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  2. 「?学校は閉鎖中だし」
    「用務員のお兄さん」

    美友は玄関に上履を置き忘れたので取りに来たと話した。

    「春休中に洗いたいんです」
    「じゃ、俺が取ってくるよ」

    彼は持って来たが手紙が入っていた。
    この恋文に困る美友に彼は機嫌悪くした。

    「まあ、好きな男を選べば?」
    「え」
    「俺に遠慮するなよ。別に何人でもいいじゃないか」
    「用務員さんは本気でそう言ってるの……」

    涙目の美友は、顔を背けた。

    「わかりました。誰かと交際します」
    「俺はそこまでは」
    「いいんです。さようなら」

    そんな彼女の後ろ手を彼は掴んだ。

    「待てよ」
    「離して」
    「いいや。離さない。ごめんな。やきもち焼いて」

    彼は彼女を抱きしめていた。

    「泣くなよ」
    「泣いてない。これは花粉症」
    「うるさい」

    彼は彼女の涙にキスをした。

    「許して。な」
    「じゃ、アイス」
    「オッケ!」

    二人は手を繋ぎ歩いて行った。

    きゅん

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  3. 「眠…」
    「青麦先輩」
    「帰るのか?」

    下校の美友はバスを降りた先輩と駅ビル喫茶店に来た。
    彼は生徒会長として店の調査をすると言いパフェを注文し、待った。

    「お前さ。春の課題は?」
    「はい!今、必死に答えを写し中です」
    「大声出すな?」

    急に怒った彼に美友は悲しくなりパフェを残した。


    「ご馳走様でした」
    「……いいのか?」
    「はい」

    美友は評価をスマホにまとめ出した。

    「ええと。インスタ映え◎」
    「他には?」
    「…初デートには△。お粗末な彼女には×。熟年カップルが◯」

    「おい、お前」

    「優しい先輩に⭕️っと」

    自虐な美友に彼は真剣に向かったが、美友はもう泣いていなかった。

    「青麦先輩。今度は本命さんと来てね」
    「お前」
    「…私先に帰ります」

    美友を青麦は背後から抱き頬にキスをした。


    「え。あの」
    「俺が好きなのお前だし」

    今朝も温度は急上昇だった。

    きゅん

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  4. 「何やってんだよ」
    「……学校早く終わったから」

    どこかに行きたいと美友は疾風を見上げた。

    「でも店はコロナで自粛だぞ」
    「そうか、じゃ。帰る」

    寂しそうな彼女に疾風は腕を引いた。

    「行くか」
    「どこに?」
    「いいから」

    疾風は歩いて近所の公園にやってきた。


    「うわ?桜が綺麗……」


    桜吹雪の中で嬉し顔の美友を見た彼はベンチに腰掛けた。

    「なあ。美友。俺の事好き?」
    「え」

    突然の話で彼女はびっくりして固まってしまった。
    この顔を見た彼は、慌てて誤魔化した。

    「……っていうのは冗談!」
    「そ、そうなんだ」

    がっかりした美友は自動販売機でアイスを買った。

    「見て!桜味だって」
    「どれ、ガブ!」
    「あ?もう……」

    そんな彼を彼女は見つめていた。

    「これ、好き?」
    「え?」
    「私とアイスどっちが好き?あ」

    彼女の頬にキスをした公園では鶯の声がしていた。

    きゅん

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  5. 『エアラブ放送局です!本日は高等部図書室を紹介します。ゲストは美友先輩です』
    『こんにちは』
    『こんにちは!美友さんは最近何を読みましたか?」
    『私は「野いちご小説」ばかりです』

    こうして放送を終えた二人は本の話を続けた。

    「野いちごのどれ」
    「これよ」
    「『お嬢様と呼ばないで』か」

    二人は椅子に座り美友のスマホをくっつきながら覗き込んでいた。

    「面白い話ですね」
    「でしょう?次のページにして」
    「はい!ねえ。美友先輩。僕にもっと甘えて」
    「いいの?」
    「はい。何でもしてあげたい……何でも言って」

