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  2. ♪ヒュ~ドロドロドロ~……

    「う~ら~め~し~や~……」


     白い着物を着た私は、髪を全部前に垂らし、おどろおどろしく言った……が、


    「ダメダメ。マネージャー、まだ人間を捨てきれてない」


     野球部の部長が、お化けBGMを止めてダメ出しをしてきた。

     二人きりの練習は嬉しいけど、部長って演技に厳しい。野球より、演劇の方が向いてるんじゃ……。


    「合宿の肝試しのテーマは『学園の怪談』だぞ。
     本気でみんなを『ギャー!』って叫ばせないと」

    「なら、どうすれば……」

    「そうだな……普段恨んでるヤツを思い出しながらやるとか?」

    「恨んでるヤツ……ですか」


     ……私を押し退けて、部長にベタベタする女子達。

     うぅ……恨めしい……。


    「う~ら~め~し~がぁー‼」

    「ギャー!怖っ!すごい、やれば出来るじゃん!」

    「ギャー!ぶ、部長!顔が近いです!」

     
     でも幸せ。

    きゅん

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  3. 「ねぇ。今日が地球最後の日だって知ったら、どうする?」


     と、彼女から唐突に、よくありがちな例え話を持ちかけられた。

     放課後で誰もいない屋上。しかも、空は珍しくピンクがかった夕焼け。そんな風景の中で訊かれると、ホントに最後の日みたいだ。

     彼女は、俺が答えるのをジッと待ってる。

     ここは素直に思ったことを言おう。


    「そうだな。今そばにいるヤツと、最後まで一緒にいる……だな」

    「そう……なんだ」


     ぷっ、照れてら。


    「そしたら、どこかパァっと行くの?」

    「いや。いつもみたいに、ここでまったりするだけ」

    「……そんなんでいいの?」

    「うん。お前はどこか行きたいの?」

    「……ううん。私もそうしたい」


     彼女がそうっと俺の肩に寄りかかると、ふわっといい匂いがした。

     なんか俺、ホントにこのまま最後の日を迎えてもいいと思えるぐらい、幸せだ。

    きゅん

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  4. 「うぅ……夜の学校って怖い。
     忘れたスマホ、早く見つけて帰ろ」


     カツン……


    「何?今の音……」


     カツン……カツン……

     やだ、近づいてきてる。

     まさか……噂で聞いた、先生の霊!?

     ガラーッ!


    「ぎゃー‼」

    「夏、俺だよっ!」

    「あ……秋ぃ~」


     昔からのなじみの顔に、心からホッとした。


    「怖がりのクセに一人で学校に乗り込みやがって!
     俺を頼れっ」

    「あたっ」


     秋の頭コツンに、胸がトクンと弾んだ。

     秋……好き。


    「で、スマホあったか?」

    「それがなくて……」

    「もしかしてコレかね?」

    「それそれ!おじさん、ありがと~!」


     ……ん?このおじさん……誰?


    「二人とも、気をつけて帰るんだよ」


     おじさんはニコニコとしながら──消えた。


    「で……出たぁーーっ‼」


     私と秋が叫びながら逃げたのは、言うまでもない。

    きゅん

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  5. ──去年の夏に亡くなったハズの涼馬が、今……目の前にいる。

     あの噂、ホントだったんだ。赤く輝く満月の夜、学校の屋上に行くと亡くなった人に会えるって……。


    『杏里、おいで。ずっと一緒にいよ?』

    「……うん……」


     涼馬…………


    「っ、杏里!!」


     ハッ!


    「遥くん、何でここに!?」


     息を切らしてる。私を止めるために走ってきたの?


