ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 今日は気温も湿度も高くて体が少し汗ばんでいる。でも、アイスを一口かじったら、すっと汗が引いていく気がした。

    「チョコバーうまい?」

    「うん、美味しいよ」

    「んじゃ、ちょーだい」

    ともちゃんはそう言うと、わたしが口元近くに持っていたアイスに顔を近づける。

    「……!!」

    ともちゃんの顔が、近過ぎて。
    びっくりして……心臓が跳び跳ねた。

    「すっげーあまい」

    アイスをパクッとかじったともちゃんは、そう言って頬を緩めた。

    「…………」

    今度は、そのふにゃりとした笑顔に釘付けになった。

    「アイス、食わねーなら俺がもらうよ?」

    「……た、食べるもん!」

    慌ててアイスにかぶりつく。

    「あはは。お前、口の端チョコべったり」

    ともちゃんは笑うと、わたしの口元に手を伸ばして、親指でそっと拭った。

    こんなの、全然慣れっこなのに。
    鼓動がばかみたいに速くて、今にも爆発しそうだ。

    きゅん

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  3. カチッ

    壁時計の長針の音が響いた。

    鈴木くんは赤い顔のまま、居心地悪そうに視線を泳がせる。

    このままじゃ心臓が持たない。

    「な、奈々ちゃんの手首、細いよねっ」

    何か喋らなきゃと思ったのか、鈴木くんがそんなことを言った。

    「……そ、そうかな…」

    「うん、だって見て」

    手の隣に彼の手が伸びてくる。

    「全然違うでしょ?」

    「て……手首細いのって、ピアノに向いてない?」

    心臓がバクバクしていて、いちいち吃ってしまう。

    「いや、そうじゃなくて」

    「……な、に?」

    「女の子だな、って……」

    鈴木くんは耳まで真っ赤だった。

    でも、わたしのことを真っ直ぐ見ていた。

    嬉しくて、でも、すごく恥ずかしい。

    胸がきゅうっと締めつけられて、呼吸が止まりそう。

    耐えきれなくなって俯いたら、

    「はは、変なこと言っちゃった、ごめんね」

    鈴木くんの照れたような声が降ってきた。

    きゅん

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