ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「あぁ…お腹痛い」
    「大丈夫?弁当やめとく?」
    「…うん」

    頷いた瞬間

    『あ、俺が食べてあげるー』
    『僕も』
    『は?俺だろ』

    どうやら、みんな、お弁当が食べたいみたいで…

    「えっと……みんなで食べる?」

    『『いいの!?』』
    『あーんしてよ』

    「えっ………いいけど」

    できるかな?

    「あーん」

    …パクっ
    え?……八千代くん?
    な、なんか、腕掴まれてる?

    「あ、の……みんな、食べれないよ?」
    「俺だけでいいじゃん」
    「えっ」
    「俺に全部食べさせてよ」

    …確か、八千代くんは学校の人気者だっけ?
    私、話すの、初めてだ。

    「そんなにお腹減ってるの?」
    「ぷっ…ははっ…うん、ついでに栗花さんも欲しいな」
    「はい!?」
    「俺と付き合って?」
    「っ…」

    八千代くんは綺麗な顔で微笑み迫る。

    「俺がいなきゃダメになるくらい、溺れさせる自信、あるよ?」

    きゅん

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  3. たった今、最愛の人が息を引き取った。

    とても長い間、一緒に歩んできた人。

    日に日に弱っていく体、余命宣告。

    覚悟していたはずなのに、泣き叫ぶ私。

    何の声も、慰めも、聞こえなかった。

    亡骸と二人になり、白い顔を見つめる。


    怖いよ。
    なんでピクリとも動かないの?
    私を置いて逝かないで。

    冷たすぎる手を握っても、あなたはもう、握り返してはくれなくて。

    ポロポロと、涙がこぼれた。

    私、まだ、あなたとやりたいことが沢山あったの。

    あなたに伝えたい愛が沢山あったの。


    だからね、
    生まれ変わったらさ、
    この抱えきれない想い、取りに来てよ。

    私、医者になりたいんだ。

    立派な医者になって、来世ではあなたを救ってみせる。


    そしたらさ、またウザいくらい、くっついて回るから

    ずっと隣にいさせてよ。

    きゅん

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  4. 「うぁ…ッ…」
    階段でつまずいてしまい、咄嗟に目を瞑る。

    痛みが走ると思ったのに…
    「か、会長!?」

    「派手な転び方だね」
    会長が手を掴んでくれたおかげで無傷で済んだ。

    「ホッ……ありがとうござ…!っああ!?」
    まさかまさかで離される手。

    ええー!?Σ(Д゚;/)/
    やばい!転ぶ!
    と、思ったら

    「ふっはははっ」
    今度は、前から私を抱き支える会長。

    「危ないじゃないですか!?」
    大笑いしている会長をキッと睨みつける。

    なんてことするんだっ…

    「大丈夫、何があっても俺が受け止めるから」

    自信満々で言い切る会長は全く反省していなくて。

    それどころか
    「頼りになる彼氏でしょ?」
    なんて、私をドキッとさせるから

    結局、会長には振り回されっぱなし

    きゅん

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  5. 【チャラ男の初恋 シリーズ2】


    授業中、なぜか、ずっと視線を感じて…
    ちらっと横を向くと、ニコッと笑うチャラ男。
    …うん、無視しよう

    「ふぅー」
    授業終わった……けどっ
    「さすがに見すぎ!嫌がらせ!?」
    「えっ、俺、そんなに見てた?」
    なんて、キョトンとするから

    「なんなのっ…」
    「可愛い子は見つめる主義なんだよね~」
    「あー、そうですかっ」
    「いや、ほんとだよ?なんてったって、俺の初恋だからさ」
    「はあ!?……冗談でしょ?」
    「全然」
    突然真顔になるから、言葉に詰まる。

    「俺、まずは名前呼んでもらえるように尽力するから」
    「いや、呼ばないから」
    「そんで、惚れさせる!」
    「飛躍しすぎ!」
    「マジで本気で落とすから」
    「や、やめてよっ」

