ケータイ小説 野いちご > 野いちご学園

野いちご学園メニュー

ようこそゲストさん

  1. 57件ヒットしました

  2. 「ぜんっぜんこの問題わかんないんだけど」

    「さっきもそこ教えたよ…。もう1回説明するからよく聞いてて」

    そう言って参考書を開いて説明をしてくれる幼なじみの涼。
    放課後はいつも一緒に居残りをして時間を過ごしていた。

    「それでここが…」

    涼の説明の途中、教室のドアが開いた。

    「ごめんね…涼くん。待たせちゃった?」

    「ううん。全然大丈夫だよ」

    息を切らしながら涼を見つめる華奢で可愛い女の子。

    「真奈ごめん。帰るね」

    「私のことはいいから早く行きな!2人の時間を邪魔する気は無い!」

    笑顔で送り出すと、2人は目を合わせて笑った。
    2人がいなくなって、自分1人だけになった教室は、静かで虚しくて悲しい。


    別れちゃえ。
    そう思ってしまう自分が嫌で課題に目を向ける。
    問題文を何度目で追っても解答欄は埋まらない。
    私は、涼がいなきゃダメなんだ。


    でも、涼は私じゃなくても幸せなんだ。

    きゅん

    5

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  3. 「ねぇぇぇぇ!!」

    朝から静かだった教室が、この男のせいで一気にうるさくなる。

    「なんで置いてくの!家の前で待っててよ!!」

    「やだよ。遅いんだもん」

    私がキッパリと言い切ると、地団駄を踏んで怒り始める。
    この男、金沢蓮は、私の幼なじみ。
    家が隣で、私のことが大好きな蓮は『ずっと一緒だよ!』と言っていつも私についてくる。
    その姿が犬みたいでちょっと可愛かったりもする。

    「明日からは遅くしない!」

    …今日はちょっと意地悪してみようかな。

    「絶対蓮には早く準備なんて出来ないよ」

    私がそう言うと、目にうるうると涙を浮かべ始めて拗ねた。

    「かれんの意地悪!」

    やりすぎたかな、と感じた私は、カバンから綺麗にラッピングしたものを出して、蓮に渡した。

    「バレンタイン」

    すると蓮はパァッと顔を明るくして抱きついてきた。

    「かれんだいすきー!」

    私もだよ。
    なんて心の中で呟いた。

    きゅん

    2

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  4. 「自然に…笑って…」

    私、大田結衣はブツブツと独り言を言いながら廊下を走る。
    向かう先は保健室。
    保健室の先生の本田先生は私が片思いしている人。
    でもこれ以上の関係は望まない。
    だからせめて、このバレンタインのチョコレートだけは…。

    前をきちんと見ていなかったせいで登ろうとした階段でつまづき、派手に転んだ。

    「いた…。良かった無事だ…」

    「無事じゃないだろ」

    頭上から声が聞こえ、上をむくとそこには本田先生がいた。

    「先生!これ…」

    「まずは怪我の手当」

    保健室のベッドに座り、先生にチョコレートを渡した。

    「これ…」

    「ありがと」

    先生は素早く私の足に包帯を巻いてくれた。
    そしてマッキーで包帯に何かを描き始めた。

    「ハートにLOVEって…」

    「勘違いしてくれてもいいよ」

    私が驚いて先生の顔を見ると、先生は笑って私の頭に手を置いた。

    「なんてね。お大事に」

    きゅん

    2

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  5. 2月14日。
    バレンタインデー。
    黄色い声が1人の男の子に集中する。

    「みんなありがとうね」

    次々とチョコレートを受け取るのは、私の幼なじみ、翔だ。

    「優花!一緒に帰ろ!」

    そう言って沢山のチョコレートをしまい、走ってくる翔。

    「バレンタインはー?」

    歩きながら翔が聞いてくる。

    「どーぞ」

    「マカロンだ!」

    翔はチョコレートが苦手で、でもその事を知っているのは私だけ。
    それがちょっと嬉しかったりもする。

    「いただきます!」

    「あ!」

    翔がマカロンを齧る。

    「紙?」

    翔はその紙を開いて目を見開いた。

    「『義理じゃない…かも』って、優花…」

    恥ずかしくて私は顔を両手で覆った。
    すると翔はその手に口付けをして笑って言った。

    「これからも俺だけのためにバレンタイン、作ってね。彼女さん」

    今度は私の唇に口付けをして笑う。
    ファーストキスはマカロンの甘い味がした。

    きゅん

    3

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  6. 「怜くん、私と付き合ってください!」

    掃除の為に体育館裏に向かっている途中、元カレへの告白現場に遭遇してしまった。

    「叶愛ちゃんと別れたんだよね?」

    怜くんはイケメンでモテモテで。
    それに比べて私は特徴もなく、特別美人な訳でもない。
    怜くんに気を使わせてしまっていると思って耐えきれなくなり、私から別れを告げた。

