ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 戻りたい過去がある。

    「また同じクラス、最悪」

    「本当は嬉しいんだろ?」

    「なわけないでしょ。バーカ」

    約束しなくても、好きな人に毎日会えたあの頃。

    最後の日。
    卒業式の日。

    「写真撮ろーぜ」

    「うん」

    「テンション低っ!あっ俺と離れるの寂しいのか」

    「っバカ」

    告白も連絡もできない臆病な私。

    だけど会いたくてたまらない。

    声を聞きたい。
    姿を見たい。
    しょうもない言い合いをしたい。

    こんなに夢中にさせるなんて、どんな魔法を使ったの?

    スマホが鳴った。
    パッと光った画面を見ると、大好きな名前が。

    “今度、試合見に来ねえ?”

    ドキッと胸が鳴った。

    こんなこと言われたら、私が期待することわかってるよね?

    “行く”

    すぐに返事が来た。

    “美優が来てくれたら勝てる“

    「バカ」
    顔の綻びを抑えられない。

    あーあ。
    こんなんじゃ一生、好きが消えないじゃん。

    きゅん

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  3. 「無理してついてこなくていいのに」

    「無理してないし」
    忘れ物を取りに来る岳についてきた私。

    周りがよく見えない夜の学校は、今にも何かが出てきそうで本当はすごく怖い。

    ガタッ

    「きゃっ」

    突然の物音。
    怖くて足が動かない。

    「ただの風だって、本当しょうがねーな」
    私の手を握る岳。

    「こうしとけば怖くないだろ」
    私の手を包み込む岳の手は温かくて。

    「‥ありがと」

    「くるみが無理してるのとか気づいてんだよ。何年、お前のこと見てると思ってんの?」

    「ごめんね。迷惑ばっかかけて」

    「‥迷惑じゃねーよ」

    「えっ」

    「好きな奴のこと迷惑とか思わねーよ」

    「‥私⁉︎わ、私も岳のこと好きだけど…」
    その瞬間、手に指が絡められ、恋人繋ぎになった。

    ダンッ

    「わっ!」
    驚きで手が離れる。

    「大丈夫だって」
    再び歩き出すうちに離れた手と手がまた自然と結びついた。

    きゅん

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  4. 部活の練習の後、自主練をするけど、全然上手く吹けない。

