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  1. 11件ヒットしました

  2. 私はベッドに横になったまま、佐々くんを見上げた


    乱暴に顎をつかまれると、無理やり佐々くんのほうを向かされる


    「オレにしろよっ、花美っオレにしとけ!」


    怒鳴られてるのに、やさしくなだめられてるみたい


    「抱きしめて…離さないっ…ずっと…」


    ずっと


    「…オレが、ずっと、そばにいてやるからっ!!」


    それは、誰かに言って欲しかった言葉

    だれも、してくれなかった約束


    こんなに大好きな人に

    言ってもらえるなんて思ってもみなかった


    ―ああ、もうダメだ…


    「これが最後だ!言えっ!!お前の本当の気持ちをっ…!」


    決して嘘は赦さないと、真っ直ぐ訴えるその慧眼に、

    そして、なによりも、もう

    自分を偽ることを、私自身が許してくれない


    「言えっ!!…花美っ!!」


    ――…き……


    「佐々くんが…、好き……」


    息が詰まるくらい強く、佐々くんが私を抱きしめる

    きゅん

    11

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  3. 「あ!海だあっ!」
    「走んなって!」

    もう歩道脇の堤防の階段を駆け下りて砂浜まで降りてる

    花美の靴に思いっきり波がかかる

    「靴、濡れちゃったぁ」
    「波打ちぎわ、ギリギリ歩きすぎ」

    うれしそうに笑う

    よくわかんねぇけど、花美が楽しそうだからいいや


    キラキラと輝く波打ち際を、入り日陰を受けながら花美の茶色の髪が風になびく

    靴はもう諦めたのか、バシャバシャ海水の中を歩きながら、何かを探している

    時々しゃがみこんでは、海水に手を入れて水をすくってのぞき込む


    「なにしてんの?」

    「貝殻拾った」


    スカート濡らしてまで、拾うもんか?

    でも、よかったなって、オレが笑うと、うれしそうに笑い返す

    胸の奥が、熱くなる。

    ――あ~、帰したくねぇな…

    きゅん

    4

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  4. 「ばっかじゃねぇの!?」

    バシッ!

    花美の頭をはたいた

    「あいた!」

    「痛くねぇ!手加減しただろ!このバカ!」

    そう言うと、花美がオレを睨む
    口を尖らせて、目を据わらせ、眉根を寄せる


    ―ヤバい

    全っ然、怖くねぇ…

    っていうか、むしろ超カワイイんだけど


    「どおせバカだもん!」


    オレに枕を投げつける

    こいつ逆ギレしやがった!

    「こんなこと、バカにでもなんなきゃ出来ないにきまってんデショ!?」

    花美が勢いよくベッドの上で立ち上がると

    ボスッ!

    もう一個あった枕をオレに投げつける

    「やめろって!」


    このバカ花美!

    オトコ舐めてんじゃねえぞ!

    ボフッ!

    「きゃあっ!」

    怒りにまかせて、手加減なしで花美めがけて枕を投げ返した。

    勢い後ろに花美がひっくり返る。

    そのまま上にのしかかって、ベッドに押し付けた。

    両手を絡め取って、花美にキスをする…

    きゅん

    4

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  5. 佐々くんとはもう会わない

    そう言い残して、花美ちゃんが姿を消した

    「クソッ!」

    路地裏のゴミ箱を、佐々が思いっきり蹴り上げる

    「落ち着けって、佐々…」

    俺が何言っても、もうムダみたいだ

    「あったま、きた!自慢じゃねぇけどオレは今まで一度だって

    自分からっ

    オンナにっ

    スキだなんて言ったコトねんだよっ!

    それを、あのオンナ

    なかった事なんかに絶対にさせねえっ!」

    佐々は携帯を取り出すと

    「…神崎」

    現在のアタマに伝令を飛ばす

    「オンナ探せ。霧里花美ってオンナだ」

    現役がOBでもないヤツに顎で使われるのもどうかと思うけど

    佐々、カリスマだったからな~、仕方ないか

    「オレの前に無傷で連れてこい。いいな」

    可愛そうな花美ちゃん

    こんな勝手なオトコに惚れられて、しかも無駄に力持ってて、頭もいい

    本気で逃げてるんだろうけど、残念

    佐々からは逃げらんないよ?

