいキス。胸が苦しい。

    「……行っちゃやだよ……」

    「……2年経ったら戻ってくる。そんとき、まだ俺を好きだったらここでまた会おう…な?」

    私は、返事をする代わりに、自分からソウタにキスをした。


    待ってるから、ここで。

    きゅん

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  5. 『大吉 昼休みに屋上に来れば幸せになれる ー大地大明神ー』

    ……大地?

    カバンの紐に結ばれていた、おみくじ風味の紙切れを手にして、私は屋上に出るドアを開けた。

    正面に立つのは、私が片思いしている、同じクラスの大地(だいち)

    「これ、やっぱり大地?」

    「俺は大地じゃねーよ、神様だ」

    なんだかわからないけど……それならちょうどいい。神様に願ってみようかな。

    「じゃ、神様、私は……大地が好きです。両思いだったら幸せです」

    そう言って手を合わせ、頭を下げた。

    「優っ、それはずるいよ。俺が今日までいろいろ考えてたネタぶち壊し」

    大地は、私の後ろにまわると、突然ぎゅっと抱きしめる。

    「だ、大地?」

    「神様の命令で、俺と付き合わせようと思ったのに」

    「……え?」

    「めっちゃ好きだよ、優。俺の方が幸せになっちゃったじゃん」

    きゅん

    25

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  6. あっと言う間に、私の家に着いた。
    なのに先輩は、その場から動こうとしない。

    「あの…先輩が行ってくれないと、私、帰れません…。」

    「お前が先に帰れ。」

    「え?先輩が行ってくれないと」

    「家に入るまでが遠足だろ?」

    「それを言うなら、家に帰るまで、じゃないですか?」

    「同じだろ…とにかく、早く入れ。」

    「……はい」

    私は先輩に、もう一度お礼を言って頭を下げる。

    「俺さ……」

    先輩が何か言おうとしたので、瞳を覗き込むように見つめると、ピンッとおでこを弾かれた。

    「痛った~!」

    「ば〜か。早く入れよ、家に」

    先輩は、もう一回するぞと、指で弾く形を作る。

    私は、それを避けるように返事して、先輩に背を向けた。

    玄関に続く階段を昇り切り、ドアに手をかける。

    「ナナッ!」

    振り向けば、太陽みたいなでっかい笑顔で、大きく手を振る先輩がいた。

    胸がキュンと熱くなった。

    きゅん

    17

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  7. ー元カレと再会ー

    名前を呼ばれたとき、心臓が止まるかと思った。

    2年前、留学を決めた私。
    彼に別れを告げて、旅立った。

    留学を終えて帰ってきた日に、偶然会えるなんて思ってもいなかった。

    「元気……そうだな」
    「うん……」

    変わらぬ優しい彼の声。
    閉じ込めたはずの想いが溢れてくる。
    会いたかった……けれど、別れを切り出したのは私だから、そんなこと言えない。

    「せっかくだから、再会の思い出に、握手していいか?」

    彼が、私の前に右手を差し出した。

    「う、うん」

    私は、おずおずと手を伸ばす。
    彼は、私の手を強く握った。

    一秒、二秒……。
    だんだんと息苦しくなる。
    だって私は、今でも彼が……。

    「ごめん、やっぱり、お前を思い出になんかできねーよ」

    握手した手をグイッと引っぱられ、私は彼の胸に強く抱かれた。

    「2年前にこうしたかった……好きなんだ、今でも……」

    きゅん

    26

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  8. ー理科係の私は、残って後片付けをしていたー


    好きな先生と2人きりだから、すごく緊張する。

    「痛っ!」

    落として割れたビーカーで、人差し指を切った。

    「こら、だからさっき、傷つけるなって言っただろーが!」

    ……あ……。

    私の背後から傷口にハンカチが当てられ、指ごと手をぎゅっと握られる。

    「強く抑えるから、少し我慢しろよ」

    先生は、私の手を掴んだまま肩の高さまで手をあげた。

    「手は心臓より上」

    私は、うつむきながら小さく頷いた。

    やばい……身体が熱い。ドキドキしてる。

    「す、すいません……ビーカー、傷つけちゃって……」

    私が謝ると、先生が優しい声で言った。

    「俺が傷つけるなって言ったのは、ビーカーじゃない。大切なのはお前の指の方」

    驚いて先生を見上げると、先生は、空いた方の手で私の髪をクシャっとした。

    きゅん

    23

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  9. ー年下の彼と初デートー


    私の方が5つも年上だから、シュンくんと釣り合うのか、すごく不安。

    「好きだよ……やばいくらい、好き。俺、それなのに不安。」

    えっ?……シュンくんも、私と同じ気持ちだったんだ。

    「ねぇ先輩、俺を好きだと言って。俺だけが好きって言って。俺を安心させて」

    言ってることは、我儘な子どもみたい。なのに、聞こえる声は、艶気を含んだ大人の声だなんて……。

    「好き……だよ」
    「誰が?」
    「シュンくん…が」
    「いつ、どこで、何時何分何秒?」

    シュンくんの目が、キラキラしてきた。

    「もう…ふざけてるでしょ?」

    大人のシュンくんと子どものシュンくんに振り回されて、胸がドキドキする。

    「好きよ、シュンくん」
    「俺も好きだ。」

    たくさんの「好き」が、私たちの不安を打ち消した。

    私の「好き」に呼応するように、子どもみたいな笑顔から、大人のシュンくんに切り替わっていく…

    きゅん

    21

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  10. なんでこんなことになってんだ。
    マジで動けない。