    夏休みだし、もう帰ろうかな。

    迷っているとドアが開いた。

    「あっ、野島さん」
    世界史の一条先生だ。

    「なんで先生が...?」

    「綺麗な音が聞こえたから気になって」

    「えっ、下手じゃなかったですか?」

    「ううん。綺麗だったよ」

    先生ってこんなに整った顔してたんだ。

    なぜか胸が高鳴る。

    綺麗って私が言われたんじゃないのにバカみたい。

    「頑張ってるから、差し入れ」
    差し出されたのはレモン味の飴。

    「ありがとうございます」

    先生が私を見て微笑む。
    その笑顔が眩しくて目を奪われてしまった。

    「もうちょっと頑張ります」

    「ここで見ててもいい?」
    そんな笑顔で聞かれたら頷くしかないじゃん。

    もらった飴で口の中が、爽やかな夏の恋のような味でいっぱいになる。

    目の前にいる先生のせいで私の頭の中は先生の笑顔でいっぱいだ。

    きゅん

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  5. 「美波!」
    碧斗の笑顔が眩しい。

    「お待たせ」
    二人乗りをした自転車で、生温い風を切って走る。

    今日の碧斗は無口だ。

    「元気ないねー。何かあったー?」

    「…俺さ、美波が好きだ」

    「えーっ⁉︎」

    「うるっせえな。って危ね!」
    私は落ちそうになり、碧斗が慌てて自転車を止める。

    「何だよ。その返事」
    振り向いた碧斗の頬は少し赤い。

    「…私も碧斗のこと好きだからびっくりして」

    「マジ?」

    自転車を走らせ始める碧斗。
    曲がり道をいつもと逆に曲がった。

    「どこ行くの?」

    「海」

    下り坂を駆け下りると、青い透明の海が見えてきた。

    「わー!綺麗ー!」

    「付き合った記念にと思って。…来年もここに来ような」

    「うん!」

    太陽の光でキラキラと輝く広い海を背に、私たちは唇と唇を重ね合わせた。

    真夏の海はすごく熱いけど、この綺麗な景色を碧斗とずっと見ていたい。

    本気でそう願った。

    きゅん

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  6. この夏の終わりは優馬との日々の終わり。

    今日、優馬はこの街を出て行く。

    夢に向かう優馬の邪魔したくないと思っていたのに。

    もうこの街なんて私のことなんて見ていない優馬を見たら涙が出てきてしまった。

    「あー、もう」
    優馬は呟くと、私をギュッと抱き締めた。

    「っやめて」
    彼氏みたいなことして期待させないで。

    「言うつもりなかったんだけどさ、沙耶、俺の彼女になれよ」

    えっ。
    見上げると優馬の頰は真っ赤。

    「遠距離とか不安にさせると思って言えなかった」

    「遠距離でも頑張るから、優馬の彼女になりたい」

    「…そんな可愛いこと言われたら、行きたくなくなるんだけど」
    可愛い、その言葉に私は真っ赤になる。

    「待ってるから、たまには帰ってきてね」

    「当たり前じゃん。一人で泣くなよ」

    唇と唇が触れた。

    「うん!」

    もう泣かないよ。

    「頑張ってね」

    だって優馬が愛をくれたから。

    きゅん

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  7. 「焼けるー」
    初デートの帰り道。8月は暑い。