    そんな顔の距離が近い二人の間にさっと本が入った。

    「おい!何してんだよ」
    「疾風君?」
    「……出たな。でも、今は僕とラブラブだもんね〜」
    「離れろ!」

    が、彼は美友から離れなかった。

    「おい。美友!あれ?」
    「…」
    「寝てる?」

    春にうたた寝する美友は今日も男子を悩ませていた。

    きゅん

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  6. 「どう。調子は」
    「あ?海棠先輩」

    美友は春休みに教室に忘れた教科書を取りに忍び込んだと話した。

    「閉鎖してたでしょ?どうやって入ったの」
    「窓。あ?」

    ここに警備員が来たので美友は机の下に隠れた。
    試験バイト中の彼は言い訳をしてくれた。

    「助かった」
    「……あのね。明日はここで英検をするからダメだよ」

    海棠は美友にそう言ったが教科書はなかった。
    そこで彼は日永教師の元に美友を連れて行った。

    「本はあります、が」

    美友の教科書は答え付きなので違反と注意された。

    「いけない子だね」
    「ごめんなさい」
    「しかも忍び込むなんて」
    「そんなに怒るなよ」

    こんな美友に日永は返してくれた。

    「あれ?何か入ってる……クッキー?」
    「私の手作りです」
    「可愛い」

    「さあ美友さん、先生と帰ろうか?教科書は全教科だもんね」
    「はい!ごめんなさい!」
    「はあ?」

    春休みはこれからだった。

    きゅん

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  7. 「調子どう?」
    「海棠先輩、何をしているんですか」
    「えぐるね傷を……」

    彼は好きな子にプレゼントをするため待っていると言った。

    「その子はさ。バレンタインにくれなかったんけど、俺からあげようと思って、でも強引かな?」
    「ううん!強引なくらいがちょうど良いって、え?」

    彼は美友を抱きしめた。

    「好きだよ、美友ちゃん……俺を受け取って」
    「重くて無理です」
    「心の話」
    「先輩にはもっとふさわしい美女さんが」
    「俺は美友ちゃんが良いの」

    彼はそういって頬に軽くキスをした。

    「ひや」
    「ふふふ、ねえ、他の男からは受け取らないでよ」

    すると彼女は恥ずかしそうに彼を見上げた。

    「わかりました。あのね先輩。昔の期末テストって残ってますか?それを参考にしたいの」
    「あるよ。俺の先輩の分からあるよ」
    「やった!勉強しなくて済む!」

    海棠に欲しい物をおねだりした彼女は笑顔で帰っていった。

    きゅん

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  8. 「え?先輩」
    「眠……つうか。お前、ここで何してんの?」
    「お昼寝ですけど、あ、私お邪魔ですね?」

    彼の背後に女子が見えた美友は遠慮し去ろうとしたが、彼は腕をさっと出してこれを制止した。

    「おっと!……待て待て……」
    「でも」
    「何が?ああ、これの事?」

    彼が背負っていたのはギャクドラマ撮影のための人形だった。

    「だから女子の制服なのね」
    「俺と揉み合って屋上から落ちる想定なんだ」

    地上では彼の撮影仲間が手を振っていた。

    「じゃ、私、本当に行きます」
    「……いや。途中までお前で撮らせて?」

    こうして美友は恋人役でフェンスで揉み合うことになった。

    「じゃ、始める。こいつ!」
    「やーめーてー」
    「やめない。アハハ」
    「キャハハ」

    楽しそうな2人は屋上から人形を落とした。

    『カット!っていうか全部カット!』

    呆れ声の監督の言葉を見学の芹那は黙ってうなづいていた。

    きゅん

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  9. 「調子はどう?」
    「海棠先輩。ここで何を?」
    「司書のお姉さんとちょっとね」

    そんな彼に美友は調べ物があると話した。

    「カエル化現象です」
    「何それ?」
    「相思相愛になったら急に冷めて相手が嫌いになる心理です。ええとグリム童話の『カエルの王様』はどこかな……」
    「待って」

    海棠は本棚に手を付いた。

    「調べなくていい」
    「でも」
    「いいかい?俺を見て」

    海棠は美友の両肩を抱いた。

    「好きだよ。美友ちゃん……」
    「でもさっき司書さんと抱き合ってましたね」
    「ただの女友達さ?」
    「……あ、首が赤くなっていますけど?大丈夫ですか」

    海棠は慌てて首のキスマークを隠した。

    「蚊だよ」
    「私、絆創膏あります」
    「いいんだよ?あのね」

    彼はふわと美友を抱いた。

    「俺を嫌いならないで」
    「……ゲロゲロ!」
    「は?」
    「ゲロゲーロ!フッフ」

    この2人を芹那は今日も呆れて見ていた。

    きゅん

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  10. 「……何してんだ、よ!」
    「きゃあーー!?」

