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  1. 45件ヒットしました

  2. 悠輔と出会った時、私は運命を感じたよ。

    病院の先生に余命1年と宣告されて、目の前が真っ暗になった時に悠輔と出会った。

    残された時間の中で、私は最初で最後の恋をしようと思った。その相手が悠輔で、こんなに幸せな時間を過ごせるのは、生まれて初めてかもしれない。


    ずっと、ずっと、ずっと…

    この時間が続けばいい。


    そう思っていたけど、私の命のタイムリミットが刻一刻と迫っている。



    その前に、悠輔にちゃんと言わなきゃいけないね。

    期間限定で100万円で買った、この恋。
    恋をお金で買うなんて、本当はしたくなかった。
    けど、それだけ私は切羽詰まってたの。
    信じてくれなくてもいい…だけど、最後にこれだけは言わせてー…




    好きだよ、悠輔。

    この姿が、真っ白な雪のように解けてなくなっても、私は悠輔の側にいるよ。



    ずっと、ずっと…いるからねー…


    .**.**...**.

    きゅん

    2

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  3. 私たちが出会ったのは、きっと運命だと思う。

    悠輔と偶然再会できたのもきっと、神様から私への最後のプレゼントだと思う。


    期間限定の恋人だけど、私に幸せをくれてありがとう。

    一緒にいる時間をくれて、ありがとう。

    とっても楽しくて、幸せな時間だった。

    ずっと一緒にいたいと思ったよ。


    けどその思いはきっと、神様は叶えてくれないねー…


    夢を見ることを諦めていた罰なのかな?
    今の私なら、ずっと悠輔と一緒にいることを神様に願うよ。

    …もう遅いけど、私はー…
    本当は、死にたくない。
    離れたくない。
    ガラス工芸家として成長していく、悠輔の姿を一番近くで見ていたい。

    何度心の中でそう思ったか、数え切れないぐらい。


    雪のように消えてしまう前に、最後に心から言おう。




    悠輔…




    ずっと、あなたを愛してるから。



    幸せになってね。



    さようなら…

    きゅん

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  4. 1ヶ月100万で手に入れた、期間限定の恋。

    私の命は、あと1年しかない。

    だから、期間限定の恋にした。
    …はずだったのにー…


    悠輔と過ごす時間があまりにも幸せで、かけがえのないものになった。

    たった、1ヶ月の期間限定の恋人なのに。


    ねぇ…悠輔…

    私、本当はあと1年しか生きられないんだよ?

    1年後の今、私の命は雪のように溶けて消えてしまっているんだよ?


    こうやって、悠輔の笑顔も見られなくなるんだよ?


    話すことも、触れることもできなくなるんだよ?


    だから、この今の時間は私にとってとても大切。


    悠輔の笑顔、私の手を包み込む大きな手、ぶっきらぼうに見えるけど、本当は優しいっていうことも覚えておくね。


    大好きだよ…



    悠輔。

    きゅん

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  5. 余命1年と宣告され、私がしてみたかった夢を実現することに決めた。
    一つは、フィンランドでオーロラを見ること。そしてもう一つは、最初で最後の恋をすることー…

    偶然の出会いによって、悠輔に一ヶ月の恋人になってもらうことになった。

    これが、最後の恋ー…



    そう思っていたのに、悠輔と一緒に過ごす時間がとても温かくて、幸せだった。



    ずっと、一緒にいたいー…



    そう望んではいけないのに、悠輔と一緒にいるとそう願ってしまう。




    離れたくない。




    離れたくないよ。



    もっとずっと、悠輔と一緒にいたい。



    どうして私は、一年後に死んでしまうのだろう?