    「藍は地黒だろ?」

    「違うし」

    「てか、焼けたくないなら遠回りするなよ」
    正論を返され、私は黙る。

    「っ遠回りはしたいの」
    だって駅までは10分で着いちゃう。もっと夏樹と一緒にいたい。

    「藍、顔真っ赤」
    なおもからかってくる夏樹。

    「だって夏樹と一緒にいたいもん」
    夏樹は何も言わない。

    「わっ、夏樹、照れすぎでしょ」
    横を見ると真っ赤になった夏樹が。

    いつもと立場が逆だ。

    「見んな」

    「えー、夏樹可愛い」

    「お前なあ」

    「ひゃっ」
    何もないところで躓いてコケそうになる。

    「バーカ」
    腕をぐいっと引かれ、そのまま手を握られる。

    「手繋いで暑くない?私、手汗すごいよ」

    「藍がコケるから、繋いでんだよ」
    その言葉照れ隠しだってバレバレだよ。

    だけど、絶対に離さない。

    だって本当は私もずっと繋ぎたいと思っていたから。

    きゅん

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  8. バーン

    空を舞う大きな大きな花。

    いつも仲良いグループで学校の屋上で花火大会を見ようと言いだしたのは誰だったっけ。

    「すげー。めっちゃでっかく見える」
    気づいたら隣には、好きな人がいた。

    「すぐに消えなかったらいいのに」
    そう呟くと星夜は言った。

    「一瞬だから綺麗なんじゃねーの?」

    「でもすぐ消えちゃうの寂しいよ」

    ギュッと手が握られる。

    「えっ⁉︎」

    「騒いだらみんなにバレるだろ」

    「なんで...?」

    「ん?葉月が好きだから」

    「へっ?私、綾たちみたいに可愛くないよ」

    「俺は葉月がいいの」
    まっすぐに私を見つめる星夜の瞳に花火が映っている。

    「私も星夜が好き...」

    「俺は絶対消えない。ずっと葉月のそばにいるよ」

    「何そのセリフ」
    茶化してみるけど頬は熱くて。

    二人を祝福するかのように今までで一番大きな花火が打ち上がった。

    幸せな夏休みの始まりだった。

    きゅん

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  9. 「雪乃、またな」

    そんなに仲良くない私のことも名前で呼ぶ七瀬くんが好きだった。

    だけど、今は違う。

    「内田、おはよう」

    彼女ができてから他の女子はみんな名字呼びにした七瀬くん。

    チャラく見えるけど真面目で誰にでも優しくて。

    そんな七瀬くんだから好きだった。

    「来週、千夏の誕生日なんだけどさ、女子って何が欲しいの?」
    今でもよく話しかけてくる七瀬くん。

    彼女の千夏ちゃんだけは付き合いだしてから名前呼び。
    特別に想ってるからだよね。

    「えーわかんない」
    必死で笑顔を浮かべる。

    嬉しそうに千夏ちゃんのことを話す七瀬くんを見たくない。
    でも七瀬くんと話したい。

    矛盾した想いで私は壊れてしまいそう。

    千夏ちゃんの欲しいものなんて私にわかるわけないのにね。

    だって私が欲しいのは、

    狂おしいほど求めているのは、

    千夏ちゃんはもう持ってるもの。

    七瀬くんからの愛なんだよ。

    きゅん

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  10. 「風雅先輩、かっこいい!」

    グラウンドの隣を通って帰っていると、学校のアイドルの風雅先輩がシュートを決めた。

    隣を歩く彼氏の正輝は何も言わない。

    「かっこよくない?」

    「別に」

    「嫉妬してんの?」

    「してるけど悪い?」
    予想外の言葉。

    「でも、正輝が一番かっこいいよ」

    チラッと正輝を見ると、正輝は真っ赤になっていた。
    クールな正輝の意外な一面が可愛くて、胸がキュンと鳴る。

    「野々花」

    「ん?」

    唇が塞がれた。

    「俺ばっかドキドキしててムカつく」

    「何その理由」

    やばい。
    ドキドキが止まらない。

    「俺以外の男をかっこいいとか言うな」

    「…正輝にしか言わない」

    「っ」

    またキスをされた。

    「…今日の正輝いつもと違う」

    「お前のせいだろ」

    「えっ?」

    真っ赤になった顔を見られたくないのか、正輝は私を抱き締めて呟いた。

    「野々花が可愛すぎるせいだろ」

    きゅん

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  11. 部活の後は、いつも仲の良い朝陽と帰る。

    今日こそは言おうと決めていた言葉。

    「私、朝陽のことが好き…」
    勇気を出して言って朝陽の顔を見る。

    その顔に浮かんでいたのは、困惑だった。

    「ごめん、冗談冗談。マジにならないでよ」

    本気だけど、あんな顔されたらこう言うしかないじゃん。

    「だよな。よかった。俺、彼女できたんだよ」
    そう言った朝陽の顔には安堵が浮かんでいて。

    嘘…

    立っているのがやっとなくらいその言葉が胸に刺さる。

    「告られたの?」

    「そう。部活のマネの子」

    「好きだったの?」

    「可愛いなってずっと思ってて」

    「へえ」
    平静を装うために聞いたけど、もう聞きたくない。

    こんな嬉しそうな顔をした朝陽、初めて見た。

    辛くて悔しくて悲しくて。
    だけど朝陽の前では笑顔でいるよ。

    「おめでとう」

    幸せになってなんて言えないけど、本当は誰よりも君の幸せを祈っています。

    きゅん

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  12. どうして素直になれなかったんだろう。

    「鈴菜の好きな人って誰?」
    一番仲の良い男友達の塁に聞かれた。

    私は恥ずかしくて。

    「塁以外の誰か」
    本当は塁が好きなのに。

    塁は少し傷ついたような顔をした。

    放課後。

    いつもは塁と帰るけど今日は一人。
    教室には私以外誰もいない。

    「ごめん。遅くなった」
    嘘?塁の声だ。

    「帰ったんじゃないの?」

    「委員会あるって昨日言ったじゃん。置いて帰ったりしねーし」

    「だって昼休み…」

    「俺の好きな人は鈴菜だよ」
    私の声に重なって聞こえた塁の声。

    「でも私、素直じゃないし。塁のこと傷つけちゃうよ」

    「そんなの全部知ってるから大丈夫。それに昼休み、鈴菜、真っ赤だったし。あれじゃバレバレだよ」

    本当塁には敵わない。

    「ほら帰ろう」

    一緒に帰るのはいつものこと。

    でも今日からは彼女なんだって、繋いだ手と少し赤い塁の横顔が教えてくれた。

    きゅん

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  13. 「先輩、ずっと前から好きでした」
    私の一世一代の告白は笑い声で打ち砕かれた。

    「本気?俺が君みたいな子好きになるわけないじゃん」

    釣り合わないのはわかってた。
    でも、思いも伝えることさえも許されないの?