    無駄に顔だけいいチャラ男の笑顔なんか、破壊力やばいんだから。
    万が一にも好きになっちゃだめ。

    だから、お願い。
    騒ぐな、心臓。

    きゅん

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  6. 「桃華、まだいたのか?」

    後ろからギュッと抱きしめられる。

    「先生っ…だめ、離して」

    「じゃあ、桃華の短冊見せろよ」

    「それもだめ」

    「俺に言えないことなのか?」
    上目遣い、反則。

    《早く大人になりたい》
    仕方なく見せた。

    「堂々と先生の隣にいたい。いっぱい見せつけたい、私の先生だって。……怒る、でしょ?」

    「なんでだよ。すげぇ、嬉しい」
    抱きしめている先生の腕に力がこもる。

    「先生…」

    誰にも秘密の関係は時々、悲しくなる。
    だから、せめて今日は
    「甘えてもいい?」
    七夕だから。

    「だめ」
    そっか…

    「桃華が甘やかしてくれよ」

    「えっ…」

    「口づけ、ちょうだい」

    …ちゅっ

    恥ずかしくて顔を逸らす。

    「まだ、終わってない」
    引き寄せられて今度は先生から。

    「全部、受け止めろよ?」

    寂しさを埋めるように

    星屑の数ほど、あなたとキスを

    きゅん

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  7. 幼なじみの海里に一週間前、彼女ができた。

    二人で肩を並べて歩く姿。
    それを見た時、痛んだ胸が、私に教えてくれた。

    幼なじみ以上の存在だったと、今頃気づくなんて…


    友達と惚気てる海里。

    聞いてられなくて私は席を立った。

    教室を出ようとすると、海里がドアに手をやり
    「とおせんぼ」

    「…何?」

    「最近、顔暗いけど、どした?」

    「何もないよ」

    「悩みあったら一番に俺に言えよ、飛んでくからさ」

    頭をふわりと撫でられる。

    嘘つき。彼女の方に飛んでくくせに。

    あんたのことなのに、どうやって相談すんのよ。

    私の変化になんて、気づかないでよ。むかつく。


    止められない胸の鼓動。

    未だに嫌いになれない海里の背中にそっと呟いた。

    「…バカ」

    彼女がいるのに、ときめかせないで。

    きゅん

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  8. 「…っさむ」
    冷えるなぁ、今日は

    _ボサッ
    「やる」

    ブレザーを投げてよこすのが、透なりの優しさだと理解できるのは、きっと私だけ。

    こんな荒っぽい男に惚れてるなんて。

    「クリスマスに抱きしめてくれる恋人もいないのか、お前は」

    「ほっといて」
    そうだ、今日クリスマスじゃん。

    「俺がなってやろうか?恋人に」
    「へぇ、いいの?」

    「…俺、本気なんだけど」
    「へー」
    冗談好きのくせに。

    …!?
    ガシッと掴まれて強引に重なる唇。

    「…これでわかったか?」

    「っ///…」
    もうっ、キスも乱暴なんだからっ…

    「今度はブレザーじゃなくて、透の胸、貸してよね」

    「遠回しな返事に気づけるのは、俺だけだな」

    透がニヤッと笑う。
    胸が高鳴りだす。

    「お…莉歩、見ろよ、雪」

    「!……」

    今は雪に集中してあげる。

    私を初めて呼び捨てにして、真っ赤になっている透に気づかない振りをして。

    きゅん

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  9. 最近、気に食わない奴がいる
    百瀬亮太、どうやら、俺の幼なじみの帆波のことが好きらしい

    まぁ、負けねぇけど?
    俺の方がずっと前から好きだし?

    「今日もカワイイなー」
    「彼氏にしてくんねぇかなー」

    ダメに決まってんだろ、俺が許さねぇ

    サッカー部のマネージャーで、部員よりも人気がある帆波
    本人は全く自覚がない

    「せんぱーい、ファイトです!!」

    そのなかでも特にうるさいのが、後輩の亮太
    どういうわけか、なつかれてずっとあの調子
    帆波もかわいいとか言って面倒見てるし

    「チッ…お前ら、騒ぎすぎ。授業終わったなら、早く散れ」

    「ちょっとっ、そんな言い方ないでしょー。みんな、北斗たちを応援しに来てくれたんだよ?」

    お前を見に来てんだよ

    「あっ、北斗、あと1点だよ。シュート決めちゃえっ」

    はいはい

    「なら、俺だけ見とけよ?」

    お前にカッコいいって思われるのは、俺だけがいい

    きゅん

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  10. 「私は怒ってるの!」
    さっきから笑っている彼氏の黎。

