ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 「何?玲央。【今すぐ屋上に来い】って。私掃除中だったんだけど」
    スマホの画面を見せながら、目の前で悠長に構えている男を睨む。
    「それは...、悪かったな。けど、今言っとかないと先越されると思って」
    てっきり言い返されると思ってたのに素直に謝られるからびっくりして固まる。だけど玲央の次の行動で私はまるで金縛りにあったかのように動けなくなった。

    「今日はあの日だろ。女から貰うのもどうかと思って、その...。ん!」
    腕で顔を隠し、真っ赤な顔で差し出された花束。恐る恐るそれを受け取り「ありがとう」と言うと「おう」とぶっらぼうな返事が返ってきた。

    「でもさ玲央。何で私にこれくれたの?もしかして皆に配ってたりする?」
    「はあ!?」
    そう聞けば思い切り頭を叩かれた。そしてグイッと腕を引かれ抱き締められる。

    「お前が好きだからだよバーカ」

    そう言った玲央の声は今まで聞いた中で一番甘かった__...

    きゅん

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  3. 「はい!廉!ハッピーバレンタイン」

    ラッピングしたチョコを廉に差し出す。

    「くれんのか?...さんきゅ」

    嬉しそうに受け取って包みを開けようとしていた廉。だけど不意にピタッと動きが止まる。

    「そういやこれ玲央達にもあげてなかったか?」
    「?うん。皆一緒だよ?」
    そう言えば廉はむっとした表情になった。
    「何で?俺だけ特別じゃねえの?」
    「あー...。そう言えば廉のは特別にビターに...」
    「そういう意味じゃねえよバカ。これは本命じゃねえのかって聞いてんだよ」
    言い終わる前に廉に遮られ、ずいっと詰め寄られる。

    「...本命に決まってんじゃん」

    それに気圧されポロッと言うつもりの無かった本音。言った後、あまりの恥ずかしさに固まっていると、手を引かれ、あっという間に廉の腕の中へ。

    そして廉が私の耳に口を寄せてそっと呟いた。

    「俺も好きだ。遥希」

    きゅん

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  4. 今日は二月十一日。もうすぐバレンタイン。私は、いつも一緒に居てくれてる皆にクッキーをあげようと、材料を買いに来ていた。

    「...皆、どんなのが好きかな?」
    「皆って誰の事ですか?」
    「え?そりゃあ青龍の皆に...ってわ!!!真人!?」
    「はい、何でしょう?」

    (相変わらずぶれないな、真人。冷静すぎて怖い...。けど!折角本人いたし、背に腹は代えられないよね!)

    「ねえ真人!真人の(味の)好みは何!?」

    思いきって言った後、言葉が色々抜けている事に気づく。しまった、何て思ったけどもう遅かった。

    ハッとして真人を見ると、やっぱり目を見開いて固まっていた。...だけどそれも一瞬。

    「“皆”ではなく、僕の好みですか?」
    今まで見たことないくらい優しく微笑んだ真人。

    そして顔を真人の両手に包み込まれる。

    「あなたですよ、遥希」



    刹那、優しい感触が唇に伝わった____...

    きゅん

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  5. 「わー!見て奏!ツリーだよ!綺麗だねっ」

    俺達の倍はあるLEDや飾りを付けられた大きなツリーを見て遥希ちゃんが無邪気に笑う。
    その横顔を見て「君の方が綺麗だよ」なんてクサイ台詞がふっと浮かぶ。

    だけど遥希ちゃんには何と無く言えなかった。
    いつもならスラスラと言えるはずの口説き文句だって出てこない。
    (何俺、話す話題が無いとか...中学生かよ)
    少し違う自分に若干戸惑う。女の子相手にこんなことになったのは初めてだ。


    「あ!願い事書けるんだって。奏何書く?」
    気付けば遥希ちゃんはツリーの下で置いてあったペンを持っていた。
    紙に書いてある事をちらと見れば【これからも奏達とずっと一緒にいられますように】とある。

    (奏"達"っていうのが気に入らないけど...)
    期待の目を送ってくる遥希ちゃんの耳元に近づく。そして、そっと呟いた。


    「遥希ちゃんとずっと一緒にいられますように」

    きゅん

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  6. 「薬だけは絶対やだ!」
    「あ?仕方ないだろ。熱あるってのに学校来たお前が悪い」
    「だって...!」

