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  2. 「ちょっといい?」
    「うわ?びっくりした」
    「…何悩んでいるんだよ」

    最近、外出が多い私。服について悩んでいると打ち明けた。

    「新しい服を買おうと」
    「派手なのはよせ。目立つのは嫌なもんだ」
    「そうですか」
    「ああ。あとは歩きやすい服装が良い。髪型も普段と違うと嬉しいもんだ」
    「待ってください。メモしますから」

    そんな私を先輩は見つめていた。

    「楽しそうだな」
    「いえ。どちらかというと、緊張してます」
    「お前…経験値ないもんな」

    先輩は頬杖をついた。

    「これは予行練習が必要だな」
    「練習?」
    「ああ。俺とデートしてみよう」
    「先輩と?」
    「ああ」

    彼は立ち上がった。

    「俺が服を選んでやるよ」
    「でもせっかくのお休みが」
    「いいんだよ。お前の初デートのためにデートしてやるよ」
    「あれ、でもデートって」
    「うるさい。さあ。生徒会だ」

    先輩の横顔はなぜか赤くなっていた。

    きゅん

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  3. 「ちょっといい?」
    「何?」
    「話がある」

    幼馴染は私の腕を掴みながら歩き出した。

    「ねえ、どうしたの」
    「…日曜日…先生と歩いてたよね」
    「ああ?あれは授業のために」
    「…先輩と抹茶カフェは?」
    「先輩は場所が分からないから。一緒に行って教えただけだよ」
    「あのさ!」

    彼は怒って振り向いた。

    「お前って誰とでもデートするのかよ」
    「デートなんかしてないよ」
    「嘘だ!」
    「だってデートって。好きな人と行くんでしょう?今回のは手伝いだもの」
    「……でも」

    まだ怒っている彼。私はなぜか悲しくなった。

    「帰る」
    「え」

    そして彼を振り切るように走ったが、捕まった。

    「待てよ」
    「離して」
    「…あのさ」

    彼は私を見つめた。

    「俺とネモフィラの丘に行ってくれないか」
    「それは…手伝いって事?」
    「デートで、頼みます…」
    「は。はい…」

    恥ずかしそうな彼。私も一緒に赤面していた。

    きゅん

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  4. 「先輩、ちょっといいですか」
    「ん?」
    「僕、レポートを提出したいんだけど。その資料がなくて」

    登校中。悩んでいる後輩に私は首を傾げた。

    「学校の図書館のは?」
    「貸し出し中」
    「市立図書館は?」
    「点検で閉まってる」
    「あらら」

    彼はため息をついた。

    「でも先生に相談したら。古本屋で探してごらんって」
    「そうね。ネットよりも本物を見れるし」
    「でも。僕、行った事にないからわからないし…どうしよう」

    後輩はそういうとぼんやりと交差点に進もうとした。

    「危ない!」

    私は背後から彼を抱き止めた。後輩は驚いて私を見上げた。

    「先輩?」
    「赤信号でしょう」
    「ご、ごめんなさい。考え事しちゃって」
    「…一緒に行く?」
    「え」
    「古本屋でしょう?私でよければ付き合うよ」
    「もちろん!先輩…大好き!」
    「こら?離れなさい」

    朝の交差点。通行人の中、抱きつく後輩の顔に私もつい笑っていた。

    きゅん

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  5. 「ちょっといいかな」
    「何ですか?先輩」
    「君の家って、駅のそばだよね」
    「はい」

    部活の休憩中。先輩は私に水をくれた。

    「実はね。駅の近くにできた抹茶カフェに行ってみたいんだけど、場所知ってる?」
    「あそこは分かりにくいんですよ。少々お待ち下さい…」

    私はスマホを取り出した。が、先輩に手首を掴まれた。

    「ダメ」
    「は?」
    「僕は方向音痴なんだ」
    「でも。スマホの地図なら」
    「それもわかんない。スマホも苦手なの」
    「え?それは弱りましたね」

    先輩はため息をついた。

    「だから。昨日も駅の周辺を彷徨ってさ、もう倒れそう…」
    「先輩?しっかりして?」

    ここで練習再開の笛が鳴った。弱り顔の先輩の様子に私は決心した。

    「先輩。私が御案内しますよ」
    「…いいの?」
    「はい!一度行けば分かりますよね」
    「やった!あのね。明日の土曜日でもいい?」

    先輩の嬉しそうな顔に私も笑顔になった。

    きゅん

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  6. 「ちょっといいかな」
    「はい。先生」

    先生は囁いた。

    「実はね。美術の授業で取り上げたい絵画の展覧会があるんだ」
    「そうなんですか」
    「でもね。絵がたくさんあって。どれを授業に取り上げようか。迷っているんだよ」
    「…先生も大変ですね」

