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  1. 152件ヒットしました

  2. 「ほら、優輝くん。ちゃんと布団かけて」

    「…はい」

    「保健室の先生はいないけど
     ちゃんと寝ててね」

    「美夜先輩は、教室に戻っちゃうんですか?」

    「日直だから、職員室に寄ってからね」

    「…そう…ですか」


    寂しいです!って、伝えたい。

    傍にいて欲しいって、甘えたい。


    でも、そんなワガママを言ったら

    先輩は僕のこと
    嫌いになちゃいますか?


    「午後の授業が終わったら
     優輝くんのことを見に来るから」

    「…」

    「それまで、ちゃんと寝ててね」


    僕の頭を軽く撫で

    女神みたいに
    優しく微笑んでくれた美夜先輩。

    僕は精いっぱいの勇気をふりしぼって
    先輩のセーラー服の裾を掴んだ。


    「優輝くん、どうした?」

    「美夜先輩…」

    「?」

    「…なんでもないです」



    『行かないで』なんて、言えないよ。

    この関係が、壊れるのが怖いし。

    美夜先輩のこと、大好きだから。

    きゅん

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  3. グランドにしゃがんだまま
    顔を上げない夏海。

    「夏海、立てって」

    「…嫌っ」

    ガキの頃から、気が強くて。


    「私のせいで負けたんだよ」

    負けず嫌いで。


    「キャプテン失格じゃん…私…」

    責任感も強くて。

    絶対に泣かず
    男に甘えないコイツが可愛くて

    俺は、イジメたくてしょうがない。


    「こういう時は
     悔しいって、可愛く泣けよ!」

    「…嫌」

    「イヤイヤ星人かよ。めんどくせぇ女」

    「咲夜が言ったくせに」

    「は?」

    「小6の時」

    「何をだよ?」

    しゃがんだままの夏海が
    俺を見上げた。

    うわっ///

    こいつ、なんてテレ顔してんだよ。

    マジ…可愛すぎだろ///


    「泣く女とは…
     絶対に付き合いたくないんでしょ?」


    …うっ。勘違いすんなって!

    それは
    どうでもいい女達のことであって

    オマエが泣く時は
    抱きしめてやるから…

    たまには俺に、甘えに来い。

    きゅん

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  4. 「美波さんですよね?」

    「…そうですけど」

    放課後の教室

    「お時間よろしいでしょうか?」

    敬語なのにイライラ声で

    王子様系なのに、眼をつり上げている彼に
    困惑中の私。


    ……誰?


    「さすがに僕も
     高校の入学式で再会した時は
     あなただって気づきませんでしたよ」

    何の話?

    「10年前だし。一日だけの思い出しかないし」

    ん? 

    「でも、酷いじゃないですか?」

    「酷い?」

    「僕のことを絶対に忘れないって
     誓ってくれましたよね?」

    もしかして…

    親とケンカして、家出した時
    公園で話を聞いてくれた…

    「悠馬くん?」

    「やっと気づいてくれた」


    彼が微笑んだ。

    王子様級の笑顔に
    私の心臓が、キュンと飛びうねる。


    「惚れないでって警告されても
     もう、手遅れですからね」

    「…え?」


    「10年前からあなただけが
     僕の心の中を、占領しているんですから」

    きゅん

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  5. 「描きたいので
     椿先輩の手、貸してもらえますか?」


    放課後の美術室。


    「僕、大好きなんです。
     先輩のあったかい手」


    目の前に座るしずく君が


    「僕以外の手を握りしめたら
     泣いちゃいますからね」


    机の上の私の手に
    長い指を絡めてきたから


    「ひゃっ!」


    ビックリしすぎて
    手を引っこ抜いちゃった。



    何…今の? 恋人繋ぎ?

    私達、付き合ってもいないのに。



    「しっ…しずく君」

    「はい?」

    「デッサンしたいんじゃないの?」

    「したいですよ」

    「じゃあ、私の手を
     握る必要って無いよね?」

    「何言ってるんですか? 椿先輩」

    「…?」

    「僕が描きたいのは、
     僕の熱で頬を染めている
     椿先輩の顔ですよ!」

    「ふぇ?」

    「可愛い反応っ」

    「///」

    「そのテレ顔。僕だけに描かせて」

    「なんでっ?」


    「椿先輩のこと、大好きですから!」

    きゅん

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  6. 「この空き教室。総長の俺だけが使える
     VIPルームなんだけど」

    「ごめんなさい、知らなくて」

    「なんで泣いてるわけ?」

    凛とした漆黒の瞳に見つめられ

    「しっ…失礼しました」

    慌てて教室から出て行こうとしたのに

    私が開けようとしたドアに
    総長は手の平をついた。

    「俺を無視する女、初めてなんだけど」

    ひぃえ?壁ドン状態?