    自分の運命を受け入れることができない。



    ねぇ…神様ー…



    お願い…



    少しでも長く、悠輔と一緒にいさせて…





    雪のように消えるのは、まだ嫌だよ。

    きゅん

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  6. 私が生まれて初めて恋したのは、お兄ちゃん。
    それは、高校生になっても変わらない。


    「ねぇ、お兄ちゃん」

    「何だよ?」

    「さっきの人、彼女?」

    「は?」


    傷つくのがわかっていて、兄と同じ高校に入学した。
    校内で、兄が女の子と歩いている時は大概彼女だ。

    「お前には関係ない」

    「…あるよ」

    「え?」

    "だって、お兄ちゃんが好きだから"

    …言えないけど。


    「お兄ちゃん、見た目だけはいいから」

    「…どういう意味だよ」

    ううん…本当は見た目だけじゃない。

    勉強もできて、スポーツもできて、本当は優しいお兄ちゃん。

    「彼女さん、騙されてるんじゃないかなって」

    「うるせーよ」

    他人であることが、羨ましい。

    そんなことに嫉妬しても、しょうがないのに。

    私はただの、妹ー…

    わかっているのに、お兄ちゃんを好きなことは止められない。

    叶っちゃいけない、恋なのにー…

    きゅん

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  7. 「うわぁー…広い」

    高校の図書室とは違い、広い図書館。

    ぽかーんと口を開けたまま、辺りを見渡してしまう。

    「キミ、オープンキャンパスの子?」

    ドキ。

    背後から声を掛けられ、振り返る。

    「は…はい!」

    うわぁー…イケメン!立っているだけでオーラがある感じの人が、背後に立っていた。

    「ここ、図書館だから。静かに」

    「あっ、すいません」

    慌てて、口を手で覆う。

    見た目からして、先輩だよね?
    こんなイケメンな先輩がいるなら、受験したい~!!
    心の中でガッツポーズだよ!

    「…ははっ」

    「!」

    急に笑いだした、イケメン先輩。

    「口押さえてるけど、声が駄々漏れ」

    「!」

    「いいね。初々しくて。可愛い」

    ぽんぽんっと頭を撫でられる。

    「キミが入学することを待ってるよ。ぜひ、神田外語大学へ」

    「は…はい」

    入学したら、この先輩と憧れのキャンパスライフ!?

    きゅん

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  8. 「圭吾ー!!カッコ良い!付き合って!」

    「デートしようよ」

    学校の廊下で女子生徒に囲まれているのは、柳先生。

    「デートしないよ。ほら、さっさと教室戻らないと遅刻になるぞ」

    確かにカッコ良いとは思うけど…

    「えー!?やだぁ」

    私は、苦手だ。近寄りたくもない。

    「やだ。じゃないよ。ほら、早く…っと」

    ドン。

    「!」

    人だかりの横を通り過ぎようとした時、柳先生とぶつかってしまった。

    「悪い、大丈夫か?」

    転びそうになったところを、抱き留められた。

    ドクン。

    …やっぱり。

    「…櫻井?大丈夫か?」

    顔を覗き込んでこようとする柳先生を、手で抑えた。

    …触らないで。

    「櫻井?」

    見ないで。

    「…すいません」

    すっと身体を離し、柳先生から離れた。

    これ以上、近くにいたくない。


    だって柳先生は、閉じた鍵を開けてしまうからー…

    きゅん

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  9. 私には好きな人がいる。

    小さい頃からずっと一緒で、高校も同じだ。


    背が高くて、カッコ良くて、頭も良い。

    照れ屋で不器用だけど、さりげない優しさにキュンってする。

    当たり前だけど、モテる。

    けど、彼女はいない。


    だってー…


    「華、帰るぞ」

    顔を出したのは、一人の男子生徒。

    「!」

    「今日早く帰って来いって言われてんだよ」

    「え?何で?」

    慌てて駆け寄る。

    「何でって…お前の誕生日だからだろ?母さん、張り切ってた」

    「ねぇ、プレゼントは?」

    「は?ないわ」

    「えー!!?」

    「うるせーな」

    「だから、モテないんだよ」

    うそ。

    きっと、何もしなくてもモテる。

    「お前に言われたくない」

    けど、まだ誰かのものにならないで。



    私の好きな人ー…







    お兄ちゃんー…

    きゅん

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  10. 「先生!こんなとこでサボってていいんですか?」

