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  1. 108件ヒットしました

  2. 「私らの前で始めないでよ!」

    深雪先輩たちは止めてはいるけど、高みの見物と言った感じで笑っていた。

    「飯島ここではマズイって!」

    飯島の友達も高揚してきた様子で近寄ってくる。


    「え?ここ俺ら以外誰かいんの?」
    「いねーけどさっ!」

    飯島は、動けない私の体をギューっと抱き締めてきた。


    「めっさいい匂い」

    言葉も息も行動もコワイ。
    なのに、大きな声が出てこない。


    「……や、やめ…」

    同じ事されてるのに、どうして相手によってこうも感じ方が違うんだろ?

    海也から抱き締められた時はドキドキして苦しいのに、幸せだった。

    「う、ヤバ…」

    飯島の髭の生えた口元が頬にチクチクと擦り付けられ、それが耳元にくるとゾわッとするのに力は抜けていく。
    唇が顔を這い出して、この時初めて大きな声がでた。

    海也の事が頭に浮かんだ。



    【指先からwas唇からlove】より

    きゅん

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  3. 「……優勝?」

    「そう、そしたら一ノ瀬から緒先にチョッカイ出させずに済む」

    「チョッカイって……」

    ビックリした。
    この間、確かに練習では部活動組に匹敵するくらい速かったけれど…。


    「……海也、また、倒れちゃわない?」


    体力負けしてるもん。
    本番の十キロなんて走れないんじゃない?
    そんな不安も、


    「言ったろ? 俺は持久力はあるんだよ、この前は超久し振りに走ったから目眩がしただけ」


    海也のワクワクした表情を見たらどこかへ吹き飛んだ。


    「……な、俺とも約束してよ」

    「え」

    再び海也が私の手を握ってきた。

    「俺が優勝したら…欲しいもんあるんだけど」

    ドキッとした。


    「な、なにを?」

    握った私の手を口元に持っていく仕草に。
    海也の唇が手の甲に触れる。


    「緒先の″初めて″」


    海也の言葉に体が一気に熱くなった



    【指先からwas唇がlove】

    きゅん

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  4. 何で、この子の部屋で私寝てるの?
    クラブに無理やり連れていかれて、飲まされて、そして……。

    何かしていればわかるはず………

    不安になって体を確かめる。


    名倉くん口を少し開け、子供みたいな顔をして眠っていた。

    『あ、車』

    どうしたっけ?

    急いで窓から外を確認する。良かった、あった。



    「ちょ、眩しい…、」


    差し込む光で名倉くんを起こしてしまった。


    「ごめんね、なんか迷惑かけたね」



    「先生んち知らねえから代行で俺んち来た…。言っとくけど何もしてないから」



    起き上がりタバコを吸い始めた名倉くん。



    「だめ!未成年でしょ!?」


    クラクラする頭で【教師】になった。


    「…寝るとき外さねーの?」

    「え」

    「ブラと…………補聴器……」




    私は 女としても教師としても、
    何も言えなくなった。



    【いつも左で囁いて】より

    きゅん

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  5. 購買に何もなくて、一つ分けてくれた海也。彼の背中を見つける。

    「これいいよ! そんなにお腹空いてないから」

    振り向いた海也は既にパンを口に頬張っていて、すぐに言葉は返ってこなくて、メロンパンを差し出す私の手をぐいっと無言で押し戻した。

    そしてゴクンと飲み込むと、


    「恥かかせるなよ、飯島みたいに」

    ドーナッツの粉砂糖を口の周りにつけたまま、にやッと笑った。


    なんか、白いひげが生えてるみたい。

    「……っ」


    その顔が可笑しくて、つい声を出して笑ってると、


    「おい、笑いすぎ」

    瞬間的に周りに誰もいないことを確かめてから
    、海也がぎゅッと抱き締めてきた。



    数段上にいる海也の心臓部分に私の耳が触れて、ドクドクと鼓動が伝わってくる。


    変だけど、海也、生きてるんだなって……

    ちゃんとドキドキしているんだなって思った。


    【指先からwas唇からlove】

    きゅん

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  6. 「……大好きなんでしよ?」


    クーポンで当たった、彼の好きなアイドルのバッジ。
    それをバイト先のバーで強引に渡す。


    「涙(るい)の次に好きですよ」

    「……」


    拓人くんは、何も言えなくなった私の手を引っ張り、ボックスの席に座らせた。


    「お礼にご馳走しますよ」



    完璧な営業スマイル。
    いつの間にか身につけて……。



    「車だからいい」

    あなたを乗せるために取った免許……。


    「じゃ、カルピス飲む?」


    「いらない。ね、どうして急に学校を辞めるなんて言い出すの?」


    カウンターに戻ろうとする彼の手を
    再び掴んだ。


    「金のため」


    「……それは前も聞いた」





    「あと、
    "涙"の生徒じゃなくなるため」



    拓人くんは、本気で私との恋を貫こうとした。





    【悪女 いつも左で囁いて】より

    きゅん

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  7. 「俺、頭悪いし、苦手な人間が多いけど。学校に来たら話す奴もまぁいるっちゃいるし、女にモテるし、家に居るよりいいよ」

