ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 『さようなら、先輩』

    今でも後悔してる。
    どうしてあの時、私から手を離してしまったんだろうって。

    遠距離恋愛なんて向いてない。
    そう諦めた私は、恋人だった先輩に別れを告げた。

    あれから2年も経ったのに、すれ違う人に先輩の面影を探していて。

    こんなに消えない想いなら、もっと大事にすれば良かった。


    「夏菜」

    ほら、また幻聴が聞こえる。

    とんとん…

    「…え?」

    肩を叩く懐かしい匂いに振り返った。

    「久しぶり」

    「せ、んぱい…」

    信じられない。夢でも見てるの?

    「俺、こっちに戻ってきたんだ。なんでだと思う?」

    どうやら、本当に先輩のようで。

    「夏菜に会いたかったからだよ」

    「っ、」

    あぁ…嘘みたい。

    目の前が霞む。

    少し伸びた髪が風になびいて、先輩が笑った。

    「ずっと忘れられなかった。
    今でも好きだよ、夏菜」

    ───2年越しの再会で抱きしめ合った。

    きゅん

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  3. 〖俺、明日、帰国するわ〗

    幼なじみの彰利から届いたメールに目を瞑る。

    今でも覚えてる。
    私が最低になった、あの日のことを。


    彰利が好きだった。他の誰よりも。

    でもね、まさか私の親友を好きになるなんて思わなかったんだよ。

    悔しくて、辛くて、親友に嘘をついた。

    私と彰利は付き合うことになった、と。
    だからもう、彰利には会わないでほしい、と。

    ひどいことをしたと後悔していた。

    あの2人が両思いだと認めたくなくて。
    私が引き裂いてバラバラにしてしまった。

    だから、今日、償うんだ。

    2人の想いが消えていないことは、わかってる。

    「ほら、行きなよ」

    全てを話して親友の背中を押した。

    空港で再会する2人。
    どちらからともなく駆け寄る。

    大好きだった彰利の目には、親友しか映っていない。

    …幸せになってよ。
    私もいつか、素敵な人に出会ってみせるから。

    初めての失恋に涙した。

    きゅん

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  4. 「えー、今日からお世話になる新任の先生を紹介します。塩谷先生、どうぞ」

    呼ばれた名字に、ドクンッと心臓が跳ねた。

    まさか…と身構える。

    「初めまして、塩谷和人といいます。今日からよろしくお願いします」

    そこにいたのは、幼い頃、近所に住んでいた初恋の和くんだった。

    引っ越してからは会っていない。
    年の差ゆえに告白できなかった。


    ホームルームが終わり、休憩時間。

    「浅海、ちょっと手伝ってくれるか?」

    「っ……はい」

    先生と2人、教室を出る。

    すると、途端に腕を引かれ、人気のない家庭科室に連れ込まれた。

    「せんせっ」

    ギュッと柔らかな香りに包まれる。

    「会いたかった…」

    「…な、……私のこと、覚えてるの?」

    「忘れるわけない。俺の、初恋だ」

    頬を撫でる指先に心音が上がって。
    少し危険な春の匂いが私を誘う。

    「覚悟しろ。誰にも渡さねぇ、俺のものにするからな」

    きゅん

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  5. 「はぁーあ…」

    誕生日なのに、どっとため息が出る。

    原因はひとつ。

    〖わりぃ、行けそうにねぇわ〗

    短文で届いたそっけないメールは、私の気分を落とすのには十分だった。

    彼氏と遠距離恋愛中の私。

    朝からオシャレまでして待っていたけど、来ないとわかったのだから意味がない。

    ヤケになった私は、コンビニでお菓子とジュースを買って家に帰ることにした。

    「はぁ…」

    何度目かのため息を吐いた時、

    「暗い顔してんな」

    「えっ」

    聞き覚えのある声に振り向けば、ずっと会いたかった亮が立っていて。

    「な、んで…」

    「サプライズ」

    大成功、なんて笑ってる亮に、涙が込み上げてきた。

    「っばか……来ないと思った…」

    「来るに決まってんだろ、どんだけ会いたかったと思ってんだ」

    「亮…」

    「今日だけは離さねぇからな」

    ギュッと手が握られる。
    それを握り返した。

    私だって、離さない。

    きゅん

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  6. 「ねぇ、誕生日に手袋欲しいって話してたよね?」

    「は? 別にいらねぇ」

    嘘だ。

    陸が友達と、手が冷たいって話してたの、知ってるんだから。

    「私が買ってあげようか?」

    「お前からは、いい」

    え?