    「体育の授業中なのに、みんな、黎見てたんだよ!?先生の話なんて聞いてないんだからっ」

    黎がモテるのは知っているものの、実際に隣でキャーキャー言われると、たまったもんじゃない。

    「…黎は私のなのに」

    「ふっ…」
    だ、か、ら、
    「にやにやしないでっ」
    何が面白いのよっ

    「しょうがねぇだろ。風花に嫉妬されると、嬉しすぎてニヤけるんだよ」

    「何それっ…、とにかく!…手振ったりとか、ダメだからね?」

    「お前にも?」
    「わ、私には、いいけど…」

    「…お前さ、その可愛さ、どうにかしろよ」
    迫られて、黎と机の間に挟まる私。

    「風花がそんなに俺を求めるなら、俺は、それ以上で返すぞ?」

    どこから、こんな色気出るのっ…

    「あ!」
    適当に指を指して、気を逸らそうとしても無駄で。

    目が合った瞬間、

    怪しく笑う狼に包囲された。

    きゅん

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  11. 「俺を通していつまで兄貴を見てんだよっ…」

    この人に溺れてしまったのは、罪か。
    それは、未だにわからない。

    どうして、こんなにも、苦しいのか。
    それは、狂おしいほどの嫉妬。

    「ごめんね」

    何度、その言葉を聞いただろう。
    ぽっかり空いたまま、埋まることのない心。

    あなたはどうして兄貴なんだ。
    俺はどうしてあなたなんだ。
    こんな恋やめてしまいたいのに、いつだって思い通りにならない感情。

    「ご、めん…ねっ…」

    あぁ、ほら。
    あなたが泣くから胸が締めつけるほど痛い。

    俺の手が涙を拭い、あなたを抱き寄せる。
    また、同じ過ちを繰り返す。
    どうしたってあなたを離せなくて。

    命が尽きるまでそばにいれば、いつか、俺を愛してくれますか。

    きゅん

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  12. 「いや、重いわ。ついてけない」

    聞き飽きた言葉。
    私の性格は面倒くさいらしい。
    顔が好みだと言う男が群がり、誰も中身を見てくれない。
    いつしか、そんなものだと諦めていた。

    「また、ダメだったのか?」
    そう聞いてくるのは、幼稚園からの腐れ縁である祐毅。
    「知らないっ。みんな結局、顔なんだから」
    「そんなことねぇよ。俺はお前、好きだよ」
    「はいはい」
    「なぁ、俺、今、真面目なの」
    「……冗談でしょ?」
    「それくらい、顔見たらわかる仲だろ?」
    祐毅の顔は真剣そのもので。

    「っ…」
    「鈍すぎ」
    「うそ…………私、重いよ?」
    「知ってる。いいじゃん、愛情深いってことだろ?お前以上に愛してやるから、俺にしとけよ」
    「っ…///………くさいセリフ」
    「おい」

    言葉とは裏腹に、私は祐毅の手を握る。
    「素直じゃねぇな、来いよ」
    真っ赤な顔の私に、祐毅は優しくキスをした。

    きゅん

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  13. 私は昨日、大学生の先輩に会いに行った。
    相変わらず忙しそうな先輩に声もかけれず、結局帰ったのだけれど。

    この先が不安。私は邪魔になる。
    どんよりした空を見上げると『別れ』が頭をよぎった。


    ─帰宅中─

    「!…先輩っ…どうしてここに…」

    「メール見たよ、別れよってどういうこと!?あれから連絡もくれないし、電話にも出ない」

    「私は先輩の重荷にはなりたくない」

    「佐奈がいるから頑張れるんだよ。会えないと、寂しいし、辛いけど、俺の未来には佐奈がいてほしい」

    「…せんぱい」

    「ほら、もっと顔見せて?」

    先輩が私の頬を優しく撫でる。

    っ…そっか…

    私も先輩の顔が見たかった。
    すぐそばで声が聞きたかった。
    寂しかった。

    なにより、
    先輩に会いたかったんだ。

    今までの想いがブワッと湧き上がる。

    居ても立ってもいられなくて、大好き人を思いのまま、抱きしめた。

    きゅん

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  14. 嫌いだと告げた瞬間、歪んだ彼の顔が忘れられない。