    体勢を変えようと、身体を捩る。

    「金井くん、動かないでください。」

    すぐそばで梶川ミサキの声。

    「だって、なんか体制が……」

    「シッ!静かにしててください、ほら、先生が来た。」

    息をひそめて隠れる、掃除用具入れ。なぜか2人。

    俺が、先にここを見つけて入ったんだよ。そしたら、梶川が後から。

    ドアを開けたときに、俺が隠れてるって分かったのに、強引に入ってきやがった。

    「入りますよ。」

    「梶川、無理だって!」

    「ほかにいい場所なかったので。すいません、もっと奥に行ってください。」

    そうして、ギューッと俺を奥に押し込んだ。

    梶川は、満員電車に乗るみたいに、入る瞬間前を向いて、ドアをパタンと閉める。

    俺は、梶川ミキの後ろ。
    どう身体を引っ込めても、いろいろと触れてしまう位置。

    これで、反応するなって言うのはキツイ……

    きゅん

    25

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  11. ー卒業式の帰り道ー


    タツヤはモテる。

    誰よりも仲良くしていたけど、結局私は、友達以上になる勇気が持てなかった。

    「うちの服で、ボタンがなくて正装っぽいやつは、これしかなかった。」

    うちの学校は私服だから、なんでもありとは言え、せめて普通の卒業式みたいに、ボタンぐらいもらいたかったのに。

    「ボタンついてれば、もっとモテたよ、きっと」

    「……どうでもいいやつにモテたって、なんも嬉しくねーし。」

    そう言って、タツヤがマントを開くと、中には、きっちりブレザーが。


    「このボタンは、全部お前にやる。」

    え?っと驚く私。

    「しかも、俺ごとくれてやる。いらないなんて言わせねーから!」

    そう言って、私をマントで包み込んで抱きしめた。

    「ずっとお前が好きだった。友達以上になる勇気がなかった。でも、今日で最後にしたくなくて……」

    きゅん

    20

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  12. ー人生で初めてのデートー


    「夏川の『初めて』は、全部俺が引き受けたから。」

    そう言って藤咲は、手を出した。

    「まずは、手ぇつなごっか。」

    大好きな人の手を、初めて握る。
    これだけでもドキドキして、胸が痛い。

    「そうじゃなくて…こうな?」

    藤咲は、指の間に指を絡めてつなぎ直した。

    「ただし、このつなぎ方は俺限定だから。」

    手をぎゅっとされたら、心までぎゅっとなる。

    「大丈夫か?」

    見上げると、笑顔の藤咲がいる。
    それだけで胸がいっぱいになって、泣きそうになる。

    「ド、ドキドキしすぎて……ダメ、かも……」

    私が、真っ赤になってそう言うと、

    「このあと、夏川の『初めて』をいろいろしようとしてるのに、これでダメならどうなっちゃうの?」

    藤咲は、大きな白い八重歯を見せて、いたずらっ子みたいに笑った。

    きゅん

    26

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  13. ーエレベーターで。ー



    閉まりかけ10センチほどの隙間に、グイッと手が差し込まれ、エレベーターが驚いたように、もう一度口を開ける。

    誰かが勢いよく入ってきて、壁にドンと手をついた。

    「また無理しやがって。」

    顔を上げてみれば、幼なじみのマサト。

    「そんなに驚くか?ずっとそばでお前を見てきたんだから、こんなのすぐわかる。ほら、着いたぞ。歩けるか?」

    だめだ……目がチカチカする……

    がくんと膝が折れ、ズルズルとその場に崩れ落ちていく私を、マサトが包むようにギュッと抱きしめた。

    「体弱いくせに、無理ばっかのお前が心配でたまんねーよ。」

    大丈夫だと言おうとして、顔をあげれば、近すぎるマサトの唇。


    「お前が元気になるなら、俺がその熱、もらってやるから。」


    ふわっと優しく唇が包まれた。
    いたわるようなキス。

    マサトのバカ、私の初めてのキスなんだからね……。

    きゅん

    35

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  14. ー卒業式のあと、幼なじみの彼とー


    俺さ、お前に言いたいことがある。
    ったく、笑ってないでちゃんと聞けよ。
    俺、いろいろ考えたんだけど……いや、やっぱ、やめとく。
    なんだよ、うるせーなー、心の準備ってもんがあるの。
    自分で呼んだんじゃないかって?
    ん、まあ、そうだけどさ……お前、すぐそう言うこと言うよな。
    ……じゃ、真面目に言うけどさ……

    俺たち、もう終わりにしない?
    お前と2人でいるの、飽きたんだよ。
    なんでって?
    だって飽きたんだもん、しょうがないじゃん。

    ばーか。
    飽きたってのは、「恋人でいること」をだよ。
    俺たち付き合って5年、知りあって18年だぜ?
    熟年の域に達してる。
    だからさ……