    「どうして?」

    聞き返すと、クイッと手を引かれた。

    「お前といる時は、手袋より、手繋いでたいから」

    大きな手に包まれる。

    顔が、かあっと火照っていく。

    「お前は? 手袋欲しいの?」

    ニヤリと笑う顔に、フルフルと首を振った。

    「…私も、いらない」

    重ね合う手は、お互い冷たいまま。

    でも、心は、温もりで満ちていた。

    きゅん

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  7. 「なに、やってんだよ」

    無気力な声に振り向けば、私の担任こと健ちゃんがいて。健ちゃんとは昔からの顔なじみ。

    「雪遊びだよ」

    「早く帰れ」

    「えー、せっかくこんな雪あるのに、もったいないじゃん」

    「…寒くねぇのかよ」

    「ふふ、へーき」

    えいっと健ちゃんに、悪ふざけで雪玉を投げてみる。

    「つっ…めて………おい」

    やったな、と笑った健ちゃんに仕返しされて。

    「…ぼふっ……」

    「なっ…」

    真正面から雪玉を食らってしまう。

    「何してんだ、避けろよ」

    ほんと、何してんの、私。

    駆け寄ってきた健ちゃんが顔についた雪を払ってくれる。

    「風邪ひいたらどうすんだ、バカ」

    視界がクリアになって、健ちゃんが顔を覗かす。

    ドクンッ…と高鳴った胸を

    「…ひかないもん」

    強がりで隠した。

    「…怒ったか?」

    怒ってない。

    ただ、触れられたほっぺが、どうしようもなく熱いだけ。

    きゅん

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  8. 「待ってよ、るな」

    聞こえない。

    ひどいよ。

    私と約束してたのに、女の子と抱き合ってるなんて。

    「るな」

    追いつかれてしまった。

    「もうっ……先輩のこと好きなのやめる」

    チャラいし、タラシだし、誠実じゃないし。

    いいとこなんて、ひとつもない。

    「あの子とは別れ話してたんだよ」

    「嘘だ、抱き合ってたもん…」

    「最後にハグしたいって言うから、仕方なく」

    「変なとこで優しいから、女の子が先輩の虜になっちゃうんだよ!」

    優しくしないで、私以外に。

    「うん、ごめん。で、るなは、俺の虜になるの、やめるの?」

    「っ、やめるよ」

    「嘘だ、泣き虫」

    「先輩のせいじゃん!」

    「うん、だから、おいで?」

    憎たらしい先輩の胸に包まれた。

    「チャラ男は卒業する」

    「卒業?」

    「ん。本気で好きになっちゃったから、もう、るなだけ」

    ズルい。悔しい。でも。

    「好き」

    きゅん

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  9. 「風花っ、…」

    「ふふ、黎、来てくれたんだ」

    ふにゃっと力なく笑う私。

    「なに笑ってんだよ、熱は」

    眉を寄せて黎がおでこを触ってくる。

    「なんで言わなかった?」

    「心配かけたくなくて」

    「っざっけんな…」

    荒っぽい腕に抱きしめられた。

    「そういうのはちゃんと言えよ、バカが」

    「……う、くるし、、ごめん」

    「ダメだ」

    「え?」

    「俺だって風邪ひいても風花には言ってやんねぇから」

    「そんな…っあ」

    問答無用で唇を奪われて。
    ヒリヒリ、と熱が増す。

    「や、黎っ……うつ、る」

    「移してみろよ、望むところだ」

    怒ってる、すごく。

    「ごめんなさい。次からは言うから許して」

    「っ…わかった」

    うなずいた後で、さらに降ってくるキス。

    「んっ……わかったって、言ったじゃん!」

    「今のは違ぇよ。とろんとした、お前が可愛すぎるからだ」

    余裕のない熱に、溶かされた。

    きゅん

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  10. 放課後、図書室で内緒で付き合っている保健医の先生を待っていると、