    「ごめん。俺、別れてもやっぱり叶愛が好き」

    女の子は走り去り、私も逃げようとした瞬間。
    持っていた道具を壁にぶつけてしまい、大きな音が鳴った。

    「叶愛?」

    怜くんは逃げようとする私の手を掴んで壁に押し付けた。

    「別れるの嫌だよ」

    「私が怜くんと釣り合ってないから…。怜くんに気を使わせ…」

    怜くんは私の唇をグッと自分の唇を押し付けて塞いだ。

    「俺が叶愛を選んだの。もうそんな事言わないで」

    怜くんは強く私を抱きしめた。
    もう離さない、とでも言うかのように。

    きゅん

    9

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  7. 只今11時50分。
    あと10分で誕生日。

    「ニュースで綺麗な星が見れるって言ってたのに曇ってるなぁ。良い日になると思ったのに残念」

    そう呟きながらスマホをいじっているとメッセージの通知がきた。

    『10分以内に屋上集合』

    メッセージを送ってきたのは、同じマンションに住む幼なじみの亮太。
    突然のメッセージに焦りながらエレベーターまで走る。
    エレベーターをおり、屋上の扉を開く。
    と、同時に12時を知らせるゴーンという鐘が鳴った。

    「誕生日おめでとーう!」

    そう言って亮太はクラッカーを鳴らした。

    「綺麗な星と俺からのおめでとうです」

    空を見ると曇っていたはずの空は晴れて綺麗な星が広がっていた。

    「はい、プレゼント!」

    亮太は両手を広げた。

    「尾野亮太という彼氏どう?」

    私は返事の代わりに亮太に抱きついた。

    今までで1番のプレゼントだよ。
    なんて、亮太には言わないどこう。

    きゅん

    5

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  8. 「この辺に落としたと思うんだけど…」

    ほとんど使われていない第2体育館。
    私のお気に入りの場所だ。
    お昼休みに、ここに来てから持っていた指輪が無くなっていた。
    亡くなったお母さんの形見でとても大事なものなのに…。

    「どうしよう…」

    どれだけ探しても見つからない。
    ぐっと目に力が入り、涙が出そうになった。
    その時、ガラッと体育館のドアが開いた。

    「先客だ」

    入ってきたのは隣のクラスの小林くんだった。
    よく周りに女の子が群がっているのを見る。

    「あ、これ落とした人?」

    そう言って小林くんはポケットから指輪を出した。

    「私の!」

    思わず涙が出てしまって、必死に涙を拭う。
    クスッと笑い声が聞こえた。
    そして私の右手の薬指に指輪をはめた。

    「その泣き顔、簡単に男に見せちゃダメだよ」

    手を握ったまま顔を覗き込まれる。

    「可愛すぎるから」

    そう笑いかけられ、胸がキュッとなった。

    きゅん

    2

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  9. 歩く人達の足を次々に止めるのは、駅前の大きなモニター。
    力強く、キラキラと輝いた笑顔で歌っているのは、今大人気のアイドル、KEIくんだ。
    ライブDVD発売の宣伝で、ライブ映像が大きなモニターで流れている。

    「かっこいい…圭斗くん…」

    そう、KEIくんこと、私の幼なじみである圭斗くんはアイドルをしている。
    抜群のルックスと甘い声で、みんなの視線を一気に集めている。

    ライブ映像は、裏側でアップをしている様子や、バンドメンバーと円陣を組んでいる様子が映っていた。

    「…あれ」

    私の視線の先には、圭斗くんの右の手首。
    私があげたミサンガだ。

    「つけてたんだ…」

    映像の中で1人のスタッフが圭斗くんに話しかけた。

    「KEIさんはいつもそのミサンガをつけているようですが、それはお守りかなにかですか?」

    すると圭斗くんは笑って口を開いた。

    「宝物、ですかね。何にも変えられない物なんです」

    きゅん

    2

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  10. 「ぼっちさいこーう。いえーい」

    『今日は彼氏とデートなんだ!ごめん!』と、仲良しグループの3人から言われ、グループ内でたった1人の彼氏なしの私が取り残された。
    毎年、うちの学校に飾られるツリーは、みんなが大通りの大きなツリーを見に行ってくれたおかげで貸切だ。