    「頼む、連れていかないでくれ!俺、杏里が好きなんだっ!絶対に幸せにする!だからっ……」

    「……遥……くん……」


     気持ちが遥くんに傾いた瞬間──涼馬は、笑みを浮かべて消えていった。


    「涼馬ー!」

    『杏里、幸せになれよ……』
     

     涼馬……ごめんね。


    「杏里……」

    「……遥くん。せっかくこの世に残ったんだから、絶対最後まで一緒にいてよ?」

    「約束する。ずっと一緒だ」


     涼馬。私……ちゃんと幸せになるからね。

    きゅん

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  6. 「なぁ……知ってるか?」

    「何をよ?」


     遅い帰り道、部活仲間の山田が、神妙な面持ちで訊いてきた。


    「この時間の、この道……出るってよ」

    「で、出る!?」


     『出る』というフレーズに弱い私は、一気に背筋を凍らした。


    「何が出るかというと……」

    「う……うん……」

    「お前の後ろっ!!」

    「っ、ぎゃーーっ!!」


     すっ飛んで目の前の物にしがみついた。

     やだやだやだー!!取り付かれちゃうー!!


    「……おいこら。なんで電柱に抱きつく?」

    「だ、だって……」

    「そこは、そばにいる俺に抱きつくんじゃねぇの?」

    「は?山田に?」

    「そうだよ。それを期待して怖がらせたのに」

    「な……ひどい!からかうなんて!」

    「好きなヤツはからかいたくなるもんだ。許せ」

    「……ゆ……許さないっ」


     ダメだよ、私。今のもからかってるだけなんだから、揺らいじゃダメっ。

    きゅん

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  7. 「ねぇ。カフェに行かない?」

    「……あぁ」


     はぁ……相変わらず冷めた返事。

     好きだけど、クールすぎる彼氏に挫けそうだよ……。


    「よぉ。彼女つまんなそうじゃん」


     やだ。何?この人達……ガラが悪い。


    「なぁ彼氏。彼女、俺達にくんねぇ?」

    「いいよな?楽しませてやるからさぁ」

    「ちょ、離してっ」


     このままじゃ連れていかれちゃう。けど、彼は黙ったまま。

     うそ、助けてくれないの?私のこと、好きじゃないの?

     やだよ、そんなの。お願い、助けてっ……


    「……おい。勝手に連れて行くんじゃねぇよ」

    「っ!」


     すごい睨み……男性達が怯えて逃げていっちゃった。


    「あ……ありがと……」

    「別に。大事な彼女だから当然だろ?」

    「え……私のこと、大事なの?」

    「あぁ。大事だし、好きだよ」


     ……前言撤回。もう挫けない。

     私、彼をずっと好きでいる。

    きゅん

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  8. 「……ん……ふぁ~あ……」


     はぁ。スゲェ眠ってた。

     俺は今バイト帰り中。彼女と一緒に電車に乗っている。

     その彼女はというと、俺の肩に寄り添ってまだ眠っていた。

     そういえば、寝顔見たことないな……白目とか向いてたら笑ってやろー。

     イタズラ心で彼女を覗きこんだら──驚いた。

     彼女の寝顔、天使並に可愛い……。

     しばし寝顔に見入っていると──

     っ、うわ。駅に着いちまった!

    「○○駅~」とアナウンスが流れるも、彼女はピクリとも起きない。

     ヤバイ!けど、可愛くて起こせねぇ!

     そして、ドアはプシューと閉まり、そのまま出発。

     あーあ、降り損なった……まぁ、まだ電車はあるし、ちょっとぐらい乗り過ごしてもいいだろ。

    『何で起こしてくれなかったの!?』って怒るかもな。

     そしたら、

    『悪い。可愛い寝顔に見惚(みと)れて起こせなかった』

     って言って謝るか。

    きゅん

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  9. 「はぁ~、今日もお店忙しかったね~」

    「だな。疲れた」


     電車に乗り込み、席に並んで座った。

     私と彼は、高校もバイト先も同じ。

     電車が走り出すと──

     あぁ……揺れが心地いい。


    「ふぁ~あ……ヤバイ、私眠っちゃいそう」

    「眠れば?起こさないで置き去りにするから」

    「ひどっ」

    「ハハッ、ウソに決まってんだろ。ちゃんと起こすから眠ってろ」

    「ありがとう。じゃあ、お言葉に甘えて……」


     自分だって疲れてるのに……優しいな。

     目をつむって、そのまま眠りにつこうとした……ら、


    「肩に寄りかかれば?」

    「……えっ?肩に?」

    「じゃないと体がグラグラするだろ?ホラッ」


     ひ……ひゃー!