    「俺が怖い?」

    「…いぇ」

    「しゃべる価値すらない男だって
     俺を見限ってんの?」

    「そういうんじゃ…」


    私を追い詰めるように
    総長の凛々しい美顔が迫ってきて。

    鼻と鼻が当たりそうな距離に
    私は顔を横に逃がす。


    「彼氏に浮気されたんだろ?」

    なぜそのことを?

    「学校でのオマエのことは、ほとんど知ってる。
     なんでか教えてやろうか?」

    うわっ。
    総長さん、顔真っ赤。

    「オマエのことが好きすぎて…
     俺の視界に、勝手に入ってくるから…」

    きゅん

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  7. わわわぁ
    3人とも、こっちに来ないでよぉ

    廊下の先

    桜色のブレザーをモデル並みに着こなす3人の姿に
    お弁当を抱えたまま、回れ右

    後ろを向いて、猛ダッシュ!

    と、行きたいところだったのに…

    「俺から逃げれると思ってるわけ?」

    ムチを振り回す魔王様に、腕をつかまれ

    「望愛?僕に会えて嬉しくないの?」

    キャンディみたいに甘々王子に、微笑まれ

    「俺達3人と、中庭にお弁当を広げて、ピクニックしよっか?」

    キラキラスマイル王子に、肩に手を置かれたせいで
    逃げられなくなってしまった私

    「ピクニックは…ちょっと…」

    学園の王子様3人を独り占めしたら
    女子たちに睨まれちゃうし…

    「オマエに拒否権なんて、ねぇよ」

    「おかずと一緒に
     僕の指ごと食べちゃっていいからね」

    「うちの店のモンブラン。
     あ~んで食べさせてあげる」

    う…嬉しいけど…
    学校でこういうのは…勘弁してください

    きゅん

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  8. 今日もゲットできなかったよぉ…


    お昼休みを告げるチャイムと同時

    先生よりも早く教室を飛び出し
    売店に走ったのに

    限定ウサギちゃんンパンのポップには
    完売の札がペタリ。

    イースター限定だったのに…
    次に狙えるのは、また来年だよぉ…


    「今日もダメだったの?」

    優しい声に誘われるように見上げると
    隣の席の七海君が。

    「30個なんて、少なすぎ~」

    「バレンタインも、クリスマスも
     限定パンをゲットしそこなってるでしょ?」

    七海君に、そこまでバレてたんだ。

    「俺のお願いを聞いてくれたら
     このパン、あげてもいいけど」

    「お願いって?」

    「明日、古典の教科書を忘れてくれる?」

    えっ?

    「忘れたから隣の人に見せてもらうって
     先生に言うんだよ」

    なんで七海君の顔、そんなに赤いの?

    「授業中
     こっそり手を繋ぎたいんだけど……いい?」

    良くない…
    こっそり、ムリだよ…

    きゅん

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  9. この一週間

    鈴君が、手作りお菓子をくれるけど


    「今日は、エッグタルトとプリンと
     ウサギのクッキーと、ウサギケーキと…」

    日に日に、お菓子の種類が増え


    「美羽先輩
     今日はイースターパーティーしましょ」

    広げたレジャーシートの上に
    鈴君が大量のお菓子をドドーン。


    嬉しいよ。私のために
    毎日お菓子を作ってくれるし

    おいしいって言うだけで
    ピョンピョン喜んでくれるし

    嬉しい…けど…


    胃がお菓子を拒絶

    見るだけで
    ニガニガ胃液が込み上げてくるから。


    「鈴君ごめん。
     お菓子は食べられそうにない…」

    「もしかして僕…
     無理やり食べさせてましたか?」

    「そんなこと…」

    「僕の愛って…重すぎですよね?
     彼氏…失格ですか…?」


    捨てられる子犬みたいなウル目で
    見つめないでよぉ。


    学校の中庭なのに

    『鈴君、可愛いすぎ!』って
    抱きしめたくなっちゃうから。

    きゅん

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  10. 「彼氏と同じクラスで
     いちゃついてんのかと思ったのに。
     なんっつう顔をしてんだよ」


    私の髪をグシャっとした
    幼なじみの珀斗に

    「フラれた。
     私の全部がムリなんだって」

    苦しい現実を吐き出した私。


    「俺が、文句言ってきてやる」

    「ちょっと…」って。

    私が止める前に
    礼君の所に行っちゃったし。


    私は少し離れたところで
    二人を見つめることしかできない。


    「礼さ、美咲のことふったんだってな」

    「……ああ」

    「じゃあ、俺が美咲をもらって
     良いってことだよな?」

    珀斗、何言っちゃってるの?