    言葉を発すると泣いてしまいそう。

    先輩が続けて何かを言おうとしたけど、その声はかき消された。

    「唯香、何してんの?」
    幼なじみの光一だ。

    聞きなれた声を聞いた途端、涙が溢れてきた。

    「いや何なの?」
    先輩が怪訝そうな顔になる。

    「何様のつもりなんですか?先輩、唯香のことフったこと絶対後悔しますよ」
    とんでもない台詞を吐き捨て光一は私の手を引く。

    「あんなに言っちゃっていいの?部活も一緒なのに」

    「だって好きな子泣かせた奴、許せねえよ」

    えっ。

    「俺なら絶対泣かせたりしねーし」
    繋がれた手が熱い。

    なんでかな?
    いつもの光一の横顔がかっこよく見えるのは。

    きゅん

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  14. 「待って!」
    制服のまま、全速力で走る。

    「谷さん?なんで?」

    倉木くんは顔も頭も運動神経も性格も完璧な男子。
    話したことはほとんどないのに、ついてきてしまった。

    「倉木くん辛そうだったから」

    「谷さんってそんなにお節介だったんだ」
    倉木くんは笑っているけど、その目には消えてしまいそうな儚さと危うさがある。

    しばらく無言で歩く。

    「失敗するのが怖いんだ」
    唐突に聞こえた言葉。

    「えっ?」

    「みんな、俺のこと完璧だって言うけど、そう言われるほど失敗が怖くなる」

    そんなことで悩んでたんだ。

    「でも、私は完璧じゃない倉木くんの方が好きだよ」

    「えっ?」

    言ってしまって気づいた。
    これ告白みたいじゃん。

    「や、そういう意味じゃなくて」

    「ありがとう」
    倉木くんの笑顔はいつもの柔らかい笑みで。

    胸が大きく弾んだ。
    そんな笑顔見せられたら、本当に好きになっちゃうじゃん。

    きゅん

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  15. 好きで好きで大好きなのに、伝えることはできないの。

    「とわ、俺の掃除手伝え!」
    「とわ、それ一口ちょうだい」

    ずっと一緒にいるのに特別に想っているのは私だけ。

    慎也の好きなタイプも音楽も、嫌いな食べ物も教科も全部私が知っている。

    なのにどうして、何も知らないあの子に取られないといけないの?

    「この子俺の彼女!」
    紹介なんてしなくていいのに。

    「おめでと。幸せにね」
    私の気持ちはバレてない?

    二人が帰った後、こっそり撮っていたしていた慎也の写真を消す。

    バカみたいな寝顔も満面の笑みも、もう私だけのものじゃない。

    「明日からはただの友達」
    何度も自分に言い聞かせる。

    でも何度言い聞かせても、慎也を思い出すだけで涙が溢れてくる。

    「もう慎也なんか嫌い」
    思ってもないことを呟きながら、ひたすら写真を消す。

    また明日、慎也の隣で笑っていたい。

    だから私はこの想いを消すの。

    きゅん

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  16. 大好きだから辛かった。

    ずっとあなたを見ていたから、あなたが違う子に惹かれていることに気づいていた。

    でも気づかないふりをした。

    だってあなたの隣にいたかったから。

    でもどんどん辛くなって。

    それに気づいたあなたは私に別れを告げた。

    あの時私は笑えていた?
    あなたに最後に笑顔を見せられた?

