ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 16件ヒットしました

  2. ここ最近はずっと、バレンタインは友チョコオンリー。
    義理チョコすら用意しない。

    友人と一通りチョコレートを交換し終えたら、戦利品をロッカーで整理する。
    教室の喧騒とは裏腹に、廊下は静けさに包まれていた。

    「ねえ」

    後ろから聞き慣れた声。
    なに、と振り向かずに返す。

    「俺のは? 毎年聞かせんなよ」
    「あんたこそ毎年懲りずに聞いてこないでよ」

    ため息をつきつつ、仕方なく包みを取り出す。

    「はい」
    「ありがと」
    「なんでそんなに欲しがるのよ。沢山貰ってるくせに」

    少し語尾が荒くなったか。
    目が合うと案の定いたずらっぽい笑み。

    「嫉妬?」
    「そんなんじゃないよ」

    本当?
    本当。

    もう恒例のやり取りだったけれど、今年は違った。

    「俺お前の以外受け取ってないから」

    聞き返しを牽制するように頭を撫で、君は教室に行ってしまう。

    私の隣には居てくれないのに、ずるい。

    きゅん

    6

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  3. 先生の話は上の空で、先程見せつけられたアイドルのMVを思い出していた。

    アイドルには微塵も興味が無い。でもさっきの金髪の彼は妙に頭に残る。

    でもまあ、きっと明日には何もかも忘れているけれど。

    「今上の空だったろ」
    「まあね」
    「俺のノート見せてやるよ」
    「字、汚いからいい」
    「は?!」

    隣の席の男子の茶化しをスルーして、先生に意識を集中させた。


    この時のアイドルと同居していることに、彼女は一生気づかない。

    きゅん

    2

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  4. 隣の席の男子と話していると、先生が教室に入ってきた。

    気持ちを切り替えてノートを開く。

    黒板に向かって喋っている先生の話を聞きながら要所をメモしていると、パサリと紙飛行機が落ちてきた。

    開いてみる。


    『楽しそうだったね』


    嫉妬深いあいつからのメッセージ。
    斜め後ろをチラ見すると、机に顔を伏せて完全に寝る体勢。

    ……もしかしたら寝ているのかもしれないけれど。


    と、下の方にもまだなにか書いてある。


    『俺も話したい』


    あまりにも直球で、私は分かりやすく固まった。


    他人に興味無さそうなくせに、こんな言葉を寄越してくるなんて。

    絶対、誰も想像しない。


    「顔赤いけどどうした? 暑いか? 窓開けるか?」

    「大丈夫です、なんでもないです!」


    授業中の不意打ちは、ずるい。

    きゅん

    4

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  5. 久々の部活オフ、俺たちは少しだけアレな本を囲み、タイプの子を言い合っていた。
    「で、太一は?」
    「まー安定のスレンダー!」
    「そうだよなー」
    盛り上がっているとガラリとドアが開く。東雲だ。
    「おう東雲。お前も入ろうぜ」
    「? なんだ」
    「こんなかでー、好みの女の子は?」
    バッと雑誌を広げても、一瞥もしない。
    「ノリ悪いじゃん」
    当たり前だよなと思いつつ茶化すと、東雲は真顔で言い返してくる。

    「俺が好きなのは彩だけだから」

    忘れ物を取ってからそそくさと立ち去る東雲。
    残された俺らはどうしようもなくいたたまれなくなって、それぞれが静かに帰り支度をはじめた。

    きゅん

    5

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  6. 受験勉強に追われる高校3年生は思ったよりも大変だった。
    私と夕くんは授業が被らないし学校が終わるとすぐに塾で勉強しに行く。要は話す機会がない。

    付き合ってるはず、なんだけどな。

    今は仕方ないと思いながら帰り支度。今日は塾がない日だし、少し寄り道しておやつを買ってから帰ろうかな。

    「彩」
    「わ、夕くん」

    いつも朝と帰りの挨拶だけは必ずしてくれる夕くんだけれど、今日は違った。
    一緒に帰ろうなんて嬉しすぎる。

    横並びで帰る道はいつもより楽しい。私の言葉に笑う彼の表情も輝いて見える。

    時々、手が触れて離れる。煮え切らない態度に私は彼の手を引っ掴んだ。

    「繋ごっか」
    「……ああ」

    カチャ、と眼鏡を直す彼の耳の赤さを、私は見逃さなかった。

    きゅん

    1

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  7. 私は幼馴染みと付き合っている。
    でも、昔からクールな彼は付き合ってからも変わらない。

    本当に私のこと、好きでいてくれているんだよね?