    すると先生はじっと私を見つめた。

    「そこで。生徒の誰かに見てきてもらって。それで決めようと思うんだ」
    「美術部の人は?」」
    「それがだめなんだよ。彼らは美術展の作品作りで忙しくて。まいったな……あーあ」

    困っている先生。暇な私は思わず先生を見上げた。

    「私でよければ、行ってきますよ?」
    「本当?」
    「でも。一人じゃちょっと不安です」

    先生は困った顔をした。

    「……わかった。私が引率しよう」
    「え」

    先生は咳払いをした。

    「だが誤解されると面倒だから、秘密にしようか」
    「は、はい」

    先生の意地悪そうな笑顔。私の胸の鼓動がうるさかった。

    きゅん

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  7. 「見つけた!」
    「その前に何か言う事は?」
    「ごめん!」

    劇に出なかった私。彼に謝った。

    「もういいよ」
    「でも」
    「俺も出てないもん」
    「え」

    彼はニヤリと笑った。

    「お前がいないのに。出ても意味ないし」
    「じゃ。劇は」
    「知らない。それよりも」

    彼は私の頬に手を当てた。

    「顔色が悪い。さ、帰ろうぜ」
    「でも。まだ片付けが」
    「それは何もしてない奴にやらせろ!さあ、見つからないうちに」

    彼は私の手を取り、隠れながら廊下を進んだ。

    「どうしたの?」
    「…あのですね。俺のロミオの衣装がですね。かっこよかったみたいで」
    「それが?」
    「お陰様で、色々告白されて困ってます」
    「だからここにいたのね」

    彼は顔を近寄せた。

    「でも平気。お前が彼女だからって断ったから」
    「私が?」
    「…俺達、ロミオとジュリエットだろ?いいから帰ろうぜ」

    頬染める彼。私の胸は今日も熱くなっていた。

    きゅん

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  8. 「見つけた!」
    「ごめんね。劇に出れなくて」
    「…保健室にいた話は聞きました…」

    後輩は俯いた。

    「僕が代わりにやったんです。ジュリエット…」
    「うう。ごめんなさい」
    「もういいんです。先輩は具合が悪かったんだから」

    悲しげな彼、私は申し訳なく彼に謝った。

    「本当にごめんなさい」
    「…だったら。僕のお願い聞いてくれますか」
    「うん」
    「いいの?」

    一瞬。後輩の目が光った気がした。

    「あのね。今度の土曜日に、一緒に映画に行ってくれる?」
    「いいよ」
    「その後、一緒にランチを食べて。夕方は僕の部屋で一緒にゲームしてくれる?」
    「うん」

    彼の顔がぱっと明るくなった。

    「本当に?」
    「もちろん。ランチはね、私のお勧めのパスタ屋さんでもいい?」
    「やった!」

    小柄な彼は抱きついてきた。

    「僕のジュリエット…ずっとそばにいて」
    「こらこら」

    後輩は恥ずかしそうに私を見つめていた。

    きゅん

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  9. 「見つけた」
    「あ?先輩、劇に行けなくてすいませんでした」
    「あのね…」

    先輩は怖い顔で私の手首を掴んだ。

    「そんな事はどうでもいいの!君の体調の方が大事だよ」

    怒った顔の先輩、私は胸がドキとした。

    「ごめんなさい」
    「それに。まだ手が熱いし」
    「私はいつもこんな感じです」
    「顔も赤いし」
    「それは、先輩の顔が近いから」
    「ふーん」

    先輩はもっと顔を近づけてきた。

    「…おお、ジュリエット。その美しい顔は私だけのもの、だ」

    そう言って先輩は私の頬に自分の頬を寄せ、抱きしめた。

    「うん!これで満足」
    「先輩?」

    恥ずかしさでうつ向く私。先輩は嬉しそうに微笑んだ。

    「さて、と。今度は何をするの?」
    「ええと。校内に不審者がいないか、私はパトロールをする係なんです」
    「君が?じゃ、一緒にやろうか」

    先輩はそう言って私の手を握った。人が少ない廊下は南風が吹いていた。

    きゅん

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  10. 「見つけた」
    「あ。先輩」

    劇の本番前。私は貧血で倒れて保健室のベッド。先輩は心配そうにおでこに手を置いた。

    「もしかして。そんなにジュリエットが嫌だった?」
    「違うんです!昨夜緊張で眠れなくて」
    「…もういいよ。お前は寝てろ」
    「でも。もう本番だから」

