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  1. 46件ヒットしました

  2. 「結衣ちゃん」
    名前を呼ばれた気がして上を向くと幼馴染の啓斗がいた。
    「何?」
    「何って…昼じゃん」
    2年生になると何故か啓斗は昼を食べに私のところへ来るようになった。
    「今日もここで食べるの?」
    「もちろん」
    すでに私の前にはお弁当が広げられていた。
    「友達減るんだけど」
    「それだけで減らないだろ」
    「さぁ、女は怖いから」
    啓斗は私など気にせず黙々と弁当を食べている。
    「啓斗もしかして…友達いないの?」
    「は…?」
    「だって、クラス離れてから毎日来るじゃん。だからいないのかなーって…」
    顔色を伺いながら聞くと啓斗は大声で笑い始めた。
    「違う、違うよ。オレはただ結衣ちゃんが気になるだけ」
    私が気になる…?
    「どういう意味?」
    「ごちそうさま。じゃあオレ帰る」
    「え、あっちょっと!」
    何なんだろう。本当に。最近の啓斗は何だかおかしい。

    きゅん

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  3. 「美穂さぁ、本当に意味わかってんの?」
    私は今、担任の先生に怒られています。
    「俺は美穂が好きだって言ってんだよ?」
    幼馴染でも何を考えてんだかわからない。
    「なのに何?何で新学期早々補習とってるわけ?俺とそんなに居たいの?」
    告白されたあとのテストはいつにも増して最悪だった。そして今は補習中。教室には先生と私しかいない。
    「英語が1番苦手なんです」
    「苦手にも程があるだろう。2点なんてどうやってとったんだ?」
    先生は私の答案用紙をヒラヒラさせている。
    「私だってわかりませんっ」
    「はいはい、ちゃんと教えてやるから座れ」
    「…この間みたいなことしないでよ」
    「この間みたいなことって?」
    「不意打ちのキス」
    「あぁ、しないよ。良い返事貰うまで」
    「するならちゃんとしてください」
    「…は?」
    「シチュエーション」
    「ん?」
    「だから!私も雅斗が好きなの!」
    「やっぱり」
    先生はニヤリと笑った。

    きゅん

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  4. 「ちょっと後ろ向いて」
    「何?」
    という私の声を気にもせず雪斗は
    リュックの中を漁っている
    すると突然、後ろを向いた私の首に
    彼の手が伸びて来ると
    「バレンタインのお返し」
    と言う声が耳元で聞こえた
    首元には銀色に光るネックレスがあった
    「…ありがと」
    「ん。元気ない?」
    雪斗はそのまま後ろから抱きついてきた
    「いや、ビックリしちゃって。付き合う前まではお菓子だったから」
    この距離はいつだって慣れず声が上ずる
    「そりゃあ彼女だから」
    「前の彼女にもあげてたんだ」
    「あげてないよ」
    ふたりきりの教室に雪斗の優しい声が響きわたる
    「雪斗カッコイイから信じられない」
    「…ネックレス。あげた意味。わかる?」
    「え?」
    「簡単に言うと、束縛」
    雪斗は私を抱きしめている手をいっそう強くした
    「心配しなくても離れないよ」
    「心配するよ」
    「何で?」

    「そんなの。全てが可愛いからに決まってるじゃん」

    きゅん

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  5. 「志保ー!」
    読書を一旦とめて顔を上げると、前のドアに幼馴染の純樹が手を振っていた
    その後ろに同じく幼馴染の凛斗もいる
    重たい腰を上げてドアの方へ向かった
    「何?」
    「これ!ホワイトデーのお返し!」
    「わざわざ来なくても」
    「え、ダメ?…ん?」
    「何?」
    「志保の机に沢山ある」
    「あー、色んな人から貰った」
    「志保あんなに誰かにあげたの?」
    「いや、4人にしかあげてない」
    「男から貰ったの?」
    「うん」
    「へぇ。」
    一瞬純樹の顔から笑みが消えた気がしたが
    「いや、今日も一緒に帰ろうねぇ?」
    といつもの様に笑って戻って行った
    「あ」
    純樹が渡し忘れたのか、私の手には何も無かった

    純樹は志保の教室から去った後、お返しに渡すはずだったものをゴミ箱の中に捨てた
    「純、捨ててよかったのか?」
    「あぁ。他のものにする」
    「ま、暴走すんなよ」
    「わかってる」
    と言いながらもその時の純樹の眼は黒かった

