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  2. 放課後、ふたりきりの教室で。
     暇潰しのゲームを持ちかけられた。

    「好きに代わる言葉を、多く考えたほうが勝ち」

     ユキはそう言って机の上にノートを広げる。
     私は深く考えずに「いいよ」と言って、ノートの上に頭を寄せた。
     
    「俺が勝ったらキスな」

     何気なくそう言って、前髪の隙間から私を見た。
     その瞳に思わずドキリとする。
     ユキは私の返事を待たずにペンを走らせる。

     ノートに並ぶ愛の言葉。だけど歌詞まで出てきて苦笑い。
     いつもの悪ふざけか。

    「…なんだかんだで、好きって言葉が一番好きだな」

     言った私にユキは顔を上げて笑った。

    「俺もそう思う。だけどそれだけは、言えないから」

     初めてみるユキのそんな顔。
     と同時に、教室のドアが開いた。

    「お待たせ」

     彼氏に呼ばれて席を立つ。
     去り際に視界の端に映ったノートには、ユキの言えない言葉たちが、掻き消されていた。

    きゅん

    3

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