ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 外は雨、誰もいない図書室。
    そんな中、いつもは下校の早い先輩がうつ伏せで寝ている。
    可愛い……
    傘、忘れたのかな。
    先輩が起きたら、一緒に帰ろうって誘ってみようか……
    「先輩……すきです」
    先輩が寝ていて初めて言葉に出来た本音。
    じっと見つめていると、ふいに先輩の体がピクリと動いた。
    「「え……」」
    お互いに数秒硬直し、同時にじわじわと目が見開かれていく。
    「えっあっ……え!?」
    先輩は不思議な位取り乱して、寝ていた元の体勢に戻ってしまった。
    俺はどうしたら……
    そんなことを思っていると、先輩の柔らかい手が、机上の俺の手をきゅっと掴む。
    「え……先、輩?」
    俺の胸はどうしよもなく正直に高鳴った。
    「バカじゃ……ない、の? 私の、方が……好き、なのに……」
    この時の俺の感情は、きっと誰にも形容できない。
    「先輩、一緒に……帰りませんか?」
    先輩と並んで帰る時間は、とても静かで……幸せだった。

    きゅん

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  3. 君は、ちょっとずるいと思う。
    君は俺が外で少しでも触れると
    「次外でこんなことしたら即別れるから」
    すぐに怒る。
    でも、実は良く見ると首筋が赤かったりもする。
    そして、二人きりなら許されるのだと気付いたのは半年前。
    要するに、ツンデレなのだ。
    さて、何がずるいと思うのかと言うと……
    「ねぇ」
    おっと……
    「なに?」
    「今日、何で遅かったの?」
    ちょっと拗ねた声。
    あんまり知らせたくはないのに、知ってるみたい。
    「別に良いけど……どうせ告白されてたんでしょ」
    答える前に放たれた言葉。
    独占欲?嫉妬?寂しかった?
    とにかく可愛い。
    そして続く言葉はもっと高い破壊力。
    「いくら可愛い子でも……勝手に離れていったら怒るからね……」
    顔を真っ赤にして、それでも俺に訴える君。
    本当に貴重な一瞬。
    ツンデレな君の、ずるすぎる一瞬のデレ。
    「……君だけだよ」
    俺は小さな君の体を、全身でぎゅっと抱き締めた。

    きゅん

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  4. 物置と化していて、滅多に人の来ない、とある空き教室。

    現在そんな場所にいるのは、私と、彼だけ。

    今は2人とも休憩時間。

    廊下からは喧騒が聞こえる。

    「疲れたね」

    隣で彼は呟く。

    その顔には、発言通りの疲れがにじんでいた。

    「そうだね」

    私達のクラスは盛況で、私も彼と同様である。

    きゅっと彼の手を掴むと、彼は照れたような顔をして私と顔を合わせた。

    そしてこつんっと、しっかり配慮された形でおでこが合わせられる。

    顔にかかる彼の息は、少しあつい。

    未だに私になれていない彼のほでった頬と、熱く濡れた瞳に、私の胸もトキンと鳴る。

    「まずはここまで、お疲れ様」

    彼は私を優しく引き寄せると、軽いキスを落とした。

    これは、文化祭という、普段とはひと味違った空気のなかで紡がれた、数々のドラマの内の1つのお話。

    きゅん

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  5. 僕はにまっと笑う。

    とっても良いことを思い付いたから。

    「せ~んパイ!」

    後ろからポンっと肩を叩くと、先輩は涼しい顔で振り向いてくれた。

    -チュッ

    不意打ちのキス。

    先輩の表情は変わらない。

    そんな先輩を僕はにこにこと見つめ、まるで幼い頃にやったにらめっこのように、先輩と顔を正面から突き合わせる。

    「ふっっ」

    すると、突然先輩は顔を覆って俯いてしまった。

    「あれっ? やっぱり恥ずかしかったんですか?」

    意識せずとも上がる声のトーン。

    僕は嬉しくて堪らない。

    「バカ……」

    真っ赤な顔の先輩。

    照れ屋なのに意地っ張りな可愛い僕の彼女。 

    さて、僕の考えた特別なにらめっこ。

    ルールは覚えてくれた?

