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  2. 「今日はここまで。片付け始めてー」

    そうみんなに向けて言ったのは部長で。

    真面目にみえて実は、話せばユーモアでいっぱいの彼が少し気になっていた。

    伸びをするフリをしながら盗み見る。

    ーああ、カッコいいなぁ。

    だらしのない表情を惜しげもなく見せていると隣から一発頭にもらう。

    「いっ…だぁ」

    隣の彼は幼なじみの早瀬だ。

    「あの人、彼女いるから」

    「へっ?」

    驚きの発言に眉ひとつ動かせない。

    「ほっ本当?」

    「うん、うそー」

    「………」

    ーうん、サラリとうそをつかれたね。

    しかし、彼の発言はこれだけでは終わらず。

    「よし、部活も終わったことだし。ちょっと遊びに行こっか〜、かなっ」

    いきなり皆に聞こえるような音量で早瀬は言った。

    「っ!ちょっと…」

    そこで最初に聞いた声がここまでの形勢を変える。

    「かなちゃん、嫌がってるみたいだけど?」

    きゅん

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  3. 二人だけの世界。

    それは、今この瞬間のことをいう気がした。

    息遣いも聞こえるほどの距離まで、顔を近づけ合う。

    両の手は余すことなく絡め合い、共に舞う。

    番の様にどこまでも、一緒にー…。

    しかし。幸せの時はいつまでもは続かない。

    だって私は姫"役"で、彼は王子"役"だから。

    必ず終わりが来るもので。

    手が離れ、熱が急速に冷めていく。

    王子は名残惜しそうに舞台から去る。

    残るぬくもりが愛おしくて、姫は自身の手を握りしめた。

    そして"私"は涙を零す。

    同時に場面が切り替わるため、舞台から光が消える。

    王子と同様舞台を去ると、彼が待っていた。

    人目もはばからずに互いを抱きしめ合う。

    "役"ではなく、私と彼で。

    "二人"のような番ではないけれど、溢れる想いは止められなかった。

    どちらからともなく、囁いた。

    「「私と(俺と)…これから先ずっと、一緒にいてください」」

    きゅん

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  4. 「あかねっ」

    「なっ何?ハクくん?」

    突然、彼に背後から抱きすくめられる。

    当然驚く。下校時刻で、離れた場所でも人目はあったから。

    それに加え振り向こうにも振り向けない程に、腕は力強く私を抱きとめていた。

    「こんなところで…どうしー…」

    「今、あかねにすごくキスしたい。それ以外にも…たくさん」

    唐突すぎる要求に、私の体温が上がる。

    いつもはクールな彼のギャップは、破壊力抜群で。

    「ここじゃ、そん、なことは」

    なけなしの理性で私がそう言うと、これまた珍しく、笑い声をもらされた。

    「ふふっ。わかってるよ。だから…家、来ない?」

    耳元で低い声を発する彼は、顔は見れないけれどとてもカッコよくて。

    気づけば私は彼氏のお願いにうん、と小さく頷いていた。

    きゅん

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  5. 付き合いはじめて一週間、まだ彼とは何の進展もない。
    一緒に帰ったことはないし、会話もロクにできていない。
    好きなのは、自分だけなのかなと思い始めたある日のことー…。


