ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「せ、ん、ぱ、いっ!!」
    「きゃぁぁ!?」

    朝、校門をくぐると背後から突然誰かに抱きしめられた。
    でも、こんな行動を取るのはただひとり。

    「玲樹くん!!」
    「なんですか?先輩!」
    「こ、こういうのはダメって言ってるじゃない!」
    「えー?なんでですか!」

    必死に引き剥がそうとするが、案外力が強く外れない。
    そしてなんだかんだ私より身長が高いので全く動じてくれない。

    「なんでいつもこんなことするのっ!」
    「前から言ってるじゃないですか」

    唸りながら強く言えば、きょとんとして一旦離れてくれた。

    「なんでって……大好きだからですよ」
    「っ!」

    改めて正面から言われ、顔に血が上った。

    「返事、聞かせてください」
    「わた、しは……」

    うろたえながらも、私は差し出された手をそっと握り返した。

    きゅん

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  3. 「……あれがガーネットスター」
    「名前と一緒で真っ赤ですね!」

    私は今、唯人先輩と空を眺めている。
    実はふたり揃って天文部の部室で眠ってしまい、夜になってしまったのだ。
    せっかくだからと屋上に来れば、プラネタリウムのような空がそこにあった。

    「あれ、なんですか?」
    「……?」
    「っっ!!」

    私が指さしているものがわからなかったのか私の真後ろに来て、肩の上に顎が乗せられた。
    驚いた私は膝をかくりと折ってしまい、先輩もろとも屋上に座り込んでしまった。

    「ご、ごめんなさい」
    「……ちょうどいいから、このままで。……どれ?」
    「あ、あれです」
    「……木星。あまり簡単には見つからない」
    「そうなんですか?先輩の教え方がうまいからですね!」

    黙り込んでしまった先輩を不思議に思い振り返ろうとしたとき、力強く抱きしめられた。

    「あまり褒めるな……っ」

    きゅん

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  4. 「今日も居残り学習ですか?」

    苦手な数学と格闘していると、見慣れた姿が視界に入った。
    数学の増田先生だった。

    「授業が早いんです~」
    「すみません。でも皆さんそれぞれに合わせることはできなくて……」

    そんなことは分かっている。
    だからこうして小さな愚痴を軽めにこぼすのだ。

    「冗談ですよ。確かに早いですけど、私の理解度がないだけですし」
    「毎回赤点ギリギリですしね」
    「う」

    痛いところを。

    「これからは毎日、僕も付き合いますよ」
    「え!?」

    予想外のセリフにだらしなく突っ伏していた私は飛び起きた。

    「だから、もっと頑張りましょうね?僕の個人授業は結構効果的なんですよ?」

    私の表情が輝くのを見てか、ポンポンと頭を撫でられた。



    「もっとも、僕が一番上げたいのは点数よりも好感度だったりしますけどね」

    きゅん

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  5. 『昼休みのいろいろ放送室~!』

    同級生の航君の楽しげな声がスピーカーから響いてくる。

    『マイブームの作り方を教えてくださいとのお便りの返事をしましょう!』

    テンションが高くて、クラスでも人気者の彼の独占放送は大人気だ。

    『そーですね、俺はいろんなことに興味を持って探しますw』

    確かに彼がはまっているものは結構コロコロと変わる。

    『でも、今一番のマイブームは恋だったりして……♡』
    『真面目にやれ、航』
    『あ、先輩!信じてませんね!!俺だって恋するんです!入学してからずーーーっと片想いなんですからね!』
    『嘘つけ!!』

    なんか放送室がすごいことに……。

    『いいもん!いま告白するし!!』



    『今から俺の愛しい人に電話します!!せーの!』

    ~~♪
    鳴ったのは、私の携帯だった。

    『大好きだよ。俺と付き合ってください!』

    きゅん

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  6. 「七夕の話って、少し切ないよね」

    目の前に飾られた短冊を見つめながら私はつぶやく。

    空音をそっと見てみると、何とも言えない顔で天の川を見つめていた。

    彼は、何を考えているのだろう。
    幼馴染の壁は近くて遠い。

    聞きたくても、離れてしまうことが何よりも恐ろしく感じてしまうんだ。

    「私が織姫だったら、耐え切れないと思う」
    「そう?」
    「一年も好きな人と会えないなんて、話すらできないなんて苦しいよ」

    私は空音のことを考えながらそういった。
    彼と会えない日なんて想像できない。

    隣の家で、暇さえあれば窓越しに会話をする毎日なのに。

    「俺が彦星だったら、そんな掟なんて破って、お前をさらいに行くよ」
    「え?」

    後ろから聞こえた言葉に驚けば、強く暖かく抱きしめられた。

    「何があっても毎日そばにいてやるから、俺だけの織姫になってくれる?」

    きゅん

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