    突然、後ろからギュッとされた美友は悲鳴をあげてしまった。

    「そんなに驚くことないだろう!」
    「だって突然なんだもの」
    「ふん!そんなに俺が嫌いなのかよ」
    「そういうわけじゃないけど」

    機嫌が悪くなった疾風に美友は謝った。

    「ごめんね」
    「うるせ!いいから歩け」

    しかしまだ機嫌の悪い疾風に美友は思わず立ち止まった。

    「おい。もう良いって」
    「……」
    「行くぞ。ほら」
    「……えい!」
    「うわ?」

    背後から抱きついて来た美友に疾風はびっくりした。

    「どう?驚くでしょう?」
    「お前?ネクタイ引っ張るな」
    「ウフフ。こちょこちょこちょ〜」
    「うわ?やめろ!フハハ!」
    「止めない……そして苦手な耳に」
    「ひ」

    そういって鼻を彼の耳にくっ付けた美友に疾風はうわああ!と悲鳴を上げた。
    こんな2人は春の道をにっこり笑って歩き出したのだった。

    きゅん

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  11. 『エアラブ放送局です!本日は高等部入学式に突撃訪問です!美友先輩こんにちは!』
    『ええ?』

    中等部の後輩の出現に美友は驚いたがマイクを受け取った。

    『こんにちは。素敵な入学式でしたよ』
    『ありがとうございました。これでインタビューは終わりです』

    そんな後輩はじっと美友を見つめた。

    「なんか綺麗になってる」
    「そんな事ないよ」
    「髪も切ったし、スカートも短くて……」
    「どうしたの?」

    彼は美友の手をつかんで歩き出した。

    「許さない。僕を忘れるなんて」
    「忘れてないよ。ねえ、どうして怒っているの?」
    「……あのね。美友先輩。僕の事好き?」
    「好きだよ」
    「後輩としてじゃなく、男としてだよ!」
    「私は好きとかよくわからないの」

    すると彼は美友にギュと抱きついた。

    「僕はこれくらい好き!だから」
    「わかったわ。じゃ、一緒に帰ろう?」

    この2人を芹那は今日も呆れて見ていたのだった。

    きゅん

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  12. 「どう?調子は?」
    「あ?海堂先輩」

    倉庫の戸が開かないと美友と芹那は言った。

    「この戸はね、押してダメなら?」
    「火をつける」
    「美友ちゃん?違うでしょ」

    芹那のツッコミに海棠は微笑んだ。

    「いいね君、俺とも仲良くしよ?」
    「うわ?フェロモンだだ漏れ……」

    セクシー海棠にビビる芹那になぜか美友がムスとした。

    「どうぞ?お二人で仲良く」
    「え」
    「おっと?」

    こんな美友は戸を横に押して中に入った。

    「あれ、出られない?海棠先輩、出して!」
    「俺を好きって言って」
    「言わないわ!好きじゃないもん」

    「いいのかな?芹那ちゃんと俺でラブラブ」
    「美友ちゃん?そんな事ないから!」

    「……すきです」
    「誰が」
    「海堂先輩」

    ここで彼が開けた戸から美友が飛び出してきた。

    「すきありー」
    「え」
    「捕まえた!」
    「いいよ。もっと捕まえて?」

    こんな二人を芹那は今日も呆れていた。

    きゅん

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  13. 「初日はいかがでしたか?」
    「はい!結構うまくいきました!」
     
    ノリノリの彼女に日永が眼鏡を押し上げた。

    「……美友さん。ここに座って下さい」

    彼は座った美友にニコと微笑んだ。

    「水道が出しっぱなしだったようですか」
    「ごめんなさい!自動かと思って」
    「電気も同じ理由?」
    「はい……」

    日永は気にしないでと笑ったが、美友はションボリした。

    「そうか、私、失敗だらけだったんですね」

    この彼女を日永はふわと抱きしめた。

    「そんな事ないよ。君はよくやってる」
    「え」
    「背中に髪の毛が付いているから、取るね」
    「は、はい」
    「うん。いい子だ。じっとして……はい、取れた」

    長髪の美友は不思議顔だったが、日永は微笑んだ。

    「君は上出来だったよ。また明日」
    「……はい、頑張ります!」
    「いいんです、君はそのままで」

    こんな日永に送られて笑顔の美友は職員室を出たのだった。

    きゅん

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  14. 「何やってんだよ……」
    「ごめんね?遅くなって」
    「俺はタンコブができたのに」