    きゅん

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  6. 「鳴海…?」
    保健室に戻ると卒業したはずの鳴海はベッドに座っていた
    「バレンタインのお返し貰いに来ました」
    とニコニコして言う
    「あ、あぁ、そうか、うん、ちょっと待て」
    「何でそんなに驚いているんですか」
    「いや、夢かなと」
    「そんなに嬉しいんですか」
    「来ると思ってなかったんだよ」
    と言いながら俺はアメが入った箱を渡した
    「それでも用意してたんですね」
    「鳴海からしか貰ってねぇしな」
    鳴海は早速箱を開け始めた
    「先生…これ意味わかってます?アメの意味は「貴方と付き合いたい。だろ。俺も調べたよ」
    「私生徒ですよ」
    「もう元生徒だろ。まだ未成年なのは変わらないけどな」
    「マカロンあげましたよね。そういうことです」
    と言う鳴海の頬はほんのり赤くなっていた
    「どういうことだよ」とからかってみると
    「先生のこと好きじゃなかったらここに来てませんっ」
    俺は、胸の中の重苦しさが減ったような気がした

    きゅん

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  7. バレンタインの日
    俺は勇気をだして花乃先輩に告白したが数日経っても返事はない
    屋上で一緒にお昼を食べる(俺が無理やり一緒に食べる)という関係のままだ
    「いつまでも待つから」とは言ったものの、この関係はむず痒い
    が、急かすのも「待つ」と言った手前したくない

    「先輩の弁当今日も美味しそう」
    「あげないよ」
    さすがわかっている。俺は欲しかった
    「そう言えばチョコどうでした?」
    「美味しかったよ。手作り?」
    「俺の夢一応パティシエ」
    「凄いね、夢あるの、しかも美味しいし、ビックリ」
    「でもご飯系は得意じゃない」
    「明日から作ってあげるよ」
    「花乃先輩それって…」

    「私、立川の…琉真の彼女になる」

    勢いで抱きしめそうになったが自重した

    「花乃…抱きしめていい…?」

    「その言い方は反則」と言って顔を赤らめながら俺の膝の上に座った
    そして「スイーツは琉真が作ってよね」ととびきりの笑顔で言った

    きゅん

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  8. 「チョコどうだった?」

    バレンタインから数日後
    晴れて湊音は1つ下の幼馴染である舞美と付き合うこととなり、毎日登下校を共にしている

    「うん、美味しかった」

    舞美が満足そうに笑った
    少しからかいたくなって
    「でも、甘くはなかった」と言うと
    「えっ、砂糖と塩間違えたのかなぁ」
    と困った顔で舞美は呟いた
    湊音は「そうじゃない」と言って
    くちびるに軽くキスをした

    「こっちの方が甘いから」

    舞美はわかりやすく照れる

    「湊音この間のキス、ファーストキスじゃないでしょ」

    「ちょ、怒んなよ、マジでファーストだったから」

    「でも、手慣れてるよね」

    「舞美が可愛いからついしたくなるんだよ…てか、何、ヤキモチ?」

    「悪い?」

    うん、舞美のツンデレも悪くない

    「…悪くない」

    恥ずかしそうに
    「キス1回じゃ足りない」と言った舞美は
    本当に可愛くて湊音はよりいっそう
    舞美にハマるのだった

    きゅん

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  9. 「課題終わったか、髙島」
    「あと少しです」
    と言うと先生は髙島の前の席に座った
    「何でやってこなかった?」
    「…今日はバレンタインですね」
    ペンを走らせながら言う
    「あぁ。そうだな?」
    「何個貰いました?」
    「ゼロ」
    「断ったんですか?」
    「そりゃそうだろ。彼女いるし」
    思わず髙島は顔がほころぶ
    「それ俺の?」
    机の横にさげておいた袋
    「そうです、これ作ってたんです」
    髙島は控えめに言う
    「朝からいつ作れるのかなーて思ってた」
    「課題やってる人の目の前で食べるんですか」
    「ん。美味しい」
    「ちょっと、話聞いてまっ…んッッ」
    「こうした方が甘い」
    「ここ学校…」
    「つぐみが可愛いのが悪い」
    「もう、そういう時の名前呼びは反則です」
    「ん?これ…」
    「今日誕生日でしょ」
    「覚えてたんだ、ありがとな。つぐみ」
    先生はもう一度キスをしようとしたが
    つぐみはそれを制して
    「ここ学校ですよ」
    と笑った