    礼君はもう、私のことなんて
    なんとも思っていないんだから。


    「美咲のこと…珀斗にも渡したくない…」

    えっ?


    「礼は、美咲の全部がムリなんだろ?」

    「美咲のことが大好きすぎて
     醜い嫉妬で、美咲を傷つけちゃうのが
     嫌だったから…」


    それが、私をふった理由なの?

    きゅん

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  11. なんで、同じクラスになっちゃうかなぁ。

    『礼君と違うクラスに』って
    神社で手を合わせ、千円札を投げ込んだのに

    新学期の教室には
    数日前に私をふった、元カレの姿が…


    ――神様、千円返して


    私の名前が書かれた席に着くと

    机の中に、透明な袋に入った
    ウサギの形のクッキーが入っていた。


    誰からなのか
    私へのクッキーなのかも、わからない。


    でも…

    一年前の記憶が、鮮明に蘇る。


    『美咲って、イースターが何か知ってる?』

    『ウサギを食べる日かなぁ?』

    『美咲に食べられるなんて、可哀そうなウサギ』

    礼君が、ケラケラ笑って。

    『違うよ。ウサギの形のクッキーとかだよ』

    私が礼君の肩を、ポコポコ叩いたっけ。


    思い出を振り切るように、顔を上げた時

    離れた席に座る礼君と、視線が絡んだ。


    なんで、そんな苦しそうな顔で
    私を見てるの?

    苦しいのは、フラれた私の方なのに…

    きゅん

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  12. 「タマゴに絵を描くなんて、初めてだよ~」

    ルンルンで色を塗る僕の彼女は、可愛い。


    「あっ君のタマゴ貸して」

    「なんで?」

    「ゾルルを描いてあげる」

    「僕のは色だけで…」

    「ゾルルだけじゃ寂しいね
     隣にあっ君も描いてと」

    「だから…」

    「見て、私の絵も描いちゃったよ」


    可愛いでしょ?アハハって
    ツインテ揺らして、微笑んで。

    何でも『楽しい』に変換できるりんりんが
    可愛くてたまんないんだけど。


    「その笑顔、僕がいない所でも
     振りまいてるでしょ?」

    「みんな、私を笑わせてくるんだもん」


    は~

    僕、笑顔ごときで嫉妬してんの?

    我ながら、ダッサ。


    「タマゴ完成。あっ君のお部屋に飾ってね」


    りんりんから受け取ると

    タマゴに『あっ君 大好き』の文字が。


    かぁぁぁ///

    可愛すぎる不意打ち、マジでやめて。

    僕も不意打ちで、りんりんを襲っちゃうよ。

    きゅん

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  13. お昼休み
    廃墟化された美術室。

    「りんりんって、ウサギヘアも似合っちゃうんだね」

    「似合ってるかなぁ…」

    「パンダヘアも好きだけど
     りんりんウサギも可愛すぎ///」


    私の髪をアレンジしてくれた
    あっ君がニコっ。

    真ん丸な瞳がアーチ状になるくらい
    とびきりの笑顔で見つめられ

    キュンと、心臓が飛び跳ねた。


    「あっ君、ほめ殺しはやめてよぉ」

    顔、真っ赤になっちゃうから…


    「じゃあ、僕にいじられたいの?」

    今まで天使だったのに
    あっ君の瞳には、悪魔の光がキラリ。

    「そういうんじゃ…」

    「じゃあ、りんりんが決めて」

    えっ?

