ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「先生、何してるんですか」

    雪降る昼休みの校舎裏
    座り込んで何かしている

    「ああ、実験で雪を使おうと思って」

    ケースに雪を詰め込んでいた

    手袋もしてないから手が真っ赤だ

    「先生、手袋とか、スコップとかないの?」

    ハッとして頭を抱える
    「あ、用意してたのに置いてきた」

    相変わらず、抜けてて天然で、大人なのに
    かわいい

    温めてあげたいな、その手

    「よし、終わった」

    そう言って立ち上がり、よろけて雪に手を着く

    大きな手のひらの型がくっきり

    思わず、その手型に自分の手を重ねた

    冷たい、のに、熱い
    先生、手、大きい
    私の手がすっぽり入る

    瞬間、先生の手が私の頭に触れ、
    ポンとする

    見上げる私の前に座り、
    手型に重ねた私の手を取り、ぎゅっと両手で握った

    「バカだな、何、してるんだよ」

    いや、そんな
    あの。

    息を吹きかけ温めてくれる先生に
    心ごとやけどした

    きゅん

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  3. 「ナナ、ずっと空見上げて何してるの?」

    屋上で必死に空を見上げていた

    だって夕方から雪の予報だから

    「なぁ、寒くね?中、入ろ」

    さっきから勝手についてきた勇磨がうるさい

    「やだ」

    絶対にキャッチするんだ
    初雪をキャッチしたら願い事が叶うジンクス

    「ナナちゃーん」
    「まだ雪、降らないよ」

    もう、うるさいな
    戻りな、1人で

    「俺、怒った」

    空から目を離さない私を後ろから抱きしめた

    「勇磨、やめて」
    「やーだ、俺の事見てくれるまでやめない」

    勇磨は甘えモードだ
    仕方なく振り返った

    「あ、雪!」

    叫び声に空を見上げた
    瞬間ちゅっとキスをされた

    もう、騙したの?

    「本当に雪だよ」

    雪が舞って地面に落ちた

    あーあ、キャッチできなかった
    勇磨のせいだ

    「なぁ、初雪を一緒に見ると結ばれるんだってよ」

    勇磨がにっこりと笑う

    そうなの?
    それは、結果オーライ?

    きゅん

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  4. 勇磨がまた告られてた

    そろそろ本気で考えたらいいのに

    そう言う私にムッとする勇磨

    「俺が誰かと付き合っても、本当にいいの?
    彼女ができたら、ナナが泣いてても
    そばにいられないよ。」

    それは、
    そう、だ、ね

    彼女ができたら、今みたいには
    いられないってことだ

    寂しい

    大事な友だちだから

    でもそれって、わがままじゃ

    「いいの?それでも?
    俺、他の子に、夢中になるよ」

    ヤダって、言いたい
    寂しいって言いたい

    わがまま言いたい

    葛藤する私の姿に突然笑いだした

    何?

    笑うとこ?

    「本当、かわいくないな。
    やだやだやだやだ!って、
    顔に書いてあんのに、素直に
    なれない残念」

    やだ、なんて

    「だって、わがままになっちゃうもん」

    更に爆笑する

    「それって、やだって言ってるのと一緒。
    認めちゃったの?かーわい」

    ケラケラ笑う。

    何、それ、ムカツク!

    きゅん

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  5. 「ナナ、どこ行くの?」

    勇磨・・・
    今、見つかりたくなかった
    絶対怒るから

    隣のクラスの林くんに呼び出された
    林くんの事は顔見知り程度だ

    でも、話があると言われて、無視はできない

    「へぇ、それで林に会いに行くのか」

    勇磨の目が怖い

    「だって、無視できないじゃん
    何の話か分からないし」

    更に目つきが鋭くなる

    「は?本気で言ってんの?
    林が何しようとしてるか分かんないの?」

    そんなの、分かる訳ないじゃん

    もう、うるさい
    関係ないでしょ、ほっといてよ

    「ナナ、お前もう、許さない」

    そのまま壁に押し付けられた

    逃げられない

    両手を捕まれ身動きできない私に
    勇磨はキスをした

    「待って勇・・・」
    「待たない、お前が悪い」

    悪くなんか、ない

    「俺は何回も好きって言ってる。
    俺を待たせといて、
    他の男に告られようとするからだ」

    「お前に告るのは俺だけだ」

    はぁ、俺様

    きゅん

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  6. 「クッキー作ったの」
    「いらね」
    「食べて」
    「邪魔」

    あぁ、またやってる
    調理実習の後はいつもこれだ
    勇磨が振り払っても怒っても
    無反応でも構わない
    みんな勇磨が好き

    全く、どこがいいんだか
    友達としては最高なんだけど

    「おい、ナナ」

    勇磨に呼び止められた
    女子の嫉妬が一気に私に向く

    あぁ、めんどくさい
    私を巻き込むな

    「おい、聞いてんのか?」

    うん、まぁ聞こえてますけど

    「お前はないの?クッキー」

    え?

    さっきいらないって、
    あの子達に言ってたじゃん

    「ないの?」

    うーん
    あるけど、焦がしたから

    「見せて」

    渋々差し出したクッキー
    見て爆笑する勇磨

    「なんだ、これ」

    もういいっ、返してよ

    「だーめ。これは俺の」

    そう言って口に入れる

    うわ、食べた

    「苦っ」

    だから言ったじゃん

    「いーの。これからも全部俺のだからな」

    はぁ?

    意味わかんない

    きゅん

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  7. クリスマスなんて受験生の私には関係ない。

    だけど、イブの日まで塾なんて最悪。

    華やぐクリスマスマーケットを足早に帰る

    「ね、1人?」
    お兄さんに声をかけられた。
    戸惑う私をよそに勝手に話し出す。
    「ね、イブだしさ、楽しもうよ」

    初めてそんな声をかけられた。
    断らなきゃ、そう思った時だ。

    後ろからぐいっと引っ張られ、
    そのままぎゅっと抱きしめられた。

    驚く私の耳元でささやく聞き覚えのある声。

    「黙ってて、そのまま。」

    たかくんだ。
    塾で隣の席になる事が多い。

    「俺の彼女なんで」

    そう言って追い払ってくれた。
    でも腕は解いてくれない。
    たかくんの心臓の音が背中に響く

    「焦った!お前、足、早すぎ。
    やっと追いついた。」

    ドキドキが止まらない。

    「好きだ。今はこれで我慢するから、
    合格したら、本気のチューしていい?」

    「はい」

    イブに塾なんて最悪とは言いきれない。

    きゅん

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