    きっと、私を恨んでいるだろう。
    自分から突き放したのに、心を占領するのは彼のことばかりだ。

    ーガラッ

    「ばか野郎ッッ」
    ものすごい剣幕で乗り込んできたのは

    「っ…晃樹…」
    待って、どうして…

    「なんで黙ってた!?」
    だめ、堪えて、私。

    「なんの、こと?」
    「病気っ…なんだろ?」
    お願い、涙なんて上がってこないで。

    「もうあなたには関係ない」

    「ふざけんなよっ……俺が…どれほどっ……心配…したか…っ」
    震える腕に包まれ、肩が濡れる。

    「………なんで、晃樹が泣くのよっ…」
    繕っていたものが崩れていく。

    「私っ…治らないかもしれないんだよ?」

    「だったら尚更、俺のそばにいろ。嫌だっつっても離してやらないからな」

    本当はこうして抱きしめてほしかった。

    望むのはあなたとの時間。

    神様、どうか、私を連れて行かないで。

    きゅん

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  15. 「フッフッフッフッ…」
    「…なに?」
    「ズバリ!私に何か隠し事がありますな?」
    「…ないよ」
    「あ、今、間があった!」
    「……はぁー、サプライズのつもりだったのに」
    「えっ?」

    響が鞄から取り出したのは、ブレスレット。

    「欲しいって言ってただろ」
    「言った!言ったけどっ」
    「バイトしてたの。ちなみに、お揃いだけど」

    このためにバイトを!?

    「嬉しい……わ、私っ…何かお返しを」
    「いいよ、そんなの」

    どうしよ、もらってばっかはダメ。
    悩んだ末…

    …ちゅ

    「ありがとう」

    固まる響。

    「お、お返しのつもりだけど、ならないかー……あははは」

    恥ずかしい…

    「…ならない」
    「うっ…そうだよね」

    _グイッ
    ところが、響に押されて石垣に背中がピタリ。

    「一回じゃだめ」
    「っ……響っ…ここ、明るくないかな?」

    私達は街灯の下で

    「うん、美月の可愛い顔、いっぱい見れるね?」

    きゅん

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  16. 俺が片思いしていた先生が結婚する。
    相手は同じ学校の教師で。

    先生が受け取った赤いバラの花束。
    もちろん、そこに込められた想いは “愛”

    「「おめでとう!!」」

    目を逸らしたくなる光景に、俺はちゃんと笑えているだろうか。

    ピアノを弾くことになっている俺に
    「じゃあ、代表でなんか一言」
    クラスのやつからの無茶振り。

    微笑み合う二人に胸を痛める俺が、祝福の言葉なんて、滑稽だ。
    それでも、これしか思い浮かばない。

    「幸せに、なってください」

    流れるように出た言葉は、本心か、嘘か。
    俺にもわからなくて。

    頭をよぎったのは、最後まで先生に渡せなかったペンステモンの花。

    きっと部屋の隅で寂しく枯れていくだろうその花言葉は

    “あなたに見とれています”

    俺は、不器用すぎた初恋を散らすように
    祝福のメロディーをかき鳴らした。

    きゅん

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  17. 【俺様な先輩と姫 シリーズ2】

    「へへっ…逆チョコってやつ、もらっちゃいました!」
    悪びれもせず、彼氏の俺の前でデレデレしているのは、後輩の姫。

    「食うな」
    他の男からなんて、許さない。

    「えー、せっかく作ってくれたのにっ」
    「…俺を怒らせたいか?」

    「先輩、もしかして嫉妬しちゃってます?」
    挑発するんだな?
    「あっそ…帰る」
    「ちょ、私のチョコいらないんですか!?…愛情込めて作ったのに」
    なんて、ぷくっと顔を膨らませるから

