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  1. 7件ヒットしました

  2. 「じゃあ、資料はこれで印刷しておいて」

    「了解ですっ!」

    私は再びパソコンに向き直る。
    昨年は誰も立候補していないと言う理由で生徒会に入ったが、今年はその時の先輩の推薦で入った。自分の意志じゃないと言われればそれまでだけど、なんだかんだやりがいもあるし後悔はしていない。
    今はちょうど、その推薦してくれた先輩と一ヶ月後の生徒総会の資料制作していたところだ。

    「……なあ、お前、俺が推薦した理由、
    分かってるか?」

    「えっと…何事にも全力で取り組む姿勢は生徒会で役に立つ…でしたっけ?」

    「そんな建前の推薦演説の話じゃない。
    その……いや、やっぱりいい」

    先輩は手元の資料に視線を落とす。

    「……だから、同じ生徒会にいれば、嫌でも接点が増えるだろう」

    「? はい、そうですね」

    私は首を傾げた。
    先輩の顔が赤い。

    「俺が口下手なの知ってるだろ……
    頼むから察してくれ……」

    きゅん

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  3. 「ふふ、ホント変わらないね」

    「うう……返す言葉もございません……」

    「まぁ、困って慌ててるの可愛かったし、
    別にいいけどね」

    宗馬はそう言って微笑を浮かべる。

    鍵を家に置いてきた事に気づいたのは、
    ついさっき、ホームルーム中。
    鞄もポケットも探したけれど見つからなくて
    途方に暮れていたところに宗馬が来たのだ。

    「宗馬……本当にありがとう……」

    「だからいいって。家隣だし、その方がお前の親も
    安心、俺もお前といられて一石二鳥♪」

    「もう……すぐそういう……」

    ふと、宗馬が自販機の前で足を止めた。
    そして何かを買っている。

    「はい、ココア好きだったよね?」

    「え、うん。でも何で急に?」

    「顔赤いから寒いのかなって。
    それ飲んであったまって」

    「こ、これは違うもん」

    「? じゃあ何で……あ、熱⁉︎」

    「ち、違うよっ……ホント無自覚なんだから」

    「……?」

    きゅん

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  4. 「こんな遅くまで本当にありがとな。
    お前が居てくれて助かったよ」

    「いえ、これくらいはお安い御用ですよ」

    大量のプリントの整理、という中々に過酷な
    仕事を終え、軽く伸びをする。

    また、今日も、か。

    いつも断り切れなくて引き受けてしまうけど
    私だって大変な作業なんて本当はしたくない。

    でもしょうがないよね、他に誰もいないんだし。

    支度を終え、帰ろうと立ち上がる。

    「それじゃあ先生、私は下校しますけど、
    後はよろしくお願いします」

    「おう、助かった……やっぱちょっと待って」

    「え?」

    不意に先生が私の腕を掴む。

    「いつもクラスの為に引き受けてくれて本当に
    ありがとう。お前とだと、俺もやる気が出る」

    そう言って、私の頭に手を当て

    「でも辛い時は言えよ?」

    と優しく微笑んでくれた。

    きゅん

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  5. 入学した時からずっと好きだった人にフラれた。

    彼は同級生で少しバカだったけど運動神経抜群で、
    一緒にいるだけで笑顔になれる、そんな人だった。

    「……ぅ……ぐすっ……」

    涙を堪えられず、校舎裏に逃げてきたのだ。

    「……本当に好きだったんですね」

    「え……?」

    顔を上げると、同じ委員会の後輩、石神君が
    私を見下ろすように立っていた。

    「ご、ごめんね、恥ずかしいとこ見せちゃって」

    私が慌てて謝ると、石神君は私の隣に座った。

    「いえ、僕の方こそすみません。
    ……先輩、告白したんですか?」

    「うん……フラれちゃった。
    わかってたけど、いざフラれると辛くて……さ」

    「先輩。僕は、何にもわかってないと思います」

    「え……んっ……」

    言葉を返す間も無く私は石神君にキスされていた。

    「っ……石神……君?」

    「先輩のことを誰よりも好きなのは僕ですよ?
    僕と付き合いませんか、先輩」

    きゅん

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  6. 「達矢、大丈夫?」
    「ん、あぁ、少し捻っただけだ」

    バスケ部の練習中に同級生の達矢が怪我をした。
    マネージャーとしての経験も知識もない私は、
    先輩に言われて付き添ってはいるが
    何も出来ない無力さを噛み締めていた。

    「大丈夫なら、私は先に戻るね。
    先輩も言ってたけど、無理しないで、
    痛みがひいてから戻ってこればいいから」

    何もしてあげられないなら、
    いてもいなくても同じだ。
    体育館に戻ろうと踵を返した、その時。

    「行くな、結衣」

    達矢に後ろから抱きしめられた。

    「た、達矢……?」

    「俺に一人でいろって言うのかよ。
    マネージャーなんだろ? ここにいろ」

    耳元で囁く達矢の吐息がくすぐったい。
    鼓膜が震えているのが分かる。

    達矢はさらに続けた。

    「大体、結衣は他の奴に使われすぎ。
    早く俺だけのものになっちまえばいいのに」

    「たつ……や……?」

    少し、拗ねている様に聞こえた。

    きゅん

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  7. 「つ、次は実験なので用事なら急いで下さい……」
    「ははっ、さすがだなー、委員長は。
    でもさぁ……用事が済んだら行っちゃうだろ?」
    「だって、授業に遅れるわけには……!
    ……というか、勝手に引っ張って来ておいて
    行っちゃうも何もないですよ……」

    目の前にいるのは、校内でも有名な不良の矢沢君。
    物を破壊するような事はまだしてないが、
    授業には当たり前のように出ていない。

    そんな彼に腕を掴まれ、屋上まで連れて来られた
    私は、イマイチ状況が呑み込めずにいた。

    「ってか委員長ビビりすぎだろ! っはは、
    別に何もしねーからさ、そこにいろって」
    「……いえ、用がないなら私は授業に出ます……。
    えと……で、では……!」
    去ろうと扉に近づいた瞬間、
    「っ……、待てっつってんだろ!」
    焦り気味の怒鳴り声と共に、矢沢君の腕が
    私の頬をかすめ、扉で音を立てた。

    「本当に何もしねーからここにいろよ……な?」

    きゅん

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  8. 下駄箱に入っていた手紙の通りに
    音楽室へやって来ると、
    奏叶君はピアノを弾いていた。
    平たい言葉で言えば、とても綺麗で
    身体に染み込むような音だ。

    暫くはお互いに言葉を交わさなかったが、
    演奏を終えた奏叶君は、立ち上がって
    扉の近くに立つ私に歩み寄って来た。

    「嬉しいよ、僕からの手紙なんてきっと
    無視されると思ってたから……」

    いつもの穏やかな笑顔を浮かべて、彼は言う。

    「だって、奏叶君は同じクラスだし……、
    て、手紙にあった話したいことって何?」

    二人きりが妙に落ち着かない私は、
    自分でも唐突だな、と思いながら尋ねた。

    奏叶君は俯いた。

    「僕の耳はもうすぐダメになる。だから、
    最後の演奏は君に聴いてほしくて……。
    それに……ずっと言えなかった事もあるんだ」

    「……奏叶君?」

    顔を上げた奏叶君は、ゆっくりと言った。

    「僕は、君が、好きでした」

    きゅん

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