    不安になったけど、弱気になっちゃいけない!
    私を不安にさせた罰として、今日は好き好きしてあげないもん。
    それくらいの強気でいかなくちゃ。

    でも、私が話さない帰り道はとても静かで退屈だった。

    「‥‥‥なあ」
    「なに!?」
    「俺、なんかした?」

    どうやら私の変化は読み取れるらしい。
    でも、その顔がとてもさみしそうで、私は自分の行動を後悔した。

    「あんたが、本当に私のことを好きなのか心配になっちゃって、ふてくされてたの。ごめんね」

    少しだけ目を見開いた彼はすぐ目を細めて笑う。

    「ごめんな。でも、急に冷たいと、嫌われたかって、焦るからやめて‥‥‥」

    真っ赤な顔の彼につられて、私も顔が熱くなる。

    たまには隙の引き算も、悪くない?

    きゅん

    7

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  8. 「あ、おにいちゃん!」

    見慣れた背中を見つけて私は思わず駆け寄った。
    お隣の家に住んでいる幼馴染のおにいちゃん。
    私とは年が二つ離れていて、今は地元の国立大学に通う優等生。
    そして、私のずっとずっと好きな人。
    後ろから抱きつくと、彼はため息をついて強引に私をはがす。

    「お前な、いつも抱きついてくるなよ。危ないだろ」
    「もう、堅物だなあ」

    大学生になっておにいちゃんは前より構ってくれなくなった。
    でもいいの、私が勉強教えてってお願いすればいい話だもん。

    「最近授業わかんないから勉強教えてよ~。今うち誰もいないだろうし!」

    そういうとおにいちゃんは急に黙り込んだ。

    「‥‥‥あのな」

    ずい、塀に体が押し付けられる。身長差があるはずなのに彼の綺麗な顔が目の前にあって、私は反射的に赤面した。

    「お前にとってはおにいちゃんかもしれないけど、俺はお前のこと女としてみてるから」

    きゅん

    7

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  9. 「全く、無茶しないでよ」
    「へいへい」
    腑抜けた返事をする彼の怪我を手当てしていた。
    体育の時間、私に向かって飛んできたボールを彼は思いっきり弾いてくれたのだが、その時突き指をした。
    バスケ部の彼に手を怪我させてしまったことが申し訳なくて保健室に来たけれど、先生が不在で私が包帯を巻く。
    「巻きすぎだろ」
    彼の指と指をぐるぐる巻いていたら、相当動かしづらくしてしまったらしい。もう一度解いて巻き直す。
    大きい手だった。指は太くて長くて、がっしりしている。
    「……お前の手、小さいな」
    彼の手のことを考えていたらそう言われて驚いた。
    「あんたは大きいね」
    「簡単に包める」
    突如逆側の手で私の手が優しく握られる。突然の接触に驚いて固まってしまった。
    「あら、どうしたの?」
    保健の先生が入ってきて、慌てて手を離す。
    何事も無かったように振舞ったけれど、触れたところの熱さはなかなか収まらなかった。

    きゅん

    5

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  10. 望月彩。全く関わりのなかった彼女と定期を落としたことがきっかけで話すようになった。
    一年の時に同じクラスだったのに自己紹介で話しかけられたときは戸惑ったが、あまり誰とも関わらないようにしている俺に話しかけてくるアイツは変だと思う。

    話す内容は勉強のことばかりだし、今もきちんとノートをとっている。
    真面目なのだろう。

    じっと観察していたら、急にこちらを向いた。
    隣の席の奴に話しかけられたらしい。

    しかし要件が終わって前を向く前に俺と目が合った。
    一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐに微笑みながらペンを持つ手で小さく手を振られた。
    どうするべきかわからなかった俺は小さく会釈する。
    満足そうに頷いてまた板書を始める彼女を性懲りもなく見つめた。

    __こんなに人が気になるなんて、初めてだ。

    きゅん

    5

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  11. 放課後、帰宅中の私はスマホとにらめっこをしながらホームで電車を待っていた。

    昨日、片思い中の他校生と連絡を交換した。
    仲良くなるために何かメッセージを送りたくて、でもどうすればいいかわからなくて、私は彼のプロフィール欄をじっと見つめていた。

    あーあ、もう向こうから連絡でもくればいいのに。

    そう思った瞬間、電話が鳴った。画面には彼の名前。

    「ももももももしもし!?」
    『テンパりすぎ。今駅だろ。一緒に帰ろうぜ』
    「え、なんで知って‥‥‥」
    「横」

    耳元と真横から全く同じ声がして、私は言葉を失った。
    見慣れない制服を着こなす彼は私の横に平然と並び話し始める。
    胸の鼓動が音が聞こえていないか心配で、でも彼の横にいられることが嬉しくて。