    大好きな、変に意地を張りたがるような彼氏·彼女にやってみてね。


    ~照れ屋で意地っ張りな、可愛い彼女と僕の特別なにらめっこ~

    きゅん

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  6. 「なんしよーと?」

    私はソファーでスマホをいじる彼氏に後ろから問いかけた。

    「……方言でとーばい。」

    「あ……」

    彼の一言に、私は少しだけショックを受ける。

    「別にええやろ? あんたの家なんやけ。それに標準語って以外と難しんちゃ」

    いつかのために標準語の習得に挑戦中の私は、彼にそう拗ねて見せた。

    彼はそんな私を気にせず、にやりと笑う。

    「まぁな。別に良いっちゃけど…………こげなこともここじゃないと出来んしな」

    彼は私を引き寄せる。

    次第に彼の顔がアップになって……

    ---私は方言も標準語も関係なく、言葉すら出なくなった。

    きゅん

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  7. 俺の幼なじみはとても可愛い。
    特に、俺の事が好きなのが丸分かりなのに、何でかそれを必死に隠してるとことか。
    「これ、旨いよ。食ってみ?」
    俺がパフェの一番旨いところをスプーンで掬って掲げると、それをそのまま口に入れるそいつ。
    「あ……」
    ホントにうっかりなのを俺は知ってる。
    「ちっちがっ……ホントにちがうから! その、家族で良くやるし! いやだからって誰にでもやる訳じゃないけど!」
    「ふーん」
    俺がニヤニヤして見せると、余計にアタフタとする。
    「誰にでもしたりはしないけど、あんたにしちゃったからってあんたが特別って訳でも無いから! 勘違いしないでよ!!」
    「ふーん」
    今度は気持ちのこもった不機嫌な声
    「ただ……他の人と違って安心しちゃうだけだし……」
        ~何一つ勘違いなんかじゃない件~   
    自爆する幼なじみ、機嫌の戻る俺。
    仕方ない、頑固なこいつとの関係を変えるのは俺からにしよう。

    きゅん

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  8. きっかけは、親友の言葉。
    「私、好きな人出来ちゃった」
    頬を染める彼女はとても可愛らしい。
    私は、唐突に羨ましいと、そう思った。
    誰を好きになった事も無く、誰に告白されても興味なかったのに。
    誰かを愛し、愛されてみたいと思った。
    そして、後輩の彼に告白された。
    彼の瞳は本気で、この子だって、そう感じた。
    「私に愛を教えてくれるなら」
    そうして付き合うことになった私達。
    でも、彼は一切私に手を出そうとしない。
    焦れた私は、
    「キスしてよ」
    そう頼んだ。
    普通に考えて、頭のおかしな話だ。
    彼は拒む。
    「キスは相手と近づいたり愛を証明する為の、いわば手段です。そんな風にしてはダメですよ」
    切なげに笑う彼は本当に私を大切にしているのだと、私はようやく知った。
    そして、最近私は彼が離れていくことを心から恐れている。
    もっと彼の心が欲しい。
    彼に、触れてみたい。
    この心から沸き上がってくる気持ちは何?

