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「翔琉!」
屋上のフェンスにもたれかかり空を眺めていた私の幼なじみは私の方に目を向ける
「こんなところにいたんだね」
声をかけながら横に並ぼうと近づく
「お前マジでなんなんだよ…寄ってくんなってこないだ言ったよな?」
めんどくさそうに、怒ったようにすごんでくる
ここで怯んだらダメだ!少し泣きそうになってしまった自分を奮い立たせる
「私?私はね~翔琉の…幼なじみだよ!」
「……」
なんとも言えない複雑な表情で私のことを見る…
仕方がない…仕方がないのはわかってるけど……
泣くな私!
息を深く吸って、吐く
「あ~!こんなやつ知らないぞって思ってるでしょ!いいもん!私のこと絶対思い出させるんだから!」
顔にしっかりと笑顔を張り付けた
私が泣いたらいけない
私だけは泣いたらダメだ!
翔琉が私のことを思い出してくれるその日まで私は絶対に泣かない。そう決めたんだ
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今年は先輩とおんなじ学校で過ごせる最期の年!
バレンタインのチョコを渡す最期のチャンスだ…
そう思って今年こそはって…
コロナのせいで手作りはアウト
市販のチョコは味気なくない!?
そんなこと考えて悶々としてるうちにもうバレンタイン今日だし…
ううー…
ちゃんと私が作ったのを渡したかったよ…
去年までに頑張っとけばよかったよ~
今から買いに行っても間に合うかな…
「はぁー」
廊下の窓で外を眺めながら黄昏ていた私は教室に入ろうと振り返った。
ボフッ!!
何!?
肩を捕まれてぐいっと離される。
「どうしたんだよ。ため息なんかついて」
「先輩!?」
「なんか落ち込んでんな~元気出せって!」
頭に先輩の手がのって髪の毛を乱さないように撫でてくれる。
「今日バレンタインだろ?これやるよ」
「え!ありがとうございます!」
「じゃあな………ちゃんと本命だからな!!」
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「あおり!」
!?
「あおりだよね?久しぶり!!会いたかった」
最高の笑顔で私の名前を大声で叫び抱きついてきた彼は小学校の同級生、海翔だ。
「ちょっ!急に抱きつかないで…恥ずかしい」
意識しないようにと思っても顔は赤くなってしまう。
「あっ!ごめんよ。嬉しくてつい…」
子犬のようにシュンッとなる海翔が可愛くて仕方ない。いけない!クールになると決めたのだ!
「確かに久しぶりよね。いつぶりだっけ?」
「んー、半年ぐらいかな~。ねぇねぇ今日暇?このままデートしようよ!」
ぶわっ!
はっきりデートとか言われると照れてしまう。
「ふふっ可愛いな~。ねぇ誰か変な人とかに言い寄られたりしたら僕にいうんだよ?」
「…」
「あおりは可愛いんだから!ちゃんと自覚しないと」
顔がどんどん赤くなってしまう…
海翔といるとクールになれない!
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今日は何だか頭が痛い…
寒気も少しするし風邪を引いたのかもしれない
でも、友達に悟られて心配されるのはイヤだ。本当はきちんと言う方がいいんだろうけど…心配をかけたくない!
会話が全然頭に入ってこない…
今日一日だけ頑張ったら明日は休もうかな
本当はもう寝てしまいたい…
でも、あとちょっとで授業も始まるし我慢しよう!
キーンコーンカーンコーン
予鈴のチャイムがなり、おしゃべりは解散。
なんとかやり過ごしたとホッと一息つくと優也から声をかけられた。
「大丈夫?顔色悪いけど…」
心配そうに顔を覗き込んでくる。
「なんでわかったん!?」
「だって、いつもと様子が違うから、無理せんようにな」
かなり仲のいい友達にもわからなかったのに!
「暖かくしときな」
優しい表情で、自分の着ていた上着をフワッと私の背中に羽織らせてくれた。
「ありがとう」
少し体が楽になった気がした。
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はぁー…
イライラする。
ふざけんなよ、どうして俺だけこんな席離れてんだよ。
優実と暁斗距離近すぎだろ、優実から離れろ!
授業なんて頭に入ってくるわけない。休み時間も授業中もあの二人一緒にいすぎなんだよ!
あ!暁斗のやつ肩に手なんて置きやがった!