    「雪、お待たせ」
    「!」

    ほんのり甘い匂いに包まれた。
    後ろから腕を回され、びっくりする。

    「…あれ? なんか熱い」

    ギクッ

    「な、なんのこと?」

    朝から風邪気味なのに学校に来たなんて言えない。

    「雪、風邪ひいたでしょ?」

    フルフルと首を振って全否定する私。

    「へぇ?__」
    「んぅっ…!?」

    妖しげに笑った先生が私の唇をむさぼる。

    「せ、んせっ…」
    「ほら、いつもより熱い」

    角ばった指先が頬に触れて。

    「ほっぺも……唇も」
    「っ…」
    「具合悪いのに、学校来ちゃダメでしょ?」
    「だって、、先生に会いたかったんだもんっ」
    「っ、まーたそうやって可愛いこと言う」
    「先生」
    「風邪ひいても一生看病してやるから、ちゃんと俺に言って」

    しょうがないな、と頭を撫でられた。

    叶うなら、一生、先生の隣にいたい。

    きゅん

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  11. 「知らねぇよ」

    ペアルックしようと言ったのに、どうでもよさそうな陸に腹が立って

    「もうっ、いいよ」

    結局、仲直りできず


    ……陸なんか嫌いだ

    誕生日なのに、風邪ひいちゃうし、最悪
    メールだって無視してやるんだから

    ベッドに潜り込んだ時、ガチャッと部屋のドアが開いた

    「苺花っ……おま」

    「な」

    「なんでメール返さねぇんだよ」

    お母さんめ、勝手に部屋に上げるなんて

    「風邪ひいたんだって?」

    「…知らない」

    「苺花」

    「ふん」

    ふいっと顔を逸らすと、フワッと新品の香りに包まれた

    え……

    「マフラー…?」

    これ、確か、陸と色違いのやつ

    「ペアルックじゃなぇけどペアマフラーってことで…………許せ」

    「陸…」

    チュッと熱いほっぺに、ひんやり唇の感触がした。

    「誕生日おめでとう、心配だから今日は俺が看病してやる」

    陸に抱きついた

    やっぱり大好き

    きゅん

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  12. 風邪をひいた時、

    『大丈夫か!?』

    瞳を大きく開いて心配してくれたあなたに、恋に落ちた。

    初めてときめいて。
    初めて胸がグッとなった。

    だけど、あなたには恋人がいた。

    「ゆーな、風邪ひいた?」

    恋人のおでこに手を当て、心配そうに覗き込むあなた。

    見てられなくなった私は目を逸らす。

    風邪をひいた彼女が羨ましい。
    あなたに触れてもらえる彼女が羨ましい。

    「…コホンッ」

    わざと空咳を出した。

    あなたは振り向かない。

    彼女には勝てない。

    優しく彼女の頭を撫でるあなたの横顔は、切ないくらいに眩しかった。

    きゅん

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  13. うぅ、…喉痛い。
    でも、頑張んなんきゃ。