    「海也くん、いつも自由だしね」


    「自由つーか、教師にも諦められてるから」



    寝転がるようにして下を見つめていた海也は、
    体が痛くなったのか、


    「枕、貸して」


    チョンと私の膝を触ってきた。

    「……枕……? え、膝枕?!」


    びっくりして大きな声を出した私に、″しっ″と指を立てて見せて、

    そして、返事も聞かないうちに私の太ももに頭を乗せてきた。


    「……ちょっ……」



    何、甘えてんの?


    まるで恋人同士がやるようなそんなこと、

    この間だってハグからフライングして、変なコトしようとしたし。


    私の事、一体、どう思ってるの?



    「緒先がいるからかもしれない、
    学校に行きたくてしょうがなったのは」




    【指先からwas唇からlove】

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  8. 「だいぶ涼しくなったね」

    緊張気味に、保健室の窓を開けて網戸にする。


    「ダメだよ開けたら」


    拓人くんは、後ろから急いで窓とカーテンを閉めた。


    「堂々とするんじゃなかったの?」


    私が振り返る前に抱きしめられた。


    「ずっと、こうしたかった。触れたかった……」



    窓は閉めたけど、グランドの運動部のかけ声が聞こえて……

    2人でこうしてることが
    不道徳で
    とても悪いことだと、わかっているのに


    …………止まらなくて



    「私もだよ」




    暑い室内で、別れを惜しむように抱き合った。




    【悪女 いつも左で囁いて】より

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  9. 渡辺くんにリコーダーを取られる。

    「 なにお前、緒先さんの笛奪ってるんだよっ?!」
    「へへ」

    周りの男子が気が付いて囃し立てると、
    調子に乗った渡辺くんは、私のリコーダーを迷う事なく吹き始めてしまった。

    「わーっ! 渡辺さいあくー」


    女子まで騒ぐから授業は完全に中断

    「席についてっ! 」

    泣きそうな女の先生の声も、

    「イエーイ、緒先さんとKISS!」
    「マジやばい」
    「なんの味? 香りは?!」

    皆の声にかき消されていた。

    「普通に歯みがき粉の香りしたけどな!」

    デリカシー0の渡辺く発言に、恥ずかしくなって瞼が一気に熱くなった。

    「貸して!嗅ぐ!」

    他の男子が私のリコーダーを渡辺くんから取り上げようとしたその時、

    「もうやめろって!」

    音楽室に一ノ瀬くんがカツを入れた。


    【指先からwas唇からlove】より

    きゅん

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  10. バスで吐いてしまい、
    汚れた部分を洗い流しすっきりした顔の拓人君に