優実ももっと嫌そうにしてくれよ…
あいつ俺の気持ちにまだ気づいてないのかな。
暁斗にばっかりにこにこしてないで俺の事見てくれよ…
早く授業終われ!
優実が振り返って俺と目があった。
やっとこっち向いてくれた!
顔がほころばないように気を付けていたら優実がにっこり笑って手をふってくれた。
破壊力が…
つい口角が上がってしまって慌てて目をそらすと視界の端で優実が幸せそうに笑っているのがみれた。
可愛すぎる!!
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夏休みに入って2週間。宿題をひとつもせずにここまで過ごしてしまった…
このままではダメだ!
意気込んで学校の図書室に来たのだが、やる気が出ない。
はぁー。机に突っ伏したが寝てしまうといけないのですぐに顔を上げた。
「うわ!春川?」
「え?先輩!?」
委員会が一緒で憧れの先輩に遭遇出来るなんて!
「春川も勉強?頑張ってるじゃん。ここ座っていい?」
「もちろんです!」
受験生の先輩は平日は夏休みもずっと図書室に来て勉強しているそうだ。
正面に先輩が居るだけでドキドキだ。
「なぁ、春川」
やばい!顔見すぎたかな
「はい。」
「ノートちょっと見して」
「あ、どうぞ」
字が汚かったかな…
「ありがとう」
「いえ、字汚かった…です…か…」
『好きだよ。僕と付き合ってほしい』
バッ!顔をあげると、目の前には顔を背けてるけど耳まで真っ赤な先輩が居る。
返事なんてひとつしかない。
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うちの学校では毎年屋上に近所の神社から頂いた笹を飾り、自由に短冊を吊るしていい決まりになっている。
この時間なら誰もいないはず…
冷やかされこそしないものの友達がいるときに吊るすと内容を見られてしまう。
絶対に見られたくない!
放課後の最終下校時刻ギリギリの今なら誰もいないはず
これでよしと!
「おいおい、もう下校時刻だぞ」
え!この声は…
恐る恐る振り替えると、予想通り佐藤先生がいた。
「今から帰るところです」
夕陽に照らされて先生の顔に影が落ちている。
「ふーん、こんな時間に吊るすなんてどんなお願い書いたんだ?」
いたずらっ子みたいに口角をあげながら近付いてくる。
まずい!ばれてしまう
頭に先生の暖かい大きな手が優しく触れる。
毛先をいじりながら
「俺にぐらい教えてくれてもいいんじゃない?」
私の気持ちを知ったうえで言ってくる。
こんなのズルい!
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「あいつ!よりによって…」
今回は守れそうにない。そう感じた。
一----------------------
「何よこんなとこに呼び出して」
「お前さ、今日仁科のことばっか見てただろ。」
仁科というのは私達の担任の名前だ。
「先生つけなよ。別に見てたっていいでしょ!」
「あいつが好きなのかよ」
少し苛立っているような口調だ。
「だったら何?別に関係ないでしょ」
頭をガリガリとかいて、複雑な表情をしている。
「はぁー」
わざとらしくため息をつかれた。
「あのな、あいつは今までに何回か女子生徒とトラブル起こしてんだよ!んなことも知らねぇのかよ」
「そんなの聞いたことないわよ!」
つい、強気に返してしまう。
一瞬困ったような顔をしたかと思った瞬間。
フワッと抱き締められ、
耳元でいつもと少し違う柔らかい口調で
「俺にしとけよ。ずっと守ってやるからさ。」
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「今回の授業は動画を見てその感想を書いてもらう。」
そう言われて始まった動画はつまらないものだった。
マジメに見ていると横から寝息が聞こえてくる。
うそ!寝てるし…
とりあえずペンでつついてみる。なかなか起きないので、「起きなよ。先生こっち見てるよ。お~い」
とりあえず声をかける。
すると、眠たそうにこちらを見上げて
「もっとはやく起こしてよ」
と、文句を言われた…
ありえない!文句を言うなんてと怒ってしまう。
「寝てるなんて、もったいないじゃん。せっかくしゃべれるチャンスなのに。見てみ?先生寝てるし(笑)」
サボりたいだけか。一瞬ドキッとししちゃったじゃん。
「あんなの見てないでさ、俺のことだけ見ててよ。」
不適に笑う彼の笑顔がとても魅力的で勘違いしてしまいそう!
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きゅんができる!
本当に解除しますか?