ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 12件ヒットしました

  2. 「あの…」
    「俺に何か用?」
    「えっと、これ…」
    「もしかして、バレンタインのチョコ?」
    「はい」
    「悪いけど、俺甘いの苦手…」
    「あっ…、ごめっ」

    3年間の片思い。
    やっと勇気をだしてここに立っていた。

    「泣いてるの?」
    「あれ? 何で涙…」

    言われて気づいた涙。
    慌てて拭うけど、遅すぎた。

    「ごめんなさい」

    サッと頭を下げて逃げるように背を向けた。

    「小早川さん!」

    名前を呼ばれて一瞬で動きが止まった私。

    「何で逃げんの?」
    「あの…私の名前…」
    「知ってるよ。ずっと同じクラスだし」
    「けど、一度も話したこと…」
    「ないね」
    「そんな相手にこんなの貰っても、困りますよね? わかってます。けど…」
    「けど?」

    私は背中を向けていた体を回転させた。

    「ずっと好きでした」
    「俺、甘いもの苦手だけど、小早川さんがチョコ食べた後なら、平気かも」
    「えっ?」
    「俺と付き合う?」

    きゅん

    3

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  3. 「よっ」
    「新太じゃん」
    「今、帰り?」
    「そうだけど…」

    幼なじみの新太とは、中学までずっと同じクラスだった。
    高校が別々になって、会う機会がなくなっていたから、本当に久しぶりだ。

    「久しぶりだな」
    「本当にね」
    「歩果は、好きな奴とかできた?」
    「えっ? なんで?」
    「べ、別に…。ただ、聞いてみただけ」
    「ふーん…。そういう新太はどうなの?」
    「俺は…」

    そう言って言葉に詰まっている。
    私たちが二人並んで歩いているのは、昔よく学校帰りに通っていた道。

    「昔よくこの道通って帰ったよな」
    「懐かしいね」
    「歩果、競走だって走り始めるくせに俺に勝てなくって、本気で悔しがってたもんな」
    「うるさい!」

    過去の恥ずかしい思い出。
    一度だって勝てなかった。
    勝ったら伝えたいことがあったのに…

    「あのさ…」
    「ん?」
    「俺、歩果が好きだ」

    真っ直ぐに伝えられた言葉に、私は笑顔で頷いた。

    きゅん

    5

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  4. 雨が降ってきた。
    天気予報では、夜からとなっていたから傘は持って来なかったのに…
    「傘は?」
    聞き慣れた声で問いかけられた。
    「夜からだって言ってたから」
    「持ってないの?」
    「うん」
    「だったら、これ使う?」
    「けど、それだと遼ちゃんが…」
    「俺はいいから」
    そう言って自分の持っていた傘を差し出された。
    「遼ちゃんは?」
    「俺が濡れるより、瑞希が濡れる方が嫌だから」
    「えっ?」
    「ほらっ、使え」
    ちょっと強引に傘を握らされて呆然としていると、「じゃあな」と遼ちゃんが雨の中へ駆け出そうとする。
    その服の裾を慌てて掴んでいた。
    「瑞希?」
    「やっぱり私が…」
    「ったく…じゃあ、一緒に帰る?」
    「でもそれじゃ…」
    「そうでもしなきゃ、お前いつまでも掴んだままだろ?」
    「ゴメン…」
    私から傘をそっと取ると、パサッと開き左側を空けて立っている。
    私は、その空いている遼ちゃんの隣に駆け寄った。

    きゅん

    2

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  5. 「お疲れ」
    「お疲れ」

    朝練が終わり教室へ行くと、見間違えるはずのない人影にドキンとした。

    同じクラスで同じ部活の永瀬だ。

    いつものように、コトンとスポーツドリンクが机の上に置かれたのを確認すると、私はゆっくりとそこへ向かって歩き出す。

    「続いてんじゃん、朝練」
    「まあね。早起きは苦手だけど、走るのは好きだし」
    「えらいじゃん」
    「やる時はやるの」
    「ふーん」

    他愛もない会話。
    でも、少しだけ感じるいつもと違う空気…

    「あのさ…」
    「ん?」
    「オレ、成瀬のこと好きだわ」
    「えっ?」
    「きっと、ずっと好きだった」

    さっき窓の外に向けられた視線が、いつの間にかまた私を見ていた。

    「好きって…?」
    「そのままの意味だけど」
    「私と同じ好き?」
    「はっ?」
    「私も永瀬がずっと好きだった」
    「じゃあ、同じ好き」