    きゅん

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  10. 校門を出ると1つ上の幼馴染がいた
    カッコイイことを少しは自覚して欲しい
    通り過ぎる女子が皆コチラをチラチラ見ている
    「湊音?」
    「おう。さっきの誰?玄関の」
    「担任の先生だよ?」
    「そうか」
    と短く答えると湊音は歩き始めた
    舞美はそれに続く
    「なぁ、あいつにはチョコあげたのか」
    「…うん?」
    「ふぅん。俺にはチョコねぇの?」
    「家にあるよ」
    「そうか」
    「ねぇ、今日どうしたの?」
    「高校生になってから前より可愛くなってもうほっとけねぇの」
    「ありがとう?」
    「はぁぁぁぁ。お前って本当に鈍感だよなぁ。
    …俺はずっと前から舞美が好きなんだよ」
    「…マジ?」
    「告白してるのに色気ねぇ返事だな」
    「だって「信じられない?」

    舞美が頷くと湊音は舞美を抱き寄せて優しいキスをした

    「これ俺のファーストキス」

    そう言って足早に歩き出した湊音の耳は
    普段からは想像つかないくらい真っ赤になっていた

    きゅん

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  11. 目の前にいる薫は仕事を終えたようだった
    「美桜さんお疲れ様です」
    「お疲れー、あ、ちょっと待って、コレ」
    「何ですか?」
    「ハッピーバレンタイン」
    「すいません、僕チョコ苦手です…」
    「うん、だから薫くんだけクッキー」
    薫の顔がパァっと明るくなる
    「すごい嬉しそうな顔」
    「僕クッキーは好きなので」
    「大したもんじゃないけどね」
    「いえ、ありがとうございます」
    そう言うと薫はラッピングを解き始めた
    「ちょ、ここで食べるの?」
    「お腹すいてるので」
    天然にも程がある
    まぁでも目の前で反応が見られるのは嬉しいかな
    「どう?」
    「美味しいです!」
    「良かったぁ」
    「美桜さんてモテますよね」
    「え?彼氏はいるけど」
    「彼氏さん大変ですね」
    「ん?」
    「だって俺、美桜さんに惚れてますもん」
    「冗談でしょ」
    「本気ですよ。これからは覚悟してくださいね?」
    薫は得意げに笑って生徒会室から出ていった

    きゅん

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  12. はぁ、やっぱり無理かぁ
    朝も昼も帰りも3年の廊下に来たけど
    好きな人は女の子に囲まれていた
    毎年だけど今年は渡したかったなぁ
    そう思いながらクルリと身体を階段の方に向けて玄関に向かう

    「立夏」

    声が聞こえた先にいたのは仲本先輩だった

    「あ、やべ、ちょっと」

    そう言って腕を掴んで走り出す

    「はぁ、まいたか」
    「えっとー…先輩痛いです」
    「あぁ、わりぃ。座ろう」

    着いたのは人気ない旧校舎

    「立夏は俺にチョコないの?」
    「ありますけど」
    「やったー!」
    「先輩たくさん貰ってるでしょう?」
    「貰ってないよ。全部断わった」
    「何でですか?」
    「立夏が好きだから」
    「先輩とは図書室で会ってただけなのに…」
    「俺本読まないよ」
    「え…」
    「俺、立夏に会いたくて。立夏といると安心するの」

    そう言った先輩の顔は夕日のせいか赤くて、
    今までで1番素敵な顔で笑っていた

    きゅん

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  13. 「光希!」

    莉子は光希に声をかけた
    バレンタインのチョコを渡すためだ
    光希が振り向くと目の前には女の子がいる
    莉子はやっぱ何でもない!と言って外に出た
    去年もその前もその前の前もそうだった
    光希の隣にはきまって彼女がいる
    莉子が入る隙はない
    いや、莉子は動かないのだ
    今の関係を失いたくないから

    「莉子!」

    校門をくぐる時呼び止められた
    間違いなく光希だ

    「待てよ」

    莉子はいつの間にか涙を流していて光希は肩で息をしていた

    「何泣いてんだ」
    「何しに来たの。彼女は?」
    「何そんな怒ってんだ。彼女じゃない。クラスの奴だ。俺は莉子に貰いたいんだ」
    「え?」
    「だから俺は!莉子が1番好きだって気づいたんだよ」
    「去年もその前もその前の前も本当は作ってたよ。ずっと光希が好きだったから」