    きゅん

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  9. 「……寂しいな」

    休日、何となく外に出て、ふとそんなことを思った。

    視線を落とした私は、足をぷらぷらとさせながら歩き、あ~あ、と上を向く。

    「お~い!!」

    私以外誰もいない道、明らかに私に声を掛けている。

    それが誰かと頭で認識するよりも早く、心がトキンと小さく動いた。

    パッと振り返ると、やっぱり彼だ。

    走ってくる彼に、私からも向かっていく。

    「うおっ!? どうした?」

    勢いに任せて抱きついた私。

    アタフタとする彼は、とってもかわいい。

    丁度、誰かに会いたかった。

    他の誰でもない、貴方に会えたことが嬉しい。

    私は背の高い彼の肩の辺りまでしっかりとてをまわし、甘えるように抱きついた。

    「ふふっ」

    そう。

    彼が居るだけで、私の1日は幸せ色に色付いた。

    きゅん

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  10. 「ねぇ、ねぇ!」
    俺の彼女は、可愛くて、かっこよくて、反応が薄い。
    今日も変わらず、必死に話しかける俺と、スマホを弄る先輩という構図が出来上がってしまっていた。
    むっ
    「先輩」
    「? ん、なに?」
    声のトーンを意識的に下げると、先輩は俺に目を向けた。
    やっぱり優しい。
    俺は安心して、少し意地悪な質問をする。
    「俺のこと、好き?」
    嫌われる可能性すらあるこの質問。
    ドキドキとなる心臓に気付かない振りをして、俺は先輩の言葉を待った。
    「……ちがう」
    無表情で放たれた言葉に、俺は一瞬本気でフリーズする。
    冷水を浴びたかの様な衝撃だった。
    俺の顔をみて、数回瞬きをした先輩は、あっという顔をして俺の頭を撫でる。
    それを受け入れていると、先輩はほんの少しだけ口角をあげ、にやりと笑う。
    「なんて顔してんの、私はあんたのこと、好きなんじゃなくて、大好きなの」
    先輩は、死ぬ程可愛くて、そして同時に格好いい。

    きゅん

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  11. 「先生……! 好きです」
    「ムリ。いっとくけど,バレて首とぶの,俺だかんな」
    体育祭開始前,今年に入ってもう何度めか分からない告白をし,見事玉砕。
    私が嫌ってことではない?という超ポジティブだった頃の自分を褒め称えたい。
    でも,今日は普段と違うやり取り。
    「……はぁ。最後の競技,ゴール1位で抜けたらな」
    何がとは聞かない。
    競技……リレー!?
    得意も得意,大得意!なにせ私はアンカーですから!
    でも,私に届くまでが問題だな……そう考えながらも,口からは
    「はいっ!」
    という元気な返事が出た。
    ………

    「勝ちましたよ!」
    「ゴールの勢いで転んだけどな」
    「勝ちは勝ちです」
    そうすねる私に先生はふっと笑った。
    「まぁ,勝と思ってたけど」
    「どうゆう意味ですか」
    「俺も好き。お前が卒業するまでは,デートは俺んちだけだけど文句言うなよ」
    先生は私の頭をくしゃっと撫でる。
    そんなの……言うわけない。

    きゅん

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  12. 「あっっおーい!そっちもリレー頑張ってね!」
    移動中,幼なじみの男子を見つけてつい声をかけた。
    「ははっ頑張れって俺敵軍だし!でもまぁアンカーになったからには1位だな!」
    「うん。私すぐ出番終わるから見てるわ」
    スクールカースト上位の超陽キャなそいつも,笑顔でよってくる。
    「ねぇ」
    斜め後ろから声がして振り向こうとすると,後ろから誰かに抱き締められた。
    「おい。離せ」
    私と同じ色のはちまきをしたその人は,私の同級生。
    人を好き嫌いで区別しない幼なじみが,唯一目の敵にする存在。
    「この子も1位も渡さないから」
    突然やって来た彼は,幼なじみを煽る様にそう言うと,見せつけるかのように私をぎゅっとさらに抱き締めてから私を連れて歩き出した。
    「絶対勝つから,俺だけ見てて」
    そう言う彼を,私がどう思っているかというと……
    それはきっと,遠くない未来に,この高鳴る胸が教えてくれる。

    きゅん

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  13. 「……だる」
    何が楽しいのか分からない体育祭。
    憂鬱が過ぎて,せめて自分の出番までふけようとここまで移動し,壁にもたれた。
    少し暑いくらいの日を浴びて,俺は目を閉じる。
    パタパタと足音が聞こえて,片目だけ適当に開くと,そこには俺の彼女がいた。
    「なに」
    「あのっこれ……」
    性格上ぶっきらぼうな対応にも気にせず,彼女がモジモジと差し出してきたのは,
    「ハチマキ?」
    理解できずに,俺は素直に首をかしげる。
    「ちょっと,憧れがあって……交換してくれないかなぁ?」
    おずおずと話す彼女には,愛しさしか感じない。
    「あっ休憩の邪魔しちゃってごめんね。リレー応援してるから頑張ってね!」
    ハチマキを受け取り,俺のだったそれを渡すと,彼女ははにかみながら来た道を引き返そうとした。
    俺はそれを引き留めて,彼女をぎゅっと抱き締める。
    「あー」
    やっぱ,あんま悪くないかも。
    暑さからか,頬に熱を感じてそう思った。