    風邪をひいたらしい私は、目の前で生徒会の仕事をしている会長を見つめる。

    会長、真面目にやってるんだし、1人でやらせるわけにはいかないもん。

    よしっ。

    気合いを入れて机に向かうも。

    「ゴホッ…ゴホッ…」
    「…どうした? 風邪?」
    「うぇ!? や、やだな、風邪なんてまさか」

    怪しげに細まった瞳が、一気に私に近づく。

    瞬間、コツンと、おでこが合わさった。

    「っ、…」
    「あるじゃん、熱」
    「か、か、会長っ…」

    近いよ。

    離れようとするも、体を引き寄せられて、どうにもならない。

    「正直に言わないと、お仕置きだよ?」
    「風邪です! 風邪ひきました!」

    白状する私。

    「それでよろしい。でも、もう遅い」
    「へ?」

    「俺と一緒に風邪ひこっか?」

    火照る顔を冷たい指がなぞっていく。

    イジワルな会長には、きっと逆らえない。

    きゅん

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  14. 「先輩っ、……」

    心配でたまらなくて、保健室にいるという先輩のもとへ駆けつけた。

    「な、んで、いんの?」

    「先輩のクラスに行ったら、風邪ひいたみたいだって言われて……大丈夫なんですか?」

    「平気、すぐ治るよ」

    平気そうな顔には見えないし。
    汗だってすごい。

    「先輩っ」

    辛そうな先輩に胸が痛くなって、私は思わず抱きつく。

    「ちょっ…」

    「私、どうしたらいいですか? なんか、できることないですか?」

    先輩を苦しめる風邪なんて、飛んでいけばいいのに。

    「顔近づけないで、移るでしょ」

    ペシッとおでこを小突かれた。

    「じゃあ顔じゃなくて、体くっつけますね」

    「はあ?」

    あまり強くならないように、背中をよしよしする。

    「あのさ、知らないよ?」

    「え?」

    真っ赤な先輩が顔を逸らす。

    「そんな可愛いことしてくるんなら、治したくないんだけど」

    きゅん

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  15. 「ふぇっ…くしゅん」

    あれ、風邪かな?

    寒気もするし、ボーッとするし。

    「授業始めるぞー、席つけ」

    やばいやばい、先生に言うタイミング逃しちゃった。

    次でいっか。この時間は頑張ろう。


    ……待って、ヤバいかも。

    授業が始まってから、まだ10分。

    意識がもうろうとする隣で、ガタッと音がした。

    ふわっと温もりに包まれる。

    「…春樹」

    見ると、幼なじみの春樹がブレザーをかけてくれていて。

    「先生、ちょっと保健室連れてきます」

    「えっ」

    ひょいっとお姫様抱っこされて私の体が浮く。

    「「きゃ~!!」」

    「ちょっ、春樹、大丈夫だから」

    「んなわけないでしょ」

    有無を言わせず歩きだす春樹。

    「本当に」

    「心配してんだよ、バカ、気づけ」

    「うっ……ありがとう」

    「早く治さないと、許さないよ?」

    「ん」

    運んでくれた春樹の手はあったかかった。

    きゅん

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  16. 「……何してんの、お前」
    「来ちゃった!」

    教師の健ちゃんと生徒の私は、昔からの顔なじみ。
    家も近いし、今日は、体調を崩したという健ちゃんのお見舞いに来ている。念のため、マスクをして。

    「なんか、食べた?」
    「食欲ねぇ」
    「だと思ったよ、お母さんがお粥作ってくれたの、持ってきたから」
    「マジか。お礼言っといて」

    健ちゃん、だるそうだな。
    てくてく歩いて、そばに行く。

    「…なんだよ」
    「失礼します」

    手の甲を健ちゃんのおでこに当ててみた。

    「ん~……熱あるね」
    「……お前、マスク絶対外すなよ?」
    「へ? なんで?」
    「熱で頭がおかしくなってる俺に、お前が顔近づけたらどうなるか、わかんねぇ?」
    「……あ、私に風邪移るよね」

    優しいなぁ、健ちゃん。

    「そうじゃなくて、理性きかなくなるんだよ、バカ」
    「え?」
    「…なんでもねぇ」

    いつもより真っ赤な健ちゃんは、なんだか可愛かった。

    きゅん

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  17. 「陸! ねぇ、陸ってば!」

    最近、全然目を合わせようとしない陸を、今日こそはと思い、問いつめる。

    「なんでそんなに、そっけないの? 私、何かした?」

    「成河と話してたんじゃねぇの?」

    「え、もう話し終わったけど?」

    「最近、仲良いよな」

    あれ? もしかすると、これは…

    「でも、私、陸が一番だよ?」

    こっちを向いてほしくて引っ張ると、とても不機嫌そうな顔で目を逸らされて。

    「っ、やっぱり。嫉妬してたの?」

    「してねぇよ」

    否定するくせに、抱きしめてくる陸。
    少し笑うと、挑戦的な瞳に魅せられた。

    「ほんとは、狂いそうなくらい妬いてた」

    「っ……陸」

    「だから、キスして、俺を安心させろ」

    「な」

    「最近、頭の中、お前のことばっかで困ってんだよ」

    荒々しく奪われる唇。

    「んな可愛い顔して……知らねぇぞ?」

    「いいよ」

    息もできないくらい
    あなたに溺れたい。

    きゅん

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  18. 「ボール投げ手伝ってくれて、ありがとな。助かったよ」