     私は頭を引き寄せられ、彼の左肩にコテンとした。

     嬉しいけど、逆に眠れない!

     と、ドキドキしてたのに、数分後にはすっかり眠りについてしまった私なのでした。

    きゅん

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  10. 「うぅ~……キツい」


     風邪かぁ。しかも、熱が38度……。

     学校来てから、ずーっと寝っぱなし。お母さんは、まだ迎えに来れないし……早く帰りたい。


    「失礼しまーす。先輩、生きてますかぁ?」

    「陽平君……これが生きてるように見える?」

    「アハ、ですよね~」


     明るくて無邪気で、小動物みたいな男のコ。私にすごくなついてくる。


    「保健の先生いないですね」

    「うん。お昼食べに行ったから」

    「へぇ~……そりゃいいや。先生がいないうちに、僕も一休みしよ。お邪魔しまーす」

    「き……きゃあーーーー!!」


     陽平くんが、隣に寝てきたぁっ!


    「ダ、ダメッ!か、風邪がうつるでしょっ!」

    「いいですよ。先輩の風邪なら貰ってあげます」

    「っ、きゃあーーーー!!」


     こ、今度はキスしてきたぁ!

     お母さーん!早く迎えに来てー!

     この小悪魔にクラクラさせられちゃうよぉ!

    きゅん

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  11. 「じゃあ、また明日な」

    「うん」


     電車に残るナズナを、ホームに降りた俺は、発車するまで見送る。

     この習慣と恋人未満な関係は、長く続いてる。

     いい加減、今の関係を終わらせないと……ナズナも待ってる。


    「あのさっ」

    「……ん?」

    「……また、明日な」

    「それ……さっきも言った」

    「だよな……」


     手を伸ばせば届くのに……俺はいつまで迷ってんだよ。


     その間、発車メロディーが鳴り響く。


     ナズナを見ると──

     今にも泣き出しそうな顔をしていた。


    「っ、ナズナ!」


     もう、迷わない。

     ドアが閉まる寸前、思いきり手を伸ばし、ナズナを引き寄せた。

     電車がナズナを置いて走り去ると、外から夕日が現れ、ホームと俺達を一気に照らした。


    「待たせてごめん……好きだよ」

    「もう、遅いよ……バカ」


     だから待たせた分、俺はナズナを強く抱きしめた。

    きゅん

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  12. 「ねぇ。私のこと、どれくらい好き?」

    「東京ドーム100億個分ぐらい好きだよ」

    「そんなに?やだぁ~!」


     と、廊下でイチャつくバカップル。

     どれくらい好き?……かぁ。

     私にも彼氏はいる。

     そういえば、どれくらい好き?どころか、好きかどうかも聞いたことない。気づいたら付き合ってたから。

     聞いたら彼は……何て答えるんだろう。


    「おい。帰るぞ」


     彼だ。

     聞いて……みようか?


    「ねぇ……私のこと……どれくらい、好き?」


     期待するも……


    「わかんねぇ」

    「そ……そんなぁ」


     冷たい。東京ドームに例えなくてもいいから、せめて何か言ってよ……


    「しょうがねぇだろ。どれくらいって、例えられないぐらい……お前が好きなんだから」

    「……っ」

    「って、泣くなよー」


     一瞬でもガッカリしてゴメンね。

     私も、例えられないぐらい好きだよ。

    きゅん

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  13. 「用って何?」

    「あの、私……先輩のことがっ、
     すっ、すっ、すぅ~……」


     憧れの先輩を呼び出したものの、

    『好きです!』の一言が出せないっ!

     ガンバレ、私っ!


    「……っ、大丈夫!?」

    「……えっ?」


     先輩が、私を心配してる。何で?


    「すぅすぅ言ってて苦しそうだし、顔も赤いし……病気かもしれない。保健室に行こ!」


     えぇ~!?