    「まだバイト続けてるの?」

    と聞いたら、

    「昨日まで、いや 今日までだった」


    笑顔を見せてくれ、ほっとした。


    ″良かった、もう夜の仕事してないんだ″


    「もうバス乗れる?」

    持ってきたタオルで、彼の顔を拭いていると

    ___その手を掴まれた。




    急に脈拍があがって、動悸がした。





    「……新道くん、……戻ろう」




    「嫌だ」



    そのまま拓人くんに、かけていたメガネを はずされて


    __キスされた。




    【悪女 いつも左で囁いて】より

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  11. ″前から好きな子がいる″

    「あれは深雪って奴がウザかったから言っただけ」


    なんだ。安心したような残念なような…。

    私、深雪先輩達がそれを私だと言ったの、心の何処かで真に受けてたんだ。


    「でも本当にもう帰らないと門限6時半なんだ…」

    こういう事する前に、気持ち知りたい。

    「あと5分…」

    海也の腕に更に力が入る。

    さっきと同じように、ううん、それよりも強く海也の皮膚を感じる。

    温かい肌の匂い、少し荒くなった呼吸、
    耳元で感じて、怖くなった。

    「今日、……どうしたの?」

    静かなリビングに、近所のお寺の鐘だけが鳴り響いて、もうそろそろ帰らないと本当にマズイことが分かる。


    「…あ、ちょっ」

    そして、また制服の中に海也の指が潜り込んで、何かを探すような動きをしているのに気がついた。

    ーーわかった

    ホック探してるんだ。

    【指先からwas唇からlove】より

    きゅん

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  12. 「……るい?」

    新道くんに下の名前を呼ばれ、ハッと我に返る。

    彼の事、思い出してた。


    新道くんはお茶を飲み干すと、私の右手をそっと、掴んだ。


    「補聴器つけてたんだね…」

    右手の下に隠れた耳を、優しい目で見つめる。


    「…いつも髪を下ろして見えないようにしてたの」

    「気にしすぎだよ」


    私の右手握ったまま、

    新道くんは、ゆっくりカーペットの上に私を倒し、まるで赤ん坊を置くように、優しく寝かせた。


    「私は全部が教師らしくないね」


    聞こえない耳……

    弱い心_

    生徒に恋をしてしまった気持ちも。


    「そこがいいんだよ」

    上から優しく響く声は、初めてなんて思えないほどゆとりがある。


    私が彼を受け入れ彼が果てるまで
    ずっと、左耳に残ってた。

    私達は抱き合ったまま朝まで眠っていた。



    【悪女 いつも左で囁いて】second loveより

    きゅん

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  13. まだ暖房が効いてなくて、肌寒かったはずなのに、

    海也に抱き締められた途端に体が熱くなって、
    寒さなんて何処かへ吹き飛んだ。


    「か、海也く……ん」


    耳に触れる彼の髪が、柔らかくてこそばゆい。
    シャツから伝わる彼の体温が心地よくて、
    まるで温泉に浸かってるみたいだった。


    更に力を込めるから、密着度は増して胸の辺りが苦しくなった。




    ……なんか、変な気持ちになってきた。

    なに、これ。


    海也の左手が、セーラー服の下の背中に触れてきて、

    ビックリして、


    「ま」


    声をあげようとしたら、



    ーーピンポーン!!



    インターホンのベルが鳴り、海也は慌てて私から離れた。





    【指先からwas唇からlove】より

    きゅん

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  14. 誰かの着替えの手伝いとかしてあげたことなかった。

    「男子の制服って女子のよりしっかりした作りだよね」

    「そう?」

    「うん…セーラーのスナップとか直ぐに外れちゃうから」


    袖が腕からすり落ちた瞬間、また良い匂いがしてクラクラした。

    「袖…切れちゃったね。怒られるよね」


    脱がせた学ランをソファーにそっと置く。
    私のせいでハサミの刃で切り裂かれた布地。

    「あー学ランなら他にもあるから大丈夫」
    「予備?」

    「いや標準の。さっきまで着てたのはちょっと短くしてるから」

    …てことは、明日からは皆と同じの海也が見られるって事だよね?

    次にシャツボタンを外しながら想像して笑ってしまった。

    「なにニヤついてんの?」
    「べつに」

    最後のボタンを外しきった瞬間、

    「え」

    甘い匂いに全身包まれる。


    海也に抱き締められてしまった。



    【指先からwas唇からlove】より

    きゅん

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  15. 「泊めてよ。先生の家」
    「えっ」

    「明日、土曜日だし。親いないから」

    新道くんは、階段に座りながら電子時刻掲示板を見て、

    「もう帰れねーし」

    と、にんまり笑った。

    …憎めない。
    だけど、

    「泊めることはできない」

    「…なんで?」

    「教師だから」

    やっぱり線は引かなきゃ…気持ちは恋していても。

    「…キスはいいんだ?」

    新道くんの顔……笑ってない。

    「キスだけはいいんだ?そんな教師聞いたことないし」

    「……この間はどうかしてた」

    新道くんの顔が曇っていく。

    「ウソツキ」

    傷つけた新道くんの顔を見れない。

    「…もういいよ」

    新道くんは背を向けて歩き出した。

    あなたを傷つけたかったんじゃない。

    「まって!」

    私は教師、だけど後悔はしたくない


    「昔、あなたのお兄さんと付き合ってたの!」




    【悪女 いつも左で囁いて】secondlove

    きゅん

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  16. 先生に質問されて慌てて私を見る海也。

    「なんつってたの?今?」


    「″そこから良く見えますか?″ だって」

    質問の意味を教える。
    シカトするだろうと思っていたのに海也は、

    「余計なお世話って何て言うの?」

    また私に聞いてくる。だけどそんなこと訳せない。

    「It looks good. I like gentle Susan.」

    (良く見えます。優しいスーザンさんが好きです)

    これをカタカナで書いて海也に見せて読ませる。

    「いっとぅ…るっくす…グッド、アイライクじぇんとるスーザン」

    それを素直に海也が読み上げ、スーザンは投げキッスをしながら、

    「I like you who became a good child, too.」
    (私もいい子になった貴方が好きよ)

    と返すから海也は恥ずかしそうにしていた。

    その横顔にもキュン…


    【指先からwas唇からlove】

    きゅん

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  17. 雅の制服のシャツを脱がす時、寒そうで一瞬、躊躇を見せた私の手を、