    「先に、お前、食わせろ」
    抑えきれず、唇を奪う。

    「せ…んぱいっ…」
    姫のこんな顔、誰にも知られたくない。
    くそ。誰にチョコもらったんだよ…
    「どんどんモテやがって、…ムカつく」

    姫に出会って初めて知った。
    俺って独占欲、強いんだな…

    「お前の可愛さは俺のもの。
    お前の愛も俺のものだ。
    忘れんなよ?」

    きゅん

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  18. 「お、まだいたのか」
    「はい」

    遅くまでいたら、見回りしてる先生に会えるから。

    「もしかして、俺を待ってたり?」
    ドキッ

    「そ、そんなわけないでしょっ」
    「うわ、敬語なくなってんぞ」
    あ、ほんとだ

    「お前ってクールって言われてるけど、意外と百面相だよな」
    先生の前だとそうなるんですー。

    はぁ、やっぱカッコいいなぁ…
    目の前の顔に見とれてしまう。

    「お前に見つめられるとドキドキすんだけど」
    「えっ…」

    「お前、人気あんの、知ってる?」
    「ないですよ!」

    「あるよ、俺の予想だけど」
    「はい!?」

    「麗菜、可愛いから」

    褒めたり、呼び捨てしたり、

    きっと先生はいじってるだけ。

    でも、私には世界一嬉しい言葉だらけ。

    きゅん

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  19. 中学の時、初めて出場したバスケの試合で惨敗した。
    悔し涙を流した俺にみんなが言う。

    『ダッさ』
    『男のくせに女々しいんだよ』

    その頃から感情を隠すようになった。
    高校では通称、チャラ男になり。
    そして今、バスケ、インターハイ、予選敗退。
    感情を抑えるのは上手くなったはずなのに、ひとりになった途端、涙がつたう。

    _バサッ
    「あ…」

    「見んなよっ…」
    まだ人がいたことに驚き、思わず怒鳴ってしまう。
    あー、最悪…

    「泣けたんだ」
    「は?」
    「いつもの胡散臭い笑顔より、涙の方が綺麗じゃん」
    「っ…」

    笑ってないと俺じゃない。
    いつだってそう言われてきたのに。

    「どうぞ」
    頭に乗せられたのは、レモン飴。
    「一生懸命な人、好きだからあげる」

    ドクンっ…
    胸に落ちたのは、ときめき。

    「…ははっ」

    風のように帰っていった彼女が
    俺の頭にいつまでも焼きついていた。

    きゅん

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  20. 同僚の教師たちが俺の悪口を言っていた。
    まぁ、よくあることだが、気分は良くない。

    _コン、コン

    「蛍!?」
    「あ、健ちゃん」

    蛍は生徒だが、昔からの顔なじみで。

    「いやー、箸忘れちゃって………あれ?どうしたの?」

    こういうとこは鋭いよな…

    「ちょっと今、気分悪いんだよ」

    俺は蛍を壁際に追い込み、腰に腕を回して、肩にコツンと頭を乗せた。

    「蛍、慰めて?」
    半分、冗談。半分、本気。

    「…よしよし」

    ……マジ可愛い
    一気に高鳴りだす胸。

    「お前、すごいな」
    「えっ?」
    「俺の癒しだわ」

    自然と笑顔になる。

    「健ちゃんが笑うとカッコ良さ増し増しだね」
    「っ…」

    容易に笑いかけんな
    ドキドキすんだろーが

    「え…何で顔隠すの?」

    「…お前の言葉が刺さったから」

    「えー!?そんなひどいこと言ったかな!?」

    見せられるわけない。
    こんな真っ赤な顔。

    きゅん

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  21. 「麗」

    優しい声に気まずさを感じる。
    ごまかすように笑って振り向いた。

    「俺さ…」
    雰囲気で察する。

    「麗のこと好きなんだ、女として」

    見て見ぬふりをしてきた淳平の私への想い。
    関係が崩れるのを怯えていた。
    だって私の幼なじみであり、一番の親友。

    「…ごめん」
    でも、嘘はつけない。

    淳平の顔が曇る。
    ほらね。もう友達ですらいられない。

    「俺、諦めないよ」
    顔を上げた先には力強い目。

    あぁ、そっか。私だけだったんだ。
    覚悟ができてないのは。

    「俺のこと、男として意識させてみせる」

    頬を赤く染める淳平は、もう、小さい頃、私と一緒にはしゃいでた子どもではなくて。

    私だってしっかり向き合わなきゃ

    「いつの間にそんなカッコ良くなったの…」

    あなたの本気を認めた瞬間、心が小さくさざ波をたてた。

    もう、幼なじみじゃいられない

    きゅん

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