    「ち、違うんです!すぅすぅ言ってたのは、
    『好きです』って、なかなか言いだせなかっただけなんです!……あ」


     勢いで言っちゃった。


    「なんだ、そういうことか……良かったー」

    「すみません、先輩。ご心配かけました……」

    「それはいいんだけど……俺から言いたかったな」

    「……え?何を?」

    「君が好きだよ……ってことを」


     ……先輩。

     やっぱり私、病気かもです。

     胸がキュンキュンして、とっても息苦しいです。

    きゅん

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  14. 「……あれ?弥生?」


     女友達が、席で腕を枕にし、顔を横に向けて気持ち良さそうに眠っていた。

     一人きりで教室で寝たりして、無防備なヤツだな。

     しかも、可愛い寝顔しやがって……。

     弥生……好きだ。

     けど、言えない。

     今の関係が壊れて、

     弥生が離れていくのが……怖い。


    「……き……」

    「……あ?」


     寝言か?何か言ったな、今。


    「……勝也……」

    「え、俺?」


     名前を呼ばれ、ドキッとしていると──


    「勝也が……好き……」

    「……っ、弥生……」

    「他の人を……好きに、ならないで……」


     悲しげに寝言を呟いた弥生の目から、

     一筋の涙が流れた。

     弥生も、俺と同じ想いを抱え続けていたのか……。

     二人して怖がってたんだな……。


    「俺も……好きだよ。起きたら、一緒に帰ろうな」


     そう囁くと、

     弥生の涙の量は、更に増した。

    きゅん

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  15. 「ミズキ。あのさ……告白したいんだけど、練習につき合ってくんね?」

    「はぁ!?」


     うそ!?マジでショック!

     ケイトに好きな人がいたなんて、全然気づかなかった。

     私、昔からケイトが好きだったのに……

     うぅ……悲しくて泣きそう。


    「っ、いいよ!やってやろうじゃん!」


     こうなりゃヤケだ。練習相手になってやる!


    「お前のことが好きすぎて死にそう……は?」

    「重っ」

    「俺についてこい!……は?」

    「古くさい」

    「じゃあ、普通に……ずっと前から好きなんだ……は?」

    「……いいかも」


     それを、私に言ってくれたらもっといいんだけど。


    「ありがとな。じゃあ本番いくぞ」

    「……へ?」

    「ずっと前から好きなんだ。ミズキ」


     な……何それ~!


    「最初から私だって言ってよ!」

    「ゴメン。ビックリさせたくて」


     もう、今度は嬉しくて泣きそう~!

    きゅん

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  16. 「やっと完成した」


     何回も書き直したラブレター。

     ついに、出せる時がきた。

     ずっと好きだった春川君に、これで想いを伝えるんだ!


    「いざ!」


     ラブレターを、ゆっくりとポストに投函した。

     どうか……春川君に私の想いが伝わりますように!

     ポストに向かって、パンパンッと手を叩いて拝んだ。


    「……何やってんの?」

    「春川君にラブレターを出して、拝んでるの!……ん?」


     今の声……誰?

     後ろを振り返ると──


    「はっ……春川君!」


     まさかの、本人!

     うわ!ラブレターが着く前にバレた!


    「……で?何て書いたの?」

    「そ、それは……着いてからのお楽しみデス……」


     恥ずかしくて……消えたい。


    「そっか。スゲー楽しみ。
     好きなコからの、ラブレター」

    「……うそっ!」


     ポストさん!今すぐ渡したいから、私のラブレター返してー!

    きゅん

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  17. (サトルのバカァ!いなくなっちゃえ!)