    そう言って、頭を優しくぽんぽんとされた。

    きゅん

    6

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  6. 「せーんぱい」

    教室に向かう途中で目の前に現れたのは、一年の晃だ。

    「どうしたの?」
    「どうしたのじゃないですよ。昨日の返事は?」
    「昨日のって…あれは…」
    「まさか、冗談とか思ってませんよね?」
    「いやっ…」

    少し顔を引き攣らせたように私を見ている後輩くん。

    昨日…部室でたまたま二人きりになった時、「先輩のことが好きです」と晃が言った。
    すぐに部活のメンバーが帰ってきたし、サッと離れて行ったから、冗談だったのかな?なんて勝手に思い込んでいた。

    でも、目の前にいる後輩くんは…

    「あんなこと、冗談で言えるわけないでしょ」
    「けど、私は年上だし…」
    「だから?」
    「卒業しちゃうし…」
    「でっ?」
    「すぐ忘れちゃうだろうし…」

    だんだん小さくなっていく声。

    一ドンッ一

    大きな音が廊下に響く。
    私と晃の距離がすごく近い。

    「勝手に決めんな。俺は先輩が好きだって言ってんの」

    きゅん

    1

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  7. 毎日の通勤電車。
    ラッシュ時は本当に嫌になる。
    電車を待っていると、プーッという音と共に、電車が一気にホームへとやってきた。
    一プシュー一
    電車のドアが開くと、中からたくさんの人が降りてきた。
    勢いよく出てきたサラリーマンが、ドンッとぶつかったかと思えば、私の体がバランスを崩す。
    「あっ…」
    フラッと倒れそうになった体がふわりと支えられた。
    「大丈夫?」
    「あっ、はい。ありがとうございます」
    すぐに支えられていた体は解放され、心配そうに問いかけられた言葉に、お礼を伝えて顔を上げた。
    「気をつけてね」
    「はい」
    優しい顔でそれだけ言うと、その人は行ってしまった。

    一週間後
    ホームで見つけた彼の姿…
    私はゆっくり近づいていく。
    「あの…」
    「おはよう」
    「おはようございます」
    「オレは山口貴也。君の名前は?」
    「斎藤優里です」
    「優里ちゃん、よろしくね」
    「はい」
    お互いに笑顔で隣に並んだ。

    きゅん

    1

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  8. 「先輩、こんにちは」
    「おう」

    昼休みに屋上へ行くと、大好きな先輩がいた。
    近づいて挨拶をすると、ベンチで仰向けで横になっていた身体を起こして片手を挙げてくれる。

    「座る?」
    「はい。ありがとうございます」

    自分の隣の空いている場所をトントンしながら問いかけられた言葉に頷くと、私は静かに腰を下ろした。

    「お前、友達いないの?」
    「ひどっ! そんなんじゃないです。先輩だって、いつも一人じゃないですか」
    「オレはいいんだよ」
    「どうして?」

    聞き返した私をジッと見ていた先輩が、少し近づいてきて

    「藤崎がここに来るの待ってるからに決まってるだろ」

    そう言って、大きくて優しい手で頭をぽんぽんとしてきた。
    ドキッと胸が音を立てる。

    「私だって…」

    続きの言葉を言う前に、先輩がグイッと顔を近づけてきて

    「藤崎が好きだよ」
    「ずるい…」
    「だって、オレが先に言いたかったから」

    きゅん

    9

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  9. 「悪い、こんな所に呼び出して」
    「ううん。どうしたの?」

    昨日の夜、同じ部活の正木から休憩時間に校舎裏へ来て欲しいと連絡が来ていた。

    「オレ、峯田のこと好きなんだ」
    「えっ…」
    「いつもは素直になれなくて喧嘩腰になってるけど、気持ちに気づかれたくなくて」
    「私のこと、嫌いなのかと思ってた」
    「そんなわけないじゃん」

    信じられなかった。
    だって、いつも私のことからかってばっかりで、正直嫌われてると思っていたから。
    だけど、そういえば…

    「優しいとこもあった」
    「えっ?」
    「いつも意地悪だけど、さりげなく優しかったよね」
    「それは…好きだから…」
    「うん」

    強気な態度なんて感じられないくらい恥ずかしそうに頭をくしゃりとしている。

    「峯田、オレと付き合って欲しい」

    さっきまでの恥ずかしそうな姿から一変、真剣な顔で伝えられた言葉に、私は静かに頷いた。

    きゅん

    3

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  10. 大学の図書館。
    授業が終わると立ち寄るのが日課になっていた。
    それは、本を読むのが好き…
    だけど、それだけじゃなかった。