    きゅん

    6

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  6. 心臓病の定期受診くらいひとりで行けるのに

    心配性の幼なじみは

    当たり前のように教室まで梨佳を迎えに来た

    教室の空気がどよめき、揺れる


    「ワザとやってるしょう、大河」

    「当たり前じゃん」


    そう呟くと

    大河はゆっくりと辺りを見回した

    ザワついていた教室から、一瞬息をのむ気配がして

    そのあと、嘘みたいに音が消える

    大河の威圧感


    「ここらへんでちゃんと、俺の存在を知らしめとかないと?」


    と、誰に向かってか釘を刺す


    「行こっか、梨佳」



    感情があふれだす


    ―どおしよう…もぅダメだ…


    大河は梨佳の細い右手首をつかむと、手を引いて歩きだす

    太くなった腕は、もうビクともしない

    目の前の広い背中

    見上げる背丈


    ―もう、幼なじみじゃない…


    その男は校門を出たところで、立ち止まると


    「ごめんね、梨佳」


    そう照れくさそうに笑った

    きゅん

    5

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  7. あたりはすっかり夜に覆われている
    月明かりだけが、二人を照らす

    「…返事、まだだよね」

    大河の告白の返事を
    梨佳はまだできないでいた

    “つきあえない”

    そのたった6文字を、今日まで何度飲み込んだだろう。
    沈黙が時間と共に流れる

    と、突然、

    ふわり……

    なにか暖かいものが、梨佳の頭上に舞い落ちた
    サーモンピンクのストールが、包み込むように梨佳の頬をくすぐる

    「風邪ひく、帰ろっか」

    言葉の端がさっきまでとは違う
    両手を制服のポケットに入れて、肩をすくめながらやわらかに笑う

    いつもの大河

    込み上げる愛しさに、絶望しながら
    梨佳はその過保護ぶりに、微笑みをかえす

    一瞬、大河の呼吸が止まった

    「……好きだよ、梨佳」

    ――大…河

    首に掛けられたストールごと、大河は梨佳を引き寄せる

    ゆっくりと……

    当たり前のように、唇が触れた

    ~1章 恋がきこえる より~

    きゅん

    4

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  8. 「い、いい許婚ぇ!?」

    玄関先には知らない3人の男のコ


    「この中から1人選んで、私の16歳の誕生日に結婚する?どおいう事よ!?おじいちゃん!!」


    どうも幼い頃に亡くなった両親が決めたことで詳しい事はわからないらしい

    しかも

    「一緒に住むなんて、絶~~対イヤ!」

    そのまま家を飛び出した

    とりあえず友達の家で一晩お世話になり、翌朝

    「何で学校にいるのぉお!?」

    許婚1「嫁が通ってる学校も気になるし、転校してきたんだよ」

    ―嫁!?…っていうか、

    「ここ女子高じゃん!!」

    許婚2「今日から共学。あ、ちなみにオレが新しい理事だから」

    許婚3「襲ったりしないからさ、仲よくしよ?」

    ―し…信っじらんない…

    「キャー!何で男子?超カッコイイ!」

    学校中に響き渡る黄色い悲鳴。

    許婚123「覚悟はイイ?許婚殿」

    ―覚悟って…何のデスかあ!?

    きゅん

    4

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  9. 今朝は雨。
    電車の中も湿度高めで

    ーー息苦しい…

    新鮮な空気を求めて、天井を見上げると

    真上に背の高い幼なじみの顔があった。

    つり革に手を掛けて、
    心配そうに、大河が私の顔を覗き込む。

    「梨佳、大丈夫?…顔色悪くねぇ?」

    「…だ、大丈…」

    ガタンッ!

    駅に着いた瞬間、車両が大きく揺れる。
    開いたドアから新鮮な空気が流れ込む。
    同時に、

    どおっ!