    チョコを渡した莉子の涙は嬉し涙に変わっていた
    光希はありがとうと笑って莉子のおでこに優しくキスをした

    きゅん

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  14. 「今日もぼっちか?」

    屋上に来ると聞こえてくるぶっきらぼうな声

    「ひとりが好きなの」
    「俺も一緒に食べます」
    「ねぇ、私の話聞いてた?」
    「二人の方が美味しい」

    花乃は数ヶ月前出会ってから
    いつもサボっているコイツに懐かれていた
    人気者なのに私と弁当だなんて不似合いだ
    お弁当を広げると急に手が伸びてきた

    「ちょっ「うまい。これ自分で作ったのか」
    「そうだけど」
    「毎日食えたら幸せだ」
    「作ろうか?」
    「いいのか」
    「あー、やっぱやめた」
    「何で?」
    「恋人じゃああるまいし」
    「恋人になればいいんですね」
    「天然女たらし…」
    「何か言いました?」
    そう言って四角いものを差し出した
    「何これ?」
    「チョコ。バレンタインだろ」
    逆チョコ…
    思わず笑みがこぼれた
    「花乃先輩、俺と付き合ってくれませんか」
    「何で?」
    「好きだから…あと弁当食べたい」
    「正直だなぁ」
    そう言って花乃は笑った

    きゅん

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  15. え、この音…
    どこからか流れてくるピアノの音に耳を傾ける
    この音は中学生の時何度も聞いた音に違いない、遥はそう思った
    そして、直感的に旧校舎の音楽室へダッシュで向かった

    「瑞希?」

    音はやみ、振り返った彼はやはり2年前アメリカへ留学した幼馴染の瑞希だった

    「遥。久しぶり」
    「いつ帰ってきたの?!連絡くれてもよかったのに」
    「ごめん、驚かせたくて。でもやっぱり気づいて飛んできてくれた」

    2年ぶりの彼は背も伸びていて声も低くなっていた

    「あのね、帰ってきたら言おうと思ってたことがあるの」
    「待って、俺も言いたいことある」
    「え?何?」
    「俺ね、アメリカ行く前も行ってからも今までずっと遥が好きなんだ。だから俺と付き合ってくれない?」

    そう言ってイスから立ち上がり遥の方へ来てはるかを抱き寄せた
    そして耳元で囁いた

    「それで、遥が言いたかったことって?」
    「私も瑞希が好きってことだよ」

    きゅん

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  16. 桜雪は学校帰り駅の外でスマホを触りながらバスを待っていた
    昼間は暑かったけれど、もう秋だ
    夕方になると寒くなる
    羽織るものを忘れた桜雪は駅の中に行くのが面倒で仕方なく外でふるえていた

    ─バサッ

    ふいに視界が暗くなった
    何かをかけられたようだ
    取ってみるとそこにはクラスメイトの佐々岡がいた

    「あー、そんなとこいたら風邪ひくぞ」

    暗くて表情が読めない

    「俺ので悪いけどそれ着とけ」
    「悪いよ」
    「俺のじゃ嫌か」
    「そ、そういうわけじゃない…!でも、佐々岡風邪ひいちゃうよ?」
    「俺は、馬鹿だから大丈夫だ、お前が来れなかったら俺が困るんだよ、じゃあな」

    佐々岡は笑ってそう言ってから駅へと向かった
    桜雪はそれにあわせてありがとうと叫ぶと佐々岡は手をひらひらさせた

    佐々岡のジャンパーはあたたかかった

    きゅん

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  17. 俺の目の前で好きな人が生徒会の仕事してる

    「なぁ瑞穂って好きな人いるのか?」
    「えっ?い、いないよ」

    いないとはいったものの、瑞穂の顔は火照っている

    「そっか」
    「何で?」
    「純粋な…好奇心?」

    何だそれ、と瑞穂は声を上げて笑っている

    「先生は?」
    「俺はいるよ」
    「ふーん」

    それから少しの間沈黙が流れた

    「よし、終わったぁー!」
    「お疲れさま」
    「ありがとう。もう帰る?」
    「おう、車乗ってく?」
    「もちろん!」
    「だよな、生徒玄関で待ってろ」
    「ありがとう」

