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  1. 4件ヒットしました

  2. 「俺が100点取ったら付き合えよ」


    「…は?無理でしょ」



    恒例のやり取り。
    私が好きなこの男は
    いつも私にこうやって冗談を言う。



    「このシュート入ったら付き合え」




    「ばかじゃないの、本当」



    こんな男なのに、
    好きで仕方ない。
    だけど、壊れるのが怖くて、
    なかなか進めない。




    「この缶がごみ箱入ったら、」




    「もういいってば」



    飲み干した缶を持ち直し。
    私を見て、小さく笑うと。
    だよな、と。
    そう言った。



    「あ、いた」


    いつもやってくる放課後に、
    あいつが来ないから。
    だからわざわざ探しに歩き回って。
    ようやく見つけた体育館に。
    知らない女の子。




    「…誰、その子」



    息が詰まるかと思った。



    嘘だと言ってほしかった。



    そこにいるのは。





    「、彼女」






    ずっと私だと思ってたのに。

    きゅん

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  3. こんなにも。


    待ち望んだものはない。


    私の手の中で震える携帯が、


    今にも泣き出しそうだ。




    「もしもし…」




    『妃名』





    たった一言。


    名を呼んだその声だけで、


    誰からかすぐに分かる。


    ずっと望んでいた、


    愛しい人が。





    『なんだ泣いてんのか』




    「蓮哉…だ、」




    『会いに来い』





    私を呼んでいる。


    自分に会いに来いと。


    何も変わらない彼の声が、


    私を動かさせた。





    「今すぐ行くから」




    電話を切るのと、


    走り出したタイミングはほぼ同時。


    切れる息が、


    どれほど彼に会いたいかを物語っている。


    ねえ、蓮哉?


    私はこの時を、


    ずっと、


    待ってたんだから。


    もう嫌って言っても、


    離さないんだからーーーー.

    きゅん

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  4. パラパラ雪が降り続く。

    そんな中、彼は足を止めた。


    「寒いだろ」


    自分だって寒いくせに、

    まだ私のことを気にしてくれる。


    「大丈夫だって」


    再び無言になる。

    分かってる。

    これが終われば、

    もう会えないことも。

    あなたに笑いかけられないことも。


    「明香」

    「ゆ、雪が積もったらさ雪だるま作ろうね?」

    「…俺さ」

    「今度おでん作ろっかな?…」


    彼の言葉を無理やり止める。

    もう時間がない。

    彼の顔に、そう書いてあった。


    「明香」


    「…もう、帰る時間…だね」


    ここでばいばいすれば、

    一生会えない。

    手を離せば、ずっと

    触れることは、ない。


    「…ごめん、明香」


    「徹…平、」


    彼は私を抱きしめ。

    ありったけの想いを囁いた。


    「私大丈夫」


    「明香…」


    「笑ってさよなら、しよ?」


    そうして私は手を振り払った。

    きゅん

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  5. いつも見かける彼の姿を、今日は玄関で。

    常に友だちと一緒にいる彼が、今日は1人、玄関に佇んでいる。

    何してるの?って本当は言いたい。

    名前を呼んで、駆け寄って。

    「お待たせ!」

    彼に駆け寄るその子が私の横を簡単に通り過ぎた。

    瞬間、私を襲った切ない感情は、誰にも分からない。


    「用って何?」


    その子に話しかける彼の声に耳を集中させる。

    羨ましく思う。彼と同等に居られる彼女に、醜く嫉妬。

    そうだよね、私は彼の目に映らない。

    笑いかけてくれることも、待っててくれることも。


    …帰ろう。


    今そこにいる2人を横目に、気付いていないフリをする。

    無意識に息を止めた。ほんの一瞬なのに長く感じる。

    「なあ」


    「えっ…、」

    後ろから手を引かれ、急に足を止めることに。

    進んでいた足が進まなくなった。

    「じゃあな」

    触れるか触れないかの所で。

    彼は帰って行った。

    きゅん

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