ようこそゲストさん
-
キーワードか作家名を入力してね
1件ヒットしました
「こんなジメジメしたところで何してんだ?」
頭を上げるとサトウ君がいる。
「休憩。ちょっと疲れちゃって」
視界が揺れるのを堪えると心配そうな顔が見えた。
「しんどいなら無理して来なくてもいいだろ」
サトウ君は横に座る。
「今日はマシだったんだ。休みすぎると卒業出来ないから」
再び俯くと酸素が回る気がした。
「だから『助けてください』だったのか」
廊下の七夕飾りうっかり名前を書いていたのか。
迂闊なことをした。
「そうだよ」
諦めて認める。
幾ばくかの沈黙。
誰かに頼ることが迷惑だと思い誰にも言えなかった私の願い。
七夕なら書いても許されると思った。
「俺はお前を助けられるか」
望んでいた言葉を何度も反芻する。
嘘ではないと確かめようとゆっくりと顔をあげる。
揺らがなくなった視界でそれが本当だと理解する。
「私を助けてください」
朝霧 めぐみさんをフォロー
きゅんができる!
本当に解除しますか?