    結婚しよう。

    なんだお前……泣いたり笑ったり忙しいやつだな。紛らわしいことする俺が悪いって?
    罰としてもう一回言えって?ぜってー、もう言わないからな。

    お前が一番好きだよ。
    結婚しよう。

    きゅん

    29

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  15. ーケンカー


    「離してよ!そんなに私のことが気にくわないなら、今すぐ別れればすむことでしょっ!」

    思ってもいないことが、唇から滑り落ちる。

    カズマは、私の肩を鷲掴みにして、廊下の壁に押し当てた。


    「クソッ!お前、すっげーむかつく!だからあれは、お前が勝手に……」

    「もういいっ!聞きたくないっ!ムカつくなら別れればいいでしょ!だいたいカズマは……っ!」


    カズマは、私の顎をグッと掴んで、私を無理に黙らせた。

    「だからっ!人の話ぐらい最後まで聞けよっ!」




    ……‼︎

    カズマの唇が、乱暴に重なった。

    痛いくらいのキスに、私の動きが完全に止まる。


    「嫌われないように、なんて言おうか考えているうちに、お前が勝手に誤解したんじゃねーか……

    ……ムカつくぐらい、好きな女なんて、お前だけだ、バカ……」

    きゅん

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  16. ー放課後の教室でー


    暗いの怖い。
    部活終わりのショウゴを捕まえて、教室までついてきてもらった。

    「ありがとう。ちょっと待ってて」

    「待ってらんねーよ」
    「……えっ?」

    ショウゴは、歩き出した私の腕を掴んで引き寄せ、強く抱きしめる。

    「なにこれ?」
    「なにこれじゃねーよ、早く気づけ、鈍感。」

    考えて3秒。ひらめいた、妄想でしか味わえなかったリアル。

    「えっ?だって、ショウゴには好きな人いるってっ!」

    「声でけーよ、ばか!」

    おっきな手で口を押さえられて、何も言えなくなった。

    「だから、好きなのはお前。
    キスしたいのもお前。
    こうして抱いていたいのもお前。
    ずっと一緒にいたいのも、お前。

    …わかった?」

    私は、理解できなくて首を振る。

    「まだわかんねーの?ちゃんと分からせてやるから、目、つぶってろ。」

    きゅん

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  17. ーケンカした次の日ー


    ケンカは一人じゃできない。
    二人だから、ケンカできるんだよ。

    昨日はごめんね。
    本当は大好きなの。

    あんなこと、言うつもりなかった。




    昼休み。

    机にうつ伏せて寝ているユウタの髪に、そっと触れる。


    仲直り、したい。

    でも、どうしたらいいのかわからない。

    うつ伏せた顔の下にあるユウタの手。

    この手で、
    また、私に触れてほしい。

    また、いっぱい抱きしめてほしい。



    もう一度私に触れてと、
    思わずユウタの手をぎゅっと掴んだ。


    ふふふっ

    …えっ?


    「寝たふりしながら我慢してたけど、もう無理。」


    ユウタ……。

    「怒ってねーから、こっち来いよ。」

    笑顔のユウタが、私の手を握り直して引き寄せる。


    「あとで、いっぱい仲直り、しよ。」

    きゅん

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  18. ー先生と私の朝ー


    ねえ、ちょっと、
    首のボタンできねーから、やって。


    ね、ちょっと、
    ネクタイってどうすんだっけ?

    やって。



    朝から、やってやってって、まるで子供みたい。


    私は、自分の準備もそこそこに、
    先生のシャツのボタンをとめ、ネクタイをしめた。


    「はい、できたよ。いってらっしゃい。」

    先生の胸元をポンと叩いて見上げれば、「ありがとう」と、優しく響く声。


    目があって、
    先生はゆっくり瞬きをする。


    「口紅、今日もまだ塗る前みたいだから…
    しても…いいよな?」


    先生のやわらかな唇が優しく触れた。





    …………



    先生は、知らない。

    口紅は、いつも先生が家を出たあとに塗るんだよ。


    先生の、
    優しいキスがほしいから。

    きゅん

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  19. 目の前に立つ上原くんのことを、こんなにも真っ直ぐに見つめたのはいつ以来だろう。


    「…結。」


    上原くんは、私の名前を呼びながら、ぎゅっと私を引き寄せた。

    身体いっぱいに溢れる感情を、お互いにぶつけるように抱き合った。


    何度も何度も、確かめるように好きだと言い合う。

    何度も何度も、お互いの名前を呼んで確認し合う。


    会いたかった…ずっと…。


    「結…。」


    上原くんは、私の頬に触れ、髪の中に手を滑り込ませる。

    ジンとしびれるような心地よさに、身体が熱くなった。


    「大好きだよ。」


    上原くんは優しく微笑むと、私の瞼にキスをくれた。


    「この、泣き虫な目も…。」


    今度は鼻に。

    「この、ちっこい鼻も…。」


    今度は頬に。


    「結の全部が好きだ。」

    きゅん

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