    神様、私に勇気をください。
    この片思いが実りますように。

    きゅん

    3

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  12. 「おーい!おはよ!」
    「おはよ」

    いつも通りに挨拶をすると、彼は私のバッグを取り上げた。

    「今日もおっも! また勉強? 偉いなあ」

    何も言ってないのに、この人はいっつも私の世話を焼いてくれる。

    「まあね」
    「またテスト前は勉強教えてよー」
    「いいよ」
    「やった!」

    そう言って私のカバンを持ったまま、彼は廊下を走っていった。
    その後ろ姿を見つめる。

    私は多分、惚れられている。

    少し微笑めば彼の顔は赤くなるし、黒板を消そうとすれば彼も手伝ってくれる。

    可愛いな。

    頼れる君に、日に日に惹かれてく。

    きゅん

    4

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  13. 部活終わりの放課後、早足で廊下を歩いていた。
    教室が見えたとき、中から男子二人の話し声が聞こえた。うち一人は、少しだけ、気になっている。

    構わず入ろうとして、足を止めた。
    二人の会話に私の名前が出てきたから。
    私の気になってる彼がどうやら感心されているみたいだった。

    「最近頑張ってんじゃん。今日もノート借してたろ」
    「ああ、でも全然気付かれない。馬鹿だな。馬鹿可愛いってやつかこれが」

    心臓が止まりそうになった。
    私は確かに今日ノートを借りて写した、そして写したノートを取りに今教室に向かっていたのだ。

    「お前それはピンクレンズだろ」
    「なんで?どう考えても女子一じゃん。可愛くて明るくてちょっと馬鹿。マジで結婚したい」
    「こじらせてんなー」

    耐えられなくなって走り出した。ノートは諦めることにした。

    私への告白を思いがけず聞いてしまった。

    ‥‥‥明日からどう接すればいいの!?

    きゅん

    4

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  14. 「なあ」

    休み時間、自分の席でスマホをいじっていた私の背中が急に重くなった。

    きっとあいつだ。私の幼馴染の。

    後ろから抱きしめられたまま私は構わずスマホを見ている。
    これはもう日常のようなもので、今更焦ることもないのだ。

    「昨日見たドラマで言ってたんだけど」
    「うん」
    「LOVEって、お前が好きすぎておかしくなりそう、って訳すらしい」
    「へー」
    「俺、もうおかしいかも。お前のせいで」
    「うん。十分おかしいよ」

    そのままスタスタとどこかへ行った彼の言葉を思い返す。

    「え!?」

    私今、もしかして、告白されてた!?

    きゅん

    4

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  15. 頭もよくて、スポーツ万能で、クラスの人気者。
    そんな君に私は恋をしている。
    「これやるよ」
    既にストローが刺さっているいちごオレが、ことんと机に置かれた。
    大好物に驚いて顔を上げる。
    声の主は私の想い人だった。
    「罰ゲームに飲まされたんだけど、俺やっぱ甘いのだめだわ。お前好きだろ」
    「え、好きだけど、」
    「残すなよ!」
    男子に呼ばれ走っていった後ろ姿を見つめる。
    手元にはかなり残っているいちごオレ。
    好きだけど、大好きだけど。
    これは、間接キスになっちゃうじゃん!
    大好きな君にもらった大好きないちごオレ。
    飲み干すと、甘さで頭がとろけるような感覚がした。

    君への片想いは幸せすぎるよ。

    きゅん

    9

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  16. いつからか、君との距離が遠くなった。
    昔はいつも隣にいたのに。
    授業中、窓際の席で寝ている君を見ていることしかできなくなってしまったんだ。

    「週末どこ行く? 私おうち行かせてほしいな~」
    クラスで一番人気の女子が、授業中先生の話も聞かずに話しかけている。
    また別れたんだ。前の子、別れるの早かったなあ。
    それでいて、次がその子か‥‥‥。

    気づけば彼を見つめていた。
    昔とは違う、模様替えしたであろう君の部屋で、ゲームをする私たちのことを考えて。

    でもなぜか、今日は彼もまた私を見ていた。
    永遠に感じられた数秒間。

    先に逸らしたのは、私だった。

    きゅん

    7

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

  17. 「おい」
    ロッカーの整理をしていた私は、聞き慣れた声に顔を上げた。
    「どうしたの」
    5月、少しだけ暑くなってきた。今日から髪の毛を後ろでひとつに結んでいる。
    「好き」
    「は?」
    「髪型な。似合ってる」
    私の頭をポンと叩いて、ポケットに手を突っ込み向こうへ歩いていった。
    取り残された私は静かに赤面する。
    今日は本当に暑い日だ。

    きゅん

    5

    ういみみうさんをフォロー

    通報する

▲