    「お兄ちゃん‼」

    そう、俺はお兄ちゃんだから、これは決して叶えられない恋なんだ

    きゅん

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  18. 瑞穂は書類整理をしながら溜息をついた

    「好き…なんて言えないよなぁ」

    ──ガタッ

    「先生‼」

    今の聞いてなかったよな…と少し不安になる

    「よっ!瑞穂、生徒会の仕事か?」
    「うん、学祭近いからね」
    「あー、それよりお前誰かに恋してるのか?」
    「え?」
    「好きなんて言えないよなぁーって言ってたじゃん」
    「聞いてたのー⁉」
    「おう、誰だ、幼馴染の真嶋か?」
    「教えなぁーい」

    言えるわけないよ

    『髙橋先生、お電話です。至急職員室まで来てください』

    「お、電話か、俺行くわ。仕事頑張れよ」

    だって…

    「…先生‼」
    「ん?何だ?」
    「いや…先生も…お兄ちゃんも仕事頑張ってね」
    「おう‼あ、みんなの前では先生って呼べよ?」

    だって相手は先生でありお兄ちゃんなんだから


    瑞穂は誰もいない生徒会室でひとり寂しく涙を流した

    きゅん

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  19. 私は後輩の律に呼び出されて放課後屋上へ来たのだがいつの間にか陰で眠っていたらしい
    目が覚めると陽は落ち始めていてなにやら声が聞こえた
    「美…ん俺…て…さい」
    うまく聞こえないけど、律?
    「美彩さん、俺と付き合ってくれませんか」
    え、私のこと…
    「違うな…美彩さん、好きです、付き合ってください」
    「美彩、俺と付き合え」
    「美彩、俺と付き合ってくれる?」
    「美彩さん、俺と付き合ってください。ずっと好きなんだ」
    「はぁ〜〜どうしよう、てか美彩さん、いつ来るかなぁ」
    「ぷはははははっ」
    つい笑ってしまった
    「み、美彩さん⁉いつからいたんですか‼」
    「ずっといて、寝ててさっき起きたの」
    「わ、笑いすぎですよ」
    「ごめん、あははっ」
    笑いが止まらずにいると急に腕を引っ張られ気づくと彼の腕の中にいた
    「美彩。好きだ。俺と付き合って」
    耳元で囁かれて
    「私も好きだよ」
    と言ったのは言うまでもない

    きゅん

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  20. 『双子のえりまりだ〜♡』
    『えりは可愛いまりはかっこいい♡』
    廊下を歩くとそんな声がいつも聞こえてくる
    私は可愛くなりたかった
    えりが羨ましい
    ─放課後校舎裏に来てください
    朝靴箱を見るとそう書かれた手紙が入っていた
    また間違えたのではないかと思った
    告白される相手は決まってえりだから

    「俺1年H組の香山総って言います」
    後輩だ…しかもHって問題児クラスだよ…
    「俺始めてみた時に一目惚れして付き合ってくれませんか?」
    「双子のえりと勘違い…してない?」
    「してません。俺は陸上部のまりさんが好きなんです」
    「本当に私⁉⁉」
    「そうっすよ。って何で泣いてるんすか⁉」
    「ごめん、嬉しくて。初めてだから。でも、ごめんね、私あなたのこと知らないからこれからたくさん教えてくれる?」
    「もちろんっす!必ず落としてみせますよ‼」
    と無邪気にはにかんだ彼に問題児という言葉は似合わないと思った

    きゅん

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  21. 「何で私を好きになったの?」
    最近私達は屋上で弁当を食べている
    「4月陸部の見学で頑張ってる姿みてかっこいいなって思ったんす。一目惚れです」
    「ふーん」
    「あと反応も顔も可愛い」
    「えっ⁉」
    告白されてから2ヶ月
    総のことが少しずつわかってきた
    そろそろ返事をしなきゃならない
    「まりさん、俺まりさんと付き合える確率ってゼロですかね、もう俺迷惑だったら言ってくだ「そんなことないよ!私総のこと好きだ…もん…」
    「やっと言ってくれましたね」
    「え?」
    「もうそろそろ好きになってくれてるかなって」
    「女慣れしてるんだ」
    「ヤキモチしてるまりさんも可愛いです。俺の恋人になってください」
    「私で良ければお願いします」
    そう言うと彼は私の方へ来てキスをした
    「ファーストキス…」
    「あっ、ごめんなさい…」
    「…んーん、もう一回して?」
    「可愛すぎますよ」
    彼は真っ赤になりながら何度もキスをしてくれた

    きゅん

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