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  2. 俺はふと振り返るとさっきまで隣にいた美雪がいないことに気づいた。

    後ろを見ると美雪は笑顔で桜を眺めている。

    「美雪、いきなり立ち止まるなよ、1人で喋って恥ずかしいじゃん。」

    「ふふ。ごめんね、悠輔。」

    そう言って笑う美雪が追いつくの待つ。


    『100万円、私が払いますから、私と付き合ってください。』

    そんな始まり方をした俺たちは普通じゃなかった。

    美雪は俺の作った工芸品を素直に褒めてくれる。

    一緒にいるとほっとする。

    きっかけがお金だとしても、付き合ったことは後悔していないし、むしろ良かったと思う。



    でも好きになればなるほど、気づいてしまった。

    彼女が何かに追われるように生きていることに。

    彼女は何かに全力で勝とうとしている。

    「美雪。」

    振り返って「ん?」と首を傾げるその笑顔を守りたいと思った。

    「オーロラ、絶対見に行こうな。」

    「うん!」

    きゅん

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  3. 悠輔さん、

    美雪は隣に座っている悠輔の顔を見上げると心の中で話しかけた。

    あの日悠輔に助けられて、初めて諦めたくないものを見つけた。

    今まで諦めることが当たり前だった美雪にとっては勇気がいる行動だった。

    余命1年。

    病気がちだった美雪はその現実を驚くほどあっさりと受け入れた。

    そんな美雪が悠輔の隣にいるときは心が踊った。


    彼と話したいことがある。

    彼と見たい映画がある。

    彼と食べたいものがある。

    彼と一緒に行きたい場所がある。

    フィンランドのオーロラ、見たいな。

    一緒に綺麗な空を見ながらホットミルクが飲みたいね。

    きっと悠輔さんが作るガラス細工みたいに綺麗なんだろうな。

    悠輔さん、好きだよ。

    悠輔さん、私は、

    生きたい。



    見られていることに気がついた悠輔は不思議そうに首を傾げる。

    そんな彼に、美雪は微笑んで首を振った。

    きゅん

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