    「天使の僕か、悪魔の僕。
     どっちの僕にキスされたい?」

    そんな恥ずかしいこと…
    言えないよぉ…

    「僕のウサギが、困ってる。可愛すぎ///」


    あっ君、天使笑顔に戻ってるし。

    天使と悪魔のミックス彼氏を持つと
    私の心臓がもちません///

    きゅん

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  14. 「美羽先輩、これ持ってくださいね」

    昼休みの中庭。

    彼の鈴君にスプーンを渡され
    嫌な予感しかしない私。

    昨日は、ウサギ耳のカチューシャを
    付けさせられたし…

    「鈴君、このスプーンって?」

    「エッグレースです」

    「ん?」

    「美羽先輩、座ってたらレースはできませんよ!」

    鈴君に手首を引っ張られ。

    「卵を乗せて、グランドを先に一周した方が勝ちですから」

    スプーンの上に、カラフルな卵が乗せられた。

    「これって…ゆで卵だよね?」

    「生卵です」

    なんてデンジャラスな。
    落としたら、間違いなく割れちゃうよ!

    「鈴君、学校でレースはちょっと…」

    恥ずかしすぎだし。
    割れたら、ニワトリさんにごめんなさいだし。

    「美羽先輩とイースターしたくて…
     今週は毎日…イベントを企画してるのに…」

    そんな悲しい顔をしないでよ。

    …ん?

    もしかして…
    明日のお昼も、何かあるってこと?

    きゅん

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  15. 「美羽せ~んぱい
     このカチューシャ、つけてくださいね」


    お昼休みの中庭。

    ベンチに座る私に

    「僕とお揃いなんですから、早くつけて!」

    彼氏の鈴くんは
    ウサギ耳のカチューシャを渡してきた。


    「今、つけるの?」

    「美羽先輩、似合うだろうなぁ」

    「学校のみんなに見られちゃうよ」

    「もしかして…」

    「ん?」

    「僕とお揃いでウサギになるの…
     嫌なんですか?」

    鈴くんは瞳を潤ませ
    今にも泣き出しそう。


    「美羽先輩とウサギになりたくて…
     昨日…買いに行ってきたのに…」

    ひゃっ、泣かないでってば。

    私、鈴君の涙に
    めちゃくちゃ弱いんだから。


    大好きな鈴君に、嫌われるのが怖い私。

    恥ずかしいのを我慢して
    頭にウサギ耳のカチューシャを。


    「これで…満足してくれた?」

    「美羽先輩、可愛すぎです!
     襲ってもいいですか?」


    ダメダメ!

    ここ、学校だから!

    きゅん

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  16. 大好きすぎて、苦しい


    頭の中が、美咲で埋め尽くされて
    自分がどんどん壊れていく



    理想の彼氏になれなくて

    ダサいことしか言えなくて


    男と話しているのを見るだけで
    心の中の醜い鬼が暴れ出すのに

    「他の男と話さないで」なんて
    男らしいことも言えなくて



    嫉妬して。嫉妬して
    嫉妬が積もりすぎて

    美咲と一緒にいるのが、苦しくなって



    ヘタレな俺から出た言葉が

    『別れて』




    『好き』が膨れ上がるほど

    美咲に対する許容範囲が狭くなる



    他の男と話さないで

    他の男に笑いかけないで

    友達より、俺を優先して

    俺のことだけ、考えていて


    俺の心の中、ヤバ過ぎでしょ?

    わかってるんだよ、そんなこと



    多分俺は

    『なんとなく好き』

    その程度しか愛せない子としか
    上手く付き合えないんだろうな



    でも


    美咲以外考えられない俺は
    どうしたらいいんだろう…

    きゅん

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  17. 満開の桜に未練タラタラな
    地縛霊になっちゃったな。

    数日前。

    この桜の木の下で礼君にフラれ
    毎日、ここに来てしまう私。


    涙を堪え、桜を見上げていた時

    「礼君、一緒にお花見しようよ」

    「部活終わったら、みんなでね」

    元カレと女の子の話し声が聞こえ
    私は慌てて、木の後ろに隠れた。


    「礼君、聞いたよ~」

    「何を?」

    「美咲ちゃんと別れたんでしょ?」

    「まあね」

    「なんで?」

    私も知りたいよ。
    なんで私、フラれちゃったの?


