ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

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  2. 部活終了後のモップ掛けは1年生の役割。
    その姿を横目に2年生の私は一足早く体育館を後にする。
    誰にも気付かれないように体育館の裏側へ回り、悔しさを涙に込めて流す。
    また1年生に追い越された。きちんとやってるのに、上達しない自分に腹が立つ。

    「何してんの」

    声を掛けてきたのは幼馴染の隆斗(たかと)だった。

    『…何でもないから。あっち行ってよ』

    「何でもないならなんで泣いてんだよ」

    少しずつ距離を縮めてくる隆斗

    『お願いだから…一人にさせてよ…』

    「溜め込んでも仕方ないじゃん。
    俺が聞くから話せよ」

    そう言うと隆斗は優しく抱き締めてくれた。

    『…っ』

    「いいよ、今は泣いてて。後できちんと話そうな」

    『ごめんっ…ありがとう…っ』

    隆斗の胸の中で泣きじゃくる。

    「お前は頑張ってるよ。ちゃんと俺が知ってる。」

    いつもいつも、かけて欲しい言葉をくれるのは…
    こいつなんだ。

    きゅん

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  3. 『生徒指導部怖くないんですか?笑』

    「あー、まぁ怖いけど、具合い悪くなって風に当たってましたって言えばいいだろ。」

    『先生ってそんなもんなんですねー』

    「何でも、楽しく自由に生きたやつが勝ちだからな」

    そう、広斗先生のこういうところが好き。
    変に何かに縛られない自由なところが。
    いつも何かに縛られている私とは大違い。

    『じゃ…煙草も楽しいですか?』

    「んー。びみょー。 昔から吸ってたから、
    今さら止めらんねぇだけかもな」

    『元ヤン時代の?』

    「げ…、バレてんのかよ…」

    『あの噂本当だったんですね。』

    「別に隠してないからいいけどな。」

    『煙草ってどんな味なんだろ…』

    「お勧めしねぇけど…味わってみる?」

    『え…』

    先生の方へぐっと頭を引き寄せられたのと同時に、唇が重なった。

    「苦いだろ」

    笑いながら先生はそう言った。

    ファーストキスは煙草の味だった。

    きゅん

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  4. 何も考えたくないとき、私は屋上へ向かう。
    次の授業があるにも関わらず。
    青い空を眺めて頭の中をからっぽにするため、
    いや、先生に会うためなのかもしれない。

    ベンチに寝転がり、うとうとしていると、
    屋上の扉が開いた。

    「よっ。またサボりか?」

    『あー広斗先生ー。ちょっと休んでるだけですよ』

    「へー、お前らの年代って悩みが尽きないからな」

    『そうでもないですよー。って授業時間中に
    屋上いる時点で説得力ないですよね』

    「ふっ、そうだな。ここ座るぞ」

    起き上がった私の隣に座り、煙草を吸い始める広斗先生。

    『広斗先生が全部教えてくれたらいいのに…』

    「先生つっても大学の研修で来てる、
    ただの研修生だからな」

    そう、広斗先生は大学生。
    2週間の研修でこの学校へ来ている。
    先生の担当教科は体育。

    『…って先生こそサボりじゃないですか笑』

    「たまにはいーんだよ笑」



    続く

    きゅん

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  5. 駅前でばったり出会った初恋の人。

    「『あ』」

    「よぉ、元気か?」

    『うん…そっちこそ…』

    「俺は大学楽しんでるー」

    『そっか…隣の人は…どなた?』

    私と彼を交互に不安そうに見つめる女性が一人。

    「俺の彼女」

    『彼女さん…。初めまして、(彼)の友達の(私)です』

    彼女「初めまして!(彼)の彼女です」

    『それじゃ、私急いでるからばいばい』

    「おう、またなー」





    “またな” なんで優しい言葉をくれるの?
    私あなたに告白したんだよ。まだ好きなんだよ?
    振ったんだから優しくしないで…
    でも…どうしてなの…?
    ずっと好きなのに…私の方がずっと好きなのに…
    なんで隣にいるのが私じゃないの…?
    片想いは報われない運命なの?
    私はずっとこの片想いを引きずるのに、あなたは前に進んでいくのね。



    幸せそうに歩いていく二人の後ろ姿を見つめ、
    私はただ静かに涙を流した。

    きゅん

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  6. 「声出してけよ、声!」

    そういってひったくりから取り返した私のバッグを渡してくれた悠輔

    あのときはあっけに取られてお礼も言えなくて…

    でもそのあとたまたま行ったカフェで見かけて、
    私が声をかけて、1ヶ月だけ恋人になって貰って…

    本当にありがとう、悠輔。

    一緒に行ったランチで
    「こんなことでいいの?」
    ってきいてきたけど、私は本当にそれでよかったよ?
    だってすごく幸せだったもん。
    こんな日々がずっと続けばいいなって。
    でもそれは絶対に叶わないことだった。

    この病気を何度も恨んだ。
    だけどね、ひとつだけ感謝してることがあるの。
    それは悠輔と出会わせてくれたこと。
    病気じゃなかったら恋人をお願いすることもなかったから。

    悠輔、今までありがとう。
    “1か月” 約束の期間が終わるとき
    【また今度】はないかもしれないけど…
    「またね」って笑顔で別れようね。

    きゅん

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  7. 私には夢が2つあった。

    両親が出会ったという約束の地フィンランドに行ってオーロラを見ること。
    できれば赤希望!←ここ重要!

