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  1. 13件ヒットしました

  2. 「西内くん、もう来たかな?」
    「テレビで見るよりカッコいいんだろうなぁ」
    「メイク直さなきゃ!」
     学校内は、女子生徒を中心に今朝からお祭りモードだ。SNSで人気急上昇中の現役高校生モデルが、雑誌の撮影にうちの学校を使うとかなんとかで。
     芸能人に興味がない私にとっては、自販機のいちごオレの方が何倍も重要なのだ。 
    「相変わらずいちごオレ好きなんだな」
     ボタンを押す手が止まる。隣を見ると、話題の彼がいた。確かにカッコいい。
     というか、相変わらずって……?
    「覚えてる? 西内涼太」
     にしうち、りょうた……?
    「なんだよ、会いたかったの俺だけかよ」
     この声、なんなら顔も、私の記憶にあるものだった。彼は、幼稚園児の頃に引っ越した幼なじみだ。
    「思い出した?」
     何度も頷く。驚きで声が出ない。
    「やべぇ、可愛い」
     抱きしめられた。懐かしい、大好きな匂い。
    「お前のこと、ずっと好きだった」

    きゅん

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  3. 「早く! 置いてくよーっ!」

    「おい、走んなって」

     カップルがそんな会話を交わしながら、私の背後を通り過ぎていく。

     今日はクリスマス・イブ。彼らと同じように、私も彼氏とデートに出かける予定だ。

     しかし、肝心の彼は現在、先生に呼び出され中。来るまでツリーでも眺めているとしよう。

     毎年思うけど、溜息が出るほど綺麗。てっぺんの飾りが野いちごなのも、この学園らしくてステキ。

    「だーれだ」

     両目を手で隠され、大好きな声が耳に響く。思わずニヤける。

    「ごめんな、お待たせ」

     「寒かったろ」と心配してくれる彼に、ツリーの魅力を伝えた。待ってるのは全然苦じゃなかった、と。

    「……ふーん」

     彼の様子がおかしい。

    「もうちょっと寂しがってるかと思ってた」

     身につけていたマフラーを、私の首に巻きつける。

    「ツリーに感動してるのすげえ可愛いけど、今日は俺のことだけ見て?」

    きゅん

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  4. 「おーい、帰ろうぜー」

     私の彼氏は、カッコよくて、スポーツ万能で、明るくて、男女問わず慕われている、まさに完璧なイケメン……なのですが、困った点が一つ。

    「ごめんなさい……、今日はちょっと」

    「えー、なんかあんの?」

    「妹のお迎えがあって」

    「ふーん」

    「ご、ごめんね。じゃあ急ぐから」

     背を向けて駆け出した瞬間、「待って」と腕を掴まれる。

    「な、なに?」

    「妹と俺、どっちが大事?」

     ……彼は、私の妹にも嫉妬しちゃうほどの、彼女ベタ惚れ系男子なのです……!

    「答えて」

    「そ、そんなこと聞かれても……」

    「俺のこと、好き?」

    「も、もちろん! だから付き合ってるわけであって……! ただ、家族はまた違うベクトルで……っ!」

     彼の唇が、私の言い訳を塞いだ。

    「ごめん、嘘だよ。妹想いの彼女、最高。大好き」

     ベタ惚れだけど、その分優しくて甘い。そんな彼です。

    きゅん

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  5. 「おっ、偶然」

     正門前で会ったのは、付き合って三ヶ月になる彼氏。目を逸らし、おはよ、と呟いた。

    「なんか変じゃね? お前」

     そう、私は今日、変だ。おかしいのだ。ずっとそわそわして、落ち着かない。

    「ああ、なるほど。そういうことか」

     顔を上げると、ニヤニヤした表情の彼と目が合った。

    「俺が夜、晩メシ食いに来るからだな?」

     当然のようにバレていた。こくりと頷く。

     先日、お母さんが私たちのデートに遭遇した際、半ば強引に彼を招待してしまったのだ。

    「俺は楽しみだけどな、家でのお前見れるの」

     笑顔で言った彼は、私の手をとって歩き出す。

     頼もしい背中に惚れ惚れしていると、次の瞬間、彼はとんでもないことを口にした。

    「いっそ泊まろうかなー」

     予想外の内容に思わず足が止まる私。理由を尋ねると、「決まってんじゃん」と彼が振り向く。

    「いつか一緒になる前の予行演習」

    きゅん

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  6. 「ウチら、結構イケそうじゃない?」

    「マジで優勝しちゃうかも!」

     もうすぐ球技大会。本番に向けて、今日も絶賛練習中!

