ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. つるっとした白い肌。

    繊細そうな黒髪。

    私が欲しいパーツを全部持っている彼は、隣で蛇口から出る水で手を洗っている…

    「なんでこっち見てんの?」

    「はわわっ」

    驚きのあまりポトっと洗っていた最中の筆を取落す。

    美術部に所属している私は、先ほどまで水彩に挑戦していた。

    「大丈夫か…?」

    「うん、だい、じょうぶ」

    床に落ちた筆を拾ってくれ、渡すために筆と手を向ける。

    「ほれ」

    「…ありがとう」

    「何描いてたの?」

    「いや、水彩画…大したことないよ?」

    「そんな絵が描ける時点で俺には無理だから。」

    そう言って彼は、こちらに手を伸ばしてくる。

    まだ筆を落としていたのか?と思ったが違った。

    「頑張れよ」

    気がつくともう、廊下を歩く彼しか見えなかった。

    頭に残った感覚を頼りに、髪を触られたのだな、と思った。

    先輩に指摘されるまで、乱れた髪に気づくことはなかった。

    きゅん

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  3. 「ねぇ、春翔」

    「どうしたの?」

    「もう、人を好きになりたくない。」

    放課後の下足室、暗い顔のまま、わたしは幼馴染で近所同士の春翔に言った。

    「なんで?」

    「修平、好きな人いたんだって。」

    修平とは、わたしの好きな人だ。

    「……じゃダメなの?」

    「なんて?」

    「いや、なんでもない。」

    そう言って春翔は私の頭の上に手を乗せた。
    彼は私より背が高く、手を伸ばしたって今の春翔の頭に私の手は乗せられない。

    「背、高くなったね。」

    春翔はいつだって優しい。
    でも彼の優しさには甘えていられない。

    「好きだよ。」

    春翔はこっそりと私に言った。

    これが彼にとって、幼馴染だからといって私が渡したチョコレートのお返しのつもりだったのだろう。

    きゅん

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  4. 学校からの帰り道。
    ひとつ、気になることがある。
    先月渡したチョコ、食べてくれたのかということ。
    アイツのことだから姉にあげたか捨てたかだろうけど。
    「どうだろな〜」
    と、あまり期待しないでおこうと思った瞬間、
    「みーつけたっ」
    「うおわっ!?」
    いきなり肩に重みが感じられる。
    こ、子泣き爺……
    「真澄でしょ!?」
    「ぴんぽーん」
    彼は姿をあらわす。
    正体はこの前チョコを渡した相手、真澄。
    「ね、チョコ食べた?」
    「んー?あー、食べた食べたー」
    ほんとなのかな?
    「なにその疑わられてる感ハンパない目」
    ばれたか。
    「美味しかったよっ」
    無邪気に笑う彼を見て、友達以上になりたいと思ってしまった。

    きゅん

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