    きゅん

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  14. お昼ごはん。
    「人いないね~先輩」
    「そだね」
    彼氏の言葉を聞き流しながら作ってきたお弁当を広げる。
    「あっ聞いてよ先輩!うちの親,彼女が作ってくれるから昼飯要らないって言ったらめっちゃびっくりしててさぁ~」
    「っ……そ」
    ホント私ってなんでこんな可愛くない言い方しか出来ないんだろ……家族にも私の事話してくれて嬉しいって言えれば良いのに……
    「このおにぎりの具って何?」
    「梅」
    「俺が好きって言ったから?」
    「うっさい,それいつの話よ」
    本当は覚えてたけど……
    「やっぱりそうなんだ!ありがと先輩」
    しかもバレてるし。
    「ねぇ先輩。次のリレー1位とったら1つだけ頼み聞いてよ」
    「いいよ」
    私はそう答えたけど,おにぎりを頬張る彼の目を見て,嫌な予感がした。
    彼はただの可愛い後輩ではない。
    とびきり甘くて腹黒な一面を併せ持つ。
    「楽しみにしててね?」
    彼は何事もなかったように食事を再開した。

    きゅん

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  15. 体育祭。
    運動神経抜群で,彼女の有無関係なしにモテまくる,先輩もとい私の彼氏。
    ともくれば……
    「「キャー頑張ってぇ~!!そしてあわよくば私のところに来てください!!」」
    私の応援は届きそうもない。
    来て,というのは多分,今行われている借り物競争にたいしてだろう。
    1人むなしくため息をつくと,心なしか先輩がこちらに走って来ているのが見えた。
    「ちょっといい?」
    心なしか,ではなく,先輩はばっちり私の元へ一直線にやって来た。
    「あーやっぱり彼女かぁ~」
    落胆した声が聞こえる。
    「ハンカチ貸してくれる?」
    私は少し緊張しながら,角に黒猫が一匹刺繍された,桃色のハンカチを渡す。
    「きゃっ」
    先輩はハンカチごと私のてを引くと,私の耳元に顔を寄せ
    「今日は帰りにデートしようね」
    と囁いた。
    「ハンカチありがと」
    先輩は去っていく。
    耳をおさえ顔を赤くする私。
    先輩のそうゆうとこ……ズルいと思います。

    きゅん

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  16. あいつはいつも,放課後になると楽しそうに1人で本を読んでる。


    俺はそいつに時々話しかけたりして,そいつも笑顔で俺を受け入れる。


    ただ,それだけの関係だったはずだ。


    なのに俺は今,訳も分からずがむしゃらに,ただ1人あいつを目指して教室に走る。


    焦らなくても,あいつは絶対にいる。


    俺は自分が何をしたいのかも,何を言いたいのかも分からない。


    ようやく見えた教室の扉を,感情のまま荒々しく開けると,そいつの控えめだけど驚いた顔が見えた。


    それを見て,俺は自分のずっとしたいと思っていたことを悟った。

    「好きだ」


    ただそれだけを伝えたい。


    それだけが伝われば良かったんだ。


    彼女の真っ赤に染まった顔が,俺の胸をよりいっそう高揚させた。

    きゅん

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  17. 何時もなら絶対にそんな真似をしない彼女に誘われてこの祭りに来た。
    それも不自然だけど、今だって限られた時間を無理矢理楽しもうとしているみたいな焦りが見える。
    見てられないと声をかけると、悲しみに溢れた顔の彼女が振り返った。
    「ねぇ。記念に写真とろっか。後であんたにも送ったげる」
    訳が分からない。
    こいつは絶対に自分からそんなこと言わない。
    俺が彼女のスマホを預かり、上手く写るように試行錯誤しているとふいに彼女がスマホに触れた。
    彼女をスマホ越しに見る。
    す、き、
    「はいっチーズ」
    パシャリ
    画面には驚いている俺と、満面の笑みの彼女。
    「ありがとね」
    どんな意味が込められてるのか、分からなかった。
    スマホを引ったくるようにして、彼女は人混みに消えた。
    そして……何処かに引っ越していった。
    通知 一枚の写真が送られました。
    『夢だったの、好きな人とのツーショット』
    絶対に、捕まえに行ってやる。