    「あ」

     教室に戻る途中、チームメイトが足を止めた。

    「男子たち、サッカーしてる」

     その中でひときわ目立つ、キラキラ男子。

    「やっぱりカッコいいよね」

    「飛び抜けてイケメンだよね」

     クラス一……、いや、学年一モテるイケメンの勇姿に、彼女たちは口を揃える。

     実は私も、彼に想いを寄せる一人だったり。

     ああ、今日もステキ。カッコいい。ずっと見ていたい。もはや神々しさすら感じる。

    「おっ、女子も練習?」

     彼が私たちに気づいた。隣の彼女が「そうだよ、バレーのね」と答える。

    「お疲れさん。あ、ポニーテール」

     彼の科白に、「え」と顔を見合わせた。

    「珍しいな! 可愛いじゃん」

     ひときわ赤面しているのは、チームで唯一のポニーテールだった私。

    きゅん

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  7. 「すげえ、虹出てる」

     空を指差し、そう教えてくれる彼。

     ついに今日、一学期最後の授業を迎えてしまった。

     移動教室で行われるこの授業は、他クラスの彼の隣に座ることができる。

     想いを寄せる私にとって、この時間も、二人で見上げるあの虹も、奇跡そのものだ。

    「明日から夏休みかー」

     「どうせ部活三昧だけどな」と苦笑する彼が愛しい。

     何の接点もない彼とこうして話せるのも、最後かもしれない。

     そう考えるだけで上手く笑えない。声が出ない。

    「どした?」

     優しい声に胸が痛む。大丈夫、と精一杯の笑顔で誤魔化した。

    「……夏休みさ、予定ある?」

     声を出して驚いてしまい、抱えていたペンケースやノートが腕から落ちていく。

    「ごめん、急に」

     拾い上げてくれた中に、一枚の紙切れ。

    『花火大会、よかったら二人で行かない?』

     彼は虹を見上げていた。

     その耳は、赤い。

    きゅん

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  8. 「おはよ」

     耳元で囁かれる。と同時に、背後から抱きしめられる。

    「ひぇ、って。可愛いな」

     私の反応を笑い、「可愛い可愛い」と頭を撫でてくる。

     彼はただのクラスメイト。特別親しいわけではない。

     それなのに彼は朝、私を見かけると必ずこうして抱きしめてくる。

     普段、男友達や他の女子にはクールに接しているのに。なんで私だけ。

     ある日、珍しく一人でいる彼を見かけた。

     その瞬間、いつもの仕返しをしてやる、と闘争心がメラメラ湧いた。

     隙を見計らい、彼の背中にダッシュする。そしてタックル!

    「うおっ」

     腕を体に巻きつけ、ホールドする。

    「急に誰だよ……、って、はあああ?」

     犯人は私だと認識した彼の様子がおかしい。

    「えっ、ちょ、な、なにして……、え?」

     異常に赤くなっている顔に、いつもの仕返し、と説明した。

    「好きな奴にやられたら、勝てる気しねー……」

    きゅん

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  9. 「ねえ、俺と付き合わない?」

     本当にツイてない。

     朝、パパから再婚の報告があった。

     ママが死んだ日から、二人三脚でがんばってきたのに。

     他人と暮らさなきゃいけないなんて、嫌だよ。

    「聞いてる? 付き合ってよ」

     しかも登校早々、上級生に絡まれるし。もう、最悪。

    「悪いけど、それは無理」

     声の主に腕を掴まれ、引き寄せられる。

    「この子、俺の彼女だから」

     上級生は舌打ちをして去っていった。

     お礼を言おうと見上げた目に映ったのは、とんでもないイケメンだった。思わず息を呑む。

    「電話、鳴ってるよ?」

     彼に指摘され、応答する。相手はパパだった。

    『すっかり忘れていたよ。相手の女性に、柊 拓真《ひいらぎ たくま》くんっていう息子さんがいるんだ』

     名前を復唱すると、彼が私を見つめる。

    「なんで、俺の名前……」

     ステキな彼と秘密の同居、始まります……!