    今でもあなたが好きで。

    あなたと行ったお店には行けないし、あなたが好きな音楽も聞けないの。

    「冬香」

    もう呼んでくれないのはわかっているけど、あなたの声を求めている。

    もうないとわかっているけど、あなたに抱き締められるのを願ってる。

    「冬香じゃなきゃダメだ」

    そう言って戻ってきてよ。

    あなたが好きすぎて私は壊れてしまったみたい。

    「なんでこんなに好きになっちゃったのかな」

    あなたの机に私の涙が一粒落ちた。

    この涙が私がここにいた印。

    私はまだあなたが好きですという印。

    きゅん

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  17. 「私は遊ばれてるんですか?」

    「違うけど」

    「じゃあなんでこんなこと...」

    私を呼び出したくせに違う子とイチャついていた先輩。

    この人が大好きな私はバカなのかもしれない。

    「構われると期待しちゃうからやめてください」

    帰ろうと回れ右をした時、後ろから先輩に抱き締められた。

    「期待していいんだけど」
    先輩の息が耳にかかる。

    「先輩...?」

    「あーもう!莉乃が好きだってこと!」
    先輩の声には全然余裕がなくて。

    その言葉が本気だとわかった。

    「ごめん、莉乃の嫉妬した顔が可愛くてからかってた」

    「何ですか、それ。でも、そんなとこも好きです」
    ドキドキさせたくて、大胆なことを言ってみる。

    「先輩、」
    振り返ろうとすると、先輩に止められた。

    「俺、やべえ。ちょっ見ないで」

    強く抱き締められて、先輩のドキドキが伝わってくる。

    先輩と触れている部分が私たちを繋いでいた。

    きゅん

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  18. 「カッコいいなぁ」

    私は窓から野球部の彼を見つめている。

    何ヶ月か前、野球部は大事な試合で負け、甲子園を逃してしまった。
    みんなの前では他のメンバーを慰めていた彼は、放課後一人で涙を流していた。

    その瞬間、彼を抱きしめたい、彼を笑顔にしたいと強く思った。
    恋をした瞬間だった。

    彼が打つ番が回ってきた。

    「頑張れ」
    強く強く祈る。

    カキーンッ

    願いが届いた…

    透き通るような青空に真っ白のボール。

    清々しく笑う彼はやっぱりカッコ良い。

    ふと上を見た彼と目が合った。

    初めて目が合った...



    今日もあの子が見ている。

    いつも真剣に部活を見ているあの子のことがいつからか気になっていて。

    いいところを見せたい。そう思っていたら、ホームランを打てた。

    上を見ると、目を輝かせたあの子と目が合って。

    胸が大きく弾んだ。

    次の試合で勝ったら、あの子に声をかけてみようかな。

    きゅん

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  19. 「また明日」

    たった一つの約束が私たちを繋いでいた。

    あの日、ピアノを弾いていると、知らない男子が忘れ物を取りに来た。

    その時弾いていた曲をきっかけに私たちは意気投合し、毎日、音楽室で話すようになった。

    「この曲弾ける?」

    「やってみる」

    「すげえ。めっちゃ上手い」

    目を輝かせて私の手元を覗き込む君が好きだった。

    他愛ない話も楽しそうに聞いてくれる君が好きだった。

    なのに...君は昨日言った。
    「彼女できたから、明日から来れない」

    来ないとわかってるのに、私は今日も君を待っている。

    君と出会った日の曲を弾きながら。

    ふと窓の外を見ると、君と一人の女の子がいた。君の笑顔は私は見たことのないほどの満面の笑み。
    あんなに近くにいたのに、今はこんなにも君が遠い。

    涙が頬をつたう。

    ねえ戻ってきてよ。

    消えない想いを抱えて、私はまた君との思い出の曲を弾き始めた。

    きゅん

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  20. “消えたい”
    視聴覚室での授業中、机に小さく書いた。

    今日、仲の良かった友達たちに無視され始めた。理由もわからないし、もう最悪。

    落書きを残したまま、教室に帰った。

    放課後になり、視聴覚室掃除の私はふと机を見た。

    何か書いてある。

    お手本のように綺麗で整った字。

    ”あなたを必要としている人もきっといます。元気出して!”

    嬉しかった。どうしようもなく嬉しかった。

    これ、誰が書いたんだろう。
    ふと気になって、この席に誰が座ったか先生に聞いてみた。

    「桐生くんよ」

    それはたまに話す隣のクラスの男子だった。

    いつもからかってきて、ふざけているのに。

    あいつの字ってこんなに綺麗なんだ。
    誰が書いたかもわからないのに、真剣に書いてくれたんだ。

    そんなギャップずるいよ。

    みんな知らないあいつの一面。

    彼女ならもっと見れるのかななんて。

    あれ、私、あいつが好きかもしれない。

    きゅん

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  21. 「カバンの中、汚ねー」
    帰る準備をしている時、夏樹に言われた。

    「そんなんじゃモテねーぞ」

    女子力がないのはわかってるけど、好きな人には言われたくない。

    「放っといてよ」
    俯いたまま帰ろうとすると、肩を掴まれた。

    「…ごめん」
    えっ?

    「よかった。泣いてない」

    「泣かないよ。そんな弱くないし」

    「だよな。でも、俺にはそんな藍が可愛く見えるんだけど」
    可愛く見える。
    確かにそう聞こえた。

    「何なの?」
    頰が熱い。
    見つめ合っていると、夏樹も真っ赤に染まった。

    「そんな顔、俺以外に見せんな」

    「意味わかんない」

    「だからぁ、藍が好きなんだよ」
    えっ?

    「女子っぽくねえけど、すげえお前に惹かれる」

    「っ」
    恥ずかしくて夏樹の顔が見れない。

    「真っ赤な藍、超可愛い」
    グッと腕を引かれて、強引にキスをされた。

    いつもより男らしい夏樹がカッコ良くて。
    もう私は夏樹の虜だ。

    きゅん

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