    『身体は熱いから』


    掴んで強引にズボンのベルト部分に触れさせる。


    『……ズボン……も?』


    しっかり者で私を妹のように可愛がってくれた雅が、



    『そう、下着も靴下も全部』


    子供のように私に、体一つ差し出して、これから始まる性の全てを私に委ねようとしている。


    『…………』


    震えて上手くいかない手で雅を少しずつ、素の状態にしていく。

    男の子は、暗くなくても恥ずかしくないのかな? なんて、呑気に靴下を脱がせていたら、


    『顔をあげて』


    雅の大きな手が私の頭をガッチリ掴んでいた。

    『……雅…?』


    そこからは、私を窒息死させるかのような
    深い、とても深いキスを雅の気が済む迄繰り返された。


    『苦しかった?……でも俺の方が何倍も苦しかったんだよ』



    【真夜中に純愛が降っても】完結しました

    きゅん

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  18. やめてください」

    そう言ったのは、その論文発表の件と、


    「まだ、何もしてないよ」


    龍野氏が私に触れようとしていること――



    近寄る体をかわすつもりでいたのに、

    また、

    壁と、大人の匂いとの間に捕まってしまう。



    「君の存在を知らなければ良かった」



    龍野倫太郎が、私にキスをしてきた。



    「……なんで?」

    けして無理やりなキスではなかったのに、
    離れた唇からは、こんな言葉しか出てこない。


    「……わからない、君を見ていたら吸い寄せられた」


    私を壁との間に挟んだまま、龍野倫太郎は今度は抱きすくめようとする。


    「ま、待って!」


    ″やめて″
    ではなく、″待って″と飛び出した事に自身驚いた。



    「大野さん、あなたの心の穴は、思い出だけで埋っていくのか?」




    【カレシと遊ぶの。】
    大人過ぎて掲載不可。他所で更新中

    きゅん

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  19. ATSUSHIの首に腕を回すと、
    ATSUSHIは更に唇を強く吸った。


    身体もだんだん密着してくる。

    風は肌寒いくらいなのに、身体は熱くなってくる。


    橋下の壁に、髪の毛がこすれて傷むんじゃないかと思うくらい、押し付けられて、


    ATSUSHIの体温、肌で感じてる。



    唇を離したとたん、


    「やばい」
    とATSUSHIが呟く。



    「え?」


    「男の子の事情」


    「!」


    紅くなる彼を見たら、私まで恥ずかしくなった。


    でも


    「…いいよ」

    「え?」


    ハルがATSUSHIを"モノにしてこい" って言った。



    "初めて"がATSUSHIなら

    こんなに貴重で嬉しいことはない。



    「敦司を知りたい」






    【二十年後の君へ】番外編【HARU】より

    きゅん

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  20. 「よしーー!!」

    アリーナライヴ終了、出待ちのファンによる黄色い歓声が出てきたメンバーに一斉に向けられる。
    その中でも、ボーカリストの美徳先輩への声援は半端なくて、

    「せ、せんぱっ」

    か細い私の声なんて、あっという間にかき消されてしまう。


    「よしーーーーー」「あきーー!!」


    ま、待って!先輩!
    私、アメリカから帰ってきました!
    お願い、気づいて!

    先輩の背中を追おうとしたら、
    ドン!
    と、図体の大きなファンに押し倒されてしまった。


    「…たっ」

    スカート捲れて、露な姿に…。

    泣きそう。

    メンバーが車に乗り込むまで追いかけるファン。

    「…あ」


    美徳先輩は、車の窓を開けてこちらを見ていた。

    え?なんか、言ってる?
    口パクだけど、確かに私に向かって何か言ってる。


    「す、 と ら、い、ぷ」


    ひゃぁ、見えたんだ!?



    【美獣と眠る】ベリカで完結

    きゅん

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  21. さっき、命に代えても帰国させたいと願ったハルが――目の前にいる。

    「……どうしてここにいるの?」

    何度も夢に見た、


    「長崎ちゃんぽん食いに来た」

    ハルの笑顔――

    「……フィリピンにちゃんぽんはなかった?……」



    震えて、こぼれて落ちそうな涙を必死に目の中でとどまらせた。


    「……なかったな」


    ハルは春香をベビーカーに戻すと
    私を思い切り抱きしめた。



    甘い香り。

    ハルの匂い




    あんまり強く抱きしめるから、我慢してた涙が大量にハルのスーツを濡らした。





    離してしまった日傘が風で遠くに飛んでしまっても、

    周りの見物人がはやし立てても、


    警備員が注意を促しても



    ハルは私を離さなかった。




    【二十年後の君へ】番外編【HARU】より

    きゅん

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