    「柚依ちゃん」
    「将太先輩、こんにちは」
    「こんにちは。今日も読書?」
    「はい」

    初めは気になる存在だったあなたに、いつの間にか恋をした。
    小さな奇跡が私たちの関係を変えてくれた。

    「やっぱり、この場所好きだな」
    「私もです」
    「きっと、柚依ちゃんと一緒だからかも」

    落ち着く雰囲気のこの場所が好きだった。
    それが今は、隣にいるあなたと一緒に過ごす場所になった。

    夕日が沈む頃、私たちは図書館を後にする。
    後少しだけ過ごせる時間。
    握っている手にきゅっと力が入った。

    「また、明日ね」

    変わらないこの言葉。
    あんなに辛かった言葉だったけど、今は違う。

    「また、明日」

    笑顔で答える私に、あなたが優しく笑った。

    きゅん

    5

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  11. 「中村、まだ残ってたのか?」
    「先生…」
    「どうした?」

    卒業式が終わって、まだやり残したことがあった私は、誰もいなくなった教室で先生を待っていた。

    「私…」
    「もしかして、俺を待ってた?」

    そう問いかけられ、静かに頷く。

    「今までありがとうございました。私、ずっと先生のこと大好きでした」

    ずっと言えなかった気持ちを素直に伝えると、私は笑った。
    最後は笑顔でさよならしたかったから。
    この想いが届くことは、きっとない。
    だけど、ちゃんと伝えたかった。

    「さようなら、先生」

    いつもみたいに少し頭を下げると、背を向けて歩き出す。
    そんな私の体が、後ろから優しく包み込まれた。

    「言い逃げは許さない」
    「えっ?」
    「俺もずっと中村が好きだった」
    「先生…?」
    「もう先生じゃないし」

    包み込まれていた腕に力が入った。

    「これからは、ずっと俺の側にいろ」

    きゅん

    25

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  12. 「帰りどうする?」
    「今日は、ちょっと…」
    「もしかして、男?」
    「違うよ。薫と寄り道してくの」
    「ふーん…。言っとくけど、いくら薫ちゃんと一緒だからって、俺以外の男と一緒にいるのなんて許さないから」
    そう言って、頬を摘んでくる。
    幼なじみだからって、何なのこの独占欲…
    いつも私ばっかりドキドキして…
    目の前のこいつは、一体どういうつもりで言ってるんだか…
    「誰のせいで彼氏が出来ないと思ってるのよ」
    「何言ってんだよ。彼氏なんていらねぇじん」
    「どうして?」
    「俺がいるだろ。他のやつなんて見なくていいし。俺だけ見てろよ」
    頭をポンッとしながら、真っ直ぐに私を見て言ってくる。
    本当に、こいつは私をどうしたいの?
    訳わかんない。
    「まだわかんない?」
    「私のこと、からかってるんでしょ?」
    「からかう?俺は祐菜が好きなの。ずっとお前しか見てないの。お前は俺しか好きになっちゃダメなの。わかった?」

    きゅん

    15

    syotime04さんをフォロー

    通報する

  13. 「先輩!」

    後ろから呼び止められ振り返ると、一人の男子が立っていた。
    ネクタイの色からして、後輩だということがわかる。

    「えっと、あなたは?」
    「オレ、一年の新谷祐吾っていいます。今、少しだけ時間いいですか?」
    「大丈夫だけど…」

    問いかけに答えると、彼が小さく息を吐いた。

    「オレ、先輩のことが好きです。付き合ってもらえませんか?」
    「えっ?」
    「入学式の日、先輩がスピーチしてる姿を見て、一目惚れしたんです」
    「けど、私は…」

    正直、戸惑っていた。
    だって、私は彼のことを何も知らない。
    今日、初めて会ったんだから…。

    「じゃあ、オレのこと好きになってもらえるように頑張ります。だから…」
    「だから…?」
    「毎日先輩に会いに来てもいいですか?」
    「う、うん…」

    真っ直ぐに目を見て告げられた言葉に、私は頷いた。

    「覚悟して下さいね。必ずオレのこと好きになるから…」

    きゅん

    6

    syotime04さんをフォロー

    通報する

▲