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  2. 「それ、新刊出たよな」
    「そうなの!新刊買う前に読み直そうと思ってさ」
    彼は一年の時からの読書仲間。
    ここで本を読んでた私に声を掛けてくれたのがきっかけ。
    「主人公かっこいいよねぇ…私もこういう人と付き合いたい…」
    「…お前、そういう男がタイプなの?」
    珍しく前のめりで聞いてくる。心なしか焦っているようにも見えた。
    「タイプっていうか…そろそろ私も彼氏作りたいなぁって。」
    「そういうの興味無いって言ってなかったか?」
    驚きつつも答える。
    「前はね。もうニ年だし、青春してみたいじゃない?」
    彼は少し悩む素振りを見せて、やがて決心したように振り返る。
    「俺じゃダメ?」
    「……え」
    強い目つきでこちらを射抜く。
    「俺はお前の事ずっと見てたから、お前の趣味も全部分かってる。」
    ずっとって、まさか、
    「覚えとけよ鈍感」
    意地悪そうに彼が笑う。


    「男が女に話しかけんのは、下心があるときだけだ。」

    きゅん

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  3. 「あった…よかったぁ…」
    誰もいない教室に声が響く。徹夜で作ったクッキー、渡そうと彼を探して、机に忘れていた事を思い出したのだ。
    告白…しようと思ってたけど、今日は無理かもなぁ…
    肩を落として帰ろうと振り返った時。
    「ねぇ…それ、誰にあげるの?」
    「わっ!」
    驚いて鞄を落としてしまった。
    「君、好きな奴、いるの?」
    「は、あの、」
    慌てて後ろを向いた。今の顔は見せられない。真っ赤だ。
    だって、彼はーー

    ーギュッ

    「……へ?」
    後ろから抱き締められた。息が止まった。
    「ちょっ!はなしっ!あの!」
    「…やだ」
    「…はい?」
    私の右耳に口を寄せる。
    「僕の方が大好きなのに。」
    ぶわっと体が熱くなる。私は腕の中を抜け出して彼の方を向く。少し俯いているのは容赦して欲しい。
    「あの、これ…」
    「……え」

    「あなたに、渡したくて。」

    彼の顔が期待で染まる。
    何かを悟った、喜びに満ちた顔に。

    きゅん

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  4. 「何言われた?」
    「…は?」
    隣のクラスの男子に呼び出された帰り。忘れ物を思い出して教室に戻ってくると、見知った幼なじみがいた。
    「男と話してた。告られたのか?」
    「まぁ、っていや、あんたに関係ないでしょ。」
    ただの幼なじみ相手にこいつは何聞いてるんだ。
    「関係…ある。俺だって、俺の方が…」
    彼は言いにくそうに首の後ろに手をあてる。
    「何よ、はっきり言ってくれないとわかんないわよ。」 
    腰に手をあてて、上目遣いで彼を睨む。そうするとなぜだか彼は顔を赤くして、今度は口元を手で隠した。
    何かを覚悟したように一度息を吐いてこちらを見る。
    「妬いた。」
    「…は?」
    いきなり何を言い出すんだ。
    「お前があいつと付き合うんじゃないかと不安になった。」
    えっと…つまりどういう事だ?
    「好きだ。」
    「…!?」
    私の体を抱き寄せて腕の中に閉じ込める。そして耳元で小さく囁いた。
    「お前が、好きだ。」

    きゅん

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  5. 居残りで書いていた原稿をやっと書き終わる。
    ゆっくりと立ち上がって教卓に歩き始めた時だった。
    ーギュッ
    「!?」
    「あー生き返るー…」
    突然後ろから抱え込まれるように腕の中に閉じ込められた。
    「先生!ここ教室ですよ!?放課後とはいえ誰が見てるか…」
    体を動かせないので首を反らして先生を見上げる。
    慌てたような顔の私を見て、彼はふにゃりと微笑んだ。
    「あーかわいいー…すきー…」
    「ばっ、ちょっ、聞いてます!?」
    顔は林檎のように真っ赤である。突然そんな事を言われるのは心臓に悪い。
    「お願い、ちょっとだけ充電。」
    先生は必死そうに言う。
    仕事で辛い事でもあったんだろうか。
    それなら、
    「明日休日ですね。」
    「…?それがどうかした?」
    顔を上げて微笑みかける。
    「明日なら、いっぱい充電できますよ?」
    先生は一瞬驚いて、次は嬉しそうに笑った。
    「ふふっ、やっぱりかわいい。大好き。」

    きゅん

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  6. 「…おい、泣いてんのか、顔すげぇぞ。」
    「あんたね、失恋直後の女の子に向ける言葉にしては、
     デリカシーが無さすぎるんじゃない?」
    …どうせ見てたくせに。
    「……んだよ。」
    「は、なに?」
    少し不機嫌そうな声に、反射で彼の方を向く。
    彼はこちらに近づいて私を引っ張って抱き寄せた。
    「ちょっ、はぁ!?なんなのよ急に!」
    「好きだ。」
    「………は?」
    唐突なその言葉にフリーズした。
    こいつが私を…好きだって?
    「お前趣味悪すぎんだよ。俺の方が絶対、お前を幸せに
     できんのに。」
    「………っ。」
    何がなんだかよく分からない。でも、その言葉は今の自分には正直…胸に響いた。
    「何よ…ズルいのよ、いつもいつもっ…。」
    「知ってる。だから今言ってる。」
    失恋の傷が癒えたわけじゃない。というか、たぶん当分この傷には悩まされるだろう。
    それでも、
    「今は、俺を選べ。」
    「っ、ぅ…。」
    今、そう、今だけよ。

    きゅん

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