    そう言って、先輩が私の頭を撫でていた時、

    「やめてくれます? 俺のなんで」

    ぐいっと手を引かれ、肩を抱き寄せられた私は、視線を上げた。

    「神地くんっ……」

    怒った神地くんに連れられ、まだ部活中だというのに体育館倉庫へ。

    「だめだよ、まだ部活が、」

    「どうでもいい」

    撫でられた頬が真っ赤に染まる。

    「いつも、先輩に触らせてんの?」

    「さ、さわ……あれは! お疲れ様って意味で」

    「バカなの?」

    目を細めた神地くんに顎をすくわれ、チュッとキスを落とされた。

    「男はこういう意図があって、触ってんの」

    「/// 誰か来ちゃうよっ」

    「うわ、余裕だね?」

    「ち、ちが」

    繊細な指先が私に触れて

    「たっぷりイジめるまで離してやんない」

    意地悪な唇に溶かされた。

    きゅん

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  19. 「補習始めるぞー」

    大量のプリントを持つ先生の前には、生徒が2人。

    「めんどくせー」

    「黎、行儀悪い」

    私の彼氏、黎はテストの点数がヤバいため。
    対して、私は、テスト当日、休んでしまったため。

    こうして、2人で補習を受けることになった。

    「っ…」

    からめとられる手。

    くっついた机の下で、黎が私を構いだす。

    「ちょっと…だめ、」

    「なんでだよ」

    「見られちゃうよ」


    「こら! 何してんだ、コソコソと」

    ほらね。

    どうにか黎の手を離し、プリントに集中する。

    「少し席を外すが、ちゃんとやれよ」と、先生が教室を出ていけば、

    たちまち、伸びてくる腕。

    「あー、限界」

    シャーペンを持っていた手ごと引き寄せられて、強引に唇が重なった。

    「れ、黎……勉強しなきゃ…」

    「やだね」

    私を膝に乗せ、悪い顔をする黎がニヤッと笑った。

    「甘さ足りねぇから、唇もらうぞ」

    きゅん

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  20. 「別れてあげるよ、バイバイ、理紗」

    束縛彼氏。
    嫉妬深い彼氏。

    みんながいる前で、堂々とキスをしてきた冬くんに、思わず言ってしまった言葉。

    「こういうの、やだよっ…」

    悲しそうな顔をした冬くんに、今日こそ謝ろうと思っていたのに、突然、別れを告げられた。

    なんで?
    どうして?

    私のこと、嫌いになったの?

    咄嗟に声が出なかった私を置いて、冬くんは去っていった。



    放課後。
    下駄箱前で待ち伏せ。

    「……何か用?」

    冷めた声に悲しくなり、冬くんの頬を両手で挟んだ。

    「冬くん、ごめん。私、別れたくないよ?」
    「なんで? 俺みたいな重い彼氏、いない方がいいよ」
    「でも、それが好きなの。冬くんが、大好きなの」

    精一杯、想いを伝える。

    「あーあ、もう逃げらんないよ?」

    一瞬の間の後、チュッとキスが舞い降りた。
    そのまま何度もキスをする。

    やっぱり、甘々な彼が好き。

    きゅん

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  21. 放課後の暗い音楽室にいると、他の場所とは違う空気を吸っているような錯覚がして。

    窓際。
    カーテンの近く。

    「せ、ん……ぱい」

    唇を重ねる俺と先輩の影が揺れ動く。

    俺の心臓は熱を帯びてドクドク音を鳴らすけれど、先輩の瞳は俺なんか映していなくて。

    今日も胸が締めつけられる。

    「俺を見てよ」

    先輩が好きなのは、俺じゃない。

    相手は既婚者。

    だから、弱っていた先輩に俺がつけこんだ。
    利用していい、と。

    先輩を泣かせたくなくて。

    でも、もう後戻りはできないほど、この人に溺れていた。

    「先輩、ここ、好きでしょ?」

    くすぐるように、耳に息をかける。

    ビクッと反応した先輩に、理性がグラついて。

    「超可愛い」

    「あ、き」

    俺の名前を呼ぶなんて、反則だ。

    「先輩の全てが好きだよ」

    俺を見てくれる日まで。
    いや、見てくれなくても、諦めない。

    だって、先輩しか見えないんだ。

    きゅん

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