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  1. 11件ヒットしました

  2. ふわっと風が吹いて、私の視界を、まつ毛の長い端正な顔が独占する。
    唇が塞がれて――え、これってキス?

    理解が追い付かない。
    ただ、私の初キスが、貴重な初キスが奪われたことだけは、わかった。

    時間にして数秒。
    でも体感は数分のように思えた。

    私の初キスを奪ったその人は、柑橘系の香りを漂わせながら、そっと離れた。

    「俺に惚れた?」

    どこか自信あり気な笑みを浮かべ、そう聞いてくる。
    いいえ、全く。これっぽちも。――とは言えず、私は黙り込んだ。


    「もしかして、全然?全く?」

    何でそんなに嬉しそうなの?
    ドМですか?はー、ドМですか。

    私が答えずにいると、彼はニヤッと笑って、こう言った。


    「…なら、ちょうどいい。
    俺の女になれ」

    きゅん

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  3. はぁー、頭痛い。割れそう。
    頭から分裂するんじゃないかってくらいの頭痛に見舞われて、私は保健室に向かった。

    「先生…?」

    昼休みだからか、保健室には誰もいない。
    とりあえず休ませてもらって、先生が戻って来たら事情を説明しよう。

    そう思って私は保健室の窓際のベッドに向かう。その時、真ん中のベッドから男子生徒が姿を現した。

    「あれ、中野?…どうした?」
    「うん、頭痛くて、休みに来たの」

    彼はクラスメイトの雨宮くん。姿を見ないと思ってたら、保健室にいたんだ。
    ――と

    「ちょっとデコ貸して」

    ベッドに座らされ、前髪を掻き上げた雨宮くんの顔がドアップで映る。

    「かなり熱いな。安静にしとけよ」

    雨宮くんはそう言って離れ、保健室を出て行く。
    私はおでこに手を触れた。

    雨宮くんのおでこが触れた部分が、目玉焼きを焼けそうなくらい火照っていた――。

    きゅん

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  4. イルミネーションがわざとらしく煌めく町中を、先輩と並んで歩く。
    先輩に彼女がいるって、誰かに聞いたけど、せっかくのクリスマス、私と過ごしていいのかな。
    「俺の誘い、断らなくてよかったの」と先輩。
    「どうせ予定なかったですし」
    「え、彼氏は?いるだろ?」
    そう言われたのが、なんだか悔しくて。
    「私の好きな人は、先輩なので」
    先輩の顔に、驚きの色が浮かんだ。
    わ、何言ってんだろ私。
    「なーんて、冗談ですけど」
    慌てて誤魔化すと先輩は
    「冗談かよ。本気にしちゃったじゃん」
    拗ねたように言う。
    本気にされたって、どうせ先輩には彼女がいる。
    「先輩こそ、いいんですか。クリスマスくらい、彼女と過ごしたらいいのに」
    「え、何言ってんの。俺彼女いないよ」
    …え?またまた、ご冗談を。
    「なぁ、彼氏いないならさ、俺の彼女にならない?」

    きゅん

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  5. 同じクラスの三嶋が、私のことを好きだという噂を聞いた。
    別に噂だから信じないけど、そうだったらいいな…なんてね。
    購買でパンを買った教室への帰り道、そんなことを考えていると突然、

    「危ない!」

    誰かの声が聞こえた。
    その時、視界が薄暗くなって、廊下に押し倒された。

    な、何が起きたの?
    ビックリしていると、

    「怪我、ないか?」

    三嶋の声。
    私の上に覆いかぶさっている。

    「あ、うん」

    何があったの?
    そう聞こうとした時、三嶋の腕にガラス片が刺さっているのが見えた。
    顔を上げると、廊下の窓ガラスが割れているのに気づいた。
    …守ってくれたんだ。

    「よかった、間に合って。窓ガラスが割れた時、オマエを守ることだけ考えてた」

    三嶋が頬をかいた。
    その顔がほんのり赤い。

    「ありがと」

    私は、顔が急激に火照るのを感じた。

    きゅん

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  6. 私、高坂奈美(こうさかなみ)は今日で中学を卒業する。
    付き合って1年になる、一つ上の彼氏こと、守谷祐翔(もりやゆうと)先輩が、卒業式を見に来てくれると言ってたけど、式が終わってもその姿は見つけられなかった。

    「先輩いないし、帰ろ」

    お母さんに言った時だった。
    体育館脇に、女子が固まっているのが見えた。
    女子の輪の中にいるのは、守谷先輩。
    先輩、来てくれたんだ。
    そう思うより先に、「やっぱモテるなぁ…」と思ってしまった。

    そりゃ先輩はかっこいいし、モテるのは当たり前だけど…。

    声をかけられず、とりあえず帰ろうとした時だった。

    「まって!」

    輪の中から飛び出してきた先輩が、私とお母さんの前に立った。

    「守谷祐翔です。奈美さんとお付き合いさせていただいてます。これから長い付き合いになると思うんで、よろしくお願いします」

    きゅん

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  7. 「なんだよ、用って」

    頭髪指導に引っかかって、放送室の掃除を任された結城が、俺を見上げる。

    「オマエ、美緒のこと好きなのに告る気ないんだってな」

    結城の口から、美緒の名前が出て驚いた。

    「それがなんだよ」
    「告白しろ」

    は?何でいきなり命令!?
    結城が箒を、放送器具に立てかけた。

    「うっせーな、何でオマエにンなこと言われんだよ!」
    「好きな人に好きと伝えれない臆病者に恋をする必要があるのか?」

    うぐっ。それは…。

    「確かに美緒のことは好きだ!でも、今の関係壊したくねぇんだよ」
    「えー、熱い告白ありがとうございます」

    な、何だよ急に。告白なんか…。

    その時、結城が放送器具をいじった。

    「おい、何して…「箒の柄が当たって、校内放送されてたみてぇだな」

    おい、まてよ。
    美緒のこと好きだって全生徒にバレてんじゃん!