    よいしょと起きあがろうとした私。先輩に抱き止められた。

    「行くな」
    「え」

    先輩はじっと私を見つめた。

    「俺達って、そんなに頼りにならない?」
    「そんな事ないです」

    私は先輩の胸から顔を上げた。

    「すごく頼りになります!」
    「嘘」
    「本当です!」
    「だったら寝てろ」

    彼はそっと私の髪にキスをした。

    「おお。ジュリエット…どうか休んでおくれ」
    「先輩?」

    先輩は恥ずかしそうにベッドの隣に座った。

    「さあ、これで劇は終わり。ステージはあいつらに任せよう」

    そう言って私に布団をかけてくれた先輩は頬を染めて微笑んでいた。

    きゅん

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  11. 「もしもしお嬢さん?」
    「は?何の話でしたっけ」
    「…もういいよ。それよりも」

    先生は私を向いた。

    「そろそろ聞かせて下さい」
    「何の事ですか」
    「最近。心ここに在らずだね。何が遭ったの」

    優しい先生。私は今の気持ちを打ち明けた。

    「なるほど。だからあいつも劇に出ると言ってきたのか」
    「あいつって?」
    「お前の先輩だよ。これでロミオが四人になったな」
    「四人」

    私は涙が出てきた。

    「…私がしっかりしていないからですよね」
    「違う」

    先生はハンカチを貸してくれた。

    「奴らはお前のそばにいたいだけだ」
    「でも」
    「…よくやっているよ、お前は」

    先生は私の涙を拭った。

    「だから劇は四人にやらせよう」
    「できません、そんな無責任な事」
    「そういう言うと思ったよ」

    先生はにこと笑った。

    「私も出ることにしたから」
    「はい?」
    「楽しみだね」

    先生の笑顔はどこか黒かった。

    きゅん

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  12. 「もしもしお嬢さん?」
    「きゃ?いたんですか」
    「…ずっといるけど、貸せ」

    学校祭の台本を手に取った先輩。怪訝そうな顔を向けた。

    「これは?」
    「台本です」
    「…俺の聞き方が悪かった!このロミオが三人もいるのはなぜだ?」
    「それは」

    私は説明した。先輩の眉間の皺が寄ってきた。

    「…それで三人も」
    「はい。だから三人にセリフを用意したんです」
    「ここのロミオは?」

    肝心のキスシーン。このページを先輩は読んでいた。

    「未定です。今は決め方を決めている段階です」
    「…だったら。今度の試験の順位で決めるといいよ」

    先輩は椅子に座った。

    「それなら学校も文句言わないぞ」
    「そうですね!勉強も学校祭も頑張るって。良い事ですもの」

    胸がスッとした私。しかし先輩は真顔だった。

    「無理するなよ」
    「え」
    「俺ならそんな気持ちにさせないのにな」

    先輩の背後は燃えているようだった。

    きゅん

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  13. 「もしもしお嬢さん?」
    「び、びっくりした」
    「電柱にぶつかりますよ?先輩」

    後輩はくすくす笑っていた。

    「また悩みですか」
    「うん。学校祭でジュリエットをやる事になって」
    「すごいじゃないですか!」

    後輩は目をキラキラさせたが、私は俯いた。

    「でも。地味な私には出来ないよ」
    「先輩…」
    「やっぱり断ろうかな」

    弱く歩き出した私。後輩は心配そうに隣を歩いた。

    「でもね先輩。実際は衣装やメイクで誰だかわからないですよ」
    「だったら私じゃなくても良いし」
    「でも。先輩はスタイルがいいし。声も綺麗だし」
    「…褒められているのかな」

    複雑な私。後輩はここで私の前に出た。

    「先輩!僕も劇に出ます」
    「は?」
    「劇の中で先輩を支えます!」
    「…あのね」

    後輩はポンと手を叩いた。

    「あ?そうか。僕がロミオをやればいいんだ」
    「え」
    「早く行こう。学校に」

    手を引く後輩は笑顔だった。

    きゅん

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  14. 「もしもしお嬢さん?」
    「うわ?先輩。どうしたんですか」
    「こっちが聞きたいよ」

