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「あの、いきなりすみません。私、あなたと中学同じだったんですけど……」
海を眺めていると、浅井さんに話しかけられた。
「あっ、知ってる。バスも一緒だったよね」
僕はこう答えた。
高校入ってすぐに自転車が壊れ、新しいのを買うまでの間、僕はバス通学をしていた。その間、浅井さんと同じバスになった。話をした事がなかったし、近くにいても気まずいかなぁと思い、離れた場所に立っていた。でもある日、近くに立つ事になった。それから毎日なんとなく彼女の近くにいた。いつもうつむいて、揺れるたびにふらふらしている。その姿を見て、少し心配になった。近くにいるとなんだか落ち着いた。話しかけようかなと思ったけれど、うつむいている理由が僕と話したくないからかも知れないという可能性があるからやめた。
今、話しかけてくれた。話した後、彼女と途切れたくないから連絡先を聞いた。そして再びバス通学をすることに決めた。
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「私の事、好きになってくれる可能性はありますか?」
「妹みたいな存在だからなぁ。好きにはならない…と思う……」
中二の時、当時から好きだった高一の先輩とした会話。お兄ちゃんの友達である先輩から勉強を教えて貰える事になって、家でその時にした。彼が質問の返事をした時に、私だけが知っている、先輩が嘘をつく時にする“ もみあげくるん ” をしていたから、もしかして可能性あり? って思っちゃって、同じ高校合格したらもう一度聞いてみようと思った。
そして今、同じ高校に入れた私は先輩を屋上に呼び出して。
「先輩、私の事、好きになってくれる可能性ありますか?」
「これと同じ質問、前にされた時から意識しちゃって。いや、もっと前からだけど。家遊びに行くたび気になって……。でも、友達の妹だしって考えてたらこっちから言えなくて」
「えっ?」
「答えは、可能性あります。ってか、もう好きです!」
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頭が痛くて少し休もうと思い、保健室に来た。ドアを開けると先生がいなくて、学校で有名な赤西先輩がいた。私が入学したすぐの頃、廊下を歩いていたら先輩と肩がぶつかり、見た目が不良っぽくて、怖くて、謝ると私はすぐに逃げた。あれからすれ違うたびに睨まれている気がする。勘違いかもしれなくて、直接何かされたわけではないけれど。
「どうしたの?」
「頭が痛くて、少し休んでいこうかと」
「大丈夫?」
「あ、はい……」
会話は成立しているけれども、怖くて私の心は震えていた。
その時だった。
「なおれー、なおれー……」
そう言いながら彼は、私の頭をぽんぽんしてきた。
えっ? 何? いきなり。しかもとびきりの優しい表情。私の鼓動が早くなった。一瞬彼と目があってしまい、思い切り恥ずかしくなって、うつむいた。そして昔、同じ事をされた記憶が……。
今日はバレンタインデー。そんな日に、私は恋をした。
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「今年も周りのやつらに配っているチョコと一緒か……」
去年、幼なじみの駿(かける)に周りと同じチョコを渡した時、彼はうつむき呟いた。その時の仕草を見て、彼の気持ちが私にあるのかな?って少し期待した。
それから何も進展がないまま一年がすぎ、高校二年のバレンタインが来た。
今年は駿にだけ渡す事にした。小さい頃から、小さなギリチョコを渡していたけれど、今年は手作りのチョコレートケーキを作った。彼はケーキが大好き。多分幼なじみの私だけが知っている事。
放課後、教室から出ようとする彼を呼び止めた。他の人たちが帰っていき、ふたりきりになった。
「あのね、駿……」
「どうした?」
彼は微笑みながら聞いてきた。
「どうぞ、今年は特別な、駿にだけあげるよ」
彼は直ぐに袋を開けた。
「美味そ! じゃあ今日からおまえは俺の特別だな!」
彼はとても嬉しそうに、全力で私を抱きしめてきた。
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きゅんができる!
本当に解除しますか?