    人波が押し寄せた。

    「きゃ、わわわ、、」

    バランスを崩したまま、奥へ奥へと押しやられて、
    そのまま、反対側のドアに背中があたった。

    ドンッ‼︎

    「…危っぶねぇ」

    大河が、
    ドアに両手をついて、
    人混みから私をかばうように立っている。

    空気から伝わる体温…

    「ち、近い…よ、もぅちょっと、離れて…」

    「…ゴメン、無理」


    頭上から降ってくる
    低めの甘い声

    どうしよう

    どうしよう

    心臓の音、聞こえちゃう……

    きゅん

    7

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  10. このシチュは、もしかして

    朝帰り

    って、やつデスか?

    ホテルまで運転手が迎えに来るなんて
    佐々(ささ)くん家ってばお金持ちなんだね

    チラリ…

    車中の佐々くんを見ると

    「ぁんだよ」

    うわぁ~
    超機嫌悪ぃ

    確かに、昨夜は私が悪いです

    覚悟を決めてたはずなのに
    途中でいっぱいいっぱいになっちゃって…

    「これからヤるぞって時に、気絶しちゃってごめんなさい」
    「ヤるとか言うな!」
    「お、怒んないで」
    「怒ってねぇよっ!」

    ―ー怒ってるじゃん

    しばし沈黙

    嫌われちゃったかなぁ

    うなだれてると

    ポンポン

    頭にふわりと
    佐々くんの体温が伝わる

    「ご、ごめ…」
    「やめろって…別にヤりたいだけじゃねぇもん」

    そう言って笑う

    ポンポン…
    ポンポンポン

    グシャグシャグシャ!

    「やぁあ!髪」

    「これくらいの嫌がらせはさせろ」

    やっぱ、怒ってるじゃん!

    バカ!

    きゅん

    6

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  11. 「はぁっ、はっ、ちょと待って、佐々(ささ)くん!」

    「!」


    名前を呼ばれて我に返った。

    慌てて立ち止まり振り返る。


    「はぁ、はぁ…」


    花美(はなび)が苦しそうに息を跳ねあげてる。


    「…悪い」


    強引に腕を掴んで引っ張ってきた。

    夕方から夜に代わろうとしている空は、まだ薄明るいけど、

    あたりには、
    夏の熱気にあてられたバカがウロウロしてる。

    花美に目を奪われては、
    そばにいるオレを見て、慌てて視線を逸らす。


    「つくづく危ねぇ…」


    花美はまるでわかっちゃいない。


    「はあ~、…も、大丈夫」


    ニコッ…


    なんて、のんにき微笑んだ。


    ーーヤバい、超カワイイ


    「家どこ?送ってくわ」


    花美の手を握り直す。

    指と指を絡めてコイビト繋ぎ。


    「え?一人で帰れるよ」

    「ダメ」


    このオレがオンナを送るなんて、


    ーーマジかよ


    苦笑いした。

    きゅん

    2

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  12. 「はぁああ~マジかよ…」


    ちょっと目を離すとすぐコレだ

    花美(はなび)の周りにオトコが集まってる
    ……のに


    「まるで気づいてねぇ」


    それどころか、わざとらしく道なんか聞いてきやがったヤツに向かって

    親切に案内なんかしてやがる

    って……

    ちょっと待て

    そっちは路地裏で人通りも少なくなるから……



    「あの、バカっ!」



    クシャッ……!

    髪をかいた

    つくづく無防備すぎる



    花美と会ったのはつい昨日のこと

    こんなキレイなオンナは初めて見たと思った
    瞬間、目が離せなくなってた

    今も危なっかしくって目が離せねえ!

    まったく!
    連れ込まれてんじゃねえよ!



    「あれ?佐々くん?」

    「ちょっと来いっ!このバカ!」

    「ひゃあ!」



    花美の頭をクシャりながら、
    強引にその場から引き離す

    まだ
    名前しか知らないオンナの子

    早く
    俺のもんになればいいのに

    きゅん

    10

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