     あのセリフをサトルに浴びさせたことを、すごく後悔してる。

     目の前には──ベッドに横たわるサトルが。

     私とケンカした後、交通事故にあった。

     まだ生きている。けど……意識不明の重体。

     サトルの両親に無理言って、一晩そばにいさせてもらえることに。

     やだよ……このままお別れしたくないよ。

     すがるように、サトルのベッドに伏せて泣いていた。


    「いなくなっちゃえなんて言ってごめんね。
     大好きだから、いなくならないでっ!」


     ──私はそのまま寝てしまい、目が覚めたら朝日が差し込んでいた。


    「っ!?」


     髪を、クシャッとされる感触が。

     バッと顔をあげると──


    「……俺も、大好きだ……よ」

    「っ、サトルぅ……」

    「お前のバカでかい声……届いた……」

    「バカは余計だよ……バカ」


     もう、ホントに……大好き。

    きゅん

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  18. 「きゃ!ちょっと、メガネ返してよぉっ!」

    「いやだ」


     嫌がる彼女を無視して、メガネを高々と掲げる。


    「もうっ、何も見えないよ~」

    「ぴょんぴょん跳ねたって無駄無駄。俺の方が20センチも背が高いんだから」


     もちろん、メガネも可愛いけど……

     外したら、学校一なんじゃないかと言うぐらい、美少女だ。

     それを、周りの野郎に知られたくなくて、コンタクトにしようとした彼女を、断固阻止した俺。


    「やっぱ私……コンタクトにするっ」

    「ダメ」

    「何でよ?」

    「お前の素顔は……俺だけ見れればいいの」


     見えないことをいいことに、不意打ちのキスをした。

     彼女の顔が、赤に染まった。


    「……もうっ……メガネ……返して」

    「ダメ」

    「返して……私、ちゃんと顔見てキスしたい」

    「……絶対ダメ」


     今のセリフで、俺まで顔色ヤバいから。

    きゅん

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  19. 「おはよ、陽介!ねぇねぇ、どう?私の制服姿!」

    「うん。いいんじゃねぇの?」

    「何よ、その冷めた反応は~」


     憧れだった高校のブレザー。幼なじみの陽介に早く見せたくて、ハリキッて着たのに~。

     もうちょっとアピールしてやるっ!


    「スカートも、チェックで可愛いし。ほらっ!」


     ちょっとだけクルリと回ってみた。


    「……やめろっ」

    「うわっ!」


     止められた。陽介……怒ってる?


    「そんな短いスカートで回ったりすんな。中身が見えそう」

    「っ!?」

    「たくっ……入学早々、あんまドキドキさせるなよ。
     ……『水玉』」


     キャー!陽介が照れてる~!やったー……って、


    「ん?『水玉』?」


     それって…………私の下着の柄ーっ!!


    「見えそうじゃなくて、見てんじゃん!」

    「見せたお前が悪い!」


     しまった。アピールしすぎたぁ~……。

    きゅん

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  20. 「てめぇなんかに、春菜は渡さねぇ!」


     俺様系の彼と、


    「そのセリフ、そっくりそのまま君に返すよ」


     草食系の彼が、ただならぬ嫌悪ムード。


    「やめて!私のために争わないで!」


     たまらず止めに入ると──


    「はい、カーット!」


     先生からカットがかかった。

     そう。これは演劇部の練習。先生脚本のラブストーリー。


    「二人とも演技が迫真!ホントに私を取り合ってるみたいで、ドキドキしちゃったー」

    「そりゃそうだよ。だって僕達は、ホントに春菜を取り合ってるんだから」

    「そうそう。お前の知らないところで、常に火花散らしてんだよ」


     な……何ですと?


    「だから、春菜も本番では、演技じゃなくてリアルにどっちがいいか選んでね。ま、僕だろうけど」

    「ざけんな!俺だっつーの!」


     二人が、リアルに私のために争っている。

     ちょっとだけ、喜んじゃったりして。

    きゅん

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  21. 「夏子ぉ~。早く帰ろうぜ~」

    「義光(よしみつ)、お待ち下さい。日誌を書き上げますので」


     俺の幼なじみ&彼女は、無表情で丁寧語でバカ真面目。


    「そんなもん、パパッと書いちゃえよ」

    「それはいけません。今日の出来事を先生に伝えるのが、日直の義務ですから」


     キッパリと怒られた。

     とまぁ、こんな感じで淡々としてるヤツだけど、たまに見せる感情がすごく萌えたりする。


    「あ、夏子。髪にホコリがついてる」

    「……ありがとうございます」


     髪に触れたら頬が染まった。

     可愛いヤツ。からかってやろ。


    「夏子……好きだよ」

    「っ!?」

    「お前のこと……食べちゃいたい」

    「ーーっ‼」


     ぷはっ!ゆでダコ!日誌の字も乱れてるし!


    「……義光」

    「何?」

    「食べるなら……お早めにお願いします」

    「なっ!……」


     逆にやられた……ていうか、本気にするぞ?

    きゅん

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