    「彼氏彼氏って、なんで私だけ独り身なんだよー!」

    誰もいないことをいいことに叫ぶ。
    と、次の瞬間隣に大きな人影が見えた。

    「なにしてんのお前」

    声をかけてきたのは同じクラスの啓太。

    「なんで啓太こそここにいるの。あんた彼女とデートじゃないの?」

    「はぁ?彼女って誰だよ」

    「清水さんが、今日は啓太とデート行く!って言ってたから」

    「訳が分からんけど。付き合ってねーし興味もねーわ」

    そう言うと啓太はジュースを渡してきた。

    「ぼっちより、2人の方が最高じゃん?メリークリスマス」

    冷たかったはずの心が温まった気がした。

    きゅん

    9

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  11. 「あ、先輩からだ!」

    放課後、スマホの電源をつけ、通知欄を見ると、先輩からのDMの通知が来ていた。
    ワクワクしたままDMを開く。

    「『やっと1日終わったー 疲れたー』だって…。先輩可愛い…」

    私には憧れの先輩がいる。
    ただ、憧れているのか…好きなのか…分からないけれど、つい探してしまったり、こうやってDMが来たら喜んでしまう。

    「今から部活ですか?っと。え、既読ついた!」

    私がメッセージを送って、数秒で左下に『既読』の文字が出た。

    「『そうだよ』って返信早い…嬉しい…」

    返信を打っていたら、ポン、と新しいメッセージが来た。

    「『りのあちゃんはっけ〜ん笑 ドアの方みて』…?」

    私は、慌てて自分の席からドアの方に目を向ける。
    そこには先輩がいた。

    「来てみた」

    先輩は、そう笑って手を振っていなくなっていった。
    心臓が大きな音を立てる。
    これは憧れじゃない。
    きっと、恋だ。

    きゅん

    5

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  12. いつからこうなっちゃったんだろう。

    自分の席に座り、少し首を横に向ける。
    視界に入ったのは、またあの子と楽しそうに話すキミ。

    私とキミは、学祭で仲良くなって、その日から沢山話すようになった。
    いつの間にか好きになっていて、キミに思わず伝えてしまったこの気持ち。
    キミは、笑って「俺もだよ」って言ってくれたね。
    でも、付き合わなかった。
    付き合った瞬間、終わる日が来るんじゃないかって怖くて。

    そうしていつからか、キミと話すことが減った。
    学祭の頃に私に沢山話しかけてくれたように、今度はあの子にその笑顔を向けているんだね。

    もうキミを忘れようと思う。
    苦しくて辛いこの毎日から早く逃げたくて。

    「茉奈」

    声がした方を見るとキミがいた。

    「泣きそうな顔してるよ。大丈夫?」

    ほら、忘れようとすると、キミが優しさを見せる。


    だから恋って苦しくて、悲しくて、辛い。
    神様は意地悪だ。

    きゅん

    6

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  13. 放課後。
    人気のない廊下には、私だけ。
    卓球部が終わり、気づくと外は真っ暗だった。