    ―――廉に会いたかった

    喉まで出かかった言葉を飲み込む。こんな恥ずかしい台詞、私が言える訳なかった。

    「んだよ、そんなに薬飲みたくねえのか?」

    首を傾げて聞いてきた廉は、どうやら勘違いしてくれた様子。
    必死に首を縦に振ると「しゃーねぇな」と廉が小さく呟いた。そして机に置いてあった水と薬を手に取っている。
    (何するつもりだろう?)
    そんな疑問も束の間。それを自分の口の中に入れてしまった廉。
    「ちょっ...!」
    「ん」
    「んんっ!」
    止めようと思った時にはもう遅く、触れ合う唇。そこから水と薬が流れ込んできて、そのまま飲み込んでしまった。

    「ふ、かーわい」
    優しく笑って頭を撫でる廉を見て、私の熱が上がったのは言うまでもない。

    きゅん

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  7. 「ほら、食べさせろ。美波」
    「うっ、無理だよ~」

    ―――昼休み

    私は卵焼きを箸で摘まんだまま固まっていた。それもこれも、瑠衣が『あーんってしてくれねーの?』なんて言ってきたからである。

    でも、そんな恥ずかしいこと出来るわけ無く。一向に動かない私に早く食べさせろと文句を言ってくる始末。
    この我儘王、どうしてくれよう...。

    「しょーがねぇなぁ」

    中々実行しない私を見て諦めたのか、大きな声でそう言うと、卵焼きを手で掴んで口の中に放り込む。

    そして私の方を向くと

    「え?瑠衣どうし―――むぐっ!?」

    柔らかい感触と共に、口の中で卵焼きの風味がした。

    口移しされた、と分かった瞬間一気に赤くなる顔。それを見て瑠衣が意地悪く笑う。

    「やっぱいいや。俺がお前に食べさせてやる」

    そして再びお弁当の具材を自分の口の中に入れる瑠衣。

    そして結局全部口移しでお弁当を食べさせられたのだった。

    きゅん

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  8. 「図書委員が最後だね」
    「あのハゲの話がやけに長いからな」
    放課後にあった委員会も終わり、祐哉と一緒に教室に戻る。そして急いで教科書類を鞄に詰め込んで、その鞄を持つ。
    (ドラマの再放送までまだ間に合うかな?)
    「じゃ先帰るね」
    祐哉に一声かけて扉を開けようと窪みに手をかける。
    するとその上から祐哉が私の手を握りしめた。
    驚いて振り返ろうとしたけど、今度はお腹に両腕が回り身動きがとれない。
    「え、あの」
    背中から祐哉の熱が伝わってくる。
    じんわりとしたその熱が私の体の体温を上げた。

    「授業中瞬にキスされてたけど付き合ってんの?」
    耳元で呟かれたその言葉は聞いたことがないくらい甘くて。どんどん顔が赤くなる。
    「付き合ってな、い」
    弱々しく答えて、そのまま素直に抱き締められたままでいれば、

    「じゃあ俺と付き合ってよ、凛音」
    祐哉が私を抱き締める腕の力がさらに強くなり、私の肩口に顔を埋めた。

    きゅん

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  9. 「凛音~」
    私の名前を呼びながら背中をツンツンとシャーペンでつついてくる問題児・瞬。
    絶対後ろなんか向いてやるもんかと意地を張って板書をしていたが、思ったよりツンツン攻撃は気が散るもので。

    「何っ!?」
    集中が切れてしまった私は小声でそう言いながら瞬の方を向いてしまった。
    「よっしゃ。俺の勝ち」
    すると嬉しそうに笑う瞬。どうやら勝手に私を振り向かせるゲームをしていたらしい。
    (...そんなことしてるから成績悪いんだよ)
    この前の中間テストの瞬の成績を思い出して、今だ笑っている瞬に冷ややかな視線を送る。

    しかし当の本人はそんな私の視線なんか気にする様子もなく、私の顔を見て微笑んでるだけ。
    (よし、今のうちに前を向いとこう)
    そう思い、姿勢を元に戻そうとしたとき。

    「凛」
    そう言って私にもう一度自分の方を向かさせると、顔を近付け、私の額にキスを落とした。
    (ほんとあり得ないこの男...)

    きゅん

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