ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「ほら。帰るよ?」
    「…やだ。」
    「なんで?」
    「だって、どんなに頑張っても遠いんだもん。」
    「え?」
    「3歳差って絶対に超えられない壁なんだよ。」
    「ばーか。」
    「本当にどこか遠くに行っちゃって可愛い彼女とかできちゃって……」
    「俺が好きなのは、」
    「好きだよ。私。朔兄のこと。」
    「そーゆーのは俺に言わせろよ。俺も、好きだよ?唯のこと。」
    「うそだ。」
    「俺だって、唯可愛いから、好きなやつとか彼氏とかできたらやだな、とか
    色んな人に告られてんのかな、とか
    い、いろいろ考えてんだからな……」
    「本当?」
    「あぁ。だから、その、俺と付き合って。」
    「えっと、お、お願いします。」
    「まじ?嘘じゃねーよな?」
    「うん。」

    ぽんぽんと頭を撫でられる。
    いつもよりも優しく。

    傘をさして帰る道はいつもと変わらないはずなのに
    肩が触れそうな程近いその距離にどきどきが止まらなかった。

    きゅん

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  3. 「はぁ、頭痛い…。」

    頭が痛すぎて、保健室に足を進める。

    着いたそこに先生はいなかった。

    耐えられなくてベッドを借りることにしたのだけれど。

    奥のベットはどうやら誰かいるみたいだ。

    マンガでよくあるような展開ではないことを願う。

    具合が悪いんだ。私は。

    「そこにいんの誰。」

    めんどくさい。もちろん無視だ。

    「おい、無視すんなよ。」

    寝るの!寝たいの!私は!!!!

    「お前、頭いてーの?」

    「は?」

    「頭、押さえてるから。」

    「そーだったとして何で貴方に言わなきゃいけないんですか?」

    「…。」

    いや何で急に黙るのよ。

    もー、私は寝ますよ本当に!

    え、なになに。
    なんか近づいてきてんだけど。

    「いやっ、なに。」

    「じっとしてろ。」

    もしかして、頭撫でられてる?

    こんな不良みたいな奴に?



    この不良が暴走族の総長だなんて、
    一体誰が想像しただろうか。

    きゅん

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  4. 「ねぇ私のこと好き?」
    あなたは嘘つき。
    お前だけだと言ったのに。
    世界で一番だと言ったのに。
    最近現れた大人っぽい子に手を出して幸せそうに笑うのはなぜ?
    もう嫌われたかな。

    あなたの愛に溶かされて。
    優しく私を包み込み名残惜しそうに唇を離す。
    あなたが好きだと言った甘い香水をつけて貴方と舌を絡め合う。

    いつしかそれも無くなって。
    貴方は私に触れなくなった。
    私の居場所は奥になり白い世界で一人寒さに耐える。

    もう一度貴方に選んでもらえるように甘い香りでアピールして。
    私だけを見て欲しいと言う願いを込めて。
    目があったら甘い口づけをして。

    貴方は焦った顔をして謝るのね。
    私は貴方の中で甘く甘く貴方を閉じ込めて思い切り乱す。
    あの子の香りが消えて私と同じ香りになった頃。
    貴方は再び私の虜になってるの。

    そして呟く。


    「やっぱり僕が好きなのはミルクチョコレート、お前だけだよ。」

    きゅん

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  5. 高校二年生の私は男バスのマネージャー。
    もともと中学まではバスケをしていたんだけど、
    大きな怪我をしてボールを持つのが怖くなった。
    それでもバスケは好きだからマネージャーをやっている、と言うか。

    大会の一週間前。
    みんな気合が入っていていつも暑い体育館の温度がさらに上がっているような気がする。

    一仕事を終えて、みんなが練習しているのを見ていた時ボールが私の方に飛んできた。

    「先輩!!」

    一年生の子が誤ってこっちに投げてしまったのだろう。
    自分の方に向かってまっすぐ飛んでくるボールがあの日を思い出させる。
    怖い。

    ぱしっ。
    誰かがボールをキャッチした音がした。
    それでもなお怖くて体がすこしも動かない。

    ——ぎゅっ。

    「大丈夫。」

    背中をさすってくれるのは幼馴染のアイツ。

    「俺がいるから。」

    体の力が抜けてへなへなと座り込む。
    部活中のことも忘れて無意識に体を預けていた。

    きゅん

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  6. 「今日はこの時間自習なー。」



    そう言って副担は教室から出ていった。

    まさかの監督の先生もいない自習。

    何でもし放題。

    ところで私には付き合って二ヶ月の彼氏がいるのである。

    しかも席は隣。

    すると、隣から肩を叩かれた。

    叩かれたほうを見ると机をとんとんと叩きながら目線で訴えてくる彼の姿が。

    恐らく机をくっつけようということだろう。

    更には周りの死角となるところで手をギュッと握ってくる。

    普段あまりこういうことをしないタイプだからか、ドキドキが止まらなかった。


    彼は私にしか聞こえない声で耳元でつぶやく。



    『顔真っ赤。かわいい。』




    心臓が破裂する、そう思った瞬間だった。

    きゅん

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  7. 「ねー、センパイ。昼休みまで何やってんの。」

    ボール磨きをしている私にそう問いかけたのは後輩の成瀬。
    バスケットボール部のマネージャーである私がこうやって昼休みに仕事をするのは当たり前のこと。だけどなぜか、彼はいつも私の邪魔をしに来る。
    私だって、昼休みくらいゆっくりしたい…気もあるけれど、先輩が引退して今マネージャーは私しかいない。

    「成瀬こそ何してんの。試合近いんだからね?」

    ボールを拭く手を少しも止めずに言う。

    「ねー、センパイ立って。」

    「は?私今仕事ちゅ…………?!」

    いつの間にか私の手からはボールもタオルも消えていて、右手は成瀬の左手に
    うまく収まっている。抜けようとしたけれど、そんなことできるはずもない。
    成瀬は次期キャプテン候補。そしてそのまま捕らえられた私の背中は準備室の壁に
    ぴったり。隙間一つもない。

    それが世に言う壁ドンだと気づくのに時間はいらなかった。

    きゅん

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