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「ん、」
2人きりの廊下。
ぶっきらぼうに差し出された好きな人からのチョコに、私は心を踊らせた。
でもドキドキしているのがバレないように平然を取り繕う。
「別に余ったから渡しただけだし、お返しとか良かったのに」
って、私の馬鹿!
これじゃせっかく同じクラスになったのに……意味無いじゃん!!
こうやって私はいつも素直になれずに強がる。
伊織もどちらかと言えば無口だし、面倒くさがり屋で、そもそも彼女とかつくらなさそう。
きっとこれ以上進展しないんだろうな……
「……じゃあ期待してるわ」
「え?」
思いがけない言葉に、わたしは驚く。
「不器用な葵が頑張って作るチョコ、来年もほしい」
「…なんで不器用って知ってるの」
私は若干トゲついた言葉を放つ。
「寝不足だったじゃん、バレンタイン前後の時」
伊織は見ててくれたんだ。
私は、また、伊織の言葉に好きが溢れる。
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「おーい、海君」
私は冬の屋上で寝ている人に向かって声をかけた。
「…またお前かよ」
そう言って嫌そうな顔を向けるのは、同じクラスの藤本海(フジモト カイ)
1匹狼みたいな性格で、顔はイケメンだけどみんなとは関わりを持とうとしない。
せっかく人が声をかけに来てあげてるのに…
「もっと関わり持てば?優しいし、綺麗な顔してるからモテそうなのに」
そう言って、私は海君の顔を覗き込んだ。
「……っ、うっせぇ」
そう言って海くんはふっと顔を背けた。
ほんのり海君の頬が赤くなっている。
「顔赤いよ?……あ!もしかして!こんな所にいるから風邪ひいたんでしょー!」
「ちげえよ」
「え?」
私が聞き返すと、海くんは顔を背けたままぼそっと言った。
「お前のせいだろ…」
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「俺、彼女出来た」
そう告げられた時、私は絶望感に包まれた。
私も……ずっと……ずっと律が好きだったのに。
「……おめでとう」
素っ気なく言葉を返すと、律は頬を膨らませた。
「えぇ~もうちょっとなんか無いの?」
……律が幸せならそれで良い
なんて、言えないよ。
もういっそ、言ってしまおうか。
いや、でも……
「ちょっと聞いてる?」
あーもううるさいなぁ
「……っ、好きなの、ずっと律の事が」
「え、?」
突然の告白に驚いた顔で、悲しそうな顔をする律。
「……ごめん、俺は」
律の言いかけた言葉を、私は律の唇を人差し指でふさく。
もう、そんな顔しないでよ……
「ばーか、冗談だよ」
にやっと笑うと、律は安堵の表情で笑った。
「なんだもう、びっくりしたぁ!」
やっぱり言えないや。
この笑顔がずっと、見れるのなら_
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「友哉…これ、受け取って…っ」
そういって、用意していたチョコを差し出した。
「…ふ~ん、ありがと」
やった!渡せた…!あまりの嬉しさに頬が緩んでしまう。
「これ、お前が食べさせてよ」
「…え、無理無理無理!」
顔を真っ赤にして、顔を横にふった。
「は~や~く」
催促してくる友哉を見て、仕方なくチョコを口に持っていく。
するとなぜか、私の口にチョコをくわえさせた。
「これぇは、どうりゅう…」
くわえたチョコが邪魔で上手く喋れない…っ。
パキッ
落ち着いて見てみると、友哉が私の口からチョコを割って食べている。
「ん。上手い」
そういって、いたずらっぽく笑う友哉にドキドキしてしまう。
やっぱり友哉にはかなわない。
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「……どうしよう。」
私は悩んでいた。
幼馴染みの海には友チョコを偽り、毎年あげているが…たくさんの女子に囲まれて教室から出ていってしまったのだ。
「お~い、何してんの?」
パッと振り返ると、そこには幼馴染みの海が立っていた。
「か、海…!?」
なんで……、女子と帰ったんじゃ……?
驚いた顔のまま立ち尽くしていると、海は不機嫌そうな顔をした。
「だってまだ、貰ってないから。君からのチョコ。」
「え、あぁ……、どうぞ」
そう言って用意していたチョコを渡すと、海ささらに不機嫌そうな顔をした。
「もっと甘酸っぱい奴が良いな」
「あ、甘酸っぱい…?」
海にこんなこと言われたのは初めてだ。
「そう、例えば……こんなの」
そう言うと、強引に口付けをおとされた。
「ホワイトデーは、もっと甘酸っぱいものにするからね」
そう言うと、海は立ち去っていった。
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きゅんができる!
本当に解除しますか?