    校舎裏にある木の下で昼寝をしていると、3年の女子生徒が声を掛けてきた。

    「こんなとこで寝てるから、落ち葉が身体に積もってますよ」

    季節は秋だ。
    紅葉した落ち葉を、笑いながら身体から落としてくれる。

    「…お前こそ授業中じゃないのか?」

    寝転がっていた身体を起こす。

    「あー…そうですね」

    「そうですね。じゃないよ…お前こそサボってんじゃん?」

    「先生に言われたくないし」

    「…まぁ、そうだな」

    納得すると、また笑った。

    「…」

    この笑顔を見続けて3年ー…

    後、少しで卒業してしまうのかー…

    「先生?」

    俺はずっと、見てきたんだ。

    生徒としてではなく、一人の女としてー…


    "…好きだ"


    卒業式には伝えたい、この想い。

    「教室戻れよ。一緒に行ってやるから」

    「えー」

    それまでは、まだこの距離でー…

    きゅん

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  11. 放課後、学校の廊下。


    「好き」

    私は同じクラスの男子に告白をした。

    「…ごめん」

    返事は、想像していた通りだった。

    わかってて告白をした。

    「どうして?」

    「どうしてって…俺に彼女いるの知ってるだろ?」

    知ってる。

    知ってるよ。

    だけど、私はー…




    あなたを好きなのを止められない。

    「…わかってるけど、好きなんだもん」

    告白したら諦められると思った。

    けど、違った。


    「お願い、私だけを好きになってー…」

    きゅん

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  12. 「好きなんだけど」

    告白してきたのは、友達が好きな男。

    「…え?」

    昼休みに校舎裏に呼び出されたから、まさかー…とは思っていたが、そのまさかー…とは…

    「だから、付き合え」

    「は!?」

    今、命令形だったよね!?
    付き合えって!!

    てか、友達が好きな男と付き合えないし。

    「あー…ごめん。私ー…」

    「友達が好きな人だから、無理。とかは無しだから」

    「!?」

    この男知ってる!?

    驚きのあまり、まばたきを何回もしてしまう。

    「綺麗で大きな目が好き」

    「!」

    じっと見つめられる。

    「笑った笑顔が可愛い。授業中を聞いている、真剣な表情も好き」

    真っ正面から、なぜか褒められる。

    「赤くなった顔もそそられる」

    「!?」

    さらに真っ赤になってしまう。


    「本当に好きなんだ。だから、他はいい。俺の気持ちを受け取れ」

    揺らぐ気持ち。
    私はどうしたらいい?

    きゅん

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  13. 誰もいなくなった3階の教室の窓から、下を眺める。

    授業が終わり下校する生徒や、部活動を始める生徒が行き交っている。


    「…私が隣にいたかった」

    窓に右手をつき、力を込める。

    キュッー…

    静かになった教室に、窓を滑る手の音はよく響く。

    「私の方がずっとずっと前からー…」


    心から絞り出すような声。



    「好きだったのに!!!」


    窓の外にいる特定の人たちに向かって言う。

    「…どうして…もっと早く、告白しなかったんだろ?」

    きっと窓の外には聞こえていない。

    「どうして…私の友達と付き合ったの?」

    聞こえてはいけない。

    「…どうにもできないじゃん…」

    後悔しかない。

    窓の外で、手を繋いで帰って行くカップルは
    幼なじみと親友。


    …まだ、失恋したなんて認めたくない。

    きゅん

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  14. 私の席の前に座るのは、クラス1の真面目くん。