    「暗い…」


    小走りで廊下を走っていると声をかけられた。


    「流ちゃん?」

    「小田先輩!?」


    後ろから、仲良しの小田先輩が歩いてきた。


    「流ちゃんも残ってたんだね」

    「小田先輩こそ、今終わったんですか?」

    「そうだよ」

    「大変でしたね…。じゃあ、先輩お疲れ様でした!」


    帰ろうとすると、後ろから「待って!」と腕を掴まれた。


    「俺、ずっと流ちゃんのこと気になってた…んだけど…」


    先輩はまっすぐ私の目を見つめた。


    「俺と付き合ってください」


    心臓が壊れそうなくらい音を立てる。


    「お願いします…」

    「俺、絶対顔真っ赤」


    暗くて先輩の顔はよく見えない。


    「次は明るい所で真っ赤になってくださいよ」

    「いやだ!」


    いつか、先輩の真っ赤な顔を見れますように。

    きゅん

    4

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  14. 「柊先輩カッコイイ〜!」

    「キャー!」


    放課後、体育館に響く沢山の声。
    みんなの視線の先には、湯山柊先輩。
    イケメンでスポーツ万能な先輩は本当にモテる。


    「佐奈〜。先輩、相変わらず凄い人気だねぇ」

    「今日はまた一段と凄いね」


    そう話しているのは、私と友達の真綾ちゃん。
    私達も毎日のように先輩を見に体育館に来ている。


    「バスケ部、あんなに部員いるのにこの大勢の女子はほとんど先輩ファンでしょ」

    「かっこいいもん」

    「あ、先輩のチーム圧勝じゃん!」


    ピーッ、という終わりのブザーと共に先輩は一目散に走ってきた。


    「佐奈〜!勝ったよ!」


    子犬のようにぴょんぴょん笑顔で走ってくる先輩。


    「今日も一緒に帰ろうね!」


    すると、横から真綾ちゃんの声が聞こえた。


    「先輩、佐奈にベタ惚れ過ぎて犬に見えてくる」


    こんなに私を愛してくれる先輩が、私は大好きです。

    きゅん

    4

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  15. 「今日は来ないのかな…」

    放課後。
    私はいつも放課後は1人で居残りをしている。
    きっかけは、迎えに来るはずだったお父さんから『遅れるから少しだけ待っててね』と連絡が来て、教室で居残りをしていたことだった。

    『優じゃん!』

    『奏叶くん!?』

    『珍しいな〜』

    中学の頃から一緒で、私がずっと片想いをしている奏叶くん。
    奏叶くんは自分の部活が終わると高確率で教室に寄ってから帰る。
    また会えないかな…なんて不純な動機で居残りなんかしている。

    「さすがに来ないか…」

    私が諦めて帰ろうと廊下に出て歩き始めた時。

    「優!!」

    ずっと待っていた声。

    「また優いるかなって思って!急いで来た!!」

    そんなことを大きな声で笑顔で言うから。

    「…好き」

    奏叶くんに聞こえないくらいの声で呟いた。

    「声小さい!」

    「奏叶くんが声大きすぎるんだよ!」

    私は、かなり君の笑顔にベタ惚れみたい。

    きゅん

    4

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  16. 「あの〜…」


    「ん?なーに?」


    そう笑顔で私の口元に箸を近づけてくるのは、彼氏である駿くん。


    「まっっっったく、あんた達は毎日飽きもせずイチャイチャと…」


    目の前でご飯を食べている私の友達には毎日申し訳ない気持ちでいっぱい。
    駿くんは毎日のようにお昼休みになると私の教室まで来て、お弁当を食べさせてくる。


    「駿くん…恥ずかしい…」


    「ほら凛ちゃん!口開けて?」


    周りの目なんか全く気にしていない駿くんは笑顔を向けてくる。
    駿くんは学校中で噂されるくらいイケメンで、大人気。そんな存在の駿くんが毎日私の所に来るだけで女の子の目が痛いのに…。


