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  1. 6件ヒットしました

  2. 『好きだ、愛してる──』

     画面の向こうで年上の女優さんにグイグイせまるエイラを見て、私はため息をついた。

    「エイラって、ドラマのときと普段とでイメージ変わるよね~」
    「はあ? どのあたりが」
    「演技ではいつも余裕綽々って感じで告白とかするじゃん」
    「まあな」
    「でも、私に言うときは顔真っ赤になったり、声小さくなったりするから……」

     コーヒーを飲もうとしていたエイラは、私の言葉を聞いてむせかえった。

    「イメージって、どんなイメージだよ」
    「芸能界にいるんだから……初恋の人は年上、とか、女の子にはすごく慣れてる、みたいな」
    「お前な。ちょっとこっち見ろ」

     エイラは突然私を抱きしめると、唇にキスをした。

    「なんでいきなり……ッ」
    「バーカ。
     こんなにマジで好きになったのは、お前が最初で最後だから」

     そう言ったエイラの真剣な顔は、テレビで見るより何倍もかっこよかった。

    きゅん

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  3. 「お、来たか」

     先生は私の顔を見ていたずらっ子みたいににやっと笑った。
     3月14日の放課後。この時期にいきなり呼び出しなんて、絶対成績のことに決まってる。
     学年末のテストの補修かなぁ……。

    「はい」

     私の想像を裏切り、先生が差し出したのは水色の紙袋だった。

    「……なんですこの袋」
    「ハッピーホワイトデー」

     私は呆気にとられた。

    「そ、それだけ?」
    「うん、それだけ」
    「え……このために私一人呼んだんですか?」
    「まあね。
     じゃあ、俺も仕事あるから。もう帰っていいよ」

     先生は私からくるりと背を向けた。

    「でも、他の子も先生にあげてたのに……」
    「お前のチョコ、うまかったから」
    「だけど……」
    「うるさいな」

     先生は振り向いて、私を引き寄せてキスをした。



    「……お前が、特別だからに決まってんだろ」

    きゅん

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  4. 「イチカ、みっけ!」

     屋上でひとりでいると、幼なじみのミズキがどさりと大きな荷物を私に差し出した。
     なんとなく、中身は察している。

    「はい、プレゼント!」
    「プレゼント、って」

     ミズキはモテモテで、毎年女の子たちからたくさんチョコをもらう。
     でも、彼は甘いものが得意じゃないといって、そのチョコを私と分け合うのだ。

    「ここ、二人きりじゃん! しばらく隠れとこっと。
     チョコ、今年も分けようぜ。どれ食べたい?」
    「じゃあいちばん甘そうなヤツ……。
     ってか、ミズキ普段甘いもの普通に食べてるじゃん!
     チョコだって,自分一人で食べればいいのに」
    「それだと、お前と二人きりでチョコ食べれなくなるだろ」
    「それって……つまり、どういうコト?」

     私がきょとんとして聞き返すと、ミズキは耳まで真っ赤になった。

    「……だから、


     お前と二人きりになりたいだけって言ってんじゃん……」

    きゅん

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  5. 今日は移動教室の特別授業だった。
     今授業が終わって、みんなはすぐに教室戻る中、私は一人その場に残った。
     先生は心配そうに私に尋ねる。

    「どうした? 体調悪い?」
    「ちが……あの、質問があって……ッ」

     私は深く息を吸い込んで、勢いよく言った。

    「ば、バレンタインにチョコを持ってきてもいいですか!?」
    「ダメ」
    「即答!?」
    「だって、学校の決まりだろう?
     中学校にお菓子を持ち込んじゃいけませんって」

     先生はあきれた顔をした。
     規則はわかってる。でも、チョコ、あげたいんだもん……。

    「そこを何とか! 先生にしかあげない!!
     許してくれたら、先生のこと大好きになる!!」
    「もう大好きなクセに」

     突然、先生の長い指が私の耳元に触れる。

    「ほら、顔真っ赤」

     肩が冷えた壁に触れて、顔がキス出来そうなほど近づいた。

    「好きって気持ち、チョコじゃないやり方で教えてよ」

    きゅん

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  6. 『今夜も最高に熱くなろうぜ!!』


    「エイラ様、超かっこいい~!!」
    「おい」

     テレビの前ではしゃぐ私の頭をエイラは軽く小突いた。

    「邪魔しないでよ。今テレビ見てるじゃん!」
    「そのエイラってヤツがせっかく隣にいるのに、
     なんでわざわざテレビなんかでキャーキャー言ってんだよ!?」
    「彼氏とアイドルは別腹!!」

     もちろん彼氏のエイラはめちゃくちゃイケメン。
     でも、それと同じくらいアイドルをしてるエイラもかっこいいんだ。

    「俺はいつだってお前が好きだ。
     ステージにいるときは、客席のお前を探してるし、
     ステージを降りたら、真っ先にお前を抱きしめたくなる」

     隣を見ると、エイラの真剣な眼差しが私をまっすぐ射抜いた。

    「なのに……お前はアイドルの俺ばっかが好きかよ」
    「……」

     言葉に詰まった私を、エイラは強く抱き寄せてキスをした。



    「言えよ──俺のこと、好きって」

    きゅん

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  7. もうすぐクリスマス。
    クラス中が盛り上がってる、けど……。

    「あなたは先生と補習ですからね、小テスト15点さん?」
    「う……」

    数学が苦手な私は、冬休み返上で補習!
    せっかくのクリスマスなのに……。

    「あーあ。私もプレゼントとかほしいなあ……」
    「まずは小テストで合格点をとってからですね」
    「きびし~!」

    私は大げさにため息をついて、思い切り机に突っ伏した。

    でも、本当は少し楽しみ。
    優しくてかっこいい、王子様みたいな先生は、いつもみんなの人気者。
    そんな先生を、ひとりじめできちゃうって考えると──。

    「実は、楽しみだったりして」
    「え?」
    「なんでもないです!」

    思わず本音が口に出た。
    慌てて訂正すると、先生は少し意地悪っぽく笑って、

    「きちんと頑張ったら、そのときは……何褒美を用意しますね」
    「え?」

    聞き返そうとした私の唇に人差し指を当てて、先生は優しく微笑んだ。

    きゅん

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