    「ねぇ、真坂くん。聞いてる?」

    名前は、真坂 那佐(まさか なさ)くん。

    ツンツンっと後ろ髪を引っ張る。

    「…今、授業中だから」

    パシッと引っ張っていた指を叩かれた。

    「もう、真面目なんだから」

    私はバカだから授業を聞いていてもつまらない。
    だから、目の前にいる真坂くんにちょっかい出してるんだけどー…

    なかなか付き合ってくれない。


    「…早く席替えしないかな」

    思わず出てしまった言葉。

    「は?」

    真坂くんがバッと振り返った。

    「!」

    驚いて声が出ない。

    「席替え?何言ってんの?」

    「え…」

    真面目で物静かな真坂くんが怒っている。

    「ここまでその気にさせといて」

    その気!?

    「お前のこと好きにさせといて。俺の気持ちはどうなるんだよ?」

    「!?」

    思いがけない告白に、顔が真っ赤になってしまった。

    きゅん

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  15. 「先輩」

    廊下を歩いていると、2年で部活の後輩の健太が声を掛けてきた。

    「珍しいね、3年の教室まで来るなんて。どうした?」

    健太は入部してきた時から、無口で口数が少ない。
    でも見た目はカッコ良いから、黙っていてもモテる。

    「先輩、引退してから部室に来ないから…」

    口数が少ない分、健太が喋る一言には意味がある。

    「何?寂しかった?」

    「…」

    …あれ?
    スベった?

    「ゴメン…今の…」

    "冗談"と言おうと思ったが、止まった。

    目の前にいる健太の顔が真っ赤で、腕で顔を隠している。

    え…え…

    「せ…先輩が誘ってくれたから、俺は入部したんです。だから、先輩がいない部室なんか意味がない」

    ボソボソと喋る声。

    「俺…先輩が好きなんです。部活以外でも俺と一緒にいてくれませんか?」

    耳まで真っ赤な健太の告白を聞いて、意識してなかったはずなのにドキドキと胸が高鳴った。

    きゅん

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  16. 「皐月お兄ちゃん!」

    学校の帰り道で、皐月お兄ちゃんを見つけた。

    「おぉ、夏帆。今、帰りか?」

    皐月お兄ちゃんは高校教師。
    私はまだ皐月お兄ちゃんの生徒じゃないけど、来年には皐月お兄ちゃんと同じ学校に行く。

    「珍しいね。スーツ?」
    いつもはラフな格好なのに。

    「あぁ、さっきまで出張行ってたから。今はその帰り」

    「へぇ。お疲れ様」

    「おぉ、夏帆もな」
    そう笑い、頭をぽんぽんしてくれた。

    その時、ふんわりと香ってきた香水の匂い…

    甘い…香り…

    女の勘なのか、すぐに女ものの香水だとわかった。

    「…」

    「どうした?夏帆」

    あの約束まで、まだ遠いー…

    「夏帆?」

    「…皐月お兄ちゃん」

    「ん?」

    「私しか見ちゃダメ。私にしか触れないで」

    早く、早く…



    「他の女の人に触れさせないで」



    大人になりたい。

    きゅん

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  17. 私の彼氏の智也は、ものすっっごくモテる。

    「ねぇ、昨日の夜どこにいたの?」

    教室だと周りがうるさいため、校舎裏に連れてきた。

    「家だって朝から何回も言ってるだろ?」

    めんどくさそうに答える智也。

    モテる智也の浮気は、日常茶飯事。

    何で付き合ってるかは、自分でもわからない。

    「はぁー…私も浮気しようかな?」

    思わず出てしまった、独り言。

    もちろん、智也にも聞こえたみたいで…

    「あ?浮気なんかしたら、相手の男ぶっころす」

    自分はしてるのに…

    「はぁー」

    こんな男のどこがいいのか…

    「…ため息ばっかつくな」

    「!誰のせい…っ」

    文句を言おうと思ったのに、急に腕を引っ張られ抱き締められた。

    「もう!」

    こんなんで騙されないから!!