    きゅん

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  10. 「でっかい溜息ついてんなよ」

     声でわかった。幼なじみの彼だ。振り向く気力もない。

     「なんかあった?」と尋ねてくる彼に、私は呟くように話した。

     今日は朝から、絵に描いたようにツイていない。

     寝坊してお母さんにも生活指導の先生にも怒られ、授業で忘れ物をして先生に怒られ、体育で顔面にボールをぶつけられ、女友達と大喧嘩して、挙げ句の果てに部活でミスを連発。

     今は、すっかり忘れていた遅刻の反省文に取り掛かり中。

    「一文字も書けてねえじゃん。こういうのは適当にやればいいんだよ」

     悩みなんかなさそうだよね、と捻くれた返事をすると、彼の声色が変わった。

    「あるよ、すげえある」

     どうせ大したことのないものなんだろう。はいはい、と投げやりな態度で返した。

    「でも全部、お前のことに関してだけどな」

     息が止まる。思わず彼を見た。その顔は、赤い。

    「……だから、そーいうこと」

    きゅん

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  11. 「許して、イケメン先生! お願い!」

    「俺はそんなありきたりな褒め言葉には騙されねえ」

     どうやら課題を忘れてしまったらしい女子生徒と、新任教師として最近就任した、幼なじみの恭一こと恭ちゃんのやり取り。

    「でも先生って、超イケメンだよね」

    「うるせー、誤魔化すな」

     気安く恭ちゃんに触らないでよ。他の女の子の頭、撫でないでよ。

     恭ちゃんをずっと慕ってきたあたしにとって、この距離は天国であり、地獄だ。

    「どした?」

     顔を上げると、あたしを心配そうに見つめる恭ちゃんがいた。

     えっと……、と言葉に詰まっていると、不意に頭を撫でられる。

    「こうしてほしかったんだろ?」

     ……なんでわかるの?

    「お前のことなら何でもわかるよ」

     「幼なじみだからな」と付け足す。大人の笑顔。ドキドキする。ズルい。

    「安心しろ。家帰ったら、俺のこともこの手も、お前の好きにしていいから」

    きゅん

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  12. 「お、いた」

     日誌を書いていた私を発見するなり、ぎゅっと抱きしめた。

     学校祭が無事に終わり、校内はお祭りモードから日常へとシフトしていく。

    「今日から部活かー……」

     久しぶりの練習だからか、普段は部活大好きの翔が珍しく溜息をついた。

    「ん」

     私の首元に腕を回したまま、頬を近づけてくる。

     なに? と返しても、「だから、ん」と科白は変わらず。

     もしや。感づいた瞬間、頬がさらに近づき、私の唇に触れた。

     頬から寄ってくるという、珍しいキスの仕方だ。

    「いってらっしゃい、のキス」

     してやったりな笑顔。

     悔しい。けど、カッコいい。

    「顔、赤え」

     背けると、「もっと見せて」と正面へ向けられる。

     再び降ってきた。今度はちゃんと唇だった。自然と目は閉じる。

     翔との、キス。すき。

     そっと離れ、同じタイミングで目を開けた。

    「いってきます、のキスな」

    きゅん

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  13. 「これ持ってて」

     そう言われて受け取ったのは、さっきまで彼が着ていたジャージ。

     目を疑った。でも間違いない。何度確認しても、彼の名字が刺繍されてある。

     コートに向かったのを見計らい、ぎゅっと抱きしめた。まだ温かい、彼の匂い。

     一年生の頃からずっと、彼のことが好きだった。

     だからすごく嬉しい。でも、どうして私に?

     困惑しつつも、夢みたいなこの現実を噛みしめる。

    「さんきゅ」

     試合を終えた彼にジャージを返した。名残惜しいけれど仕方がない。

    「お前のおかげで勝てた」

     どうして? と尋ねると、ジャージを指差した。

    「ぎゅっとしてくれてたから」

     笑顔で答える彼に言葉を失う。顔が熱くなる。

     見られてたんだ……。

    「見守ってくれてるような気がして……、嬉しかった」

     「だからさ」と、私の手をとる。

    「次も勝てるように、今度は俺をぎゅっとしてくれない?」

    きゅん

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  14. 「カップルなんか見つめて、どうしたの?」

     突然の声に驚き振り向くと、クラス一人気者の彼が立っていた。

    「彼氏、欲しいの?」

     窓から偶然見えた、一組のカップル。

     手をつないだり体を寄せ合ったりして、とっても幸せそうだった。

     私もいつか、大好きな人とあんなふうに。なんて思っただけ。

    「じゃあ、する?」

     え、と声が出る前に手を握られた。

    「恋人ごっこ」

     引き寄せられ、彼の体にぶつかる。ぎゅっと強く、けれど優しい力で抱きしめられた。

     シャツの感触、熱い体、彼の匂いにドキドキする。胸が苦しい。

    「緊張してんの? 可愛い」

     細くて長い指が、私の頭に触れ、撫でる。

    「キス、してみる?」

     どこもかしこも整った顔を近づけられ、恥ずかしさのあまり目をつぶる。

    「ごめん、やりすぎた」

     目を開けると、優しく笑う彼が言った。

    「キスは、ホントに付き合ってからな」

    きゅん

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