    お昼休み、私はいつもと同じ友人達と屋上へ行こうと廊下を歩いていた。

    そこでクラスの男子と談笑をしている彼を見つけるも、こっそりとしかできない。

    「おーい、あんたの彼女のお通りですよーっと」

    「ちょっ、あやちゃん!」

    私と彼の関係を知っている友人を慌てて止めようとしたが時すでに遅く、彼に見つかってしまう。

    「………」

    自分一人で勝手に舞い上がってた様な気がしていたたまれなくなるような沈黙。

    「…友達が、ごめんっ」

    横を足早に通り過ぎようとすると、彼に片腕を掴まれた。

    「……っ」

    「…ちゃんと、俺も好きだから」

    だから悲しそうな顔するな、と耳元で囁かれる。

    …私と彼の頰は恋の色に、薄く色づいていた。

    きゅん

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  6. 「先生、昼寝の邪魔しないでください」

    いつもは私一人の屋上に、困ったヒトが先にいた。

    「え〜、ひどいなぁ。君がくる前からここにいたのに」

    「…いつもは来ないのに、どうしたお心変わりで?」

    嫌味たっぷりに言うと私は、はじめて彼と目を合わせた。

    少し長めの黒髪が風に揺れている。髪と同じ色の瞳は、何を考えているのか全く読ませない。

    「…純粋な興味なんだ」

    微妙な間をとったと思ったらあくまで真面目な顔をする先生。

    「どういうことでー……っ!?」

    思わず首をかしげようとすると、急に両の手を彼のそれに取られた。

    「どうして君がいつも一人でここにいるのか、とかね」

    「へっ…?!そ、そんなこと知ってどうするんですかっ」

    まるで告白みたいだ、なんて考えてしまって全身の体温が急上昇し始める。

    そのまま、慌てて掴まれた手を振りほどいて私は逃げてしまった。

    「…残念、逃げられちゃった」

    きゅん

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  7. 「むぅー…」

    小声で唸ってしまう。

    だって、

    「探しましたよ〜先輩っ」

    この後輩から逃げるつもりで屋上に来たのに。

    「なんでついてくるのぉ…?」

    困り果てて呟く。

    彼とは私の所属している部活の新入りとして出会った。

    「お昼食べましょっ」

    それからというもの、毎昼のようにこうして誘ってくる。

    「えーと…。うん」

    最初は私のクラスの教室へ何のためらいもなく来て、周りに冷やかされた。

    繰り返すのは嫌で隠れたりしてみたけれど一度も成功しなかった。

    「じゃ、レジャーシート。敷きますね」

    だから最近ちょっと怖いなぁって思い始めてて…ん?

    「…いつも、持って来てるの?それ」

    「だって先輩とご飯食べたいんですもん」

    うん、やっぱり怖い。

    「あのぉ…どして?」

    オドオドしてしまいながらたずねると。

    「一目惚れ、しちゃったんです」

    彼は満面の笑みでそう言った。

    きゅん

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  8. 一人で廊下を歩いているとき、急に声をかけられた。

    「なーにしてんのっ」

    こちらを後ろから呼び止めたのは凱斗だ。

    「………」

    私はこのノリについていけない。

    「一人でいるのはおかしいことですか」

    尖った口調で言うと、とんでもないという感じで彼は両手を横に振る。

    「んや、そういうわけじゃなくって。…ただ学校生活ちゃんと楽しんでるのかなぁ?って思いまして…」

    どうしてそこで控えめになる、と言いたくなるのを抑えて返す。

    「なかなかのものですよ。…あなたが凝りもせず声をかけてくれるおかげで」

    「へぇ〜、それはいいこと聞いたな」

    彼は近づいてくると何故か私の頭に手を置いた。

    「…背の低い私に対する嫌がらせ…?」

    思わず口に出すと頭をポンと押される。

    「えーとね、これは…そう!ご褒美!」

    「はぁ…」

    よくわからないまま後は頭を撫でられた。

    …嫌じゃないと思ってしまった。

    きゅん

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  9. 私はいつもお昼休みには人のいないところで読書をしていた。

    その場所は体育館倉庫でとても落ち着く。

    ヴァンパイアなので中の電気をつける必要も無く本を読める。

    そんな感じで至福の時を過ごしていたのだけどー…。

    「…いるか?聖歌」

    思わぬ邪魔が入ってしまったようだ。

    同じヴァンパイアの凱斗は奥にいる私の姿を見つけるとすぐに近づいてくる。

    「………」

    気にしないことにして本の文字を目で追いかける。

    でも、頭に入ってこない。

    真正面からじーっとこちらを見てくる彼の視線のせいだ。

    「……邪魔しに来た…の…」

    気づいたときには私の背中はマットについていた。

    つまり…押し倒された?

    「俺が邪魔したのも悪いけどヒドイよね〜」

    彼はわざとのように非難すると、そのまま私に覆いかぶさる。

    そして私の唇に人差し指をあてると一言、呟いた。

    「早く俺のものになったらいいのにな」

    きゅん

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  10. 耳元にどうしようもない程の熱を孕んだ息がかかる。

    「も、限界。手加減…出来ないかも」

    凱斗は耐えきれないと言うかのようにそのまま私の耳を咬んだ。

    「くっ…あっ……」

    いつもより強い痛みに耐えきれずに声が漏れる。

    しかし、ヴァンパイアの牙は恐ろしいもので、数秒で痛みを快楽に変えてしまった。

    「っ……」

    熱に浮かされているような気分になりながら自分の血が吸われる音に必死に耐える。

    多分、この調子で吸われてしまうと私も喉が渇いてしまうと思う。

    彼が満足したところをまた吸ってしまうのは可哀想だけど、しょうがない。

    「んむっ…」

    彼が息継ぎのために牙を離した隙に、お返しとばかりに彼の耳を咬む。

    すると凱斗は「わぁっ…」と珍しく驚いて顔を赤らめたのだったー…。

    きゅん

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  11. 「ほら、起きて」

    遠くの方で声が聞こえるー…。

    イヤイヤをするように私は彼の膝の上で身動ぐ。

    「…いやだぁ…まだ、寝るの…」

    そう言った途端。

    クッと笑うのが聞こえたかと思えば私の首筋にあたたかいものが触れていた。

    「なっ、んっ…」

    首筋からそれが離れたあともゾワゾワする感覚が消えない。

    一気に脳が覚醒してしまった私は彼の膝の上にいるまま向き直り少し睨んで見せた。

    「むー。人の眠りを妨げるとはナニゴトカー!」

    「やっとこっち向いた」

    あっ、と思った時にはもう遅くて。

    「俺の膝貸してあげたんだから、お返し。もらってもいいよね?」

    「……う。わかっ…えっ、んんっ」

    こちらの言葉も待たずに唇を奪われてしまうのだったー。

    きゅん

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