    「抱き締めるのもキスをするのも、お前としかしない」

    耳元でそう囁かれたら、もう文句も言えない…

    きゅん

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  18. 「あー、もう…最悪」

    テストで名前を書き忘れて、まさかの赤点→補習。

    しかも、担当の先生が男…担任だ。

    放課後の教室で、一人で頭を抱える。

    さらに最悪なことに、私以外に補習を受ける生徒がいない。
    二人っきりー…

    考えただけで身体が震える。

    …帰ろうかな。
    「新井さん!」

    ビク!

    「これ、浜野先生から。プリントやったら教卓の上に置いて帰っていいって」

    プリントを持ってきたのは、同じクラスの女子生徒。

    「あ…ありがとう」

    浜野先生が来ないと思ったら、力が抜けた。

    そっか…良かった。

    プリントを受けとり、早速とりかかろうとした時に何かに気付いた。

    プリントの裏に何か書いてあるー…

    "名前は書くこと。次は気を付けよう"
    "終わったらお疲れ様。気を付けて帰れよ"

    メッセージが書かれたのは、初めてだ。

    「…」

    やっぱ、浜野先生は何か違うー…

    きゅん

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  19. 新学期の初日。

    クラス替えは特に不安はなかったが、担任が男の先生になるとは思わなかった。

    女子高でも男の先生はいる…けど、けど!!


    「男の先生が担任とか憂鬱すぎる…」

    思わず出てしまった独り言。


    「…そんなこと言うなよ」

    「!?」

    誰もいないと思っていた屋上だったが、今…声がー…

    しかも、男の人の声。


    そう思うと辺りも見渡せない。

    俯き、恐怖に耐える。

    早くどっか行ってー…


    「大丈夫、何の心配もいらない。新井の怖いことなんか何もないから」

    私の…名前ー…


    「一年間よろしくな」

    風にのって聞こえてきた声と、香り。


    顔を上げた時にはもう誰もいなかった。


    今のはー…



    担任のー…

    きゅん

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  20. 「新井!」

    ビク!

    廊下を歩いていたら、男の先生に声を掛けられた。

    「お前、地理のテストの結果良かったよ!よくやった」

    女子高だけど、男の先生もいる。
    入学してから気付いた。

    「なんだ?もっと嬉しそうにしろよ」

    そう言い、大きな手が肩に触れそうになる。

    「!」

    やだ!やだ!やだ!

    怖い

    触らないで!

    恐怖で動けなくなる。

    「…矢吹先生、教頭が呼んでましたよ」

    「!」

    「マジですか…ヤバいな」

    「早く行った方がいいですよ」

    この声ー…

    この香りー…

    矢吹先生は慌てて去って行った。

    ほっと安堵の息をつくが、まだここには男の先生がー…

    「…授業遅れないようにな」

    背を向けたままそう言うと、行ってしまった。

    男の人は嫌い、怖い。


    けど、この先生の声は優しいー…

    なぜだろう?

    きゅん

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  21. 「永井、悪いな。手伝ってもらって」
    「いいえ…」
    放課後、帰ろうとしていたら美術の先生に声を掛けられた。
    明日の授業に使う教材を運ぶのを、手伝ってほしいとー…

    「お礼にお菓子やるよ。ちょっと待ってろ」
    そう言うと、先生は美術準備室へと消えて行った。
    静まり返った美術室。

    「…先生」
    好きー…大好き。

    準備室の扉に向かって、心の中で言った。

    「悪い、悪い。待たせて。ほらよ」
    そう言いながら戻ってきた先生の手には、タッパに入ったクッキー。手作りだとすぐにわかる。
    「…ありがとうございます」
    一枚だけ、クッキーを取った。
    「作りすぎたんだってさ」
    クッキーをひとかじり。
    「だからってタッパはなぁ…」

    「…美味しいですよ」

    嘘。本当は、味なんかわからない。
    本当は食べたくなんかない。

    先生が愛してる人が作ったものなんかー…

    きゅん

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