    最初で最後の恋をすること。

    2つの夢が叶えられた今、
    私はもう悠輔の側にいる必要はない。
    このまま悠輔の側にいたら…
    悠輔の愛に甘えてしまったら…
    悠輔を悲しませてしまうから。

    今までありがとう。
    病気のことを話したらきっと
    「なんで今まで言わなかったんだよ!」
    って怒るよね。
    言わなかったんじゃない。言えなかったの。
    怖かった、病気のことを話してしまったら、
    1か月恋人になって貰うのも断られると思ったから。

    でも悠輔はそんな人じゃなかった。
    ぶっきらぼうだけど実は真っ直ぐですごく優しい人。

    最初で最後の恋をした人が悠輔で本当に良かった。
    またどこかで会えたらいいな。
    ううん、やっぱり二度と会わない方がいいのかも。
    ごめんね悠輔、ありがとう、さよなら。

    きゅん

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  8. ひったくりから助けてくれたこと

    私が初めて作ったお弁当を美味しそうに食べてくれたこと

    手を振ったら恥ずかしそうに振り返してくれたこと

    照れながら手を繋いでくれたこと

    フィンランドに連れていってくれたこと

    私を恋人だと言ってくれたこと

    一緒にオーロラを観に行ってくれたこと

    私に本当の愛を教えてくれたこと

    私に恋する幸せと嬉しさを教えてくれたこと

    感謝してもしきれないことがたくさんあるのに、
    きっと私はそのお返しができないまま、
    あなたと “さよなら” してしまう。

    私…今まで悠輔のために何かできたかな。

    私から無理矢理恋人になって貰ったのに、
    私の方が悠輔から色んなものを貰っちゃった。

    だから、私に残された日数を全て悠輔のために生きるね。
    少しでも恩返しできるように。

    そして…お願いだから…
    最後まで私の病気には気付かないでね?

    きゅん

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  9. 『綺麗だね…』

    「そうだな…」

    『悠輔…連れてきてくれてありがとう』

    「またいつでも連れてきてやるよ」

    『ううん、いいの。
    今悠輔と幸せの赤いオーロラを見れてるから。
    それに…』

    “私にはもう時間がないから”なんて言えないよ

    「それに…?」

    『何でもない!
    本当にありがとう。』

    「うん…」

    できることならまた来年もこうやって…
    悠輔と一緒にフィンランドというこの土地で…
    赤いオーロラを見上げたかった…

    神様、私何か悪いことしたかな。
    もっといい子だったら…
    もっと悠輔と一緒にいさせてくれた?
    神様、私がもっともっといい子になって、
    これ以上はもう何も望まなかったら、
    ずっとずっと悠輔といさせてくれる?

    きゅん

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  10. 「一緒に飾る?」

    『うん!飾る!』

    「言っとくけど星は俺がやるから」

    『え!私がやるの!』

    「はいはい、でも美幸上まで届かないだろ笑」

    『悠輔が肩車してくれたら届く!』

    「は?笑 しょうがない。やってさしあげよう」

    『うむ、くるしうない』

    ぷっ って二人で笑い出す。


    今年最初の雪の華を
    二人で作ったツリーの下から
    見上げられたらな…

    きゅん

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  11. こうやって手の届く桜に手を伸ばすことも…
    いつかできなくなるのかな…

    手を繋ぐこと
    お弁当を作ってあげること
    手を振ることも…

    でもこの恋は 100万円で買った恋
    愛なんてなかった恋

    私も悠輔に100万円で付き合ってくださいって言ったとき愛はなかった。
    あ…ごめん、それは嘘かも…笑
    少しはあったかな…
    ひったくりに会ったときどうしようもなくただ座り込んでた私に声をかけてくれたからちょっとだけ。

    でもそんな悠輔からたくさんの愛を貰えた。
    ありがとう、悠輔。

    ねぇ知ってる? 人は二度死ぬってこと。
    一度目は心臓が止まったとき。
    二度目は大切な人に忘れられたとき。

    だから悠輔が覚えて生きていてくれる限り私はずっと悠輔の側にいる。
    私が死んでもきっとまたどこかで会えるから
    悲しまないで。

    悠輔、私のお願い。
    最後は、笑顔で『またね』って言って欲しい。

    きゅん

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  12. 『私今ねガラス細工の勉強してるんだ』

    「美幸にできんの?笑」

    『私だって頑張れば…笑』

    「そんな簡単にできるもんじゃねーけど、
    頑張ってみれば?」

    『うんっ!
    つくったら悠輔にプレゼントする!』

    「おう、待ってるわ」

    『不格好でも受け取ってくれる?』

    「そりゃもちろん。美幸の彼氏ですから。」

    『ふふっ、ありがとう』





    神様、どうか教えてください。
    このガラス細工ができるまで…
    悠輔に手渡すまで…
    私には時間がありますか?

    きゅん

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  13. あとどれくらい…なんて考えたくないの。
    隣にいるあなたの横顔が、
    いつか見られなくなるなんて考えたくないの。

    不意に見せる無邪気な笑顔も
    ガラス細工に向き合う真剣な顔も
    私を見てふって笑ってくれる顔も

    ほら、今も見せてくれた。

    初めて見せてくれた笑顔だって忘れてないよ?
    私が手を振ったとき照れくさそうに振り返してくれたのも。

    『1ヶ月』なんてあっという間。

    でも…まだ離れたくないの…

    だから神様、どうかもう少しだけ。
    今さよならしたらもう二度と悠輔とは会えないから。
    もう少しだけ、
    悠輔と出会えたこの街に雪が降るまででいいから。
    私に時間をください。

    きゅん

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