    部活の休憩中。学校祭の劇を考えていた私。先輩は難しい顔をしていた。

    「何を悩んでいるの」
    「ええと。学校祭で私がジュリエットをやる話になって」
    「おっとこれは…」

    先輩の微笑み。でも目が笑っていなかった。

    「で、ロミオは誰?」
    「は、はい。幼馴染の」
    「あいつか……」

    先輩はため息をついた。

    「ここはダブルキャストかな」
    「は?」
    「俺もロミオをやってあげるよ」

    先輩はウィンクをした。

    「でも。先輩は学年が違いますけど」
    「俺のクラスって。全然やる気がないんだ。だから俺がそれに出て終わりにするよ」
    「でも」
    「嫌かな?俺では」

    彼の横顔は不安そうだった。私の胸がちくとした。

    「そんな事ないです」
    「嘘」
    「いいえ!心強いです」
    「俺もだよ」

    私の髪をクシャとした先輩は優しく微笑んでいた。

    きゅん

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  15. 「もしもしお嬢さん?」
    「うわ?びっくりした」
    「すげぇ怖い顔で、何してんの?」

    昼休。図書館で調べ物をしていた私。彼に向かった。

    「学校祭のクラス演劇だよ。みんな忙しいから私が考える事になって」
    「お前、他にも役員やってたろ」
    「そうだけど」

    彼はむすと怒り出した。

    「…そんなの断れよ。お前のクラス女子達、放課後カラオケ行く話してたぞ?」
    「そうなの?」

    驚く私、彼はため息をついた。

    「お前。良い人すぎ!」
    「でも。嫌がっている人に無理やり頼むのは」
    「ふーん」

    彼は私が読んでいた本をさっと取った。

    「これに決定」
    「え?『ロミオとジュリエット』だよ?それに」
    「うるさい!俺のクラスと合同でやる」
    「誰が演じるの?」

    彼は恥ずかしそうに私の手を繋いだ。

    「俺とお前」
    「ええ?」
    「いいの!これで!さあ、昼飯食うぞ!そして。放課後な?」

    私の胸はドキドキしていた。

    きゅん

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  16. 「何してる」
    「あ?先生」
    「皆、帰ったぞ」
    「え」

    地上、女子達は男子達と談笑しながら下校していた。花見のためシートを敷き用意し一人待っていた私。先生は眉を顰めた。

    「まさか。アイツらお前に支度させて。男子と帰ったのか」
    「…いいんです。もう」
    「お前って本当に」

    髪をかき上げる先生、どこか怒っていた。

    「それは俺が食べる」
    「え?でも」
    「うるさい。お前も座れ」

    春風の中。先生と私は二人きり、お菓子会を始めた。

    「うまいな?これ」
    「嬉しいです!今朝焼いたんです。もう一つどうぞ」

    手が触れてドキとした私。ここで突然、強風が吹いた。

    「きゃあ」
    「落ち着け」

    先生は私を抱き締めた。コロンの香りがした。

    「おい。目を開けろ」
    「はい?うわあ」

    屋上まで舞った桜花びら。私は見惚れていた。

    「綺麗」
    「お前もな」
    「え」

    私の花びらを取る先生。その手は優しかった。

    きゅん

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  17. 「雪って予報、信じているの?」
    「はい!
    「でもさ。別に、屋上じゃなくても良くね?」
    「そうですよね?す、すいません!」

    恥ずかしい私、去ろうようとしたが、彼は腕をむんずとつかんだ。

    「待てよ。俺は別に何も言ってない」
    「でも私、邪魔ですよね」
    「ああ。邪魔だよ」

    呆れた声。私は悲しくなった。

    「…そうやっていつも一人で楽しそうだし」
    「ごめんなさい」
    「それに。俺と話をしてくれないし」
    「え」

    不貞腐れる彼。私はドキとした。

    「あの、それは」
    「好きな子にさ、無視される気持ちって。お前、わかんねえだろ?」
    「う」
    「わかれ!今すぐに」
    「は、はい…は、ハッション」
    「おっと?」

    私の彼の間には雪が落ちてきていた。

    「雪、本当に降ったし?」
    「…綺麗……」
    「寒?そのマフラーついでに俺に巻けよ」
    「ど、どうぞ」

    くっついた私。彼と雪を見た。初恋は寒いけど暖かかった。

    きゅん

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  18. 正月。勉強合宿をしていた私達。一緒に帰ろうと言っていたのに。駅に忘れ物を届けている間、同級生達は消え彼だけだった。