    そんな疾風は布団から目だけ出してささいた。

    「な……ちょっと顔貸して」
    「なに?あ?」

    しかし彼は手を伸ばしさーっとカーテンを引いた。

    「お前さ、先輩と何、話をしてた」
    「今朝のお味噌汁の具の話」
    「嘘だ」
    「何を怒っているの?」
    「もう!」

    カーテンの中、彼は起き上がり美友を抱きしめた。

    「俺以外ダメだよ……」
    「何が?」
    「好きになるの」
    「ならないよ?ねえ、苦しいよ」
    「俺はもっと苦しいの!なあ、美友」


    「……そこで何をやってるの?」


    「「きゃああ??」」

    保健室女史にカーテンを開けられた二人は悲鳴を上げた。

    「あら?元気になったのね、彼女のおかげかな?」
    「ふん!」
    「こら?疾風君。先生、彼がお世話になりました」

    こうして二人は保健室を出て、オレンジ色の帰り道を帰って行った。

    きゅん

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  15. 「ええと、バスは」
    「……何してんの」

    迷子の美友は背後の先輩に驚いた。

    「え?退けます、あ!」
    「おっと」

    彼はすっと腕を伸ばし美友の行手を阻止した。

    「そっちは船乗り場だけど」
    「す、すみません」

    彼は腕の中の彼女に溜息をついた。

    「新入生だろ。一緒に来いよ」
    「いいんですか」
    「ああ。船に乗られたら困る」

    そんな二人はバスに乗った。

    「揺れるぞ」
    「きゃ」

    またまた美友を抱きしめた彼は微笑んだ。

    「お前さ。学校に通う気あるの」
    「ありありです」
    「ハハハ」

    そして一緒に空いた席に座った。

    「眠……着いたら起こせよ」
    「はい」

    美友の肩に頭を乗せて彼は寝たが美友も寝たので、他生徒が学園前で起こしてくれた。

    「降りますよ生徒会長って、彼女ですか」

    美友の寝顔に彼は頬寄せた。

    「……どうかな?おい!お前、着いたぞ」

    寝起きの二人は手を繋いで校門へ向かった。

    きゅん

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  16. 「調子はどう?」
    「海堂先輩」
    「入学式だよ?緊張しているの?」
    「実は」

    新一年の美友は彼をじっと見た。

    「私の髪型どうですか?」
    「普通に可愛いよ」
    「先輩女子に目をつけられて体育館裏に呼び出しされないですか?」
    「それは……」

    ここで彼はバチンとウインクをした。

    「問題ないよ」
    「良かった!」
    「しかしね」


    美友は可愛ので意地悪されるかもと海棠は言った。

    「いいかい?呼び出しされても行くんじゃないよ」
    「でも、ひどい目に」
    「大丈夫。俺に相談してよ。なんでも助けるから」

    すると美友は真顔で海棠に向かった。

    「あの、そういう特別扱いの方が問題だと思うんですけど」
    「俺のせい?」
    「はい、だって先輩かっこいいから」
    「美友ちゃん……」

    海棠は彼女を抱きしめた。

    「俺の彼女って事にしよ」
    「ダメですよ。本当に好きな人を彼女に、あ?」

    抱きしめる海棠は微笑んでいた。

    きゅん

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  17. 『エアラブ放送局ですが、美友先輩が今日で中学卒業です』
    『お世話になりました』

    『とっても寂しい……』
    『でも。新人が』
    『僕は美友さんじゃなきゃヤです!』

    後輩はチワワのような目で彼女を見つめた。

    『で、でも、ここでお知らせします。明日2月25日より「お嬢様と呼ばないで」がスタートで、ここには美友さんがでてきますって読めばいいの?』
    『うん』
    『……読めば会える。あ、えい!』

    ここで彼は勝手に曲を流し音声を切った。

    「美友先輩、僕、すぐ同じ高校に行きますから待っていて下さい」
    「でも。自分に合った学校に」
    「ヤです!」

    そんな彼はおねだりをした。

    「第二ボタン欲しい」
    「私の?そうだ!」

    美友は裁縫道具で互いのボタンを付け直した。

    「ね?君のボタンは私のだよ。あ?」

    彼は美友の髪にキスした。

    「これで1年我慢するか」

    春風は彼らの夢と頬を染めていた。

    きゅん

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  18. 「何やってんだよ?」
    「シュートが全然、入らないの」
    「いつまでやってるんだよ」