    きゅん

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  18. 私は今、後輩の男の子と花火を見に来ている。
    この犬っぽい彼は、何故か憎めないところがあって、今日も誘われるままこうして来てしまった。
    今、彼は屋台でおおはしゃぎしている。
    「ねぇ今日はなんで誘ってくれたの?」
    特に話すこともないから訊いてみたのに、
    「? 好きだからですよ?」
    彼はチョコバナナ選びに夢中なままそう言った。
    え、今さらっとすごいこと言われた?
    屋台のおじさんも目を丸くしている。
    どう反応するのが正解か分からず、ただ黙する。
    「? 先輩? 急に黙ってどうしたんですか? あ……」
    彼はようやく自分のした発言に気付いたようだった。
    お互い顔を赤くしてうつむく。
    「はははっいやぁ~ビックリしたが良いものを見せて貰った。嬢ちゃん、好きなの1つやるよ」
    「はい……」
    素直に貰ってないとやってられない。
    私は今日、浴衣まで着てどうしてこの誘いに乗ったのだろうと、打ち上がる花火を見て思った。

    きゅん

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  19. 私は彼氏がモテすぎるから、最近事あるごとに不安になる。
    それでも胸を張ってなきゃって思ってて。
    だから、彼が誘ってくれた今日も、めいっぱい楽しもうって……彼とはぐれるまでは、思ってた。
    彼が私の視界から消える瞬間、私は彼じゃなくて、彼の心が離れていくような錯覚をした。
    私には、彼にこれからも愛される、自信がない。
    「いた!」
    涙で何も写らない目の代わりに、耳が彼の存在をひろう。
    「ごめん……不安にさせて」
    「違うよ。私が弱すぎるだけ」
    私が、自信を持てるような人間じゃないだけ。
    「これ、受け取って。いつか、羨ましいって言ってたろ?」
    『いーなー花火の度にあれつけてる』
    お母さんが、プロポーズされた花火大会の日に貰ったネックレス。
    『いつか、私も好きな人に貰うんだ』
    綺麗な……ネックレス……
    「不安になんて、ならなくて良い。俺は、ずっとお前だけが好きだよ。これも、絶対俺が渡すって思ってた。」

    きゅん

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  20. 私はマンションにすんでいて、近くで花火大会をやっている時は、1番上の階まで上がると誰もいない空間で綺麗な花火を見ることが出来る。


    私はそれを、毎年同じマンションに住む幼なじみと見る。


    私達は、お互い好き合っていると分かってるけど、告白をすることも、されることもない。


    「綺麗だね……花火」

    「そうだな」


    彼は何も言わず、私の手をそっと握った。


    こうゆうところが、彼のズルいところ。


    こうゆうことをするから、何の進展がないまま1年2年と過ぎていっても、私の心は彼から離れることが出来ない。


    去年は小さなプレゼント。


    今年は手を繋ぎ、来年は何? ハグでもするつもり?


    ずっとこんな関係のままなんかで、2人での来年が……あるといいけど……


    結局、自分だって彼に告白する勇気なんかないのにね。


    私は綺麗な花火にそぐわない、何年分もの想いをのせた苦笑いを浮かべた。

    きゅん

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  21. 「わ~久しぶりだなぁ~!!」

    この日、このお祭りに来ている人は多種多様。

    彼氏とこられて幸せな人。

    好きな人にフラれて泣いている人。

    家族で楽しんでいる人。

    だけど、わざわざ楽しいお祭りの日に、彼氏にフラれるなんて人はきっと私だけ。

    ずっと1人でお祭りを楽しんでいるふりをしていたけど、きれいな花火を目にしたとき、私の涙腺は崩壊した。

    「ねぇ、俺花火大好きなわけ。お姉さんせっかく綺麗なのにこんなとこで泣いてないでよ。俺が花火の良さを教えてあげるから、ついてきて?」

    そう言って私を何処かに連れていく彼は……

    あの、誰? 全く知らないんだけど……

    これは、私の、新しい恋の始まり? かもしれない、

    きゅん

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