    「先輩が車で迎えに来て、お前を置いて行っちまった」
    「そ、か」
    「…じゃ。行くか」

    会話した事が無い彼は私の腕を取った。

    「あの、どこに?」
    「初詣!俺達、受験生だろう」

    私達は神社へと歩き出した。彼は小道へ進んだ。

    「お前さ。地元の国立狙い?」
    「うん」
    「俺もだよ」
    「嘘!もっと成績良いでしょう?」

    これになぜか彼はむすとした顔をした。

    「俺が一緒だと嫌なわけ?」
    「そんな事ないよ?い、一緒の方がその」
    「その?」

    顔を近づけて来た彼。私の胸はドキドキした。

    「どうなんだよ?」
    「嬉しいよ?一緒だと」
    「…だったら。頑張るぞ、俺だって一緒に通いたいんだ」

    恥ずかしそうな彼。絵馬を買った。

    『一緒に合格』と書いた私達、顔が赤いのは寒いせいじゃなかった。

    きゅん

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  19. 「寝てろ」
    「でも。課題が」
    「…これ?」

    先生はノートを持っていた。

    「これ…お前のじゃないだろう、本人はどうした」
    「先生、違うんです?私が悪いんです」

    うっかり同級生のノートを濡らしてしまった私。その代わりに提出ノートを作っていた。これを先生に打ち明けた。

    「彼女がせっかく完成させていたのに」
    「いいや?できてなかったぞ。だからお前にやらせるために芝居したんじゃないか」
    「え」
    「それに。お前の彼氏と帰ったぞ?」
    「か、彼氏じゃないです」

    私、つい涙が出た。

    「向こうが勝手にそう言って……私、本当に困ってるんです」
    「見ろ俺を」

    先生の顔が近づいた。

    「ほら。お前、可愛いから漬け込まれるんだ」
    「え」
    「もういい、休め」
    「はい」

    先生は私に布団をかけた。それは顔までだった。

    「先生?」
    「可愛い顔は隠してっと。じゃ後で」

    先生の足音に胸の鼓動がうるさかった。

    きゅん

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  20. クラス行事のXマスパーティーが終了後。同級生の彼が声をかけてきた。

    「あのさ。今日のケーキってさ。配った女が自分で作った言っていたけど、あれ本当?」
    「さ、さあ?」
    「…お前だろ?あれ、作ったの」
    「どうして…」

    わかったの?と驚き顔の私、彼は微笑んだ。

    「やっぱり!お前がスーパーでバターを大量に買い込んでいるの俺、見たんだ」
    「嘘」
    「っていうか。なんであの女って事になってんだよ」
    「予算を出したのが、彼女だから」

    セレブ同級生達の強引な提案。私は受け入れるしかなかった。

    「でもよかったです」
    「なんで?」
    「だって。みんな美味しいって食べてくれたもの」

    私はそれだけで満足だった。

    「だめだな」
    「え」

    彼は突然、なろ抱きをした。

    「俺が全部食べたかった!」
    「あれを?」
    「そう!Xマスに一緒に食べるぞ」
    「は、はい」

    耳元の声、二人の顔は真っ赤だった。

    きゅん

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  21. 「先輩、どうしてここに?」
    「いや、その」

    色々あって別れた彼。でもXマスの記念の場所にいたのでびっくりした。

    「誰かと待ち合わせですか」
    「…ああ」

    …ここは私と先輩だけの場所だったはずなのに。

    彼女と待ち合わせの予感。かつての思いに浸りにきた私、涙の前に帰ろうとした。

    「じゃ、私は帰ります」
    「お前の方こそ?彼氏と待ち合わせじゃないのかよ」
    「そんな人いません」

    先輩は私に彼ができた、と女友達から聞かされたと言った。

    「違います!?私の方こそ。先輩と交際してるって本人から聞きました」
    「マジで?俺も誰とも付き合ってないよ」
    「嘘?私、先輩に好きな人ができたから、それで諦めたのに」
    「あのさ」

    先輩は私の手を握った。

    「また付き合おう」
    「先輩」
    「お前じゃないとダメなんだ。別れて気がついたんだ」
    「…先輩。私もです」

    イルミネーションは、二人の時を戻してくれた。

    きゅん

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