    きゅん

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  8. いつもは教室の後ろで、男子と騒いでるのに。
    珍しく、大輔がいない。

    友達と昼ごはんを食べながら、ふとそんなことを思った。
    珍しいといえばもう一つ。
    いつもは放送部が音楽をかけてるのに、今日は何もかかってない。

    「珍しいよねー、BGMないの」

    親友の理沙が言った時だった。
    スピーカーから、プツッと音が聞こえ、その直後。

    「うっせーな、何でオマエにンなこと言われんだよ!」

    大輔の声だ。
    でも、なんで?

    「好きな人に、好きと伝えれない臆病者に恋をする必要があるのか?」

    大輔と仲のいい、結城の声。

    「確かに美緒のことは好きだ!でも、今の関係壊したくねぇんだよ」

    え?わ、私?
    突然名前が出て、戸惑う。
    教室内の視線も、私に集まった。

    「えー、熱い告白ありがとうございます」

    結城が言うと同時に、放送が切れた。

    きゅん

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  9. 先輩、先輩。
    先輩の目に、僕はどう映ってますか。

    「今日もかっこよかったぁ…」

    好きな人の話をする先輩は、僕のことをどう思ってますか。

    片思いなのはわかってる。
    でも、先輩を好きだという気持ちは、どうやっても変えられない。

    「先輩」
    「ん?なぁに?」

    好きです。
    なんて言えない。

    「今日、夜冷えるらしいですよ。風邪ひかないよう、気をつけてくださいね」

    先輩が好きな人と幸せになってくれればいい。
    好きだなんて口にできない。
    なのに、
    何なんだろう、この胸の痛みは。

    「うん、気をつける。桜木くんって優しいね」

    それは違うよ。
    相手が先輩だから、そんなことが言えるだけ。
    僕は優しくない。
    好きな人に対する、点数稼ぎだ。

    「そうでもないですよ」

    先輩。
    先輩の目に映る僕は、どんな僕ですか。

    きゅん

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  10. 今日も結局、保健室で1日を過ごしちゃったなぁ。
    窓の外は茜色。
    部活してる人の声が聞こえてくる。

    「今日もよく寝てたな」

    保健室の先生、石倉先生がカーテンを開けてベッド脇に現れる。
    私は、教室に入るのが怖くて、気がつけば保健室に登校するようになった。
    そうなってから、もう半年になる。

    「もう遅いし、送っていこうか」

    遅いと言われるほど遅くはない。
    まだ空は茜色で、1人でも帰れる。

    「ううん、大丈夫。1人で帰れるよ」
    「いや、送ってくよ」

    石倉先生が、白衣のポケットから車の鍵を取り出した。

    「え?」
    「知ってるか?最近、女子高生が狙われる事件、多いんだぞ」

    そういえば、最近ニュースでそういうの多いよね。

    「でも私は平気」
    「何かあったらどうする?俺は先生として心配してんじゃない、1人の男として心配してるんだ」

    きゅん

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  11. 「ん…あれ…?」

    いつの間に放課後になったんだろ。
    6限目の途中で眠くなって…それで…。

    記憶が途切れている。

    「起きた?」

    クスクス笑いが聞こえてきた。
    顔を上げ、隣を見ると、幼なじみの裕太が座っている。

    何で隣のクラスの裕太がいるの?

    言おうとした途端、
    頭をクシャっと撫でられた。

    「女の子にフラれたから、話聞いてもらおうと思ってさ」

    何よ、それ。
    私が裕太のこと、好きなのわかってて言ってんの?

    いつもそう。
    裕太の隣には、私じゃない女の子がいる。

    「へぇ…」
    「参ったなぁ、話聞いてくんないの?」

    全く困ってない、ヘラヘラした様子で。
    裕太って、変だ。
    変だけど、裕太のこと好きな私も変。

    「オマエのこと好きだって言っても?」

    きゅん

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  12. グランドからお化け屋敷の客引きの声が聞こえる。
    クラスメイトに呼び出されて、賑やかな学園祭会場から学校の屋上に向かった。
    クラスメイト、裕也はヘッドホンをしてフェンスにもたれてる。

    「学園祭、行かないの?」
    「オマエが来るの待ってた」

    裕也はそう言ってヘッドホンを取った。
    私は裕也に近寄った。

    「話って?」
    「ずっと前から言おうと思ってた。俺の女になれ」

    え?それって…?
    途端―ガシャン!フェンスが揺れる。
    か、壁ドン…!?

    「俺の女になれって言ってんの。
    答えは今すぐ聞かせろ」

    勝手だなぁ。
    でも、私もずっと気になってた。
    私は頷いた。
    高校最後の学園祭。
    こんな私に、彼氏ができるなんて思わなかった。

    「知ってるか?今日付き合うと100日記念はクリスマスなんだ」

    学園祭に戻る途中、裕也が珍しく笑って言った。

    きゅん

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