    居残りしている彼女に、疾風はうでまくりをして簡単にジャンプシュートを決めて見せた。

    「さあ、お前の番だ」
    「疲れた」

    座り込んだ彼女に飲み物を渡した彼は意地悪くニヤと笑った。

    「じゃあな。ここで決めないとお前にキスするぞ」
    「ええ?ここで?そんなの困るわ」

    驚いた美友は必死でシュートを決めた。

    「えい!」
    「おお?」

    彼女の投げたボールは綺麗な放物線を描いてネットを揺らした。

    「やった!見た?入ったわ」
    「ナイス!美友」

    飛び跳ねる美友の頬に疾風はそっとキスをした。

    「あ?」
    「アハハ!さあ、帰ろうぜ」
    「もうー!」

    俺が片付けておくと言って彼はドリブルしていたので美友は着替えに走った。

    うららかな青春の体育館は、今日も気持ちの良い空気に包まれていた。

    きゅん

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  19. 「いかがしました?」
    「あ、先生」

    中3の美友は高校見学の屋上から青空を見ていた。

    「私の家はどこかなって見ていました」
    「……理由を聞いていいですか」

    彼女は帰り道が自信ないと言った。

    「先生、東ってあっちですか」
    「お待ちください?今そっちに帰る者に同行させますから」

    そう言って日永がスマホを取り出したので彼女は慌てて彼の手を自分の手で包んだ。

    「いいんです!自分で帰れます」
    「何かあっては大変ですから。離してください」
    「イヤです!離しません」

    日永の腕にぶら下がる美友に彼はやれやれと力を抜いた。

    「困ったお嬢様だ……」
    「私はお嬢様ではありません!」

    日永は涙目で見つめる彼女の頬をツンツンした。

    「え」
    「それでは……私と帰りますか?」
    「は?」
    「ちょうど東に用事があるんです、さ」

    日永はそう言って美友の手を優しく握った。
    春風は二人をうららかに包んでいた。

    きゅん

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  20. 「用務員のお兄さんだけど、これ見て」
    「落とし物?」

    美友と彼は赤包を見て、持主を探した。

    「大好きな●●さんへ 桜田美友よりって、私の名だ?」

    汚れた宛名を読んでいると、声がした。

    「何やってんだよ」
    「いかがしました?」
    「ねえ、調子どう?」

    三人男の前で彼女は首を傾げていた時、放送が流れた。

    『エアラブ放送局です!美友さん!僕、チョコ待ってます!』

    「は?」
    「公私混同とはこの事ですね」
    「やるな?」
    「おい。お兄さんもまだだぞ」

    「ふわ?眠い……何してんの」

    生徒会の先輩まで現れた校庭隅で、男子達が騒ぎ出した時、頭上から声がした。

    「おーい。貴様ら。それワシの!返せ」

    「理事長爺さんか」

    これを知った五人は勝手に食べてしまった。

    「あの皆さん……お味は?」

    最高!の言葉に彼女は恥ずかしそうにうなづいた。
    うらら学園のバレンタインはこうして甘く幕を閉じた。

    きゅん

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  21. 「調子どう?」
    「ダメです……」
    「どれ?顔を見せて」

    見学で高校にいた中3の美友は緊張で保健室で休んでいた。

    「ごめんなさい。先輩も忙しいのに」
    「お兄さんはボランティアだから遠慮しないで?」

    そんな彼は美友のベッドに腰掛けた。

    「あの、今日はバレンタインでしたけど、先輩は何個ですか」
    「トラック1台分かな」
    「ウフ。あ?」

    その時、美友のお腹がグー!と鳴った。


    「……恥ずかしい。そうだ!私もチョコが」

    店の割引チョコを買った美友に海棠は食べたらと言った。
    そして二人で食べていると足音がした。

    「怒られる!?あ、先輩、これ」
    「おっと?むぐぐ」

    先生が入室すると二人はマスク姿だった。
    美友が元気なので海棠が送ると言い二人は退室した。

    「俺まだ口に入っている」
    「私も」
    「ねえ……美友ちゃん」
    「え?ウフ!」

    マスク越しの冗談キスの二人は爆笑しながら帰って行った。

    きゅん

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