    「美咲と一緒にいるのは
     ムリって思ったから」

    「礼君は、美咲ちゃんの何がムリだったの?」

    「……全部」


    私の全部が…ムリだったんだ…

    ダメだ。涙、堪えられない。


    私の口から嗚咽がもれ。

    「……美咲?」

    礼君に、見つかっちゃった。


    「礼君……全部……ごめんね……」

    私は涙を拭い

    桜の下から逃げ去ることしか、できなかった。

    きゅん

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  18. 「礼、部室で転がってんなって」

    「俺、グランド行きたくない…」


    「部活、ずる休みする気かよ?」

    「満開の桜なんて見たくないから…」


    「礼がふったんだろ?美咲ちゃんのこと」



    畳に転がる俺を
    裕太は足で突ついて来て


    「大好きすぎて別れるなんて
     礼の心ん中、マジ意味不明~」


    あきれ声をぶつけられたけど。



    しょうがなないじゃん。


    美咲と一緒にいると
    ドキドキで心が暴れまくって。


    美咲が他の男の前で笑ってるだけで、
    イラついて。


    心の荒波に
    俺が絶えられなくなったんだから。




    1年前。満開の桜の下。

    美咲に一目ぼれした俺。



    1年経っても、別れても

    美咲への想いは、膨れ上がる一方って……




    「他の男に取られても、知らねぇぞ」



    それは、絶対に嫌。


    嫌だけど……



    美咲と一緒にいるのも苦しい俺は

    どうしたらいいんだろう……

    きゅん

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  19. 舞い散る桜吹雪

    見上げる私の瞳には、大粒の涙。



    こんなに綺麗な桜の花びらなのに

    頬に触れるたび、心に痛みを感じるのは

    たった今

    大好きだった彼に
    サヨナラを告げられたからだよね?



    私、桜が大好きだったんだよ。

    1年前の高校の入学式で
    礼君が言ってくれたから。



    『満開の桜より、キミに見とれちゃった』

    人懐っこい笑顔で。



    『俺がひとめぼれするなんて、思わなかったなぁ』

    恥ずかしそうに、首の後ろをかきながら。



    『キミへの想いは
     何度、桜が散っても変わらないと思うから。
     俺と付き合ってよ』

    熱のこもった瞳を、輝かせながら。




    私の心の傷を癒すように
    ひらひらと花びらが舞い落ちる。



    こんなに綺麗で優しいのに

    桜のこと、大嫌いになっちゃったよ。



    頬を伝う大粒の涙を
    両手で拭いながら

    大嫌いな桜を
    見上げ続けることしかできなかった。

    きゅん

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  20. 好きな子に『彼女がいる』って
    嘘をつき続けている俺。

    「黒崎君の彼女って、どんな子?」

    「ほっぺがプクっとしてて」

    「うんうん」

    「お菓子とか
     すっごく幸せそうに食べてさ」

    マジで…かわいい奴…

    …って。

    これは、架空彼女じゃなくて

    理想の彼女像でもなくて

    片思い中の、オマエのことなんだけど。


    姫乃が
    俺の気持ちに気づくはずもなく

    「ノロケごちそうさま」だって。


    は~。

    これでまた
    『彼女なんかいない』って
    言えなくなっちゃったじゃん。

    「黒崎君にお願いがあるんだけど…」

    「何?」

    「私に言ってくれないかなぁ?」

    「なんて?」

    「『大嫌い』って」

    ……へ?

    言えるわけないじゃん。

    むしろ
    独り占めしたいほど大好きだし。

    「イヤミったらしく、言い放って欲しいの」

    「なんで?」

    「彼女がいる黒崎君のこと…
     どんどん好きになっちゃうから…」

    きゅん

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  21. 「今日はクッキーだけど、食べる?」

    「黒崎君、ありがとう」

    お菓子を頬張る姫乃の姿が
    リスみたいに可愛くて

    毎日、与えてしまう俺。


    本当は、俺の手作りなんだけど…

    「黒崎君の彼女って、お菓子作りプロ並みだね」

    「俺、甘いの苦手だから。
     姫乃に食べてもらえて助かるよ」

    なんて、嘘をつき続けている。


    初めて姫乃にクッキーをあげた時。

    どう切り出していいかわかんなくて

    めちゃくちゃテンパっちゃって。


    『彼女が作ったんだけど…』
    なんて言ってしまったせいで

    今も『彼女有り設定』のまま。


    今更、言えないよな。
    彼女はいないって。



    「黒崎君の代わりにお菓子食べるの
     今日で卒業してもいい?」

    えっ?

    「私も探したいんだ。
     毎日お菓子を作ってあげたくなるくらい
     大好きな人」

    その相手、俺じゃダメ?

    ヘタレな俺は
    そんな簡単な言葉も、口に出せなかった。

    きゅん

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