    「どこ見てるの」


    周りを見渡していた私の顔を覗き込んできた駿くん。


    「凛ちゃんは、俺だけ見てて?何があっても俺が凛ちゃんを守るから!」


    この笑顔が、この優しさが好き。
    私を大好きでいてくれる駿くんが、私は大好きだ。

    きゅん

    6

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  17. 「先輩!こっちこっち!」

    そう私を呼ぶのは、一学年後輩の悠斗くん。
    私と悠斗くんは園芸部のたった2人の部員で、放課後は校舎裏の花壇の整備をしている。

    「猫でも入っちゃったんですねこれ。踏まれちゃってますよー」

    「えっ!可哀想に…」

    私はそう言って倒れている花たちを撫でた。

    「もう、枯れるの待つだけですかね…」

    「じゃあ抜いちゃって新しい花に植え替えようか」

    私がそう言うと、悠斗くんは花を抜き始めた。
    私が新しい種を準備していた時、頭に何か被せられた。

    「花かんむり…?」

    「可愛いお花は、めちゃくちゃ可愛い先輩によく似合ってる」

    そして悠斗くんは花かんむりに四つ葉のクローバーをさした。

    「四つ葉のクローバーの花言葉。僕の気持ちです」

    「私の…ものになって…?」

    「やっぱ先輩はさすがだなぁ」

    悠斗くんは私の手を握って耳元で囁いた。

    「先輩、僕のものになって?」

    きゅん

    9

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  18. 「お…もたい…」

    ほんの数分前、私は担任から大量の提出物を運ぶ仕事を任され、うめきながら抱えて階段を登っている。

    「女子に…こんな重たい…もの…馬鹿なの…かな…」

    足は震えて今にも階段から落ちそうだ。

    「げん…か…い」

    体に限界が来て、私がフッと体の力を抜くと、倒れるはずだった体は、柔らかいものに支えられた。

    「大澤くん?!」

    「あっぶねー!セーフ」

    同じクラスの大澤くんは私を後ろから抱きしめるように守ってくれていた。

    「ありがとう…」

    「先生に頼まれた所から、危ないなーって思ってついてきてたんだけど、まさか階段で限界迎えるとは思ってなかった」

    「え、最初から助けてよー!」

    私がそう言うと、大澤くんは笑って提出物を私の手から取った。

    「ピンチの時に行った方が救世主みたいでキュンとしてくれるかなって思ってさ」

    大澤くんは悪戯っぽく笑う。

    「どう?キュンとした?」

    きゅん

    9

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  19. まずいまずい…。
    私、小林梨花は只今修学旅行真っ最中。
    そして迷子。
    知らない場所に1人なんてどうしよう…。

    「あ、梨花じゃん」

    「前澤くん…」

    私の名前を呼んだのは同じクラスの前澤くん。
    すごく顔が整ってて、学年で大人気の男子だ。

    「なんで涙目なんだよ。ほかの人達は?」

    「はぐれちゃったの…。誰もいなくて怖くて…」

    「そうなのか」

    前澤くんは手を震わせて俯いている私の顔を覗き込んできて笑った。

    「じゃあ俺にちょっと付き合ってよ」

    そう言うと私の手を握り歩き出す。

    「えっ、ちょっと前澤くん!」

    「いいから」

    さすがに、手を繋いだままだと恥ずかしい。

    「手…」

    「いいじゃん別にー。嫌なら離すよ?」

    「嫌じゃない…けど…」

    「じゃあいいじゃん!」

    前澤くんは握る手の強さを強めた。
    この手からドキドキが伝わっちゃいそうで私は深呼吸を繰り返した。

    きゅん

    6

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  20. 放課後、第2体育館。
    うちの学校には2つの体育館がある。
    1つはいつも騒がしい体育館。
    もう1つは『隠れ家』みたいなあまり知られていない穴場の体育館。

    「いるかなぁ…」

    私は放課後、毎日人気のない第2体育館に行く。
    何故かというと…。

    ギャラリーから体育館を見つめる。
    そこには私の憧れの先輩がいた。
    先輩は、毎日放課後に第2体育館でバスケットをしている。
    先輩もきっと私と同じで穴場を見つけた、そう思っているんだろう。

    「ねえ」

    突然先輩の口から放たれた言葉。

    「いつもいるよね」

    ギャラリーを見つめ、私に言ってくる。

    「すみません!帰ります!」

    私はそそくさと帰ろうとする。

    「あ、また明日ね!」

    先輩は走り出す私に向かって叫んだ。

    「でも1人で来てよ?」

    先輩は人差し指を自分の唇に当てて言った。

    「ここは2人だけの秘密にしよう」

    そう言って笑いかけてくれた。

    きゅん

    5

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

  21. 先生と恋に落ちる、なんて馬鹿げてるって。
    絶対無理だからやめとけって。
    みんな口を揃えてそう言う。

    「もー、凛ったら、どれだけ大木先生のこと見つめてるわけ?」

    「いいじゃん別に〜」

    私の視線の先には、廊下で生徒と話している大木先生こと、翔ちゃんがいる。

    「幼なじみなのにさぁ、教師になった途端に私の連絡先ブロックしたんだよ」

    「そりゃー教師と生徒なんて、禁断の関係でしょう」

    『禁断の関係』『禁断の恋』みんなにはそうやって言われる。
    でも、私にとっては、『大木先生』じゃないの。
    『翔ちゃん』なんだよ。
    ずっと大好きで、ずっと片想いだったかもしれない。
    でも、私の気持ちを、教師と生徒だからって『禁断の恋』って片付けられるのは辛くて辛くて心臓が痛む。

    教師と生徒は恋をしちゃいけないんですか…?
    禁断の恋なんて誰が決めたんですか…?
    私の気持ちは何処に追いやればいいんですか…?

    きゅん

    6

    咲桜-さお-さんをフォロー

    通報する

▲